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引き裂かれる二人
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「どうやっても手に入れるんだってさ。前にあんなこっぴどく振られたってのに、しつこいよねー」
「妹って、さっきのあの人? そんな……」
全てはユウトの言っていた通りだったのに……嫉妬に負けて素直になれなかった自分を心から恨んだ。
「もう今頃は妹にとっ捕まってるって。ね、彼のことは諦めなよ。こっちはこっちで楽しくやればイイじゃん」
「いやだ、一緒に行くなんて言ってない!」
「あはは! ざーんねん……君には断る権利なんて無いんだよ? ここにはさ、だぁれも君を助けてくれる人なんていやしないんだから」
冷たくそう言って、強引にアキラの腕を引っ張ろうとする。
「や……痛い、放して……! ユウト……ユウト――ッ!!」
思わずアキラは、ユウトの名前を叫んでいた。
「おいおい~だからぁ、彼氏を呼んでもムダなんだって……」
キョウがそう言いかけた時。
小さな影が飛び出して、キョウの腕に思い切り噛み付いた。
「いっで――っ! 何だコイツ!」
キョウは腕からそれを振り払い、地面に叩き付けた。
「キャウ!」
悲鳴を上げたのはチビだった。
「チビ!」
束縛から自由になったアキラが、慌てて駆け寄る。
チビはすぐに起き上がり、キョウに向かって小さく唸り声を上げている。
「この……クソ犬が!」
キョウは後ろへ大きく足を振り上げて、チビを蹴り上げようとした。
「ダメッ、やめて!」
ドゴ……ッ!
そんな鈍い音がして、間に割って入ったアキラの腹にキョウの蹴りが勢いよく入った。
「……あ……っ……」
呼吸ができず、声が出ない。
蹴られた勢いで転がったまま動けなくなった。
「クンクン……」
傍に来たチビが、心配そうに声を上げる。
「チ、チビ……早く、逃げて……」
やっとの思いで声を絞り出すと、アキラはそのまま意識を手放した。
「あー、びっくりした。ま、いっか。結果オーライってことで」
キョウはアキラをひょいと肩に担ぎ上げた。
「一応これ持って来てたけどいらなかったなー。あれ? なんだ、どのみちバッテリー切れか」
そう言ってポイ、と持っていたスタンガンを適当に投げ捨てる。
チビはしばらくアキラを気に掛けるようにおろおろとしていたが、そのスタンガンを懸命に拾い上げると、元来た道を急いで引き返して行った。
「妹って、さっきのあの人? そんな……」
全てはユウトの言っていた通りだったのに……嫉妬に負けて素直になれなかった自分を心から恨んだ。
「もう今頃は妹にとっ捕まってるって。ね、彼のことは諦めなよ。こっちはこっちで楽しくやればイイじゃん」
「いやだ、一緒に行くなんて言ってない!」
「あはは! ざーんねん……君には断る権利なんて無いんだよ? ここにはさ、だぁれも君を助けてくれる人なんていやしないんだから」
冷たくそう言って、強引にアキラの腕を引っ張ろうとする。
「や……痛い、放して……! ユウト……ユウト――ッ!!」
思わずアキラは、ユウトの名前を叫んでいた。
「おいおい~だからぁ、彼氏を呼んでもムダなんだって……」
キョウがそう言いかけた時。
小さな影が飛び出して、キョウの腕に思い切り噛み付いた。
「いっで――っ! 何だコイツ!」
キョウは腕からそれを振り払い、地面に叩き付けた。
「キャウ!」
悲鳴を上げたのはチビだった。
「チビ!」
束縛から自由になったアキラが、慌てて駆け寄る。
チビはすぐに起き上がり、キョウに向かって小さく唸り声を上げている。
「この……クソ犬が!」
キョウは後ろへ大きく足を振り上げて、チビを蹴り上げようとした。
「ダメッ、やめて!」
ドゴ……ッ!
そんな鈍い音がして、間に割って入ったアキラの腹にキョウの蹴りが勢いよく入った。
「……あ……っ……」
呼吸ができず、声が出ない。
蹴られた勢いで転がったまま動けなくなった。
「クンクン……」
傍に来たチビが、心配そうに声を上げる。
「チ、チビ……早く、逃げて……」
やっとの思いで声を絞り出すと、アキラはそのまま意識を手放した。
「あー、びっくりした。ま、いっか。結果オーライってことで」
キョウはアキラをひょいと肩に担ぎ上げた。
「一応これ持って来てたけどいらなかったなー。あれ? なんだ、どのみちバッテリー切れか」
そう言ってポイ、と持っていたスタンガンを適当に投げ捨てる。
チビはしばらくアキラを気に掛けるようにおろおろとしていたが、そのスタンガンを懸命に拾い上げると、元来た道を急いで引き返して行った。
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