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それぞれの夜
耐える勇気
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アーブルグの女戦士はマオさんの言葉に戦意を失い、投降してきて戦いは幕を閉じた。
勝手に飛び出しておきながら、結局ジークさんとマオさんに助けられてしまった。
パルは自身の不甲斐なさに俯いていた。
そんな俯いている私の元にジークさんが近づいてきた。
「パル!プル!ポル!」
ジークさんが怒鳴り始めた。
怒られても無理はない。
身勝手な行動をしてジークさん達を巻き込んでしまったんだ。
「ばかやろー!」
そう怒鳴りながら、私達に1発ずつゲンコツをした。
「敵討ちをしたい気持ちもわかるけどな、自分達の立場をよく考えてみろ!
大人がほとんどいなくなったルクス族をお前達が引っ張っていかないといけないんだろ?
もしこんな無茶をして、お前達を失ったらそれこそルクス族はお終いだぞ?」
ジークさんとは数日旅を共にしてきたが、こんなに真剣なジークさんは初めてみた。
いつもダラけて、怠けてばかりの人がここまで怒るなんて。
そんなに私達のことを想ってくれていたのか。
「…ご…ごめんなさい…」
ジークさんに謝罪の言葉を吐き出すと同時に涙も溢れてでてきた。
プルとポルもつられて泣いていた。
「敵わない相手に戦いを挑むのは勇気なんて言わない。
時には歯を食いしばって耐えるのも勇気なんだ。
まずはボロボロになったルクス族を立て直すことだけを考えろ。
もしその後にまだ敵討ちをしたいなら、それまでに負けないだけの力を蓄えてからにしろ」
ジークさんの温かな言葉に私達3人は静かに頷いた。
ジークさん先ほどから、とても素敵だ。
私達のピンチに駆けつけ、護ってくれ、敵にまでも情けをかけて救い、私達のことを想って、こんなにも熱く説教をしてくれる。
これでトランクスと白いTシャツ姿でなければもっとカッコ良かったのに…。
よほど慌てて飛び出してきてくれたのだろう。
この決まり切らない所もこの人の良さなのかもしれないな。
パルはそう思った。
勝手に飛び出しておきながら、結局ジークさんとマオさんに助けられてしまった。
パルは自身の不甲斐なさに俯いていた。
そんな俯いている私の元にジークさんが近づいてきた。
「パル!プル!ポル!」
ジークさんが怒鳴り始めた。
怒られても無理はない。
身勝手な行動をしてジークさん達を巻き込んでしまったんだ。
「ばかやろー!」
そう怒鳴りながら、私達に1発ずつゲンコツをした。
「敵討ちをしたい気持ちもわかるけどな、自分達の立場をよく考えてみろ!
大人がほとんどいなくなったルクス族をお前達が引っ張っていかないといけないんだろ?
もしこんな無茶をして、お前達を失ったらそれこそルクス族はお終いだぞ?」
ジークさんとは数日旅を共にしてきたが、こんなに真剣なジークさんは初めてみた。
いつもダラけて、怠けてばかりの人がここまで怒るなんて。
そんなに私達のことを想ってくれていたのか。
「…ご…ごめんなさい…」
ジークさんに謝罪の言葉を吐き出すと同時に涙も溢れてでてきた。
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時には歯を食いしばって耐えるのも勇気なんだ。
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よほど慌てて飛び出してきてくれたのだろう。
この決まり切らない所もこの人の良さなのかもしれないな。
パルはそう思った。
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