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出会い
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何だ、コイツは虐待を受けた口ではなさそうだ。
自分のことはどうでも良かったので、何でも話してやろうと思った。
とりあえず、お互いの共通点から切り出してみる。
「お前、俺と同じ歳なんだろ? 誕生日っていつ? 俺は七月三日なんだ」
アキラはまた目を丸くした。
何の反応も示さないのかと思えば、結構色んな表情を見せてくる。
ユウトは少し面白くなってきた。
「お前、話せないって聞いたけど、今までは話せたんだろ? じゃあ、また話せるようになったら俺の名前『ユウト』って呼び捨てでいいよ。俺もお前のこと『アキラ』って呼ぶから」
アキラの顔色が変わった。
ユウトは自分の言葉にいちいち反応するアキラに、「やっぱりこいつ面白いかも」と興味を持った。
その時だった。
「ユ、ユウト……?」
不意に、アキラが言葉を発した。
「ア、アキラくん! 声が……! え、話せるの?」
先生が異常に興奮して「ちょっと待ってて!」と、他の先生を呼びに走って行った。
ユウトは、そんな先生とアキラを交互に見比べた。
「何だ、お前しゃべれるじゃん」
「だって、今までホントに声が出なかったんだ……」
アキラ自身も驚いているようだ。
そして、改めて聞いてきた。
「君、『ユウト』って言うの?」
「ああ、そうだけど」
「オレのおにいちゃんと同じ名前だ!」
アキラはそう言うと、突然嬉しそうに話し出した。
「あと誕生日! 七月三日! オレも同じ日だよ」
「へー、そうなんだ? すごい偶然だな」
「ねえ、何時に生まれたの? オレ夕方の五時くらいなんだけどさ」
そこまで聞く? と思いながらも、ユウトは律儀に答えていた。
「え……と、多分朝早くに生まれたって聞いたような」
「じゃあ君のほうがおにいちゃんだ! ねえ、おにいちゃんって呼んでいい?」
さっきとはまるで別人、さすがのユウトも思わず引いた。
「いやさっき『ユウト』って呼び捨てにしろって言ったろ? それにしてもよくしゃべるなお前」
そうこうしている内に先生たちが戻って来て、アキラはそのまま連れて行かれた。
「またあとでねー」と、言い置きながら。
二人の出会いはこんな感じだった。
自分のことはどうでも良かったので、何でも話してやろうと思った。
とりあえず、お互いの共通点から切り出してみる。
「お前、俺と同じ歳なんだろ? 誕生日っていつ? 俺は七月三日なんだ」
アキラはまた目を丸くした。
何の反応も示さないのかと思えば、結構色んな表情を見せてくる。
ユウトは少し面白くなってきた。
「お前、話せないって聞いたけど、今までは話せたんだろ? じゃあ、また話せるようになったら俺の名前『ユウト』って呼び捨てでいいよ。俺もお前のこと『アキラ』って呼ぶから」
アキラの顔色が変わった。
ユウトは自分の言葉にいちいち反応するアキラに、「やっぱりこいつ面白いかも」と興味を持った。
その時だった。
「ユ、ユウト……?」
不意に、アキラが言葉を発した。
「ア、アキラくん! 声が……! え、話せるの?」
先生が異常に興奮して「ちょっと待ってて!」と、他の先生を呼びに走って行った。
ユウトは、そんな先生とアキラを交互に見比べた。
「何だ、お前しゃべれるじゃん」
「だって、今までホントに声が出なかったんだ……」
アキラ自身も驚いているようだ。
そして、改めて聞いてきた。
「君、『ユウト』って言うの?」
「ああ、そうだけど」
「オレのおにいちゃんと同じ名前だ!」
アキラはそう言うと、突然嬉しそうに話し出した。
「あと誕生日! 七月三日! オレも同じ日だよ」
「へー、そうなんだ? すごい偶然だな」
「ねえ、何時に生まれたの? オレ夕方の五時くらいなんだけどさ」
そこまで聞く? と思いながらも、ユウトは律儀に答えていた。
「え……と、多分朝早くに生まれたって聞いたような」
「じゃあ君のほうがおにいちゃんだ! ねえ、おにいちゃんって呼んでいい?」
さっきとはまるで別人、さすがのユウトも思わず引いた。
「いやさっき『ユウト』って呼び捨てにしろって言ったろ? それにしてもよくしゃべるなお前」
そうこうしている内に先生たちが戻って来て、アキラはそのまま連れて行かれた。
「またあとでねー」と、言い置きながら。
二人の出会いはこんな感じだった。
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