聖女オリビアの禁欲事情

 資源国家ロイデムは四方を四つの結界で守られている。
 それぞれを「聖旗」と呼ばれる神から与えられた旗を守る家や団体が守護している。

 勇者が魔王との戦いに破れ、東の聖旗を奪われたとき、王国は崩壊するだろう。
 南の聖旗を守る聖女オリビアは、婚約者である西のエラルド辺境伯ニコスの力を頼ることにした。

 だが、エラルド家の主催するパーティ会場で、ニコスは協力を断った。
 さらに「結界を自力で維持できない聖女など無能!」と、婚約破棄まで叩き付けれてしまう。

 オリビアは失意のどん底に叩きこまれ、頬を涙が伝った。 
 このままでは、西の聖旗を維持できない。結界が破られて民は酷い目に遭うだろう。

 そんな彼女の前に、海運王となった幼馴染、マーティンが現れる。
 オリビアの訴えを聞いたマーティンは、夜会のあとに、ホテルの部屋に来るように伝えた。
 
 奇跡のような出会いを女神に感謝し、希望に満ちて部屋を訊ねるオリビアに、マーティンは「半年間禁欲をする」という契約結婚を持ちかける……。
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