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番外編 『侍と忍』
月影一族の狙い
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月影の忍びは地面、壁、天井を蹴りながら、通路を四方八方に高速移動し、こちらの死角と隙が出来るのを伺っている。
トシキは忍びの動きに合わせ、極力少ない動きで常に死角とアキラをカバーする。
「おい、トシキ!お前こいつに勝てんだろうな!?俺のことは当てにすんじゃねーぞ?」
アキラはずっとトシキの背の後ろに隠れ怯えていた。
アキラは聖天衆の副長であり、普段みんなの前で威張って見せているが、実は小心者で戦いが苦手であった。
「アキラ。大丈夫だ。任せておけ」
たしかに動きもスピードも大したものだ。
だけど この程度の相手ならば身体能力強化魔法を使うまでもないが、あの月影一族だ。
何かありそうな気がする。
トシキは細心の注意を払いつつ、忍びの動きに対応する。
忍びは無数の手裏剣を投げつけてくる。
アキラは後ろで「ひぃー」といい、頭を抱えてうずくまっている。
トシキはアキラを気にせず その全ての手裏剣を刀で斬り落としてゆく。
が次の瞬間、トシキの頬に痛みが走る。
頬には薄っすらと切り傷が出来ており、血が滴る。
バカな。手裏剣は全て回避したはず。
…となると…。
トシキの思考は一瞬 忍びから外れ、その傷の原因の解明に当てられたその僅かな隙を敵は見逃さなかった。
忍びはすぐさま上空からトシキに斬りかかる。
トシキはその攻撃に気付き迎撃態勢を整えようとするが、その矢先に忍びのスピードがグンと上がった。
身体能力強化!
しまった!
やはりこいつ魔法が使えるか。
さっきの切り傷は手裏剣に注意を向けておいて風魔法で見えない真空波を混ぜていたのだろう。
「はぁー」
トシキは咄嗟に全力で身体能力強化魔法を発動し、上空からの剣撃を紙一重で躱した。
危なかった。
ギリギリまで自分の手の内を隠しておくとは、かなり戦い慣れている。
トシキはその後しばらく、忍びと刀で切り結ぶ。
強い。
うちの聖天衆の隊長クラスと同等の戦闘力はありそうだ。
トシキはバックステップをして距離を取った。
「流石は伝説に謳われた月影一族だ。
月影一族とは一体何人ぐらいいるのだ?」
トシキは少しでも敵の情報を引き出そうと話し始めた。
「ふっ。忍にとって自分達の機密は命よりも大事なもの。情報を漏洩などするはずがなかろう」
確かに。
隠密行動を生業としている忍にとって、その組織の人数や能力は隠しておきたいだろう。
「伝説の月影一族の技を受継ぐ者がまだ50人もいることは絶対に話せんのだ」
………
………
まさか…こいつ…
「おい、月影の忍び。お前の名前はなんだ?」
トシキは唐突に質問をした。
「ふっ。何故私が上忍『風魔のコウタ』であることを教えねばならぬのだ」
「そうか風魔のコウタって言うのか」
「なに!き……貴様、何故それを!?まさか読心術を操れるのか!?」
………
やっぱり
こいつはバカだ。
だがこいつのバカさは利用出来る。
「おい!お前らの目的は一体何なんだ?」
「くっ。貴様がいくら読心術を使えようとも、我らの狙いが科学技術者のユウナの拉致であることなど絶対に悟らせぬわ」
なに!?
こいつらの本当の目的はユウナさんだって?
まさか、こいつがここに警備員に化けて情報を盗んでいたのは私達聖天衆の主力をこのM &S の本部に集めて、ユウナさんを拉致しやすくする為だったのか?!
マズい!!
すぐにユウナさんの元に向かわなければ。
恐らくその拉致を決行するなら今夜だ!!
トシキは月影一族の狙いに気付き、額から一筋の汗を滴らせた。
トシキは忍びの動きに合わせ、極力少ない動きで常に死角とアキラをカバーする。
「おい、トシキ!お前こいつに勝てんだろうな!?俺のことは当てにすんじゃねーぞ?」
アキラはずっとトシキの背の後ろに隠れ怯えていた。
アキラは聖天衆の副長であり、普段みんなの前で威張って見せているが、実は小心者で戦いが苦手であった。
「アキラ。大丈夫だ。任せておけ」
たしかに動きもスピードも大したものだ。
だけど この程度の相手ならば身体能力強化魔法を使うまでもないが、あの月影一族だ。
何かありそうな気がする。
トシキは細心の注意を払いつつ、忍びの動きに対応する。
忍びは無数の手裏剣を投げつけてくる。
アキラは後ろで「ひぃー」といい、頭を抱えてうずくまっている。
トシキはアキラを気にせず その全ての手裏剣を刀で斬り落としてゆく。
が次の瞬間、トシキの頬に痛みが走る。
頬には薄っすらと切り傷が出来ており、血が滴る。
バカな。手裏剣は全て回避したはず。
…となると…。
トシキの思考は一瞬 忍びから外れ、その傷の原因の解明に当てられたその僅かな隙を敵は見逃さなかった。
忍びはすぐさま上空からトシキに斬りかかる。
トシキはその攻撃に気付き迎撃態勢を整えようとするが、その矢先に忍びのスピードがグンと上がった。
身体能力強化!
しまった!
やはりこいつ魔法が使えるか。
さっきの切り傷は手裏剣に注意を向けておいて風魔法で見えない真空波を混ぜていたのだろう。
「はぁー」
トシキは咄嗟に全力で身体能力強化魔法を発動し、上空からの剣撃を紙一重で躱した。
危なかった。
ギリギリまで自分の手の内を隠しておくとは、かなり戦い慣れている。
トシキはその後しばらく、忍びと刀で切り結ぶ。
強い。
うちの聖天衆の隊長クラスと同等の戦闘力はありそうだ。
トシキはバックステップをして距離を取った。
「流石は伝説に謳われた月影一族だ。
月影一族とは一体何人ぐらいいるのだ?」
トシキは少しでも敵の情報を引き出そうと話し始めた。
「ふっ。忍にとって自分達の機密は命よりも大事なもの。情報を漏洩などするはずがなかろう」
確かに。
隠密行動を生業としている忍にとって、その組織の人数や能力は隠しておきたいだろう。
「伝説の月影一族の技を受継ぐ者がまだ50人もいることは絶対に話せんのだ」
………
………
まさか…こいつ…
「おい、月影の忍び。お前の名前はなんだ?」
トシキは唐突に質問をした。
「ふっ。何故私が上忍『風魔のコウタ』であることを教えねばならぬのだ」
「そうか風魔のコウタって言うのか」
「なに!き……貴様、何故それを!?まさか読心術を操れるのか!?」
………
やっぱり
こいつはバカだ。
だがこいつのバカさは利用出来る。
「おい!お前らの目的は一体何なんだ?」
「くっ。貴様がいくら読心術を使えようとも、我らの狙いが科学技術者のユウナの拉致であることなど絶対に悟らせぬわ」
なに!?
こいつらの本当の目的はユウナさんだって?
まさか、こいつがここに警備員に化けて情報を盗んでいたのは私達聖天衆の主力をこのM &S の本部に集めて、ユウナさんを拉致しやすくする為だったのか?!
マズい!!
すぐにユウナさんの元に向かわなければ。
恐らくその拉致を決行するなら今夜だ!!
トシキは月影一族の狙いに気付き、額から一筋の汗を滴らせた。
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