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告白

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「あ、ユウト! 大事な物忘れてる」

 アキラが置かれたままになっていた眼鏡を拾い上げ、ユウトへと差し出した。

「ああ、ありがとう」

 受け取ろうするユウトの顔を、アキラがじっと見つめてくる。

「え、なに?」

「目……大丈夫なの? 何かさっき左目だけ色が違って見えた。悪化したりとか……してないよね?」

 そう心配気に聞いてきた。

「色が違う? そうなのか……」

 ユウトはアキラの頬に手を添えると、自分の顔の正面に寄せた。
 アキラを見つめるブラウンがかった左の瞳が、金色へと変化する。

「また……どうして?」

「分からないけど、前までほとんど見えていなかったものが今は見えるんだ。こうして神経を集中させないと駄目だけど」

 突然、アキラはユウトの顔をガバッと両手で更に自分の方へと引き寄せた。

「ホ、ホントに? ホントにちゃんと見えてる? オレの顔も?」

「うん、見える……見えすぎてこのままキスしたくなるくらい」

「…………」

 それを聞いて、アキラはぱっと身体を引いた。

「ダメ、もう遅い」

「えっ!? や……!」

 ユウトは逃げ腰になったアキラの身体を引き寄せた。

「も……やだ! 人が真剣に話してるのに!」

「怖いか?」

「え……?」

 そんなユウトの顔はどことなく沈んで見える。

「気付かなかった、左右瞳の色が違うなんて……俺のこと気味悪くないか?」

 この状態はトラウマの上から更に傷を付けられたようなものだと、ユウトにはそう思えてならなかった。

「なんで、全然? 逆にシベリアンハスキーみたいで何かカッコイイじゃん。オレの方がよっぽど変でしょ。だって女だよ?」

 そう言ってアキラはにっこりと笑う。

「お前な、シベリアンハスキーって……まあ、いいけど」

 そう言いながらも、裏表の感じられないアキラの言葉は、ユウトの不安を見事に吹き飛ばしてくれた。

「でも……そうか。ホントに見えてるんだね」

 そして心底嬉しそうにしているアキラを見て、ユウトも何だか嬉しくなった。

「じゃあ、本当にキスしていい?」

「そ……」

 返事を待たずにそれは強行される。
 アキラの唇に触れると、ユウト中へ一気に安堵感が流れ込んできた。


 自分にも何らかの変化が起こっている。
 これは果たして、本当に人間の進化なのだろうか―― 
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