5 / 33
第一部 王家の婚約破棄
第4話 殿下と最有力候補
しおりを挟む
アーガイムが送った手紙を読んだニーシャがメアリを通じて違法霊薬を渡した相手、それこそ、メアリの最愛の男性で初めてを捧げた騎士見習い、テッドだった。
テッドは質実剛健な性格で、気性も温和で人当たりが良い。
あの主人にしてこの付き人は相応しくないほど、まともな人物だと評判だった。
そんな彼が高級ホテルギャザリックのロビーにあるカフェで人待ちをしているのだから、ホテル関係者の目に留まらないわけがない。
「カフェロンデナールはどちらに?」
「あの角を曲がった先にありますよ、お嬢様」
ドアマンが入口を開き、丁寧に説明してくれる。
メアリが指示された方角に歩き出すと、彼は「あの子がテッド様の……」と他のドアマンたちとひそひそと話を始めた。
「最近、殿下はこもりっきりで暴れているというじゃないか。時折、物音や怒声が飛んでいるとか」
「そうそう。令嬢も何人か来られているし――ほら、オンデス公爵家の」
「ああ、ミネラ様」
「あの方は数いる婚約者のなかでも、最有力候補だというよ。可哀想にな、あの子の主人は競り負けるだろう」
「そうなると、テッド様の恋愛も上手くいかなくなるのか……」
「あの二人はお似合いだ。末永く幸せになって欲しいものだが」
「まったくだ」
噂話はメアリが過度の向こうに消えるまで続いた。
人々の口に上がるのは、テッドとメアリの未来を心配する内容だ。
誰もが、二人には幸せになって欲しいと思っている。
しかし、アーガイムとニーシャがうまくいくように、という声はついぞ上がらなかった。
「メアリ! 手をかけてすまない」
「御心配なく。これも家命だから」
「そりゃそうなんだが」
店に入ると、ウェイターが席へと案内してくれる。
イスを引いてもらい、テーブルに着くとテッドが済まなさそうに言った。
「あなたに逢いたくてって言って欲しかった? もうそんな関係じゃないでしょ、わたしたち」
「じゃあ、どんな関係なんだ」
「主人同士の仲がうまくいくように足元を整備する係、かな?」
メアリが手提げから出した小箱をテーブルに置いてみせた。
中には違法霊薬の小瓶が20本ほど入っている。
持ち上げてみてそこそこの重量だったため、テッドはうら若い女性に木箱を運ばせたことを後悔する。
「あと数歩、関係を進展させてもいいんじゃないのか」
「それはテッド次第じゃないかしら。わたしは侯爵家の、ニーシャ様の物だもの。欲しいなら、努力して」
「――はあ、ああ。分かってるよ。来月、騎士の叙勲式がある」
「え……?」
彼にしっかりして欲しいメアリは、わざと冷たい素振りを取っていた。
片方は侯爵家に仕える侍女、片方は王家に仕える騎士見習い。
身分の差は釣り合うようで、釣り合わない。
メアリはニーシャの幼いころから付き合いがある。祖母から侯爵家で雇われている。
結婚するには最低でも騎士程度の身分が必要だ。
少なくとも、テッドが騎士に叙勲されれば叶うだろう。
でも彼は商家の出身で出世なんて目指せるはずもない――そう思っていた。
「殿下が新たに伯爵位を叙勲される。結婚に向けた準備が着々と進んでいるんだ。その一環だよ」
「つまり、あなたも晴れて騎士になれる、と。本当に?」
「殿下だけじゃない、第二騎士団団長からもお声をいただいた。叙勲されれば王都を守る王国騎士の一員になる」
「待って、近衛騎士じゃなくて?」
「近衛は……世襲制だ。王族に近い貴族の子弟しかなれない。もっとも、近衛衛士なら農民や市民でもなれるけどな」
それは単なる兵隊じゃない、とメアリはぼやいた。
彼は近衛騎士じゃなく、王国騎士になるんだ。と、どこか落胆する。
王国騎士は市民でもなれる。
騎士としての身分は同じ騎士でも、近衛騎士とは雲泥の差だ。
あくまで貴族の末端の近衛騎士と、警察官のような国家公務員の王国騎士。
じゃあ、殿下の側近としてはどうなの、と聞きたくなる。
「あなた、まさか殿下から離れるつもりなの?」
「俺がそうしたくなくても、そうなる。元々、身分が違ったんだ。これから先へは進めない。俺は貴族じゃない」
「私たちの仲も上手くいかないのね」
「君だって――いつまで続ける気だ。人には言えない薄ら暗い生き方をずっとする気か?」
「ご主人様のためだから! 最後までお仕えしろと母にも、祖母にも言われているの。離れるつもりはないわ」
「俺が王国騎士になるのでは不満なのか、メアリ!」
どことなくしびれを切らせて、苛立った顔つきで彼は言う。
メアリは悪びれた素振りも見せず、「そうね」と切り捨てた。
「‥‥‥分かった。二年間、君を想ってきた。この場から連れ出してやれなくて済まない。できるなら君は離れた方がいい」
「どういう意味?」
「――殿下はニーシャ様に期待しておられない。血筋でいえば最も王家に近いオンデス公爵家のミネラ様を検討しておられる。殿下の後ろ盾が無くなれば霊薬密売も明るみに出るかもしれない。君は早く逃げるべきだ」
「主人を裏切れ、と? これまで散々、利用した癖に!」
「だから! ――だから、俺は騎士見習いで長く続くよりも、王国騎士を選んだんだ。殿下や忠誠よりも、君を……助けたい」
意外だった。
この人は主人を裏切るために王国騎士を選んだわけではなかったのだ。
すべては自分への愛を全うするために、己を犠牲にしても、別の未来を選んだのだと。
農家の息子なら、殿下に紐づいた出世は男として追いかけたいものだろう。
貴族になり財を築き、それまで見下してきた者たちを見返したいはず。
なのに自分のためにそれを捨ててまで――。
「馬鹿な人」
「な、なに?」
「女なんていくらでもいるのに、馬鹿な人。哀れな人。こんなどうしようもない私にかまけてないで、先に進むべきよ」
「俺は君がいいんだ、メアリ」
「いっときの迷いかもね。楽しかったわ、テッド。これまでありがとうございました。ニーシャ様を殿下が選ばないなら、侯爵家も終わるかもね。でも、ニーシャ様はただ利用されて終わる方ではないわ。あなたは安全なところに行くべきなのよ」
「なら君も――君を放っていけない」
「忘れて。夢だったの。もう幻想はまっぴら。霊薬を飲んで過ごしたほうがまだ、まし。さようなら」
これから先、霊薬を希望するときは他の誰かに運ばせるから、とメアリは言い残してテーブルを後にする。
テッドは何もかもが遅すぎたということを、今更ながらに思い知らされていた。
ホテルギャザリックを出たメアリは辻馬車で戻ろうか、歩いて帰ろうか思案する。
悲しさと喪失感で胸が裂けそうだった。
できることなら、主人が待つ部屋に戻るまでに感情の昂ぶりをおさめたい。
とりあえず、少し歩いて人々で賑わう大通りへとやってきた。
同じ間隔で街路樹が植えられていて、こんもりとした屋根がアーチ状に広がっている。
昼の日差しを避けられる場所にベンチがあり、腰掛けていろいろと思案する。
これまでのこと、これからのこと。
あの夜、彼に愛されたこと――まで思い出したら虚しさが増してしまった。
「遠回りして戻りますか」
「おやおや、ニーシャのところのメイドじゃないか」
「――ッ!? バッカニア……?」
「おや、中身が誰が理解できたか?」
「そんなどす黒いオーラ、あなたくらいしかいませんからね」
「さすがだな、主人も侍女も良い魔法使いに育ってやがる。うちに入らないか? 優遇するぞ」
「愚かなことを! 我々は組織などに関わりません!」
「もう関わっているだろう。ずぶずぶと腰まで浸かっている癖に」
黒猫はベンチの端に腰掛けて、本物の猫のように舐めた手で顔を撫でていた。
苛立ちまじりに持っていたバッグを叩きつけるが、ひらりっとかわされてしまう。
すたすたと何気ない自然な歩みでバッカニアはメアリの懐に入り込んだ。
ニャー、と甘えた声と仕草なのに、首筋に押し当てられた肉球からはしっかりと爪が突出して、メアリの白い肌にちくちくと当たる。
「このまま殺してもいい。舐めるなよ」
「‥‥‥どうしろ、と」
「まずはお前の主人に挨拶だ」
ふっと痛みが消える。
視界の中にいた黒猫はどこかに消えてしまった。
「主人……? ニーシャ様!」
ニーシャの部屋で待っているぞ、とバッカニアの声がしたような気がした。
メアリは慌ててバッグを取り上げると、スカートの裾が乱れるのも気にせず、全速力で主人の元へと走り出していた。
テッドは質実剛健な性格で、気性も温和で人当たりが良い。
あの主人にしてこの付き人は相応しくないほど、まともな人物だと評判だった。
そんな彼が高級ホテルギャザリックのロビーにあるカフェで人待ちをしているのだから、ホテル関係者の目に留まらないわけがない。
「カフェロンデナールはどちらに?」
「あの角を曲がった先にありますよ、お嬢様」
ドアマンが入口を開き、丁寧に説明してくれる。
メアリが指示された方角に歩き出すと、彼は「あの子がテッド様の……」と他のドアマンたちとひそひそと話を始めた。
「最近、殿下はこもりっきりで暴れているというじゃないか。時折、物音や怒声が飛んでいるとか」
「そうそう。令嬢も何人か来られているし――ほら、オンデス公爵家の」
「ああ、ミネラ様」
「あの方は数いる婚約者のなかでも、最有力候補だというよ。可哀想にな、あの子の主人は競り負けるだろう」
「そうなると、テッド様の恋愛も上手くいかなくなるのか……」
「あの二人はお似合いだ。末永く幸せになって欲しいものだが」
「まったくだ」
噂話はメアリが過度の向こうに消えるまで続いた。
人々の口に上がるのは、テッドとメアリの未来を心配する内容だ。
誰もが、二人には幸せになって欲しいと思っている。
しかし、アーガイムとニーシャがうまくいくように、という声はついぞ上がらなかった。
「メアリ! 手をかけてすまない」
「御心配なく。これも家命だから」
「そりゃそうなんだが」
店に入ると、ウェイターが席へと案内してくれる。
イスを引いてもらい、テーブルに着くとテッドが済まなさそうに言った。
「あなたに逢いたくてって言って欲しかった? もうそんな関係じゃないでしょ、わたしたち」
「じゃあ、どんな関係なんだ」
「主人同士の仲がうまくいくように足元を整備する係、かな?」
メアリが手提げから出した小箱をテーブルに置いてみせた。
中には違法霊薬の小瓶が20本ほど入っている。
持ち上げてみてそこそこの重量だったため、テッドはうら若い女性に木箱を運ばせたことを後悔する。
「あと数歩、関係を進展させてもいいんじゃないのか」
「それはテッド次第じゃないかしら。わたしは侯爵家の、ニーシャ様の物だもの。欲しいなら、努力して」
「――はあ、ああ。分かってるよ。来月、騎士の叙勲式がある」
「え……?」
彼にしっかりして欲しいメアリは、わざと冷たい素振りを取っていた。
片方は侯爵家に仕える侍女、片方は王家に仕える騎士見習い。
身分の差は釣り合うようで、釣り合わない。
メアリはニーシャの幼いころから付き合いがある。祖母から侯爵家で雇われている。
結婚するには最低でも騎士程度の身分が必要だ。
少なくとも、テッドが騎士に叙勲されれば叶うだろう。
でも彼は商家の出身で出世なんて目指せるはずもない――そう思っていた。
「殿下が新たに伯爵位を叙勲される。結婚に向けた準備が着々と進んでいるんだ。その一環だよ」
「つまり、あなたも晴れて騎士になれる、と。本当に?」
「殿下だけじゃない、第二騎士団団長からもお声をいただいた。叙勲されれば王都を守る王国騎士の一員になる」
「待って、近衛騎士じゃなくて?」
「近衛は……世襲制だ。王族に近い貴族の子弟しかなれない。もっとも、近衛衛士なら農民や市民でもなれるけどな」
それは単なる兵隊じゃない、とメアリはぼやいた。
彼は近衛騎士じゃなく、王国騎士になるんだ。と、どこか落胆する。
王国騎士は市民でもなれる。
騎士としての身分は同じ騎士でも、近衛騎士とは雲泥の差だ。
あくまで貴族の末端の近衛騎士と、警察官のような国家公務員の王国騎士。
じゃあ、殿下の側近としてはどうなの、と聞きたくなる。
「あなた、まさか殿下から離れるつもりなの?」
「俺がそうしたくなくても、そうなる。元々、身分が違ったんだ。これから先へは進めない。俺は貴族じゃない」
「私たちの仲も上手くいかないのね」
「君だって――いつまで続ける気だ。人には言えない薄ら暗い生き方をずっとする気か?」
「ご主人様のためだから! 最後までお仕えしろと母にも、祖母にも言われているの。離れるつもりはないわ」
「俺が王国騎士になるのでは不満なのか、メアリ!」
どことなくしびれを切らせて、苛立った顔つきで彼は言う。
メアリは悪びれた素振りも見せず、「そうね」と切り捨てた。
「‥‥‥分かった。二年間、君を想ってきた。この場から連れ出してやれなくて済まない。できるなら君は離れた方がいい」
「どういう意味?」
「――殿下はニーシャ様に期待しておられない。血筋でいえば最も王家に近いオンデス公爵家のミネラ様を検討しておられる。殿下の後ろ盾が無くなれば霊薬密売も明るみに出るかもしれない。君は早く逃げるべきだ」
「主人を裏切れ、と? これまで散々、利用した癖に!」
「だから! ――だから、俺は騎士見習いで長く続くよりも、王国騎士を選んだんだ。殿下や忠誠よりも、君を……助けたい」
意外だった。
この人は主人を裏切るために王国騎士を選んだわけではなかったのだ。
すべては自分への愛を全うするために、己を犠牲にしても、別の未来を選んだのだと。
農家の息子なら、殿下に紐づいた出世は男として追いかけたいものだろう。
貴族になり財を築き、それまで見下してきた者たちを見返したいはず。
なのに自分のためにそれを捨ててまで――。
「馬鹿な人」
「な、なに?」
「女なんていくらでもいるのに、馬鹿な人。哀れな人。こんなどうしようもない私にかまけてないで、先に進むべきよ」
「俺は君がいいんだ、メアリ」
「いっときの迷いかもね。楽しかったわ、テッド。これまでありがとうございました。ニーシャ様を殿下が選ばないなら、侯爵家も終わるかもね。でも、ニーシャ様はただ利用されて終わる方ではないわ。あなたは安全なところに行くべきなのよ」
「なら君も――君を放っていけない」
「忘れて。夢だったの。もう幻想はまっぴら。霊薬を飲んで過ごしたほうがまだ、まし。さようなら」
これから先、霊薬を希望するときは他の誰かに運ばせるから、とメアリは言い残してテーブルを後にする。
テッドは何もかもが遅すぎたということを、今更ながらに思い知らされていた。
ホテルギャザリックを出たメアリは辻馬車で戻ろうか、歩いて帰ろうか思案する。
悲しさと喪失感で胸が裂けそうだった。
できることなら、主人が待つ部屋に戻るまでに感情の昂ぶりをおさめたい。
とりあえず、少し歩いて人々で賑わう大通りへとやってきた。
同じ間隔で街路樹が植えられていて、こんもりとした屋根がアーチ状に広がっている。
昼の日差しを避けられる場所にベンチがあり、腰掛けていろいろと思案する。
これまでのこと、これからのこと。
あの夜、彼に愛されたこと――まで思い出したら虚しさが増してしまった。
「遠回りして戻りますか」
「おやおや、ニーシャのところのメイドじゃないか」
「――ッ!? バッカニア……?」
「おや、中身が誰が理解できたか?」
「そんなどす黒いオーラ、あなたくらいしかいませんからね」
「さすがだな、主人も侍女も良い魔法使いに育ってやがる。うちに入らないか? 優遇するぞ」
「愚かなことを! 我々は組織などに関わりません!」
「もう関わっているだろう。ずぶずぶと腰まで浸かっている癖に」
黒猫はベンチの端に腰掛けて、本物の猫のように舐めた手で顔を撫でていた。
苛立ちまじりに持っていたバッグを叩きつけるが、ひらりっとかわされてしまう。
すたすたと何気ない自然な歩みでバッカニアはメアリの懐に入り込んだ。
ニャー、と甘えた声と仕草なのに、首筋に押し当てられた肉球からはしっかりと爪が突出して、メアリの白い肌にちくちくと当たる。
「このまま殺してもいい。舐めるなよ」
「‥‥‥どうしろ、と」
「まずはお前の主人に挨拶だ」
ふっと痛みが消える。
視界の中にいた黒猫はどこかに消えてしまった。
「主人……? ニーシャ様!」
ニーシャの部屋で待っているぞ、とバッカニアの声がしたような気がした。
メアリは慌ててバッグを取り上げると、スカートの裾が乱れるのも気にせず、全速力で主人の元へと走り出していた。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
ハズレ嫁は最強の天才公爵様と再婚しました。
光子
恋愛
ーーー両親の愛情は、全て、可愛い妹の物だった。
昔から、私のモノは、妹が欲しがれば、全て妹のモノになった。お菓子も、玩具も、友人も、恋人も、何もかも。
逆らえば、頬を叩かれ、食事を取り上げられ、何日も部屋に閉じ込められる。
でも、私は不幸じゃなかった。
私には、幼馴染である、カインがいたから。同じ伯爵爵位を持つ、私の大好きな幼馴染、《カイン=マルクス》。彼だけは、いつも私の傍にいてくれた。
彼からのプロポーズを受けた時は、本当に嬉しかった。私を、あの家から救い出してくれたと思った。
私は貴方と結婚出来て、本当に幸せだったーーー
例え、私に子供が出来ず、義母からハズレ嫁と罵られようとも、義父から、マルクス伯爵家の事業全般を丸投げされようとも、私は、貴方さえいてくれれば、それで幸せだったのにーーー。
「《ルエル》お姉様、ごめんなさぁい。私、カイン様との子供を授かったんです」
「すまない、ルエル。君の事は愛しているんだ……でも、僕はマルクス伯爵家の跡取りとして、どうしても世継ぎが必要なんだ!だから、君と離婚し、僕の子供を宿してくれた《エレノア》と、再婚する!」
夫と妹から告げられたのは、地獄に叩き落とされるような、残酷な言葉だった。
カインも結局、私を裏切るのね。
エレノアは、結局、私から全てを奪うのね。
それなら、もういいわ。全部、要らない。
絶対に許さないわ。
私が味わった苦しみを、悲しみを、怒りを、全部返さないと気がすまないーー!
覚悟していてね?
私は、絶対に貴方達を許さないから。
「私、貴方と離婚出来て、幸せよ。
私、あんな男の子供を産まなくて、幸せよ。
ざまぁみろ」
不定期更新。
この世界は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
誤解の代償
トモ
恋愛
天涯孤独のエミリーは、真面目な性格と努力が実り、大手企業キングコーポレーションで働いている。キングファミリー次男で常務のディックの秘書として3年間働き、婚約者になった。結婚まで3か月となった日に、ディックの裏切りをみたエミリーは、婚約破棄。事情を知らない、ディックの兄、社長のコーネルに目をつけられたエミリーは、幸せになれるのか
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる