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静穏を邪魔するもの
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ローレンスが勇者パーティを抜け、魔王をぶっ飛ばして2週間たった。神殿に辞表も送り、王国にも勇者パーティを抜け、もう関わり合いになりたくないと手紙を出して、自宅に戻っていた。
不思議と掃除が行き届いていて、家具のレイアウトも多少変わっていたが、何も盗られていなかった。神殿の見習い神官に掃除などを頼んでいたので、ずいぶん熱心な子も居たんだなと感謝していた。
勇者達にはボロだとか不便だと言われたが、山の上にある自然に囲まれたこの家がローレンスは好きだった。
家の周りを芝生にした広い庭に木製のチェアーベッドと机を出して横になると、太陽を思いきり身体に浴びていた。
一口ミルクで紅茶を煮出し、甘味をつけたチャイを飲んでテーブルに置くと、入れ替えるようにテーブルから本を取り読み始めた。
「は~ひっさしぶりだなぁ」
ローレンスは神殿時代に村々を回っていた。村を守るために魔物を大量に狩ったり、街道を進んでいる時に出てきた盗賊団を捕えた報奨金や素材を売ったお金がかなりあった。
そんなローレンスが自分へのご褒美に神殿からこの山を買ったのは5年ほど前の事だった。
今日一日家の温泉に入ったり過ごそうと思っていたが、探知結界が数人の侵入者の存在を知らせてきた。
やれやれと、ローレンスは本をテーブルに置くと、ストレッチしながら侵入者の方へ歩いて向かっていった。
侵入者は切り開いた広い道を真っ直ぐ来ていたので、あっさりと発見する事が出来た。
立派な鎧を纏った騎士が護衛する馬車が侵入者だった。
明らかにめんどくさい事に成りそうな予感もするが、理由を聞かないわけもいかず渋々馬車の前に姿をだした。
「貴様!この馬車をエルフェス王女の馬車と知って道を塞ぐか!」
騎士達はローレンスを囲み、剣を抜いて威嚇をする。
ローレンスは全く気にした風もなく、手をひらひらとすると。
「ここは私有地だよ。
それと君達は不法侵入の上、持ち主に剣を突きつけている。
盗賊として討伐されても可笑しくないよ?」
服だけで武器も何も持っていないローレンスをバカにしたように笑い
「貴様こそ、王家の護衛騎士を舐めてないか?
素手で討伐されるほど弱くは無いわ!」
大振りに上段から振り下ろしてきた騎士の斬撃を軽く身体をそらして交わすと、その伸び切った肘関節を下から蹴り上げた。
ぽきゃんと音がして肘関節がはずれ、腕を押さえて騎士が転がると、他の騎士が一斉に襲い掛かってくる。
ローレンスは舞う様に騎士達を次々に蹴り伏せると、10人いた騎士は全員地面に倒れていた。
「ふ~
申し訳ないが馬車の人出てきてもらえるかな?」
ローレンスがそう言うと、馬車から騎士達と同じ鎧を着た若い女性と、薄いピンクのドレスの少女年の頃なら15.6歳位の美しい王妃に似た姫が出てきた。
「おい、盗賊!姫はこの先の湯治場に御用がある、さっさとどけ!」
そう言って姫の前に出て剣を構える女騎士を見て、ローレンスはそんな所作ったっけな?と首をかしげた。
「あ~言っておくがこの先は俺の家しかないよ?」
「バカを言うな!ここは姫の湯治場だ!私が発見したボロ小屋だが!間違いなく湯治場だ!」
ローレンスに切りかかりながらそう言う女騎士の攻撃を、器用にその場から動かず上半身の柔軟さだけで交わしていくローレンスは
「ここ数年住んではなかったが、この山は神殿から俺が買ったものだし、ボロ小屋というがあれは俺の家だ!勝手なことを言うな!」
女騎士に魔法使い公爵令嬢と同じ臭いを感じて苛立ったローレンスは、女騎士の手の甲を蹴り抜くとバギャと嫌な音がしたが、その手を止めず各間接部分を蹴り飛ばし、地面に手をついて逆立ち状態になって足を大きく開くと、身体を素早く回転させて顔面に回転蹴りを叩き込んだ。
「ぎゃわわわっわ!!!
や、辞めろぉ!私はウュチコジ侯爵家の娘だぞ!
貴様なぞ父に言って討伐してくれる!」
腰を抜かした女騎士は息も絶え絶えだが、アドレナリンが出ているためか未だに口だけは達者だった。
「お待ちください」
ローレンスが呆れていると、呆然としていた姫が地面に頭をこすり付けて止めに入った。
「ここが私有地で私達が勝手に使った事、騎士たちの無礼、女騎士ママガワの発言全て謝罪いたしますのでどうぞお許しを・・・」
「はぁ・・・国王陛下にはもう関わりたくないのでと手紙を送ったんだけどね」
そう言ってばつの悪そうに笑うローレンスを頭を上げた姫が見上げる。
「お、お父様に手紙・・・ですか?」
「元勇者に無理やり付き合わされた僧侶です。
もう勇者に関わりたくないですし、非常に疲れたので」
ローレンスがそう言うと、姫はペコペコと頭を下げ
「兄共々ご迷惑をおかけして申しわけありません」
顔を真っ赤にして謝罪した。
「すきありぃぃ」
その直後、女騎士が背後からローレンスに飛び斬りを放つが、その剣を指二本で挟み止めると
「何がすきありじゃぁ!」
剣をへし折り、ローレンスは回し蹴りを女騎士のミゾオチに叩き込むと鎧は砕け、女騎士は口からキラキラを吐き出しながら地面に何度も叩きつけられ100メートル先で止まった。
「公爵令嬢ってのは碌なのがいねぇ」
「すいません、すいません、すいません」
ひたすら頭を下げる姫を何となく眺めながら、ローレンスはため息をついてしまった。
「まぁ、湯治が必要な理由があるんだろうから、一先ず話を聞かせていただきますね。
でも、極力はここには来ないでくださいね」
姫は御者に女騎士を馬車に運ばせると、
「ママガワがいるともっと揉めそうなので王都へ、それとクビと言っておいてください」
姫の言葉を聞くと、御者は必死に「オラには無理だす」と言って嫌がったので、王都へ送るだけで良いと言って馬車を出させた。
他の地面に転がった騎士達をローレンスが起こして回り、姫が事情を説明することで、一先ず騒動は落ち着いたが、数人の納得しない騎士はその場で姫付きを外され、王都に戻ることになった。
一方 王城では
文武百官が居並ぶ中国王の前で跪いた拳聖の報告に、国王は玉座に深く座ると目頭を揉み、暫くの沈黙の後やっと声を出した。
「では・・・拳聖殿でも敵わなかった魔王を、突如飛来した神官らしき人物が一方的に魔王を殴りまわして帰って行ったと・・・」
あまりにも現実離れした話に国王はため息と共に再び目頭を揉み始めた。
「実はワシにはあの男に見覚えがある、あの男は神官のローレンツだと思う」
その言葉に弾かれたように国王は顔を上げると、側に控えていた神官長を見ると神官長も驚いたように
「き、鬼神ローレンツ・・・確か勇者を大神殿に連れて行くことになったが、まるで大神殿に行こうとしないと連絡が何度も来ていたが・・・」
「確かに余の所にもなじ・・・いや、もう少し酷い報告が来ていたな。
しかし、それほどの実力者が報告に上がっていなかったとは・・・
早速王都に呼び盛大に・・・」
国王がそう宣言しようとした時、神官長に副神官長が手紙を手渡し、読んだ神官長は大声を上げた。
「ど、如何した!」
その声に慌てて国王が声をかけると、青い顔をした神官長が震える手で手紙を国王に手渡した。
手紙には要約すると、今まで我慢に我慢を重ねたがパーティ全員が我侭で金遣いが荒く、自堕落に過ごし、何度も具申したがプライドだけが高すぎ聞いて頂けないので、遂にキレて勇者を殴り飛ばした。
神殿的には許せないことだろうから、神官を辞め、昔買った山で自由に生きるのでそっとしておいて欲しい。
今までお世話になりました。なお神官に復帰は100%ありません。
国王陛下にも手紙を送っております。かしこ。
と書いてあった。それを見た国王は泡をふいて倒れそうになるが、鋼の精神で辛うじて持ちこたえる。
「経理官!王子達が旅立ってからの出費を報告せよ!文管理官!余宛の手紙にローレンス名の記された物を探しだし、持ってまいれ!」
国王の言葉に素早く反応した文官達はあっと言う間に書類をそろえて報告を上げる。
「王子が旅立たれて経費は一日1000万Gかかっておりましたが、ある神殿を出てからはだんだん減って2週間前までは月に100Gに、現在は日に1億Gかかっております!」
「ば、・・・ばか者!魔王はもう此方に戦争を仕掛けておらぬのだ!1Gも出すでない!
だいたい、その勢いで使っておれば直ぐに破産じゃ!」
国王がそう言うと側に控えていた王弟が一歩前に出て、公文書官を呼び出した。
「王子は勇者の称号を剥奪のうえ、3等級平民に降格。
我がピロリ公爵家の娘キンは貴族席を剥奪のうえ、3等級平民に降格と
国民に広く布告してください」
王弟がそう告げると騎士団長が自分もと手を上げた。
「我が伯爵家の長男ヘロヘロも追放のうえ3等級平民へ降格としてくれぇ」
こうして、勇者パーティは知らない間に特権階級から最下級平民に落ちていた。
それを知るのはまだ少し先の話。
「神官長、どうにかつながりを取るために動くしかない。協力してくれ」
「勿論です!」
「ワシも弟子入りするために協力しよう」
三人はローレンスに接触する方法を必死に模索するのだった。
そんな事も知らずローレンスは姫に温泉を使わせ、ローレンスが好きなモツ鍋を作りながらノンビリとした時間を過ごしていた。
不思議と掃除が行き届いていて、家具のレイアウトも多少変わっていたが、何も盗られていなかった。神殿の見習い神官に掃除などを頼んでいたので、ずいぶん熱心な子も居たんだなと感謝していた。
勇者達にはボロだとか不便だと言われたが、山の上にある自然に囲まれたこの家がローレンスは好きだった。
家の周りを芝生にした広い庭に木製のチェアーベッドと机を出して横になると、太陽を思いきり身体に浴びていた。
一口ミルクで紅茶を煮出し、甘味をつけたチャイを飲んでテーブルに置くと、入れ替えるようにテーブルから本を取り読み始めた。
「は~ひっさしぶりだなぁ」
ローレンスは神殿時代に村々を回っていた。村を守るために魔物を大量に狩ったり、街道を進んでいる時に出てきた盗賊団を捕えた報奨金や素材を売ったお金がかなりあった。
そんなローレンスが自分へのご褒美に神殿からこの山を買ったのは5年ほど前の事だった。
今日一日家の温泉に入ったり過ごそうと思っていたが、探知結界が数人の侵入者の存在を知らせてきた。
やれやれと、ローレンスは本をテーブルに置くと、ストレッチしながら侵入者の方へ歩いて向かっていった。
侵入者は切り開いた広い道を真っ直ぐ来ていたので、あっさりと発見する事が出来た。
立派な鎧を纏った騎士が護衛する馬車が侵入者だった。
明らかにめんどくさい事に成りそうな予感もするが、理由を聞かないわけもいかず渋々馬車の前に姿をだした。
「貴様!この馬車をエルフェス王女の馬車と知って道を塞ぐか!」
騎士達はローレンスを囲み、剣を抜いて威嚇をする。
ローレンスは全く気にした風もなく、手をひらひらとすると。
「ここは私有地だよ。
それと君達は不法侵入の上、持ち主に剣を突きつけている。
盗賊として討伐されても可笑しくないよ?」
服だけで武器も何も持っていないローレンスをバカにしたように笑い
「貴様こそ、王家の護衛騎士を舐めてないか?
素手で討伐されるほど弱くは無いわ!」
大振りに上段から振り下ろしてきた騎士の斬撃を軽く身体をそらして交わすと、その伸び切った肘関節を下から蹴り上げた。
ぽきゃんと音がして肘関節がはずれ、腕を押さえて騎士が転がると、他の騎士が一斉に襲い掛かってくる。
ローレンスは舞う様に騎士達を次々に蹴り伏せると、10人いた騎士は全員地面に倒れていた。
「ふ~
申し訳ないが馬車の人出てきてもらえるかな?」
ローレンスがそう言うと、馬車から騎士達と同じ鎧を着た若い女性と、薄いピンクのドレスの少女年の頃なら15.6歳位の美しい王妃に似た姫が出てきた。
「おい、盗賊!姫はこの先の湯治場に御用がある、さっさとどけ!」
そう言って姫の前に出て剣を構える女騎士を見て、ローレンスはそんな所作ったっけな?と首をかしげた。
「あ~言っておくがこの先は俺の家しかないよ?」
「バカを言うな!ここは姫の湯治場だ!私が発見したボロ小屋だが!間違いなく湯治場だ!」
ローレンスに切りかかりながらそう言う女騎士の攻撃を、器用にその場から動かず上半身の柔軟さだけで交わしていくローレンスは
「ここ数年住んではなかったが、この山は神殿から俺が買ったものだし、ボロ小屋というがあれは俺の家だ!勝手なことを言うな!」
女騎士に魔法使い公爵令嬢と同じ臭いを感じて苛立ったローレンスは、女騎士の手の甲を蹴り抜くとバギャと嫌な音がしたが、その手を止めず各間接部分を蹴り飛ばし、地面に手をついて逆立ち状態になって足を大きく開くと、身体を素早く回転させて顔面に回転蹴りを叩き込んだ。
「ぎゃわわわっわ!!!
や、辞めろぉ!私はウュチコジ侯爵家の娘だぞ!
貴様なぞ父に言って討伐してくれる!」
腰を抜かした女騎士は息も絶え絶えだが、アドレナリンが出ているためか未だに口だけは達者だった。
「お待ちください」
ローレンスが呆れていると、呆然としていた姫が地面に頭をこすり付けて止めに入った。
「ここが私有地で私達が勝手に使った事、騎士たちの無礼、女騎士ママガワの発言全て謝罪いたしますのでどうぞお許しを・・・」
「はぁ・・・国王陛下にはもう関わりたくないのでと手紙を送ったんだけどね」
そう言ってばつの悪そうに笑うローレンスを頭を上げた姫が見上げる。
「お、お父様に手紙・・・ですか?」
「元勇者に無理やり付き合わされた僧侶です。
もう勇者に関わりたくないですし、非常に疲れたので」
ローレンスがそう言うと、姫はペコペコと頭を下げ
「兄共々ご迷惑をおかけして申しわけありません」
顔を真っ赤にして謝罪した。
「すきありぃぃ」
その直後、女騎士が背後からローレンスに飛び斬りを放つが、その剣を指二本で挟み止めると
「何がすきありじゃぁ!」
剣をへし折り、ローレンスは回し蹴りを女騎士のミゾオチに叩き込むと鎧は砕け、女騎士は口からキラキラを吐き出しながら地面に何度も叩きつけられ100メートル先で止まった。
「公爵令嬢ってのは碌なのがいねぇ」
「すいません、すいません、すいません」
ひたすら頭を下げる姫を何となく眺めながら、ローレンスはため息をついてしまった。
「まぁ、湯治が必要な理由があるんだろうから、一先ず話を聞かせていただきますね。
でも、極力はここには来ないでくださいね」
姫は御者に女騎士を馬車に運ばせると、
「ママガワがいるともっと揉めそうなので王都へ、それとクビと言っておいてください」
姫の言葉を聞くと、御者は必死に「オラには無理だす」と言って嫌がったので、王都へ送るだけで良いと言って馬車を出させた。
他の地面に転がった騎士達をローレンスが起こして回り、姫が事情を説明することで、一先ず騒動は落ち着いたが、数人の納得しない騎士はその場で姫付きを外され、王都に戻ることになった。
一方 王城では
文武百官が居並ぶ中国王の前で跪いた拳聖の報告に、国王は玉座に深く座ると目頭を揉み、暫くの沈黙の後やっと声を出した。
「では・・・拳聖殿でも敵わなかった魔王を、突如飛来した神官らしき人物が一方的に魔王を殴りまわして帰って行ったと・・・」
あまりにも現実離れした話に国王はため息と共に再び目頭を揉み始めた。
「実はワシにはあの男に見覚えがある、あの男は神官のローレンツだと思う」
その言葉に弾かれたように国王は顔を上げると、側に控えていた神官長を見ると神官長も驚いたように
「き、鬼神ローレンツ・・・確か勇者を大神殿に連れて行くことになったが、まるで大神殿に行こうとしないと連絡が何度も来ていたが・・・」
「確かに余の所にもなじ・・・いや、もう少し酷い報告が来ていたな。
しかし、それほどの実力者が報告に上がっていなかったとは・・・
早速王都に呼び盛大に・・・」
国王がそう宣言しようとした時、神官長に副神官長が手紙を手渡し、読んだ神官長は大声を上げた。
「ど、如何した!」
その声に慌てて国王が声をかけると、青い顔をした神官長が震える手で手紙を国王に手渡した。
手紙には要約すると、今まで我慢に我慢を重ねたがパーティ全員が我侭で金遣いが荒く、自堕落に過ごし、何度も具申したがプライドだけが高すぎ聞いて頂けないので、遂にキレて勇者を殴り飛ばした。
神殿的には許せないことだろうから、神官を辞め、昔買った山で自由に生きるのでそっとしておいて欲しい。
今までお世話になりました。なお神官に復帰は100%ありません。
国王陛下にも手紙を送っております。かしこ。
と書いてあった。それを見た国王は泡をふいて倒れそうになるが、鋼の精神で辛うじて持ちこたえる。
「経理官!王子達が旅立ってからの出費を報告せよ!文管理官!余宛の手紙にローレンス名の記された物を探しだし、持ってまいれ!」
国王の言葉に素早く反応した文官達はあっと言う間に書類をそろえて報告を上げる。
「王子が旅立たれて経費は一日1000万Gかかっておりましたが、ある神殿を出てからはだんだん減って2週間前までは月に100Gに、現在は日に1億Gかかっております!」
「ば、・・・ばか者!魔王はもう此方に戦争を仕掛けておらぬのだ!1Gも出すでない!
だいたい、その勢いで使っておれば直ぐに破産じゃ!」
国王がそう言うと側に控えていた王弟が一歩前に出て、公文書官を呼び出した。
「王子は勇者の称号を剥奪のうえ、3等級平民に降格。
我がピロリ公爵家の娘キンは貴族席を剥奪のうえ、3等級平民に降格と
国民に広く布告してください」
王弟がそう告げると騎士団長が自分もと手を上げた。
「我が伯爵家の長男ヘロヘロも追放のうえ3等級平民へ降格としてくれぇ」
こうして、勇者パーティは知らない間に特権階級から最下級平民に落ちていた。
それを知るのはまだ少し先の話。
「神官長、どうにかつながりを取るために動くしかない。協力してくれ」
「勿論です!」
「ワシも弟子入りするために協力しよう」
三人はローレンスに接触する方法を必死に模索するのだった。
そんな事も知らずローレンスは姫に温泉を使わせ、ローレンスが好きなモツ鍋を作りながらノンビリとした時間を過ごしていた。
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