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ダークエルフ

砂漠の大陸にて~エルフ~

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 アンフリケ大陸を追放されたエルフ達は、砂漠だらけの名前すら忘れられた大陸に転移魔法で送り届けられた。
 エルフ達は元の砂漠だらけの光景を思っていたが、目の前には砂漠もあるが確かに森林地帯が広がっていた。

「こ、これが地龍姫ヘーラ様の力か・・・」

 エンジュをはじめエルフ達は地面に手をつき、感謝の祈りを捧げて涙を流した。
 
 目覚めたエルフの王は自慢の金髪が白く変わり、目は虚ろになりブツブツと独り言を呟いていた。   
 まるで廃人の様になり、エルフ族に伝わる魔石喰らいの伝承が真実であったと、エルフ達に伝わるのに多くの時間は必要ではなかった。

「みんな、王がこれでは新たな指導者が必要だ!皆で選び出そう」

「何言ってるの?それはエ・ン・ジュ♪に決まってるわ」

 カマーの一言に、何を言っているんだとエンジュが見つめると、他のエルフ達も異議なしと賛成し首を縦に振っていた。
 エンジュはエルフ達にかなりの人気で、彼女が行なった支援政策で救われたエルフも少なくなかった。
 その結果が今ここで現れたのだ。

「み、みんなぁ、ありがとう」

 涙ぐみそう言うエンジュに、カマーやウィド達が背中をなでて祝福し、エルフ史上初の女王が誕生した。

「とりあえず、森の様子を手分けして調査しよう。
 そのついでに食料になりそうなものを収穫して、地図の作成。
 それ以外の者はとりあえず皆が寝る場所を作って、明日からは少しずつ環境を整えていこう」

「「「おう」」」

「ウィド、各隊のリーダーの選出と仕事分けをお願い。
 カマー、整地と畑に適した土地の作成をお願い。
 マッソーは水源の確保、この辺りに引きこめそうなら引きこんで、見つからないときは水脈の調査をして。
 私は火種のものを作ったり竈を作るね」

 エンジュの指示の下、4精将が人員の配置などを行ない、次々に森へと分け入って行った。


エンジュの場合

 エンジュは竈に適した土をカマーの配下に掘り出してもらうと、素早く竈の形にした。水分を蒸発させて固め、その中に木屑を入れて小さな火を付けると、残った土を瓶の形に形成して水分を飛ばし、複数の瓶を作り上げていく。

「エンジュ様、この土を・・・」

 仮の宿営場所の小物などを充実させていくエンジュたちは夕方までに竈、瓶、ベッドの枠などを作成していった。


ウィド達の場合

 ウィドたちは身体強化魔法を自分に掛け、猛スピードで森の木々を飛び歩いて森の調査をしていた。

「ウィド様、少し先にワイルドボワが居るようです」

「食糧確保には必要だろう、第二隊は討伐に向かってくれ。
 ボワが居るということは近くに食用の茸が生えてるはずだ!第三隊は捜索してくれ」

 次々に見つかる森の恵みや、ブラウンがサービスで捕まえて放りこんでいたボアなどを狩り、食料は充実していっていた。

「取り尽くすと、前の二の舞になる。必ず残しつつ採取するんだ。
 ある程度必要量がたまったら、地図作成のためにより深くを回るぞ!」

 ウィド達は順調に採取も終わり、その日の夕方までに仲間達と森の半分まで探索が済んだ。



一方カマーは

 途中までウィドと森の奥を目指していたが、暫く進んだ場所に固い岩盤の土地を見つけると、早速周りの木を切り整地を始めた。
 その後マッソーが見つけた川と堀に水を引きいれ、水路の周りにカマーの部下達が畑を開墾させていた。

「そうそう、その辺りに一番大きな屋敷を立てる予定だから大きく取っておいてね」

「カマー様、あの木を切らなくていいのですか?」

「カマーちゃんね、そこはモンスターとかの進入を防ぐからいるのよ」

 テキパキと作業を進め、夕方までに区割りと基礎が完成していた。


 こうしてみるとエルフは有能だといえるのだろう。それから一週間で砂漠の大陸でやり直して初のエルフの街ができ、そこを中心に砂漠の大陸の調査と開拓を始めたのだった。
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