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番外編
儀式のため、レオさまのため!
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白い衣が濡れて肌に張り付き、バストトップが透けるーーことを心配したのは最初だけ。
「聖杯の大きさ、おかしいわよっ!」
リズのイメージする聖杯は、せいぜいがワイングラス程度の大きさであった。が、いざ大神官が手にした杯は大人が両腕で抱えるほどの大きさであったのだ。
「なにその大杯!?」
見れば見るほど、前世で見たものーーとくに国技の優勝者が手にしていた大杯に見えてくる。それが次々と運ばれてきて、ありがたい文言とともにバシャバシャ情け容赦なくかけられる。
「つ、つめた……」
「妃殿下の健やかなる心身のため!」
ざばぁ……と容赦なく杯がひっくり返される。水の勢いが強いため、踏ん張っていないとよろけてしまう。
「ぶはっ……大神官さま、待って、休憩……」
「妃殿下、頑張ってくだされ……水が滞ることなく流し続けるのが儀式です。悪しきものを流し清め、皇太子殿下の御所に穢れを持ち込まない、皇太子殿下を穢れからお守りするという意味もございます」
「がふっ……鼻にっ……」
レオさま助けてー、と、思わず叫んでしまったが大量の水が流れ込んできて咽せた。
「妃殿下……体内まで清めようとなさるとは素晴らしい……この大神官感服いたしました」
違う、とは言えもせずーー。
リズは、己は言動に気をつけなくてはいけないのだとこんなところで学んだ。
「では次、胸元失礼して」
「ひぃ、さっきから気になってるのですが、なんで襟元をいちいち押し開くのですか! 恥ずかしいです」
「神聖なる水をお肌に直接掛けるのが儀式の作法にございますでな、特に五臓六腑と子を宿す下腹は念入りに」
「う……うそ、下腹部も!?」
「はい。本来はーー皇太子妃殿下の場合は跡継ぎが期待されますゆえ念入りに。また、我ら神殿のものが妃殿下が秘部に何も隠していないことを確認させて頂くという過程が儀式の中にあります。が、レオさまとの話し合いでそれもナシとなりましたぞ」
ひええ、とリズが青くなる。
「ま、まさか、秘部って……」
「左様、いくらなんでも今時、そこに暗器を忍ばせる暗殺者はおりませんが、過去には何名か毒針を忍ばせていた記録がありましてな。念のため、我らは指をいれるのです。もっとも、妃殿下に欲情した不埒者が己の逸物を挿入する事件がたびたび起きておりますな」
今度こそリズは卒倒しそうになった。リズに何も知らせずに交渉してくれたレオに感謝である。
「よろしいですかな、妃殿下。何事も、王族のため、皇太子殿下のため」
張り付いた衣が左右に押し開かれる。レオさま以外に見せたくないのよ、と、叫ぶが、大杯が額の位置でひっくり返されて言葉にならない。
胸元に続いて腹部も寛げられて冷たい水が肌を這う。
神官たちは真剣に祈り、真剣に水をかける。
「皇太子殿下が幸せになれるよう……王族の発展を担う妃殿下御身の健康と幸せを祈ります」
皇太子レオさまとエリザベスさまのご健康とますますの発展を祈ります、と神官たちが揃って祈りを捧げてくれる。民が寄せる期待の大きさ、責任の重さがじわじわと感じられる。
ーー皇太子妃ってこんな大変なのね……
儀式を終えたリズは、女官たちによって新しいドレスを着せられ、ヘアメイクも施される。濃いめのメイクに頭にはティアラ。手には大きな松明。
「……丸見え、って言うと思うのね、このデザイン……」
前世のファッションで言うなら、スケスケのレースのネグリジェ。全裸の上にコレ一枚。
「まさかこの世界に転生して着るなんて……」
恥ずかしい。かなり恥ずかしい。この際葉っぱでもテープでも何でもいいから隠したい。
「おお! 素晴らしい肢体がよく見える」
「レオさまっ……ああ、殿下も見えすぎ……」
どこからかやってきたレオは、前世のファッションで言うなら、かなり際どい海パン一丁。そして頭には金の王冠が載っている。レオは王子さまなのだとしみじみ思う。
「……眺めていたいところだけど、儀式はまだ続く」
「……そうでしたね、神殿内の神々やご先祖さまにご挨拶しなければ」
この姿で神殿内を歩くのは勇気がいる。それに、どうにも肌寒い。予想外に神殿の気温が下がってきた。二人してくしゃみを連発する。
「少し寒いな」
「ええ……」
少し考えたレオが、大神官を呼んだ。しずしずと、大神官がやってきてレオの足元にひれ伏す。初めてではないが、リズは未だにぎょっとする。だが、王族にとっては当たり前の光景であるらしい。
「お呼びでしょうか」
「今宵は想定以上に冷える。白いガウンと王族の正装で用いる緋色のマントを我々はつけたい」
「殿下、おことばですがーー清らかなる心身であることを神々と集まった民にお見せする儀式、覆ってしまうのはいかがなものかと」
「神々の祭壇や王家の祭壇、民が覗く広間ではきちんとガウンは脱ぐ。移動の際は着てもいいだろう?」
恥ずかしい格好も悩ましいが、とにかく冷える。リズが思わず鳥肌の立つ己の腕を擦るとレオが抱き寄せてくれた。
「あったかい……でもレオさまも冷えてしまって……」
このまま歩いたらきっと風邪をひいてしまう。
もちろん、魔法で服を取り寄せたり暖気を起こしたりすることもできるし、いざとなれば多少の風邪を治すこともできるが、出来るだけ魔法は使わないようにと、母に言われている。
「大神官、このままだと、我々二人抱き合って歩かねばならない」
渋る大神官の横にリズは膝をついた。その気配に大神官が顔を上げ、慌ててひれ伏そうとするのを、リズは咄嗟に止めた。
「大神官さま、伝統が大切なのもよくわかります。けれど、皇太子殿下が、儀式でお風邪を召されては大変だと思うのです。どうか、レオさまだけでもガウンとマントの着用をお許しください。神々が伝統を破ったとお怒りでしたら、罰は全てこのわたくしが引き受けますから……」
お願いします、と、リズは訴えた。しばらく難しい顔をしていた大神官だが、リズの懸命なお願いの果てに、笑顔を見せた。
「妃殿下ーーご命令ではなく必死のお願い、ですか」
「え?」
「いや、変わった女性をお選びになりましたな、皇太子殿下」
「いいだろう? 彼女は権力に溺れることも乱用することもないだろう」
「左様でございますな。では、ガウンとマントをご用意いたしますので、こちらでお待ちください」
そう言って大神官は、再び二人の足元に平伏した。
「聖杯の大きさ、おかしいわよっ!」
リズのイメージする聖杯は、せいぜいがワイングラス程度の大きさであった。が、いざ大神官が手にした杯は大人が両腕で抱えるほどの大きさであったのだ。
「なにその大杯!?」
見れば見るほど、前世で見たものーーとくに国技の優勝者が手にしていた大杯に見えてくる。それが次々と運ばれてきて、ありがたい文言とともにバシャバシャ情け容赦なくかけられる。
「つ、つめた……」
「妃殿下の健やかなる心身のため!」
ざばぁ……と容赦なく杯がひっくり返される。水の勢いが強いため、踏ん張っていないとよろけてしまう。
「ぶはっ……大神官さま、待って、休憩……」
「妃殿下、頑張ってくだされ……水が滞ることなく流し続けるのが儀式です。悪しきものを流し清め、皇太子殿下の御所に穢れを持ち込まない、皇太子殿下を穢れからお守りするという意味もございます」
「がふっ……鼻にっ……」
レオさま助けてー、と、思わず叫んでしまったが大量の水が流れ込んできて咽せた。
「妃殿下……体内まで清めようとなさるとは素晴らしい……この大神官感服いたしました」
違う、とは言えもせずーー。
リズは、己は言動に気をつけなくてはいけないのだとこんなところで学んだ。
「では次、胸元失礼して」
「ひぃ、さっきから気になってるのですが、なんで襟元をいちいち押し開くのですか! 恥ずかしいです」
「神聖なる水をお肌に直接掛けるのが儀式の作法にございますでな、特に五臓六腑と子を宿す下腹は念入りに」
「う……うそ、下腹部も!?」
「はい。本来はーー皇太子妃殿下の場合は跡継ぎが期待されますゆえ念入りに。また、我ら神殿のものが妃殿下が秘部に何も隠していないことを確認させて頂くという過程が儀式の中にあります。が、レオさまとの話し合いでそれもナシとなりましたぞ」
ひええ、とリズが青くなる。
「ま、まさか、秘部って……」
「左様、いくらなんでも今時、そこに暗器を忍ばせる暗殺者はおりませんが、過去には何名か毒針を忍ばせていた記録がありましてな。念のため、我らは指をいれるのです。もっとも、妃殿下に欲情した不埒者が己の逸物を挿入する事件がたびたび起きておりますな」
今度こそリズは卒倒しそうになった。リズに何も知らせずに交渉してくれたレオに感謝である。
「よろしいですかな、妃殿下。何事も、王族のため、皇太子殿下のため」
張り付いた衣が左右に押し開かれる。レオさま以外に見せたくないのよ、と、叫ぶが、大杯が額の位置でひっくり返されて言葉にならない。
胸元に続いて腹部も寛げられて冷たい水が肌を這う。
神官たちは真剣に祈り、真剣に水をかける。
「皇太子殿下が幸せになれるよう……王族の発展を担う妃殿下御身の健康と幸せを祈ります」
皇太子レオさまとエリザベスさまのご健康とますますの発展を祈ります、と神官たちが揃って祈りを捧げてくれる。民が寄せる期待の大きさ、責任の重さがじわじわと感じられる。
ーー皇太子妃ってこんな大変なのね……
儀式を終えたリズは、女官たちによって新しいドレスを着せられ、ヘアメイクも施される。濃いめのメイクに頭にはティアラ。手には大きな松明。
「……丸見え、って言うと思うのね、このデザイン……」
前世のファッションで言うなら、スケスケのレースのネグリジェ。全裸の上にコレ一枚。
「まさかこの世界に転生して着るなんて……」
恥ずかしい。かなり恥ずかしい。この際葉っぱでもテープでも何でもいいから隠したい。
「おお! 素晴らしい肢体がよく見える」
「レオさまっ……ああ、殿下も見えすぎ……」
どこからかやってきたレオは、前世のファッションで言うなら、かなり際どい海パン一丁。そして頭には金の王冠が載っている。レオは王子さまなのだとしみじみ思う。
「……眺めていたいところだけど、儀式はまだ続く」
「……そうでしたね、神殿内の神々やご先祖さまにご挨拶しなければ」
この姿で神殿内を歩くのは勇気がいる。それに、どうにも肌寒い。予想外に神殿の気温が下がってきた。二人してくしゃみを連発する。
「少し寒いな」
「ええ……」
少し考えたレオが、大神官を呼んだ。しずしずと、大神官がやってきてレオの足元にひれ伏す。初めてではないが、リズは未だにぎょっとする。だが、王族にとっては当たり前の光景であるらしい。
「お呼びでしょうか」
「今宵は想定以上に冷える。白いガウンと王族の正装で用いる緋色のマントを我々はつけたい」
「殿下、おことばですがーー清らかなる心身であることを神々と集まった民にお見せする儀式、覆ってしまうのはいかがなものかと」
「神々の祭壇や王家の祭壇、民が覗く広間ではきちんとガウンは脱ぐ。移動の際は着てもいいだろう?」
恥ずかしい格好も悩ましいが、とにかく冷える。リズが思わず鳥肌の立つ己の腕を擦るとレオが抱き寄せてくれた。
「あったかい……でもレオさまも冷えてしまって……」
このまま歩いたらきっと風邪をひいてしまう。
もちろん、魔法で服を取り寄せたり暖気を起こしたりすることもできるし、いざとなれば多少の風邪を治すこともできるが、出来るだけ魔法は使わないようにと、母に言われている。
「大神官、このままだと、我々二人抱き合って歩かねばならない」
渋る大神官の横にリズは膝をついた。その気配に大神官が顔を上げ、慌ててひれ伏そうとするのを、リズは咄嗟に止めた。
「大神官さま、伝統が大切なのもよくわかります。けれど、皇太子殿下が、儀式でお風邪を召されては大変だと思うのです。どうか、レオさまだけでもガウンとマントの着用をお許しください。神々が伝統を破ったとお怒りでしたら、罰は全てこのわたくしが引き受けますから……」
お願いします、と、リズは訴えた。しばらく難しい顔をしていた大神官だが、リズの懸命なお願いの果てに、笑顔を見せた。
「妃殿下ーーご命令ではなく必死のお願い、ですか」
「え?」
「いや、変わった女性をお選びになりましたな、皇太子殿下」
「いいだろう? 彼女は権力に溺れることも乱用することもないだろう」
「左様でございますな。では、ガウンとマントをご用意いたしますので、こちらでお待ちください」
そう言って大神官は、再び二人の足元に平伏した。
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