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リガンの大冒険
修行の意味
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僕達はバンギャスの家のリビングでお茶を飲みながらテーブルを囲んで、リリーの回復を待っていた。
「それにしても驚きました。
私達が魔法を使えるなんて…」
クリスは未だに信じられないのか、自分の手のひらをじっと見ている。
「魔法ってそんなにいきなり使えるようになるものなんですか?」
僕がジークに質問をした。
けど、答えはわかってる。
「えぇー。説明するのめんどくさい」
言うと思った。
その後は必ず……
「マオちゃん説明してあげて」
マオさんに頼る。
「ったく。めんどくさいことはすぐ私にやらせるんだから…。
説明してあげるわ。
魔法っていうのはそんな短期間でいきなり使えるようになるものじゃないわ。
ジークはあなたたちの修行を始めた時からずっと魔力の強化をしてきたの。
あなた達が魔法の修行はしたくないと言ったから、バレないようにこっそりとね」
「そうだったんですか?!
じゃあ今までの修行は!?」
「確かにジークが言った通りの成果も出るけど、それ以上に魔力は格段に上がったはずよ。
まず、あなた達が付けられた呪いの腕輪。
あれは『封魔の腕輪』と呼ばれる物で、装備した人の魔力を吸い取っていく腕輪なの。
本来は魔法使いを拘束する時に使う手錠のような物なの。
あなた達が倦怠感を感じたのは魔力を吸い取られていたからよ。
魔力は体力と同じで、消耗することで許容量が上がっていく。
あなた達は24時間魔力を消費してるのと同じ状態だったから、この数ヶ月でかなりの魔力を手に入れる事ができたの」
「この腕輪にそんな効果が……」
「次に魔法を使うには、無から有を産み出すためにイメージが大事なの。
だから貴方達の見えない場所で私が出した魔法の属性を当てるという名目でイメージ力を上げた。
次の魔法耐性をあげると言っていた修行も、実際に魔法を手で受けることで、自分の手から魔法を発した時のイメージをし易いようにしてたの。
その温度や衝撃、各属性の特徴を肌で感じることも出来るしね」
「そこまで考えられていたのか…
じゃああのぼーっとしてたのは!?」
「半分は趣味ね。
でもあれにもとても大事な効果があるの。
私達の魔法は自分達の魔力だけを使って発動しても、威力なんてたかがしれてるの。
より強力な魔力を使うためには目に見えない自然の中にいる精霊たちの力を借りる必要があるの。
火の精、水の精、風の精、光の精、ほの他にも各属性に精霊がいて、精霊との親睦度が高いほどより魔法の威力が上がるの。
あれはただぼーっとしてたんじゃなくて、精霊達との親睦度を高めるための精神統一だったのよ。
だからジークは日頃言ってたでしょ?
ただぼーっとするだけじゃなくて、匂いや温度とか五感で自然の全てを感じろと。
あなた達はそれで既に精霊達と語らい、親睦度を高めていたから、初めての魔法でもあれだけの威力が出せたのよ。
これからは魔法を使用していくことでも親睦度を上げていくことは出来るわ」
訳がわからないと思っていた、あの修行には全て大事な意味があったのか。
「ジークは分かっていたのよ。
いつかは魔法に頼らなければいけなくなる日が来るって。
ある程度のレベルを超えてくると相手は必ず何かしらの魔法を使っているからね。
必要になった時から修行を始めても遅いから、あなた達に気付かれないように、ずっとこっそりと仕込んできたのよ」
ジークはそんなにも僕達のことを真剣に考えていてくれたのか…。
今までのジークの修行に何度も疑問を抱いたこともあった。
そんな自分が恥ずかしく思えた。
「まぁ、お前達が強くなってくれたら、俺が楽できるからな」
ジークはそうなことを言ったけど、ただの照れ隠しだと思った。
やっぱりこの人に付いてきて良かった。
リガンは心からそう思えた。
「それにしても驚きました。
私達が魔法を使えるなんて…」
クリスは未だに信じられないのか、自分の手のひらをじっと見ている。
「魔法ってそんなにいきなり使えるようになるものなんですか?」
僕がジークに質問をした。
けど、答えはわかってる。
「えぇー。説明するのめんどくさい」
言うと思った。
その後は必ず……
「マオちゃん説明してあげて」
マオさんに頼る。
「ったく。めんどくさいことはすぐ私にやらせるんだから…。
説明してあげるわ。
魔法っていうのはそんな短期間でいきなり使えるようになるものじゃないわ。
ジークはあなたたちの修行を始めた時からずっと魔力の強化をしてきたの。
あなた達が魔法の修行はしたくないと言ったから、バレないようにこっそりとね」
「そうだったんですか?!
じゃあ今までの修行は!?」
「確かにジークが言った通りの成果も出るけど、それ以上に魔力は格段に上がったはずよ。
まず、あなた達が付けられた呪いの腕輪。
あれは『封魔の腕輪』と呼ばれる物で、装備した人の魔力を吸い取っていく腕輪なの。
本来は魔法使いを拘束する時に使う手錠のような物なの。
あなた達が倦怠感を感じたのは魔力を吸い取られていたからよ。
魔力は体力と同じで、消耗することで許容量が上がっていく。
あなた達は24時間魔力を消費してるのと同じ状態だったから、この数ヶ月でかなりの魔力を手に入れる事ができたの」
「この腕輪にそんな効果が……」
「次に魔法を使うには、無から有を産み出すためにイメージが大事なの。
だから貴方達の見えない場所で私が出した魔法の属性を当てるという名目でイメージ力を上げた。
次の魔法耐性をあげると言っていた修行も、実際に魔法を手で受けることで、自分の手から魔法を発した時のイメージをし易いようにしてたの。
その温度や衝撃、各属性の特徴を肌で感じることも出来るしね」
「そこまで考えられていたのか…
じゃああのぼーっとしてたのは!?」
「半分は趣味ね。
でもあれにもとても大事な効果があるの。
私達の魔法は自分達の魔力だけを使って発動しても、威力なんてたかがしれてるの。
より強力な魔力を使うためには目に見えない自然の中にいる精霊たちの力を借りる必要があるの。
火の精、水の精、風の精、光の精、ほの他にも各属性に精霊がいて、精霊との親睦度が高いほどより魔法の威力が上がるの。
あれはただぼーっとしてたんじゃなくて、精霊達との親睦度を高めるための精神統一だったのよ。
だからジークは日頃言ってたでしょ?
ただぼーっとするだけじゃなくて、匂いや温度とか五感で自然の全てを感じろと。
あなた達はそれで既に精霊達と語らい、親睦度を高めていたから、初めての魔法でもあれだけの威力が出せたのよ。
これからは魔法を使用していくことでも親睦度を上げていくことは出来るわ」
訳がわからないと思っていた、あの修行には全て大事な意味があったのか。
「ジークは分かっていたのよ。
いつかは魔法に頼らなければいけなくなる日が来るって。
ある程度のレベルを超えてくると相手は必ず何かしらの魔法を使っているからね。
必要になった時から修行を始めても遅いから、あなた達に気付かれないように、ずっとこっそりと仕込んできたのよ」
ジークはそんなにも僕達のことを真剣に考えていてくれたのか…。
今までのジークの修行に何度も疑問を抱いたこともあった。
そんな自分が恥ずかしく思えた。
「まぁ、お前達が強くなってくれたら、俺が楽できるからな」
ジークはそうなことを言ったけど、ただの照れ隠しだと思った。
やっぱりこの人に付いてきて良かった。
リガンは心からそう思えた。
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