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後日談第一話 二年目の結婚記念日、二人きりのデート
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――あの離縁騒動が収まってからしばらく、信じられないくらいに平穏な日々が続いていた。
ヒューパート様と身を寄せ合い、少しずつ想いを通わせている最中。わたくしの気持ちと、ヒューパート様がツンデレ丸出しのセリフで愛を伝えてくるようになったくらいしか劇的な変化はない。
けれど子をもうけない限りわたくしたちの関係に期限があるという以上、いつまでもそういうわけにはいかなかった。猶予は長くない。関係を進展させるためには、どうしてもきっかけというものが必要だった。
故にわたくしはこの時を待っていたのだ。
「そうだ、ジェシカ。明日は仕事も少なくてちょうど暇だ。だからその、出かけてやってもいいぞ。……二人で」
ヒューパート様にそんな風にして二人きりの外出、つまりデートに誘われたのは、ある穏やかな昼下がりのことだった。
そわそわと視線を彷徨わせながらヒューパート様の顔面は真っ赤に染まっていて、恥ずかしさを堪えて勇気を出した上での発言なのだろうということが窺える。
それもそのはず、さも思いつきかのように彼は言っているが、前々から予定し計画していたに違いない。何せ明日は婚姻を結んでからちょうど二年目になる日なのだから。
一年前の結婚記念日は祝うどころかさらに溝を深めるような最悪のものになってしまっていたが、ヒューパート様にその気があるのならば、何かしら考えてくださるはず。
そう考えてそっと期待していたのだけれど、いよいよわたくしを外へ連れ出してくださる気になったらしい。
「ありがとうございます。楽しみですわ、ヒューパート様」
ふふっと微笑めば、ヒューパート様は気まずそうに頷く。
明日で結婚二年目だというのにまるで新婚ほやほやの夫婦のようだとわたくしは思った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あら、馬車ではございませんの?」
「馬車でのデートはヴェストリス嬢の時にやったからな。同じじゃつまらないだろう」
ダブルデートの時に色々それらしいことはした。
ならば今度はどんなデートをご用意くださるのだろうと思っていたら、なんと徒歩で行くというのでわたくしは驚かずにはいられない。
貴族、そして皇太子妃として、常に姿勢正しくあるために最低限の体力はある。だが今回の装いはお忍び用でも何でもなく孔雀色のドレスだし足元も高いヒールなので、そんな長距離が歩けるはずもないのだけれど。
でもまあいい。わたくしはヒューパート様を信じてみることにした。
小さな路地など、決して王族貴族は通るべきではない道をクネクネと進みながら向かう。
普通の街であればこのような場所は決まって治安が悪いが、王都はかなり豊かであり警備も行き届いているので、まず野盗が現れる可能性は極めて低い。
……とはいえ大通りの方が賑やかだし安全には違いない。ならなぜ人目につかないような道を歩いているかといえば、わたくしたちの服装が派手過ぎて悪目立ちするからだった。
お忍び用の衣装で来なかった理由は、ヒューパート様が「お前が地味な衣装を着ると服が可哀想だ」と言ったから。つまりわたくしには綺麗な衣装の方が似合うのでデートの時はそうしてほしいということ。
仕方のない人ですわねと苦笑しつつ、全く悪い気はしていなかった。
人気の少ない路地とはいえ、ところどころに小さな商店があったりする。
少しはしたないけれど、商店に立ち寄っては庶民の食べ物を見つけ、物珍しさと美味しそうな匂いに誘われて購入、そして歩きながら食べた。
「この焼き鳥というのは意外に美味しゅうございますわね。ヒューパート様もお一ついかがですか?」
「そ、そうだな。でも待て、つまりジェシカが口にしたものを私が食べるということに……」
途端に顔を赤らめるヒューパート様。
うぶとしか言いようがないその反応に、わたくしはくすりと笑ってしまった。
「直接口付けたこともありますのに、今更恥じらわなくてもよろしいのでは? わたくしたちは本当の夫婦になるのでしょう」
「ああ、うん。それなら仕方ない。一口、食べさせてもらおう」
「一口と言わずにお好きなだけどうぞ」
焼き鳥の串を差し出すと、ヒューパート様が口を開け、齧り付く。
その仕草はやはりどこか遠慮がちで、彼の紅潮はなかなかに収まらない。彼が食べ終えるまでのしばらくの間、わたくしはヒューパート様の顔を微笑ましい気持ちで眺め続けていた。
ふらふらと店に立ち寄るなどしつつ、辿り着いたのは城下町と隣町の間に流れる小川のほとり。
そこには小さな船着場があった。
「ここから小舟が出るらしい。一緒に乗るぞ。もちろん、嫌なら嫌と言ってくれ」
キラキラと陽光を反射する小川はとても美しく、なんだか幻想的だ。
そういうことに疎い方だと思っていたけれど、意外に気が利くらしい。
「小舟の上でデートだなんてなかなか経験できないことですわね。楽しませていただきたいですわ」
「そうか。……良かった」
安心したのか、ふと見せられたヒューパート様の柔らかな微笑みに、胸が大きく跳ねる。
突然の笑顔は反則だ。これから慣れていかなければならないとわかっていても、ときめかずになんていられないのだ。
船着場の管理者に小舟を借り、舟に乗ったあとも、ヒューパート様とのデートは続く。
川面の上で静かに揺れる穏やかな舟の上、わたくしと横並びで座っていた彼は、躊躇いがちに提案してきた。
「そうだ、せっかくの機会なので一つやりたいと思っていたことがあったのを思い出した」
「何ですの?」
「あの、その――膝枕というやつをだな、一度、やってみないか」
膝枕。
アンナ嬢に貸してもらった恋愛小説の中でしか聞き覚えのないその言葉に、わたくしは一瞬固まる。
砂糖菓子のごとき甘いその行為を実演するなんて、想像するだけでなんとも言えない気分になってしまう。
つまり、わたくしの頭をヒューパート様の膝の上に預けるということ。そのようなはしたないことをしていいのだろうか、と思ったけれど。
――いけませんわ。ヒューパート様が勇気を出したのですもの、わたくしもつまらない迷いを捨てなければ。
わたくしは覚悟を決めて頷き、恐る恐る身を横たえる。
そして、後頭部にヒューパート様のやや硬い膝が触れた。
「――っ!」
横たわった状態のままで目が合った瞬間、ヒューパート様の体がぴくんと跳ね、ぷるぷると震え出す。
「どうしましたの?」と問いかければ、「可愛かった」の一言が返ってきた。
ただ横になって視線を交えただけでこんなことを言われるとは思わず、わたくしは押し黙る。
けれどそれは悪感情からではない。ヒューパート様が本音を漏らしてくれたのが嬉しかったし、なんだか照れ臭かった故のことだった。
川のせせらぎだけがあたりに響いていた。とても心地良い静寂だった。
思わずうとうとしてしまうほど、のどかで平和で幸せなひととき。豪華で贅沢なデートもいいけれど、この方が肌に合うような気がした。
一体いつまでそうしていただろうか。
目が覚めたら美しい顔がすぐ間近にあり、額に口付けが落とされていた。
「……ヒューパート、様」
「じぇ、ジェシカ、起きていたのか!?」
驚くほどの素早さで顔を赤く染め、飛び退くヒューパート様。
もっと口付けの感触を味わっていたかったと思いながら、わたくしはふふっと微笑む。
「今夜はもっとやっていただきますから、覚悟してくださいませね?」
その言葉を受けたヒューパート様はひたすらあわあわしていて、そんな姿がなんだか愛おしかった。
ヒューパート様と身を寄せ合い、少しずつ想いを通わせている最中。わたくしの気持ちと、ヒューパート様がツンデレ丸出しのセリフで愛を伝えてくるようになったくらいしか劇的な変化はない。
けれど子をもうけない限りわたくしたちの関係に期限があるという以上、いつまでもそういうわけにはいかなかった。猶予は長くない。関係を進展させるためには、どうしてもきっかけというものが必要だった。
故にわたくしはこの時を待っていたのだ。
「そうだ、ジェシカ。明日は仕事も少なくてちょうど暇だ。だからその、出かけてやってもいいぞ。……二人で」
ヒューパート様にそんな風にして二人きりの外出、つまりデートに誘われたのは、ある穏やかな昼下がりのことだった。
そわそわと視線を彷徨わせながらヒューパート様の顔面は真っ赤に染まっていて、恥ずかしさを堪えて勇気を出した上での発言なのだろうということが窺える。
それもそのはず、さも思いつきかのように彼は言っているが、前々から予定し計画していたに違いない。何せ明日は婚姻を結んでからちょうど二年目になる日なのだから。
一年前の結婚記念日は祝うどころかさらに溝を深めるような最悪のものになってしまっていたが、ヒューパート様にその気があるのならば、何かしら考えてくださるはず。
そう考えてそっと期待していたのだけれど、いよいよわたくしを外へ連れ出してくださる気になったらしい。
「ありがとうございます。楽しみですわ、ヒューパート様」
ふふっと微笑めば、ヒューパート様は気まずそうに頷く。
明日で結婚二年目だというのにまるで新婚ほやほやの夫婦のようだとわたくしは思った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「あら、馬車ではございませんの?」
「馬車でのデートはヴェストリス嬢の時にやったからな。同じじゃつまらないだろう」
ダブルデートの時に色々それらしいことはした。
ならば今度はどんなデートをご用意くださるのだろうと思っていたら、なんと徒歩で行くというのでわたくしは驚かずにはいられない。
貴族、そして皇太子妃として、常に姿勢正しくあるために最低限の体力はある。だが今回の装いはお忍び用でも何でもなく孔雀色のドレスだし足元も高いヒールなので、そんな長距離が歩けるはずもないのだけれど。
でもまあいい。わたくしはヒューパート様を信じてみることにした。
小さな路地など、決して王族貴族は通るべきではない道をクネクネと進みながら向かう。
普通の街であればこのような場所は決まって治安が悪いが、王都はかなり豊かであり警備も行き届いているので、まず野盗が現れる可能性は極めて低い。
……とはいえ大通りの方が賑やかだし安全には違いない。ならなぜ人目につかないような道を歩いているかといえば、わたくしたちの服装が派手過ぎて悪目立ちするからだった。
お忍び用の衣装で来なかった理由は、ヒューパート様が「お前が地味な衣装を着ると服が可哀想だ」と言ったから。つまりわたくしには綺麗な衣装の方が似合うのでデートの時はそうしてほしいということ。
仕方のない人ですわねと苦笑しつつ、全く悪い気はしていなかった。
人気の少ない路地とはいえ、ところどころに小さな商店があったりする。
少しはしたないけれど、商店に立ち寄っては庶民の食べ物を見つけ、物珍しさと美味しそうな匂いに誘われて購入、そして歩きながら食べた。
「この焼き鳥というのは意外に美味しゅうございますわね。ヒューパート様もお一ついかがですか?」
「そ、そうだな。でも待て、つまりジェシカが口にしたものを私が食べるということに……」
途端に顔を赤らめるヒューパート様。
うぶとしか言いようがないその反応に、わたくしはくすりと笑ってしまった。
「直接口付けたこともありますのに、今更恥じらわなくてもよろしいのでは? わたくしたちは本当の夫婦になるのでしょう」
「ああ、うん。それなら仕方ない。一口、食べさせてもらおう」
「一口と言わずにお好きなだけどうぞ」
焼き鳥の串を差し出すと、ヒューパート様が口を開け、齧り付く。
その仕草はやはりどこか遠慮がちで、彼の紅潮はなかなかに収まらない。彼が食べ終えるまでのしばらくの間、わたくしはヒューパート様の顔を微笑ましい気持ちで眺め続けていた。
ふらふらと店に立ち寄るなどしつつ、辿り着いたのは城下町と隣町の間に流れる小川のほとり。
そこには小さな船着場があった。
「ここから小舟が出るらしい。一緒に乗るぞ。もちろん、嫌なら嫌と言ってくれ」
キラキラと陽光を反射する小川はとても美しく、なんだか幻想的だ。
そういうことに疎い方だと思っていたけれど、意外に気が利くらしい。
「小舟の上でデートだなんてなかなか経験できないことですわね。楽しませていただきたいですわ」
「そうか。……良かった」
安心したのか、ふと見せられたヒューパート様の柔らかな微笑みに、胸が大きく跳ねる。
突然の笑顔は反則だ。これから慣れていかなければならないとわかっていても、ときめかずになんていられないのだ。
船着場の管理者に小舟を借り、舟に乗ったあとも、ヒューパート様とのデートは続く。
川面の上で静かに揺れる穏やかな舟の上、わたくしと横並びで座っていた彼は、躊躇いがちに提案してきた。
「そうだ、せっかくの機会なので一つやりたいと思っていたことがあったのを思い出した」
「何ですの?」
「あの、その――膝枕というやつをだな、一度、やってみないか」
膝枕。
アンナ嬢に貸してもらった恋愛小説の中でしか聞き覚えのないその言葉に、わたくしは一瞬固まる。
砂糖菓子のごとき甘いその行為を実演するなんて、想像するだけでなんとも言えない気分になってしまう。
つまり、わたくしの頭をヒューパート様の膝の上に預けるということ。そのようなはしたないことをしていいのだろうか、と思ったけれど。
――いけませんわ。ヒューパート様が勇気を出したのですもの、わたくしもつまらない迷いを捨てなければ。
わたくしは覚悟を決めて頷き、恐る恐る身を横たえる。
そして、後頭部にヒューパート様のやや硬い膝が触れた。
「――っ!」
横たわった状態のままで目が合った瞬間、ヒューパート様の体がぴくんと跳ね、ぷるぷると震え出す。
「どうしましたの?」と問いかければ、「可愛かった」の一言が返ってきた。
ただ横になって視線を交えただけでこんなことを言われるとは思わず、わたくしは押し黙る。
けれどそれは悪感情からではない。ヒューパート様が本音を漏らしてくれたのが嬉しかったし、なんだか照れ臭かった故のことだった。
川のせせらぎだけがあたりに響いていた。とても心地良い静寂だった。
思わずうとうとしてしまうほど、のどかで平和で幸せなひととき。豪華で贅沢なデートもいいけれど、この方が肌に合うような気がした。
一体いつまでそうしていただろうか。
目が覚めたら美しい顔がすぐ間近にあり、額に口付けが落とされていた。
「……ヒューパート、様」
「じぇ、ジェシカ、起きていたのか!?」
驚くほどの素早さで顔を赤く染め、飛び退くヒューパート様。
もっと口付けの感触を味わっていたかったと思いながら、わたくしはふふっと微笑む。
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