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武闘大会
武闘大会準決勝
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武闘大会拳闘の部準決勝
武闘会場は立ち見が出る程の盛況ぶりで、物凄い熱気に包まれていた。
黒いガウンを肩にかけたバンテリンが入場した。
黒いガウンはアーリと前日に買った物であった。
バンテリンの入場と共に歓声が大きくなり、その直後炎龍王が入場すると、歓声は最大になり会場は割れんばかりになった。
「これより準決勝炎龍王VSバンテリン!試合開始っす!!」
トッポの掛け声と同時に二人は駆け出し、自らの攻撃圏内で足をとめると、拳の弾幕を打ち合い始めた。
炎龍王の拳がバンテリンの顔面に吸い込まれるように叩き込まれると、同時にバンテリンの拳が炎龍王の鳩尾に突き刺さる。
それでもお互いの意地なのか、一歩も引かず殴り合いを実に5分以上も続けていた。
最初は歓声を上げていた観客も声を止め、二人の成り行きを見守り始めた頃。
「あなた!腰が引けてるわよ!引いてんじゃない!!!」
龍妃が炎龍王に声をかけると
「バンテリンあんた、こんな所で終わるのかよ!!ぶちかませ!」
アーリが負けじと声を上げる。
二人の声を聞いた炎龍王とバンテリンは
「「おおおおお!!!!!」」
声を上げお互いの拳が顔面に突き刺さる。
数歩お互いに後ろに下がると、
「流石炎龍王・・・しぶとい」
「くく、人間のわりにやるではないか・・・まだ余裕じゃけどな」
「それはこっちも同じじゃ!!」
そういうが早いがバンテリンは一瞬姿を消し、次の瞬間炎龍王の前に現れると同時に鳩尾に拳を突き刺し、体が曲がった瞬間顎を捉え、さらに浮き上がった所にウインドインパクトを叩き込んだ。
炎龍王は5バウンドしてリングの端まで飛んでいくが、直ぐに立ち上がり口から漏れる血を腕でふき取った。
バンテリンは殴った拳を抱え苦悶の表情を浮かべていた。
「やはり化け物よのう、まさかドラゴンメイルの上からこれほどのダメージを与えるとは」
「ぐ、咄嗟に守りを固めたのか」
「くくく、体は一瞬動かなくなるが、一瞬鋼鉄よりも硬くする事が出来るのじゃ」
バンテリンは血が滴る拳を血振りの様に振るうとため息を吐き空を見上げた。
「どうした諦めたのか?」
「いや、楽しい・・・この世には強いものがまだまだ居るのだな」
そう言ってバンテリンはニヤリと笑うとゆったりと右手を上に、左手を下にしたゆったりとした構えをとった。
「ぬ?動かぬなら遠距離で仕留めてくれるわ!!」
言うが早いがおびただしいウィンドインパクトを放つ炎龍王。
バンテリンはそこから動かず殺到するウィンドインパクトを腕を回してから娶っていく。
「な!」
あまりと言えばあまりな非常識な光景に炎龍王は一瞬声を上げ固まってしまう。
その瞬間を見逃さず集めたウィンドインパクトを一気にまとめて炎龍王に打ち出した。
「がは」
その衝撃を受けて炎龍王の幻影は搔き消えてしまった。
流石のバンテリンも片膝を付き肩で激しく息をする。
少しの間会場が静かになり、バンテリンが立ち上がるとスタンディングオベーションが起こり、会場はバンテリンコールに包まれた。
幻影を消しフラフラと立ち上がるバンテリンに、トッポが駆け寄りマイクを向ける
「決勝進出おめでとうっす」
「ああ、ありがとう」
「凄い戦いだったっすね、所で最後のは何なんっすか?」
「あれは合気鏡反射と言う、わしの元上司のモンブラン様の特技じゃ」
インタビュー中に目を覚ました炎龍王が近づいてきて
「くそ!わしの負けじゃ!くそ!」
「あはははは、わしもあの技を思い出さねば負けておったよ、ぶっつけで成功したのも奇跡かも知れぬな」
「ぶっつけであのような技を出せるおぬしの胆力に今回は負けたわけだ」
不適に笑いお互いにガッチリ握手をすると、舞台の側まで龍妃とアーリが降りてきており。
龍妃は少し困った顔をした炎龍王の肩に手をやり
「お疲れ様、かっこ良かったわよ、でも負けたのは練習不足ね、一緒に一から頑張りましょう」
そう言って微笑む龍妃はとても優しい顔をしていた。
「ありがとう」
一言礼を言うと炎龍王と龍妃は去って行った。
一方バンテリンとアーリは
「お疲れ様、後一勝だね」
「ああ、約束は守る」
穏やかな空気が生まれ、そっとアーリはバンテリンのほほに口づけをした。
それを見た観客から冷やかしの歓声が上がった。
アーリは少し恥ずかしそうに手を振り、バンテリンは拳を天に突き上げて観客に答えた。
こうして準決勝が終わり明日の決勝戦を待つばかりになった。
―――――――――――――――――――――――――――
こんばんは、たぬまるです
炎龍王が龍の力を全開にしていたら、違う結果だったかもですが、人型で最大の力を出した結果です
補足までに
武闘会場は立ち見が出る程の盛況ぶりで、物凄い熱気に包まれていた。
黒いガウンを肩にかけたバンテリンが入場した。
黒いガウンはアーリと前日に買った物であった。
バンテリンの入場と共に歓声が大きくなり、その直後炎龍王が入場すると、歓声は最大になり会場は割れんばかりになった。
「これより準決勝炎龍王VSバンテリン!試合開始っす!!」
トッポの掛け声と同時に二人は駆け出し、自らの攻撃圏内で足をとめると、拳の弾幕を打ち合い始めた。
炎龍王の拳がバンテリンの顔面に吸い込まれるように叩き込まれると、同時にバンテリンの拳が炎龍王の鳩尾に突き刺さる。
それでもお互いの意地なのか、一歩も引かず殴り合いを実に5分以上も続けていた。
最初は歓声を上げていた観客も声を止め、二人の成り行きを見守り始めた頃。
「あなた!腰が引けてるわよ!引いてんじゃない!!!」
龍妃が炎龍王に声をかけると
「バンテリンあんた、こんな所で終わるのかよ!!ぶちかませ!」
アーリが負けじと声を上げる。
二人の声を聞いた炎龍王とバンテリンは
「「おおおおお!!!!!」」
声を上げお互いの拳が顔面に突き刺さる。
数歩お互いに後ろに下がると、
「流石炎龍王・・・しぶとい」
「くく、人間のわりにやるではないか・・・まだ余裕じゃけどな」
「それはこっちも同じじゃ!!」
そういうが早いがバンテリンは一瞬姿を消し、次の瞬間炎龍王の前に現れると同時に鳩尾に拳を突き刺し、体が曲がった瞬間顎を捉え、さらに浮き上がった所にウインドインパクトを叩き込んだ。
炎龍王は5バウンドしてリングの端まで飛んでいくが、直ぐに立ち上がり口から漏れる血を腕でふき取った。
バンテリンは殴った拳を抱え苦悶の表情を浮かべていた。
「やはり化け物よのう、まさかドラゴンメイルの上からこれほどのダメージを与えるとは」
「ぐ、咄嗟に守りを固めたのか」
「くくく、体は一瞬動かなくなるが、一瞬鋼鉄よりも硬くする事が出来るのじゃ」
バンテリンは血が滴る拳を血振りの様に振るうとため息を吐き空を見上げた。
「どうした諦めたのか?」
「いや、楽しい・・・この世には強いものがまだまだ居るのだな」
そう言ってバンテリンはニヤリと笑うとゆったりと右手を上に、左手を下にしたゆったりとした構えをとった。
「ぬ?動かぬなら遠距離で仕留めてくれるわ!!」
言うが早いがおびただしいウィンドインパクトを放つ炎龍王。
バンテリンはそこから動かず殺到するウィンドインパクトを腕を回してから娶っていく。
「な!」
あまりと言えばあまりな非常識な光景に炎龍王は一瞬声を上げ固まってしまう。
その瞬間を見逃さず集めたウィンドインパクトを一気にまとめて炎龍王に打ち出した。
「がは」
その衝撃を受けて炎龍王の幻影は搔き消えてしまった。
流石のバンテリンも片膝を付き肩で激しく息をする。
少しの間会場が静かになり、バンテリンが立ち上がるとスタンディングオベーションが起こり、会場はバンテリンコールに包まれた。
幻影を消しフラフラと立ち上がるバンテリンに、トッポが駆け寄りマイクを向ける
「決勝進出おめでとうっす」
「ああ、ありがとう」
「凄い戦いだったっすね、所で最後のは何なんっすか?」
「あれは合気鏡反射と言う、わしの元上司のモンブラン様の特技じゃ」
インタビュー中に目を覚ました炎龍王が近づいてきて
「くそ!わしの負けじゃ!くそ!」
「あはははは、わしもあの技を思い出さねば負けておったよ、ぶっつけで成功したのも奇跡かも知れぬな」
「ぶっつけであのような技を出せるおぬしの胆力に今回は負けたわけだ」
不適に笑いお互いにガッチリ握手をすると、舞台の側まで龍妃とアーリが降りてきており。
龍妃は少し困った顔をした炎龍王の肩に手をやり
「お疲れ様、かっこ良かったわよ、でも負けたのは練習不足ね、一緒に一から頑張りましょう」
そう言って微笑む龍妃はとても優しい顔をしていた。
「ありがとう」
一言礼を言うと炎龍王と龍妃は去って行った。
一方バンテリンとアーリは
「お疲れ様、後一勝だね」
「ああ、約束は守る」
穏やかな空気が生まれ、そっとアーリはバンテリンのほほに口づけをした。
それを見た観客から冷やかしの歓声が上がった。
アーリは少し恥ずかしそうに手を振り、バンテリンは拳を天に突き上げて観客に答えた。
こうして準決勝が終わり明日の決勝戦を待つばかりになった。
―――――――――――――――――――――――――――
こんばんは、たぬまるです
炎龍王が龍の力を全開にしていたら、違う結果だったかもですが、人型で最大の力を出した結果です
補足までに
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