9 / 40
第九話 急変する皇太子の態度①
しおりを挟む
結婚してから半年目になる頃には、使用人たちはすっかり調子に乗って、廊下ですれ違いざまにわざとわたくしへぶつかってきたり、隠しもせずに嘲笑ってきたりするようになった。
本当に程度の低い使用人だとクロエは怒っていた。当然わたくしとて腹が立たないわけではない。しかし騒ぎは起こさず、「これくらい構いませんわ」と微笑んで見せ続けていた。
もちろんヒューパート様には今も知らせていない。
この城にわたくしが滞在するのは離縁するまでの間。あと一年半もすれば城を出ることになる。
その時が待ち遠しくてならないと思いながら、淡々と日々を過ごしていた、ある日のことだった。
昼間だというのにヒューパート様が現れ、激しく扉が開け放たれたのは。
「ジェシカ。お前、ずっと私に黙っていたな!」
扉の向こうに立つ彼はどうやら大急ぎでここへ来たらしく、美しい銀髪を汗でぐっしょりと濡らしている。顔は真っ赤だった。
一体何事だろう。わたくしはなんだか嫌な予感がした。
「大急ぎでいかがなさいましたの、ヒューパート様」
「とぼけるな!」
いつになく怒気を孕んだ声で言われ、思わず首を傾げる。
彼が激昂するような理由が見当たらなかったからだ。
「申し訳ございませんが心当たりがございませんわ。わたくしに何か粗相でもございましたでしょうか?」
「お前に粗相はない。だがお前にも責はある! 使用人からの嫌がらせについてだ。
先ほど廊下を歩いていた際、偶然聞いてしまったのだ。掃除メイドたちが群れてお前の悪口を言って笑い合っていたところを! 問い詰めたら揃って陰口を叩き、嫌がらせをしているというではないか。この件をお前自身が知らなかったとは言わせないぞ」
「あら、そのことですのね」
わたくしはなんでもないことのように答える。
しかしその実、この後どう答え、行動するのが最適解なのだろうと思考を巡らせていた。
せっかくわたくしが黙っていたのに、うっかりヒューパート様に見つかってしまうとは本当に愚かな使用人たちだ。
おかげでこうしてわたくしにも面倒ごとが降りかかる。
「……どうして私にもっと早く言わなかった」
静かに、しかし氷のような声でヒューパート様がわたくしに問うた。
きっとそこにあるのは苛立ちだ。先日、わたくしは何かあれば言えと言われたにもかかわらず今日まで口をつぐんでいた。そのことは責め立てられても当然だ。
「ヒューパート様に申し上げるまでもないくだらないことだと考え、無視しておりましたのよ。嫌がらせといえど、大した内容ではございませんわ。相手はお喋りしか能のない雀に過ぎないですもの。
けれどもしご不快な思いをさせてしまいましたら申し訳ございません。以後、気をつけますわ」
――使用人に侮られるとはお前はやはりどうしようもなくダメな女だ。
――私の言葉に従わないとはどういうことだ。お前は私の妃に相応しくないな。
たとえどんな罵倒を浴びせられても、静かに頷くつもりだった。
けれど、ヒューパート様の口から飛び出したのは予想の斜め上の言葉で。
「お前は何もわかっていない。仕方ない、私が直接愚か者どもに処罰を与える!」
わたくしは思わず目を見開いた。
「……今、なんと?」
「見ていろ。私の妃をコケにしてくれた者どもを地獄の底へ叩き落としてやるからな」
彼の真紅の瞳は、今までにないほどの怒りに燃え上がっているように見えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
彼は本気だった。
ヒューパート様はわたくしを連れ出し、同時に使用人全員を小ホールへ呼び出すと、今までの一部始終をわたくしに話させた。
その上で、一度でもわたくしの陰口を叩いたりそれに同調した者、肩をぶつけるなどしてきた者、わたくし付きの侍女であるクロエにしつこく嫌がらせをするように言った者、果てはそのことを知っていながら内密にしていた者まで、ヒューパート様によって全員が解雇を通告されたのだ。
当然使用人たちは反論していたが、「おとなしく出て行かなければ投獄する」とヒューパート様が言った途端、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
紹介状もなかったのでおそらく彼らが今までのような職を得ることはまずできないだろう。
使用人の七割がいなくなり、城はがらんとなった。
その徹底ぶりにわたくしは震えた。
「どうだ、思い知ったか」
冷たい声で使用人たちの背に声を投げかけるヒューパート様がなんだか恐ろしくなって、わたくしはクロエを伴って部屋へ駆け戻った。
「一体どうしてこんなことに……」
「奥様が皇太子殿下に愛されているからだと思いますよ。奥様から口止めされて言えなかったわたしもとんでもなく叱られてしまったくらいなんですから」
クロエがため息混じりにそう言った。
彼女もヒューパート様に解雇されそうになったのを必死に止めてどうにか専属侍女に留まらせている。非常に危ないところだった。
本当になぜあそこまでしたのかが理解できない。
クロエに言われて改めて考えてみたが、幾度考えたところでわたくしが愛されているということは決してあり得ないのだ。
彼はわたくしのことを普段からろくに見つめもしないくらいだし、わたくしも彼を嫌っている。幼馴染同士だからと恋仲になるのはせいぜい男爵家や子爵家といった下級貴族の次男次女、つまり政略的な婚姻をする意味のない立場の者くらいだ。上級貴族が恋や愛を育むのは婚約をした以降であり、そしてそもそもわたくしたちはずいぶん昔から仲が悪かったのでそのような関係性を持っていない。
そもそも愛されていたとすれば、白い結婚などする必要がないのだから答えは明白だった。
考えられる可能性は一つ。
皇太子妃であるわたくしの陰口を当たり前のように口にするくらいなのだ、使用人の質が悪いのは確実。それを一掃しておきたかったのだろう。
きっとそうに違いない。
そうしてわたくしは自分を納得させた。
それなのに――。
この日からヒューパート様の態度は、信じられないまでに急変することになった。
本当に程度の低い使用人だとクロエは怒っていた。当然わたくしとて腹が立たないわけではない。しかし騒ぎは起こさず、「これくらい構いませんわ」と微笑んで見せ続けていた。
もちろんヒューパート様には今も知らせていない。
この城にわたくしが滞在するのは離縁するまでの間。あと一年半もすれば城を出ることになる。
その時が待ち遠しくてならないと思いながら、淡々と日々を過ごしていた、ある日のことだった。
昼間だというのにヒューパート様が現れ、激しく扉が開け放たれたのは。
「ジェシカ。お前、ずっと私に黙っていたな!」
扉の向こうに立つ彼はどうやら大急ぎでここへ来たらしく、美しい銀髪を汗でぐっしょりと濡らしている。顔は真っ赤だった。
一体何事だろう。わたくしはなんだか嫌な予感がした。
「大急ぎでいかがなさいましたの、ヒューパート様」
「とぼけるな!」
いつになく怒気を孕んだ声で言われ、思わず首を傾げる。
彼が激昂するような理由が見当たらなかったからだ。
「申し訳ございませんが心当たりがございませんわ。わたくしに何か粗相でもございましたでしょうか?」
「お前に粗相はない。だがお前にも責はある! 使用人からの嫌がらせについてだ。
先ほど廊下を歩いていた際、偶然聞いてしまったのだ。掃除メイドたちが群れてお前の悪口を言って笑い合っていたところを! 問い詰めたら揃って陰口を叩き、嫌がらせをしているというではないか。この件をお前自身が知らなかったとは言わせないぞ」
「あら、そのことですのね」
わたくしはなんでもないことのように答える。
しかしその実、この後どう答え、行動するのが最適解なのだろうと思考を巡らせていた。
せっかくわたくしが黙っていたのに、うっかりヒューパート様に見つかってしまうとは本当に愚かな使用人たちだ。
おかげでこうしてわたくしにも面倒ごとが降りかかる。
「……どうして私にもっと早く言わなかった」
静かに、しかし氷のような声でヒューパート様がわたくしに問うた。
きっとそこにあるのは苛立ちだ。先日、わたくしは何かあれば言えと言われたにもかかわらず今日まで口をつぐんでいた。そのことは責め立てられても当然だ。
「ヒューパート様に申し上げるまでもないくだらないことだと考え、無視しておりましたのよ。嫌がらせといえど、大した内容ではございませんわ。相手はお喋りしか能のない雀に過ぎないですもの。
けれどもしご不快な思いをさせてしまいましたら申し訳ございません。以後、気をつけますわ」
――使用人に侮られるとはお前はやはりどうしようもなくダメな女だ。
――私の言葉に従わないとはどういうことだ。お前は私の妃に相応しくないな。
たとえどんな罵倒を浴びせられても、静かに頷くつもりだった。
けれど、ヒューパート様の口から飛び出したのは予想の斜め上の言葉で。
「お前は何もわかっていない。仕方ない、私が直接愚か者どもに処罰を与える!」
わたくしは思わず目を見開いた。
「……今、なんと?」
「見ていろ。私の妃をコケにしてくれた者どもを地獄の底へ叩き落としてやるからな」
彼の真紅の瞳は、今までにないほどの怒りに燃え上がっているように見えた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
彼は本気だった。
ヒューパート様はわたくしを連れ出し、同時に使用人全員を小ホールへ呼び出すと、今までの一部始終をわたくしに話させた。
その上で、一度でもわたくしの陰口を叩いたりそれに同調した者、肩をぶつけるなどしてきた者、わたくし付きの侍女であるクロエにしつこく嫌がらせをするように言った者、果てはそのことを知っていながら内密にしていた者まで、ヒューパート様によって全員が解雇を通告されたのだ。
当然使用人たちは反論していたが、「おとなしく出て行かなければ投獄する」とヒューパート様が言った途端、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
紹介状もなかったのでおそらく彼らが今までのような職を得ることはまずできないだろう。
使用人の七割がいなくなり、城はがらんとなった。
その徹底ぶりにわたくしは震えた。
「どうだ、思い知ったか」
冷たい声で使用人たちの背に声を投げかけるヒューパート様がなんだか恐ろしくなって、わたくしはクロエを伴って部屋へ駆け戻った。
「一体どうしてこんなことに……」
「奥様が皇太子殿下に愛されているからだと思いますよ。奥様から口止めされて言えなかったわたしもとんでもなく叱られてしまったくらいなんですから」
クロエがため息混じりにそう言った。
彼女もヒューパート様に解雇されそうになったのを必死に止めてどうにか専属侍女に留まらせている。非常に危ないところだった。
本当になぜあそこまでしたのかが理解できない。
クロエに言われて改めて考えてみたが、幾度考えたところでわたくしが愛されているということは決してあり得ないのだ。
彼はわたくしのことを普段からろくに見つめもしないくらいだし、わたくしも彼を嫌っている。幼馴染同士だからと恋仲になるのはせいぜい男爵家や子爵家といった下級貴族の次男次女、つまり政略的な婚姻をする意味のない立場の者くらいだ。上級貴族が恋や愛を育むのは婚約をした以降であり、そしてそもそもわたくしたちはずいぶん昔から仲が悪かったのでそのような関係性を持っていない。
そもそも愛されていたとすれば、白い結婚などする必要がないのだから答えは明白だった。
考えられる可能性は一つ。
皇太子妃であるわたくしの陰口を当たり前のように口にするくらいなのだ、使用人の質が悪いのは確実。それを一掃しておきたかったのだろう。
きっとそうに違いない。
そうしてわたくしは自分を納得させた。
それなのに――。
この日からヒューパート様の態度は、信じられないまでに急変することになった。
22
お気に入りに追加
1,829
あなたにおすすめの小説
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
【完結】逆行の代償に悪魔と契約してしまった子爵令嬢、悪魔に殴り勝ってハッピーエンドを目指します。 婚約者も親友も救ってみせますとも!
はづも
恋愛
子爵家の娘、リリィベル・リーシャンは、次期辺境伯のグラジオとの結婚式で、親友のフォルビアに腹を刺された。
自分を庇ったグラジオの片腕は動かない。親友は処刑される。領民は殺せ殺せと騒ぎ立てている。
こんなの、嫌だ。リリィベルはみんなを助けるため、悪魔と契約して時を遡る。
グラジオも、フォルビアも、領民も。みんな守ってみせます!
悪魔に身体を乗っ取られた! と思ったけど、暴力でさくっと奪い返したり。
人々に憑いた悪魔を祓ったり。
リリィベルに憑いた悪魔・ミュールが可愛い猫ちゃんの姿で顕現したり。
悪魔を祓ううちに、聖女扱いされたり。
……一部の人に、嫌われたり。
つらいことがあっても、リリィベルは止まらない。大事な人たちを、今度こそ守るために。
人間愚か要素もありますがハッピーエンドです。
このお話は、小説家になろう、アルファポリス、ノベルアップ+、ツギクルに投稿されています。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
2度目の人生は好きにやらせていただきます
みおな
恋愛
公爵令嬢アリスティアは、婚約者であるエリックに学園の卒業パーティーで冤罪で婚約破棄を言い渡され、そのまま処刑された。
そして目覚めた時、アリスティアは学園入学前に戻っていた。
今度こそは幸せになりたいと、アリスティアは婚約回避を目指すことにする。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
どうぞご勝手になさってくださいまし
志波 連
恋愛
政略結婚とはいえ12歳の時から婚約関係にあるローレンティア王国皇太子アマデウスと、ルルーシア・メリディアン侯爵令嬢の仲はいたって上手くいっていた。
辛い教育にもよく耐え、あまり学園にも通学できないルルーシアだったが、幼馴染で親友の侯爵令嬢アリア・ロックスの励まされながら、なんとか最終学年を迎えた。
やっと皇太子妃教育にも目途が立ち、学園に通えるようになったある日、婚約者であるアマデウス皇太子とフロレンシア伯爵家の次女であるサマンサが恋仲であるという噂を耳にする。
アリアに付き添ってもらい、学園の裏庭に向かったルルーシアは二人が仲よくベンチに腰掛け、肩を寄せ合って一冊の本を仲よく見ている姿を目撃する。
風が運んできた「じゃあ今夜、いつものところで」という二人の会話にショックを受けたルルーシアは、早退して父親に訴えた。
しかし元々が政略結婚であるため、婚約の取り消しはできないという言葉に絶望する。
ルルーシアの邸を訪れた皇太子はサマンサを側妃として迎えると告げた。
ショックを受けたルルーシアだったが、家のために耐えることを決意し、皇太子妃となることを受け入れる。
ルルーシアだけを愛しているが、友人であるサマンサを助けたいアマデウスと、アマデウスに愛されていないと思い込んでいるルルーシアは盛大にすれ違っていく。
果たして不器用な二人に幸せな未来は訪れるのだろうか……
他サイトでも公開しています。
R15は保険です。
表紙は写真ACより転載しています。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる