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1日目
○はじめに ○登場人物
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○はじめに
これから綴るのは、白生塔にて起きた未曾有の大量殺人事件を、如何に桜野美海子が解決したかという探偵譚である。
矛盾する云い回しだが、この事件はまるで推理小説のようでありながら、同時にまったく推理小説らしくないという奇怪な様相を呈していた。原因はこの白生塔が推理小説らしい胡散臭さを存分に持ったいかにもな舞台であり、一方で犯人が推理小説の定型を本質から覆す酔狂人であったというのが大きいだろう。
さらに登場人物もまた、全員が外連味たっぷりの奇人達だ。それもそのはず、白生塔に招かれたのは五人の探偵とその同伴者で、ほとんどが規格外の人格を所有していたのだ。
よってこの探偵譚は、あまりにも現実離れして映ること必至である。桜野美海子が直面してきたどの事件よりも特殊な環境であったと断言しよう。
さて、本編を始める前に、この小説の記述について読者諸君に注意をしておきたい。
著者は推理小説の礼節に従って出来得る限りのフェアプレーを尽くす所存だが、一部において事実とそぐわない描写が生まれる惧れがあるのだ。しかしそれらは、本書の真相を読者諸君が看破するにあたって、決して障害にならないと信じたい。こう断ったことで、むしろ読者諸君には大きなヒントを与えたとさえ云えるはずだ。その理由は本書を最後まで読めば自明となる。
それでは始めよう。著者はこの事件を生き残った者として、責任を持って綴る。数々の死線をかいくぐってきた優秀な探偵達が、大胆不敵にして精緻を極めた犯人の恐るべき奸計に嵌って次々と惨殺されていったこの事件を。
名探偵・桜野美海子の最期を。
○登場人物
桜野 美海子 ――――――― 探偵
塚場 壮太 ―――――――― 小説家
霊堂 義治 ―――――――― 探偵
藍条 香奈美 ――――――― 恋人
枷部・ボナパルト・誠一 ―― 探偵
杭原 とどめ ――――――― 探偵
樫月 琴乃 ―――――――― 弟子
甘施 無花果 ――――――― 探偵
新倉 ――――――――――― 執事
獅子谷 敬蔵 ――――――― 白生塔の主
能登 ――――――――――― 使用人
出雲 ――――――――――― 使用人
これから綴るのは、白生塔にて起きた未曾有の大量殺人事件を、如何に桜野美海子が解決したかという探偵譚である。
矛盾する云い回しだが、この事件はまるで推理小説のようでありながら、同時にまったく推理小説らしくないという奇怪な様相を呈していた。原因はこの白生塔が推理小説らしい胡散臭さを存分に持ったいかにもな舞台であり、一方で犯人が推理小説の定型を本質から覆す酔狂人であったというのが大きいだろう。
さらに登場人物もまた、全員が外連味たっぷりの奇人達だ。それもそのはず、白生塔に招かれたのは五人の探偵とその同伴者で、ほとんどが規格外の人格を所有していたのだ。
よってこの探偵譚は、あまりにも現実離れして映ること必至である。桜野美海子が直面してきたどの事件よりも特殊な環境であったと断言しよう。
さて、本編を始める前に、この小説の記述について読者諸君に注意をしておきたい。
著者は推理小説の礼節に従って出来得る限りのフェアプレーを尽くす所存だが、一部において事実とそぐわない描写が生まれる惧れがあるのだ。しかしそれらは、本書の真相を読者諸君が看破するにあたって、決して障害にならないと信じたい。こう断ったことで、むしろ読者諸君には大きなヒントを与えたとさえ云えるはずだ。その理由は本書を最後まで読めば自明となる。
それでは始めよう。著者はこの事件を生き残った者として、責任を持って綴る。数々の死線をかいくぐってきた優秀な探偵達が、大胆不敵にして精緻を極めた犯人の恐るべき奸計に嵌って次々と惨殺されていったこの事件を。
名探偵・桜野美海子の最期を。
○登場人物
桜野 美海子 ――――――― 探偵
塚場 壮太 ―――――――― 小説家
霊堂 義治 ―――――――― 探偵
藍条 香奈美 ――――――― 恋人
枷部・ボナパルト・誠一 ―― 探偵
杭原 とどめ ――――――― 探偵
樫月 琴乃 ―――――――― 弟子
甘施 無花果 ――――――― 探偵
新倉 ――――――――――― 執事
獅子谷 敬蔵 ――――――― 白生塔の主
能登 ――――――――――― 使用人
出雲 ――――――――――― 使用人
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