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29・謝罪2(セルシュ視点7)
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翌日、俺は同じ場所にいた。
俺はコートナー伯爵邸の一室で、あのおっかない令嬢と向かい合っていた。今日の訪問はクルーディスにもランディスにも内緒だ。俺はアイラヴェント嬢に大事な用があった。
「アイラヴェント嬢。昨日は本当に悪かった!」
俺はクルーディスには内緒で改めて謝罪に来ていた。
俺も昨日のあれは流石に酷かったと反省をした。女性に対しての発言ではなかった。
あの後すぐにちゃんと謝れば良かったけど気持ち的にそれが出来なかった。
「あの……セルシュ様。謝罪は昨日お伺いしておりますし、こちらこそ多分に非がありましたのですから。どうぞお気になさらずに……頭をお上げ下さい」
俺が頭を下げるとアイラヴェント嬢は慌ててそれを制した。
「いいや、俺があんただったら絶対怒り狂ってる。それ位酷かったと思ってるから」
「うーん……でもセルシュ様はクルーディス……様の事を心配なさっての行動だったのでしょう?」
そうだ、確かに最初はそうだった。なのに何処かで何かがおかしくなってしまった。
「わたしがそれに納得をしていますので謝る事は何もありません」
「う……でもなぁ」
「いいんです」
にっこりと微笑まれ、俺はもう謝る事が出来なくなる。
「何かそれじゃ俺の気が収まらねぇんだよなぁ」
俺は困ってしまいがしがしと頭をかいた。それじゃどうしたら俺が納得出来る収め方があるだろう。
これが俺のエゴだとはわかってはいるけども、このままじゃ何とも気持ちが収まらなかった。
令嬢は少し考えて何かを思い付いた様で、急に明るい顔になった。
「あ!それじゃわたしのお願いを聞いていただけますでしょうか。それで帳消しという事でどうでしょう?」
「え?」
俺はこの令嬢が何を言い出すのか、爵位や立場、色々な事を想定して身構えた。
「あの……わたしにもお兄様と同じ様に剣を指導して下さいませんでしょうか」
おずおずと恥ずかしそうに、それでいて期待もしている様な顔でアイラヴェント嬢はこちらを見つめていた。
「は?……剣?」
「はいっ!是非!」
思ってもみかなった言葉に俺は呆気に取られる。
なんだよ、兄妹揃って!こういう時に目を輝かせるのは止めてくれよ!
このお嬢さんのお願いが予想外過ぎて俺は二の句が告げなかった。
あのさ、お嬢さん。あんたもう少し野心を持つとかないのか?貴族の令嬢らしいお願い事はないのか?そこで何で『剣の指導』なんだよ!
想像していた『お願い』とは全く違っていた事に俺は戸惑った。どう返せばいいのか……。うーん、何というかそれは。
「……悪い。そりゃ無理だわ」
俺がそう言うと期待していた目が悲しそうなものに変わった。
「何故ですか?……わたしが女だからですか?」
「いや……まぁそれもあるけど。何よりそこの侍女さんがすげー怖い顔でこっちを睨んでるし」
そう言うとはっとしてアイラヴェント嬢は侍女を振り返った。
「あ、あの……レイラ?」
「お嬢様、私言いましたよね」
侍女は彼女を笑顔で、それでも威圧するかのように見つめて重く一言言った。
「ねぇお願い。わたしも剣術やりたいんだよ」
「いけません。お嬢様には必要ございません」
「必要とかそんなんじゃなくてやりたいんだもん」
「だもんじゃありません。ただでさえお嬢様は粗野ですのに」
「だって折角のチャンスなのに……!」
「認めません」
「うぅ……そこを何とか!」
「却下です」
侍女にばっさりと切られアイラヴェント嬢はがっくりと肩を落とした。
「レイラもクルーディスも何で皆ダメって言うのさ。……わたしだってやりたいのに」
そんな二人のやり取りを見ていた俺は、何となくではあるがクルーディスがこいつを気に入っている理由がわかった気がした。
この令嬢は面白い。普通の貴族のそれとは違う気がした。
「今は無理だけどあんたが侍女とクルーディスを説得できたら、その時は教えてもいいよ」
俺は二人のやり取りが面白くてついつい笑いながら答えてしまった。
「それじゃあ一生無理だよ……」
ぶつぶつと文句を言いながら頬を膨らませてアイラヴェント嬢は拗ねていた。
「お前何か面白いやつだな」
「えっ?あっ!……あのっ、これはっ!」
俺が思っていた事をぽろりと口にすると、このお嬢さんは思い切り動揺した。昨日のおっかない令嬢とは程遠く、あわあわと分かりやすく慌てている。
これか。
俺はシュラフの言った『少年ぽい令嬢』の意味が少しわかった気がした。少なくとも令嬢っぽさは全くなかった。
「お前それが素なんだろ?その方が俺は話しやすくていいけどな」
「う……はい……すいません」
お嬢さんは隠す事を諦めてしゅんと項垂れた。
「別に悪くないと思うけどな。昨日のあれの方がよっぽどおっかない近寄りたくないやつだったし。今のお嬢の方がらしくていいと思う」
「あっあれは、その……売り言葉に買い言葉でつい……。ほんっとごめんなさい!」
俺が昨日のやり取りの事を言うとアイラヴェント嬢はかばっと頭を下げて謝ってきた。悪いのは俺なんだけどね。
それにしてもその頭の下げか方とか、素になると本当に令嬢っぽさがなくなるな。昨日のあれは別人なんじゃないのか?
「だからそれは俺が悪かったんだって」
「いや、わたしも調子に乗っちゃった訳だし」
お互いに謝り出してはキリがない。
「んー、それじゃお互い様って事でチャラにしてもらう。それでいいか?」
「はい。わかりました。チャラでいいです」
おかしいな。確か俺は謝りに来たはずなんだけどな。
「でも来てよかったわ。あんたの事何かわかった気がするし」
「わたしもセルシュ様が優しい方だとわかったので良かったです」
「は?」
何故かこのお嬢は俺の事を優しいと言う。意味がわからない。あんなに貶めて酷い事を言ったのに。
「だってあれは全部クルーディスのためだったし、今だってこうやってわざわざ謝罪しに来てくれてるし。セルシュ様はいい人だよ」
素になったお嬢は俺の事を素直に褒めていた。
俺はこの裏のない言葉にちょっと居心地が悪くなるのを感じる。自分の腹黒さが余計に露になっていく気がした。
「ちょっ、それ止めて……」
「わたしの勝手な独り言だと思って受け流してくれたらいいですよ。うん」
にこにこと笑顔でそう言ったお嬢にはやっぱり裏はなさそうだ。
「お兄様も昨日は本当に嬉しかったみたいだし。初めてちゃんと稽古をつけてもらえたって大興奮で両親まで大喜びだったもん」
段々褒められるのも恥ずかしくなってきた。俺そーゆーの慣れてないから困る。
「いや、あのな……」
「独り言に話しかけられても困りますー」
わかったから。これもう俺の負けでいいからそろそろ本当に止めて下さい。
「じゃあ俺の用件は済んだし帰るわ」
実際のところ用件はうやむやになっただけなのだが、居心地の悪さに負けて俺は席を立った。
「セルシュ様、今日はわざわざありがとうございました」
だからもういいって!
あ、後これだけは言っておかないと。
「悪いんだけど今日の事はクルーディスには内緒にしておいてもらえるか」
何となくクルーディスには知られたくなかったので口止めをお願いしてみた。
「はい。わかりました」
「俺が勝手にお嬢の所に来たのがバレたら多分本当に口聞いてもらえなくなりそうだから」
「大丈夫だと思うけど……セルシュ様がそう言うなら内緒にしておきます」
「助かるわ」
俺は漸く安心して帰途につく。馬車の中で気持ちを整理したかった。
あの令嬢はただの『クルーディス』と仲良くなったんだな。俺の知らないところで出会って仲良くなって……これから二人はもっと仲良くなるんだろう。
あれはその辺の箱入りの令嬢とは何かが違う。クルーディスの妹と比べて見ると一目瞭然だ。芯のある強い令嬢だった。そして俺にはない素直さもある。きっとクルーディスはそういうところを見ているのだろう。
あいつは人を見る目に長けている。あいつは誰かに意見する時には必ず的確な事を言う。
時々面倒くさがりで抜けている事もあるけれど、それは無意識の自衛で、取捨選択がとても上手い。
その中でクルーディスはあのお嬢を気に入っている。
クルーディスは無意識に恋愛感情を持っているのだろう。あの令嬢を見る時の目は普段のそれよりも優しく温かいものだった。
俺はその考えに至り、少し胸が苦しくなる。何だかクルーディスに置いていかれる様な気がした。俺だけ取り残されてひとりぼっちになる様なそんな寂しさがあった。
でも俺はクルーディスにそんな感情を知られたくない。何だか憐れみの感情を向けられそうで怖い。俺は少なくともあいつとは対等でいたかった。
いつかクルーディスが自分の気持ちを自覚した時には素直に喜べる様な男でいたいと思う。あの令嬢の性格は嫌いじゃない。むしろ俺には付き合いやすいさっぱりとした性格だ。
あいつが相手なら、その時が来たら俺は一番に喜んで一番の味方になれるだろう。そうありたいと思う。
ただ、今はまだ少しだけ胸が苦しいと思う事を見逃してもらおう。一晩たてばきっといつも通りなのだから。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
皆様よいお年を。
俺はコートナー伯爵邸の一室で、あのおっかない令嬢と向かい合っていた。今日の訪問はクルーディスにもランディスにも内緒だ。俺はアイラヴェント嬢に大事な用があった。
「アイラヴェント嬢。昨日は本当に悪かった!」
俺はクルーディスには内緒で改めて謝罪に来ていた。
俺も昨日のあれは流石に酷かったと反省をした。女性に対しての発言ではなかった。
あの後すぐにちゃんと謝れば良かったけど気持ち的にそれが出来なかった。
「あの……セルシュ様。謝罪は昨日お伺いしておりますし、こちらこそ多分に非がありましたのですから。どうぞお気になさらずに……頭をお上げ下さい」
俺が頭を下げるとアイラヴェント嬢は慌ててそれを制した。
「いいや、俺があんただったら絶対怒り狂ってる。それ位酷かったと思ってるから」
「うーん……でもセルシュ様はクルーディス……様の事を心配なさっての行動だったのでしょう?」
そうだ、確かに最初はそうだった。なのに何処かで何かがおかしくなってしまった。
「わたしがそれに納得をしていますので謝る事は何もありません」
「う……でもなぁ」
「いいんです」
にっこりと微笑まれ、俺はもう謝る事が出来なくなる。
「何かそれじゃ俺の気が収まらねぇんだよなぁ」
俺は困ってしまいがしがしと頭をかいた。それじゃどうしたら俺が納得出来る収め方があるだろう。
これが俺のエゴだとはわかってはいるけども、このままじゃ何とも気持ちが収まらなかった。
令嬢は少し考えて何かを思い付いた様で、急に明るい顔になった。
「あ!それじゃわたしのお願いを聞いていただけますでしょうか。それで帳消しという事でどうでしょう?」
「え?」
俺はこの令嬢が何を言い出すのか、爵位や立場、色々な事を想定して身構えた。
「あの……わたしにもお兄様と同じ様に剣を指導して下さいませんでしょうか」
おずおずと恥ずかしそうに、それでいて期待もしている様な顔でアイラヴェント嬢はこちらを見つめていた。
「は?……剣?」
「はいっ!是非!」
思ってもみかなった言葉に俺は呆気に取られる。
なんだよ、兄妹揃って!こういう時に目を輝かせるのは止めてくれよ!
このお嬢さんのお願いが予想外過ぎて俺は二の句が告げなかった。
あのさ、お嬢さん。あんたもう少し野心を持つとかないのか?貴族の令嬢らしいお願い事はないのか?そこで何で『剣の指導』なんだよ!
想像していた『お願い』とは全く違っていた事に俺は戸惑った。どう返せばいいのか……。うーん、何というかそれは。
「……悪い。そりゃ無理だわ」
俺がそう言うと期待していた目が悲しそうなものに変わった。
「何故ですか?……わたしが女だからですか?」
「いや……まぁそれもあるけど。何よりそこの侍女さんがすげー怖い顔でこっちを睨んでるし」
そう言うとはっとしてアイラヴェント嬢は侍女を振り返った。
「あ、あの……レイラ?」
「お嬢様、私言いましたよね」
侍女は彼女を笑顔で、それでも威圧するかのように見つめて重く一言言った。
「ねぇお願い。わたしも剣術やりたいんだよ」
「いけません。お嬢様には必要ございません」
「必要とかそんなんじゃなくてやりたいんだもん」
「だもんじゃありません。ただでさえお嬢様は粗野ですのに」
「だって折角のチャンスなのに……!」
「認めません」
「うぅ……そこを何とか!」
「却下です」
侍女にばっさりと切られアイラヴェント嬢はがっくりと肩を落とした。
「レイラもクルーディスも何で皆ダメって言うのさ。……わたしだってやりたいのに」
そんな二人のやり取りを見ていた俺は、何となくではあるがクルーディスがこいつを気に入っている理由がわかった気がした。
この令嬢は面白い。普通の貴族のそれとは違う気がした。
「今は無理だけどあんたが侍女とクルーディスを説得できたら、その時は教えてもいいよ」
俺は二人のやり取りが面白くてついつい笑いながら答えてしまった。
「それじゃあ一生無理だよ……」
ぶつぶつと文句を言いながら頬を膨らませてアイラヴェント嬢は拗ねていた。
「お前何か面白いやつだな」
「えっ?あっ!……あのっ、これはっ!」
俺が思っていた事をぽろりと口にすると、このお嬢さんは思い切り動揺した。昨日のおっかない令嬢とは程遠く、あわあわと分かりやすく慌てている。
これか。
俺はシュラフの言った『少年ぽい令嬢』の意味が少しわかった気がした。少なくとも令嬢っぽさは全くなかった。
「お前それが素なんだろ?その方が俺は話しやすくていいけどな」
「う……はい……すいません」
お嬢さんは隠す事を諦めてしゅんと項垂れた。
「別に悪くないと思うけどな。昨日のあれの方がよっぽどおっかない近寄りたくないやつだったし。今のお嬢の方がらしくていいと思う」
「あっあれは、その……売り言葉に買い言葉でつい……。ほんっとごめんなさい!」
俺が昨日のやり取りの事を言うとアイラヴェント嬢はかばっと頭を下げて謝ってきた。悪いのは俺なんだけどね。
それにしてもその頭の下げか方とか、素になると本当に令嬢っぽさがなくなるな。昨日のあれは別人なんじゃないのか?
「だからそれは俺が悪かったんだって」
「いや、わたしも調子に乗っちゃった訳だし」
お互いに謝り出してはキリがない。
「んー、それじゃお互い様って事でチャラにしてもらう。それでいいか?」
「はい。わかりました。チャラでいいです」
おかしいな。確か俺は謝りに来たはずなんだけどな。
「でも来てよかったわ。あんたの事何かわかった気がするし」
「わたしもセルシュ様が優しい方だとわかったので良かったです」
「は?」
何故かこのお嬢は俺の事を優しいと言う。意味がわからない。あんなに貶めて酷い事を言ったのに。
「だってあれは全部クルーディスのためだったし、今だってこうやってわざわざ謝罪しに来てくれてるし。セルシュ様はいい人だよ」
素になったお嬢は俺の事を素直に褒めていた。
俺はこの裏のない言葉にちょっと居心地が悪くなるのを感じる。自分の腹黒さが余計に露になっていく気がした。
「ちょっ、それ止めて……」
「わたしの勝手な独り言だと思って受け流してくれたらいいですよ。うん」
にこにこと笑顔でそう言ったお嬢にはやっぱり裏はなさそうだ。
「お兄様も昨日は本当に嬉しかったみたいだし。初めてちゃんと稽古をつけてもらえたって大興奮で両親まで大喜びだったもん」
段々褒められるのも恥ずかしくなってきた。俺そーゆーの慣れてないから困る。
「いや、あのな……」
「独り言に話しかけられても困りますー」
わかったから。これもう俺の負けでいいからそろそろ本当に止めて下さい。
「じゃあ俺の用件は済んだし帰るわ」
実際のところ用件はうやむやになっただけなのだが、居心地の悪さに負けて俺は席を立った。
「セルシュ様、今日はわざわざありがとうございました」
だからもういいって!
あ、後これだけは言っておかないと。
「悪いんだけど今日の事はクルーディスには内緒にしておいてもらえるか」
何となくクルーディスには知られたくなかったので口止めをお願いしてみた。
「はい。わかりました」
「俺が勝手にお嬢の所に来たのがバレたら多分本当に口聞いてもらえなくなりそうだから」
「大丈夫だと思うけど……セルシュ様がそう言うなら内緒にしておきます」
「助かるわ」
俺は漸く安心して帰途につく。馬車の中で気持ちを整理したかった。
あの令嬢はただの『クルーディス』と仲良くなったんだな。俺の知らないところで出会って仲良くなって……これから二人はもっと仲良くなるんだろう。
あれはその辺の箱入りの令嬢とは何かが違う。クルーディスの妹と比べて見ると一目瞭然だ。芯のある強い令嬢だった。そして俺にはない素直さもある。きっとクルーディスはそういうところを見ているのだろう。
あいつは人を見る目に長けている。あいつは誰かに意見する時には必ず的確な事を言う。
時々面倒くさがりで抜けている事もあるけれど、それは無意識の自衛で、取捨選択がとても上手い。
その中でクルーディスはあのお嬢を気に入っている。
クルーディスは無意識に恋愛感情を持っているのだろう。あの令嬢を見る時の目は普段のそれよりも優しく温かいものだった。
俺はその考えに至り、少し胸が苦しくなる。何だかクルーディスに置いていかれる様な気がした。俺だけ取り残されてひとりぼっちになる様なそんな寂しさがあった。
でも俺はクルーディスにそんな感情を知られたくない。何だか憐れみの感情を向けられそうで怖い。俺は少なくともあいつとは対等でいたかった。
いつかクルーディスが自分の気持ちを自覚した時には素直に喜べる様な男でいたいと思う。あの令嬢の性格は嫌いじゃない。むしろ俺には付き合いやすいさっぱりとした性格だ。
あいつが相手なら、その時が来たら俺は一番に喜んで一番の味方になれるだろう。そうありたいと思う。
ただ、今はまだ少しだけ胸が苦しいと思う事を見逃してもらおう。一晩たてばきっといつも通りなのだから。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
皆様よいお年を。
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