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22・謝罪
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「全くもう!なにやってんの!」
「……ごめんなさい」
部屋に入ってすぐアイラに向き直りわたしは仁王立ちになった。
向かい合うアイラはやっぱりしゅんとして小さくなっていた。
「もうあんなバカな挑発に乗ったりしない事!わかった!?」
「……はい」
ますますアイラは小さくなっていく。
子供同士の話で 家の事を持ち出すのはルール違反だとわたしは思っている。だからこそ二人のやり取りに腹がたった。
「いい?こういう時は絶対に相手の話には乗らないで。今日みたいに痛くもない腹を探られて、揚げ足取られたりしたらそれこそ大変な事にもなりうるんだから。大事な家族が酷い目に合う可能性だってあるんだよ!」
「はい……ごめんなさい」
そう言うと基本素直なアイラは心から謝っていた。やっぱりいい子なんだよね。でもあれはないでしょう。
「まぁアイラも悪いけどセルシュも悪いよね。普段はあんな感じじゃないんだけどなぁ……」
一体どうしたのかしら?と首を傾げるとアイラは小さく笑った。
「クルーディスは大事にされてんだよ」
「へ?何処が?」
いつもの口調に戻ったアイラはそう言うけど、あれは面白がってるんじゃないの?
「だって大事な友達に何だかわからない変な知り合いが出来たら気になるだろ?だから自分で確かめに来たんじゃない?」
「ええぇ……」
だとしてもあのやり方はないわー。ますます悩むわたしにアイラは笑顔で言った。
「いい友達じゃん」
いい友達?今日の彼は悪い友達寄りだった気がするけど……。
「あのさ……クルーディスがわたしを殺しちゃう話をしたのって、あの人?」
「まさか!シュラフに少し話しただけだよ。逆にセルシュに教えるのはちょっと……」
「……ふぅん、そうなんだ」
何か急に機嫌の良くなったアイラはにこにことわたしを見つめた。
「ねぇ、クルーディス。わたし少しはお嬢様っぽくなってるかなぁ」
「そうだね……セルシュとやらかしてた時はもう完璧なご令嬢だったよ」
「そっか、良かった」
「でもちょっと悪役っぽかったから怖かったけどね」
そう。完璧だった。完璧過ぎて結構怖かったわよ。なのでちょっとわたしは意地悪を言ってみたくなり、にっこりとそんな事を付け足してみた。
「えっ!?マジで?……ヤバいじゃん!それじゃわたし悪役令嬢になっちゃうじゃん……」
さぁっと顔が青ざめたアイラは両手を頬にあててしゃがみこんでしまった。しまった!ちょっとした意地悪が大打撃を与えてしまったらしい。
「だっ大丈夫だよアイラ。自覚して直せるうちは悪役令嬢になんてならないから」
「本当に?大丈夫かなぁ?」
「大丈夫。そうならない様に僕がちゃんと注意してあげるから」
泣きそうな顔でアイラはわたしを見上げた。わたしは目線を合わせる様に膝をつく。
「僕のお姫様はヒロインじゃなくて可愛いアイラなんだから。ね?ほら泣かないで」
安心させる様に、ちょっとゲームのクルーディスっぽく言ってみたわたしの言葉にアイラは顔が真っ赤になる。ほら可愛い。こんな素直な可愛い子なんだから守ってあげたくなるのは当然でしょ。
「……そーゆーとこズルいよね。クルーディスって」
真っ赤になりながらアイラはわたしから目を逸らす。
「……ちゃんと信じてるから」
目を逸らしたままアイラは小さく呟いた。
わたし達の中にいつでも付き纏う嫌な記憶。間接的とは言えアイラを殺し、クルーディスに殺されるたかがゲーム、されどゲームなこの記憶。わたしはそれに立ち向かって必ず違う未来を作らなければならない。信じてくれるアイラの為にも。
「ありがとうアイラ」
わたしはそっとアイラの手を持ち上げてそのまま自分の唇に寄せた。
「……っ!」
アイラは驚いてわたしの顔を見た。
わたしも予想外の自分の行動に驚いた!そのまま顔が赤くなるのが自分でもわかる。
なにこれ!?なんでわたしこんな事しちゃったの?
「……照れる位ならやらなきゃいーのに」
アイラの言葉にはっと我に返る。アイラはぷっと小さく吹き出していた。
「クルーディスもちゃんと貴族のご子息っぽかったよ」
「……あ、ありがとう」
「そろそろお兄様のとこに行ってあげないと。あの人に何されてんのかちょっと心配だしな」
「あ、え……そっそーね」
わたしは焦って混乱したままだったけど、アイラに促されてそのまままた中庭に戻る事にした。
さっきわたしの唇に触れたアイラの手はまだ繋がったままだった。
中庭に戻ると、セルシュとランディスは剣を使って何かの稽古をしている様子だった。
へなちょこなランディスの姿勢をセルシュは丁寧に直している。
「お兄様へなちょこすぎる……」
ランディスは何故か剣を両手で掴み、ふらふらしながら上下に身体を動かしている。どうやら体力作りから始めているみたいで、足腰がひ弱なランディスの動きは何処か滑稽だ。
アイラはわたしと全く同じ感想をこぼした。
「フォロー出来ないなぁ」
わたしはアイラに苦笑で答えた。
「クルーディスも剣術の稽古してんの?」
「うん。でもセルシュの足元にも及ばないんだよね」
元々のセンスが違うのもあるけど、セルシュの実力は見えない努力の賜物だ。それを表に出さずにさらりと見せつけるその強さが彼の本当の実力。わたしにはそんな事が出来ないので素直に尊敬してしまう。
「いいなぁ。わたしも剣の稽古したいなぁ」
ぽつりとアイラはそんな事を言った。
男の子なら剣術に憧れちゃうよね。アイラは羨ましそうな顔をして二人を見つめていた。
気持ちはわかるけどごめんねアイラ。
「ダメだよアイラ。剣術は禁止だからね」
「ええっ、なんで!?」
「アイラが剣を持つと浮かれて礼儀作法とか疎かにしそうだもん」
「……わたしの性格をよくご存じで」
「そりゃもう。アイラはとてもわかりやすいもの」
アイラはわたしの言葉にぷぅと膨れた。その顔が可愛くて思わず笑ってしまった。
「なんだよお前ら説教はどーしたんだよ。いちゃいちゃして!」
わたし達に気付いたセルシュはランディスをほっぽってこちらに駆け寄ってきた。
「別にいちゃいちゃしてないし、ちゃんと説教もしたよ」
「んじゃこれは?」
セルシュはわたしの手首を持ち上げた。その手の先にはアイラの手が繋がれていた。
「あ、ごめんねアイラ。痛くなかった?」
さっき繋いだままだったの忘れてた。わたしはアイラの手を開放してあげた。
「だ、大丈夫」
アイラはその手を反対側の手で包み、俯いて赤くなっていた。
「それよりセルシュは何で剣の稽古してんのさ」
「……俺に教える事が出来るのってお前と違って剣術位だからな」
「ふぅん……ま、いいけど」
「お前何か俺に冷たくない?」
「何でかはわかってるでしょ?」
「う……それは本当に謝るからさぁ。なぁもう許してくれよクルーディスゥ」
なんだか情けない顔でセルシュが懇願してきた。……もう、それなら最初から怒らせないで欲しいよ。
「わかったよ。許してあげる」
ため息をひとつついたわたしにセルシュはぱあっと表情を明るくする。ほら、そういう爽やかないい笑顔も出来るんだから最初からそれでいればいいのに。
「良かったー。俺お前に嫌われたくない」
「それならもう僕を怒らせるのは止めてね」
情けない事を言う友人に釘を刺す。
「折角のセルシュのいい所があれじゃ台無しだよ。あんな風に自分を貶めるなんて勿体無いんだからね」
セルシュの目の前に指を向けて最後の説教をする。これで帰り道の説教は免除してあげるからちゃんと反省しなさいね。
「わかった……本当にごめん」
セルシュはわたしの指を握りしめ自分の額につけて目を閉じた。
「うん。いい子だね」
わたしは反対側の手でセルシュの頭を軽く撫でてあげた。
何故か昔からセルシュはわたしに『いい子』と言われるのが好きみたいで時々言ってあげたりするんだけど、年下の子に言われて何が嬉しいのかわたしにはさっぱりわからない。それでもセルシュが喜んでいるならいいんだけどね。
「ほら、セルシュ。ランディスに稽古の続きしてあげなよ」
「あ、忘れてた」
「ちょっと!責任持ってちゃんと教えなよ!」
「りょーかいですよ、お師匠様」
いつもの調子に戻ったセルシュは飄々としてランディスの元へ戻っていった。
「くっ……ムカつく」
いつものお調子者のセルシュに戻ったらすぐこれだ。『師匠』ネタで遊ばないでよね!
「クルーディスはセルシュ様と本当に仲良いんだね」
ずっと横でセルシュとのやり取りを見ていたアイラは小さく呟いた。
そうなのかな?そう見えるなら嬉しい事だ。わたしは今まで余り外に出ていなかったので友達といえばセルシュ位だから。
「……わたしももっとクルーディスと仲良くしたいよ」
真っ赤になって更に小さい声でそう言った。なんて可愛いんだろう。おねーさんはそんな貴女の素直さが大好きよ。
「勿論わたしもそう思っているわ。ありがとうアイラ」
そう言ってアイラの頭を撫でてあげる。アイラを撫でるのはわたしの至福の時間ですよ。
「……今『わたし』って言った」
撫でられたままのアイラに注意を受けてしまった。
ごめんアイラ。今は見逃して。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
「……ごめんなさい」
部屋に入ってすぐアイラに向き直りわたしは仁王立ちになった。
向かい合うアイラはやっぱりしゅんとして小さくなっていた。
「もうあんなバカな挑発に乗ったりしない事!わかった!?」
「……はい」
ますますアイラは小さくなっていく。
子供同士の話で 家の事を持ち出すのはルール違反だとわたしは思っている。だからこそ二人のやり取りに腹がたった。
「いい?こういう時は絶対に相手の話には乗らないで。今日みたいに痛くもない腹を探られて、揚げ足取られたりしたらそれこそ大変な事にもなりうるんだから。大事な家族が酷い目に合う可能性だってあるんだよ!」
「はい……ごめんなさい」
そう言うと基本素直なアイラは心から謝っていた。やっぱりいい子なんだよね。でもあれはないでしょう。
「まぁアイラも悪いけどセルシュも悪いよね。普段はあんな感じじゃないんだけどなぁ……」
一体どうしたのかしら?と首を傾げるとアイラは小さく笑った。
「クルーディスは大事にされてんだよ」
「へ?何処が?」
いつもの口調に戻ったアイラはそう言うけど、あれは面白がってるんじゃないの?
「だって大事な友達に何だかわからない変な知り合いが出来たら気になるだろ?だから自分で確かめに来たんじゃない?」
「ええぇ……」
だとしてもあのやり方はないわー。ますます悩むわたしにアイラは笑顔で言った。
「いい友達じゃん」
いい友達?今日の彼は悪い友達寄りだった気がするけど……。
「あのさ……クルーディスがわたしを殺しちゃう話をしたのって、あの人?」
「まさか!シュラフに少し話しただけだよ。逆にセルシュに教えるのはちょっと……」
「……ふぅん、そうなんだ」
何か急に機嫌の良くなったアイラはにこにことわたしを見つめた。
「ねぇ、クルーディス。わたし少しはお嬢様っぽくなってるかなぁ」
「そうだね……セルシュとやらかしてた時はもう完璧なご令嬢だったよ」
「そっか、良かった」
「でもちょっと悪役っぽかったから怖かったけどね」
そう。完璧だった。完璧過ぎて結構怖かったわよ。なのでちょっとわたしは意地悪を言ってみたくなり、にっこりとそんな事を付け足してみた。
「えっ!?マジで?……ヤバいじゃん!それじゃわたし悪役令嬢になっちゃうじゃん……」
さぁっと顔が青ざめたアイラは両手を頬にあててしゃがみこんでしまった。しまった!ちょっとした意地悪が大打撃を与えてしまったらしい。
「だっ大丈夫だよアイラ。自覚して直せるうちは悪役令嬢になんてならないから」
「本当に?大丈夫かなぁ?」
「大丈夫。そうならない様に僕がちゃんと注意してあげるから」
泣きそうな顔でアイラはわたしを見上げた。わたしは目線を合わせる様に膝をつく。
「僕のお姫様はヒロインじゃなくて可愛いアイラなんだから。ね?ほら泣かないで」
安心させる様に、ちょっとゲームのクルーディスっぽく言ってみたわたしの言葉にアイラは顔が真っ赤になる。ほら可愛い。こんな素直な可愛い子なんだから守ってあげたくなるのは当然でしょ。
「……そーゆーとこズルいよね。クルーディスって」
真っ赤になりながらアイラはわたしから目を逸らす。
「……ちゃんと信じてるから」
目を逸らしたままアイラは小さく呟いた。
わたし達の中にいつでも付き纏う嫌な記憶。間接的とは言えアイラを殺し、クルーディスに殺されるたかがゲーム、されどゲームなこの記憶。わたしはそれに立ち向かって必ず違う未来を作らなければならない。信じてくれるアイラの為にも。
「ありがとうアイラ」
わたしはそっとアイラの手を持ち上げてそのまま自分の唇に寄せた。
「……っ!」
アイラは驚いてわたしの顔を見た。
わたしも予想外の自分の行動に驚いた!そのまま顔が赤くなるのが自分でもわかる。
なにこれ!?なんでわたしこんな事しちゃったの?
「……照れる位ならやらなきゃいーのに」
アイラの言葉にはっと我に返る。アイラはぷっと小さく吹き出していた。
「クルーディスもちゃんと貴族のご子息っぽかったよ」
「……あ、ありがとう」
「そろそろお兄様のとこに行ってあげないと。あの人に何されてんのかちょっと心配だしな」
「あ、え……そっそーね」
わたしは焦って混乱したままだったけど、アイラに促されてそのまままた中庭に戻る事にした。
さっきわたしの唇に触れたアイラの手はまだ繋がったままだった。
中庭に戻ると、セルシュとランディスは剣を使って何かの稽古をしている様子だった。
へなちょこなランディスの姿勢をセルシュは丁寧に直している。
「お兄様へなちょこすぎる……」
ランディスは何故か剣を両手で掴み、ふらふらしながら上下に身体を動かしている。どうやら体力作りから始めているみたいで、足腰がひ弱なランディスの動きは何処か滑稽だ。
アイラはわたしと全く同じ感想をこぼした。
「フォロー出来ないなぁ」
わたしはアイラに苦笑で答えた。
「クルーディスも剣術の稽古してんの?」
「うん。でもセルシュの足元にも及ばないんだよね」
元々のセンスが違うのもあるけど、セルシュの実力は見えない努力の賜物だ。それを表に出さずにさらりと見せつけるその強さが彼の本当の実力。わたしにはそんな事が出来ないので素直に尊敬してしまう。
「いいなぁ。わたしも剣の稽古したいなぁ」
ぽつりとアイラはそんな事を言った。
男の子なら剣術に憧れちゃうよね。アイラは羨ましそうな顔をして二人を見つめていた。
気持ちはわかるけどごめんねアイラ。
「ダメだよアイラ。剣術は禁止だからね」
「ええっ、なんで!?」
「アイラが剣を持つと浮かれて礼儀作法とか疎かにしそうだもん」
「……わたしの性格をよくご存じで」
「そりゃもう。アイラはとてもわかりやすいもの」
アイラはわたしの言葉にぷぅと膨れた。その顔が可愛くて思わず笑ってしまった。
「なんだよお前ら説教はどーしたんだよ。いちゃいちゃして!」
わたし達に気付いたセルシュはランディスをほっぽってこちらに駆け寄ってきた。
「別にいちゃいちゃしてないし、ちゃんと説教もしたよ」
「んじゃこれは?」
セルシュはわたしの手首を持ち上げた。その手の先にはアイラの手が繋がれていた。
「あ、ごめんねアイラ。痛くなかった?」
さっき繋いだままだったの忘れてた。わたしはアイラの手を開放してあげた。
「だ、大丈夫」
アイラはその手を反対側の手で包み、俯いて赤くなっていた。
「それよりセルシュは何で剣の稽古してんのさ」
「……俺に教える事が出来るのってお前と違って剣術位だからな」
「ふぅん……ま、いいけど」
「お前何か俺に冷たくない?」
「何でかはわかってるでしょ?」
「う……それは本当に謝るからさぁ。なぁもう許してくれよクルーディスゥ」
なんだか情けない顔でセルシュが懇願してきた。……もう、それなら最初から怒らせないで欲しいよ。
「わかったよ。許してあげる」
ため息をひとつついたわたしにセルシュはぱあっと表情を明るくする。ほら、そういう爽やかないい笑顔も出来るんだから最初からそれでいればいいのに。
「良かったー。俺お前に嫌われたくない」
「それならもう僕を怒らせるのは止めてね」
情けない事を言う友人に釘を刺す。
「折角のセルシュのいい所があれじゃ台無しだよ。あんな風に自分を貶めるなんて勿体無いんだからね」
セルシュの目の前に指を向けて最後の説教をする。これで帰り道の説教は免除してあげるからちゃんと反省しなさいね。
「わかった……本当にごめん」
セルシュはわたしの指を握りしめ自分の額につけて目を閉じた。
「うん。いい子だね」
わたしは反対側の手でセルシュの頭を軽く撫でてあげた。
何故か昔からセルシュはわたしに『いい子』と言われるのが好きみたいで時々言ってあげたりするんだけど、年下の子に言われて何が嬉しいのかわたしにはさっぱりわからない。それでもセルシュが喜んでいるならいいんだけどね。
「ほら、セルシュ。ランディスに稽古の続きしてあげなよ」
「あ、忘れてた」
「ちょっと!責任持ってちゃんと教えなよ!」
「りょーかいですよ、お師匠様」
いつもの調子に戻ったセルシュは飄々としてランディスの元へ戻っていった。
「くっ……ムカつく」
いつものお調子者のセルシュに戻ったらすぐこれだ。『師匠』ネタで遊ばないでよね!
「クルーディスはセルシュ様と本当に仲良いんだね」
ずっと横でセルシュとのやり取りを見ていたアイラは小さく呟いた。
そうなのかな?そう見えるなら嬉しい事だ。わたしは今まで余り外に出ていなかったので友達といえばセルシュ位だから。
「……わたしももっとクルーディスと仲良くしたいよ」
真っ赤になって更に小さい声でそう言った。なんて可愛いんだろう。おねーさんはそんな貴女の素直さが大好きよ。
「勿論わたしもそう思っているわ。ありがとうアイラ」
そう言ってアイラの頭を撫でてあげる。アイラを撫でるのはわたしの至福の時間ですよ。
「……今『わたし』って言った」
撫でられたままのアイラに注意を受けてしまった。
ごめんアイラ。今は見逃して。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
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