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エピローグ?いやいや、プロローグ
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6/5 23:00 ラーメン店、巣蹴機余、Tー5席
11時ともなれば普通の店は閉まっていると思う。だがここにはまだ人がいた。
一人はカジュアルなハット特徴的な若男、もう一人は金髪の美女だ。
いや、その顔自体は少女とも言えるがそのスタイルは美女という他ないだろう。
いまこの店には二人だけである、店長を除いてはだが。
「で、最終的にはどうなったんですカ?」
「君の予想どうり守くん側が勝ったよ。まあ勝ちというより引き分けだけどね。」
「さすがワタシの親友とその見込んだ男のコでース。」
「まぁね」
男はさも可笑しそうにうなづく
「今日は気分が良さそうですネ~?
なにかいいことがあったんデス?」
「いやいや、そんなことないよ。ただ…」
「タダ?」
女は首をちょこんと傾ける
「相変わらず天然の男キラーだね。」
「そんなことないデス。早く教えてくだサイ、気になって眠れなくなっちゃいマス。」
女の子にそれは大変だ、と男は軽口を叩きその後一息吐いたのち再び口をつぐんだ。
「実はね、今日はあの一件の首謀者の処分を下す日なんだ。それでどうしよっかなーてさ。」
「相変わらず歪んでますネ、それはそれで面白いと思いますケド。」
「あ~、そう言ってくれるのは君だけだよ、結婚してくれない?」
「フフン、ワタシは自分からしかプロポーズしまセン。よってー、初めからダメでース。」
「そんなぁ~」
「おいゴラ、いちゃついてんじゃねえぞ」
いつのまにか丼を二つ持ったガタイの良い店員がいた。
「お、組長。まだいたん?」
「あたりめぇだ、あとここにいる時はちゃんと店長って呼べ。」
スンマセーン、相変わらず男は軽い返事しかしない。
「オヒサシブリで~ス」
「おう、久しぶり。」
「ちょっとー、男女で対応違いすぎない?」
「何言ってんだ、冷たいのはお前相手の時だけだ」
「面と向かって言わないでよ」
「嫌だね」
ドンと強めに丼を置いたが汁が一切跳ねないところに長年続けているという具合が見られる。
「ほれ、これ食って嬢ちゃんは早よ帰れ。なんだったらコイツに送らせるから。」
「お気遣いありがとうデース」
「わお流石組長、紳士~」
「やっぱ俺が送るわ」
「ちょ、信用なさすぎじゃない?」
「たりめぇだ」
まあまあと女がなだめる
「ワタシは一人でも大丈夫ですヨ」
「そうか?気をつけろよ」
「じゃあねー」
女は手を振りながら席をたった。
「で、あのクズ野郎はどうするんだ?決めたか?」
「うん、軽く拷問しとこうかな。聞くことは何もないけど」
「おう、任せたぞ橘」
「ちょちょちょ、苗字は止めてくれない?弟にバレたら殺されちまう。」
「気が向いたらな」
ガハッハッハ!と豪快に笑いながら男は奥へと去っていった
「まったく、俺は一応悪くないってのに。」
ずるずるずる
店には麺をすする音だけが響いた。
「おい、メリッサの分も食べてけよ」
「え、マジ」
「マジ」
彼の夜はもう少し長いようだ
「はぁ、どうしてこうなったんだか」
ずるずるずる
こんな長い夜だと昔を思い出してしまうのだろう
ずるずるずる
ずるずるずる…
11時ともなれば普通の店は閉まっていると思う。だがここにはまだ人がいた。
一人はカジュアルなハット特徴的な若男、もう一人は金髪の美女だ。
いや、その顔自体は少女とも言えるがそのスタイルは美女という他ないだろう。
いまこの店には二人だけである、店長を除いてはだが。
「で、最終的にはどうなったんですカ?」
「君の予想どうり守くん側が勝ったよ。まあ勝ちというより引き分けだけどね。」
「さすがワタシの親友とその見込んだ男のコでース。」
「まぁね」
男はさも可笑しそうにうなづく
「今日は気分が良さそうですネ~?
なにかいいことがあったんデス?」
「いやいや、そんなことないよ。ただ…」
「タダ?」
女は首をちょこんと傾ける
「相変わらず天然の男キラーだね。」
「そんなことないデス。早く教えてくだサイ、気になって眠れなくなっちゃいマス。」
女の子にそれは大変だ、と男は軽口を叩きその後一息吐いたのち再び口をつぐんだ。
「実はね、今日はあの一件の首謀者の処分を下す日なんだ。それでどうしよっかなーてさ。」
「相変わらず歪んでますネ、それはそれで面白いと思いますケド。」
「あ~、そう言ってくれるのは君だけだよ、結婚してくれない?」
「フフン、ワタシは自分からしかプロポーズしまセン。よってー、初めからダメでース。」
「そんなぁ~」
「おいゴラ、いちゃついてんじゃねえぞ」
いつのまにか丼を二つ持ったガタイの良い店員がいた。
「お、組長。まだいたん?」
「あたりめぇだ、あとここにいる時はちゃんと店長って呼べ。」
スンマセーン、相変わらず男は軽い返事しかしない。
「オヒサシブリで~ス」
「おう、久しぶり。」
「ちょっとー、男女で対応違いすぎない?」
「何言ってんだ、冷たいのはお前相手の時だけだ」
「面と向かって言わないでよ」
「嫌だね」
ドンと強めに丼を置いたが汁が一切跳ねないところに長年続けているという具合が見られる。
「ほれ、これ食って嬢ちゃんは早よ帰れ。なんだったらコイツに送らせるから。」
「お気遣いありがとうデース」
「わお流石組長、紳士~」
「やっぱ俺が送るわ」
「ちょ、信用なさすぎじゃない?」
「たりめぇだ」
まあまあと女がなだめる
「ワタシは一人でも大丈夫ですヨ」
「そうか?気をつけろよ」
「じゃあねー」
女は手を振りながら席をたった。
「で、あのクズ野郎はどうするんだ?決めたか?」
「うん、軽く拷問しとこうかな。聞くことは何もないけど」
「おう、任せたぞ橘」
「ちょちょちょ、苗字は止めてくれない?弟にバレたら殺されちまう。」
「気が向いたらな」
ガハッハッハ!と豪快に笑いながら男は奥へと去っていった
「まったく、俺は一応悪くないってのに。」
ずるずるずる
店には麺をすする音だけが響いた。
「おい、メリッサの分も食べてけよ」
「え、マジ」
「マジ」
彼の夜はもう少し長いようだ
「はぁ、どうしてこうなったんだか」
ずるずるずる
こんな長い夜だと昔を思い出してしまうのだろう
ずるずるずる
ずるずるずる…
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