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番外編 引き篭もらない私と白銀の天使様
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キアラたちを訪ねてやってきた海辺の町は、田舎育ちではないアシュリーが驚くほどの規模だった。
遠目に見ても大きな町ということは伺えたが、中に入ると一層その賑やかさに目を回しそうになる。長年他人との交流を避けていたこともあり、アシュリーは旅に出た今も、なかなか人に慣れないでいる。
もちろん、ここに来る前にも様々な場所へ寄ってきたが、これほど賑やかな町は初めて訪れた。まず人が多い。建物も多い。
海沿いということで、もちろん異国からの旅人も多く、町は多国籍でカラフルな色合いに溢れている。飛び交う言語も聞きなれないものが混じる。
潮風に混じるスパイスの香りが、なんとも遠くまで来たような……そんな気持ちを助長した。季節柄、日差しも強く、日除けの白いマントを用意しておいて正解だった。
「大きな町ですね……」
「ああ、私もここには初めて来たな」
これほど大きな町だと、もしかしてクロウとキアラを探すのは一苦労かもしれない。軽い気持ちで、何の計画もなしにやってきたことをアシュリーは少し悔やんでしまう。
なんとなく意気消沈したが、昼食に立ち寄った店でダメもとで尋ねてみると、どうやら店中の人が知っているようだった。
「すごいですね。二人とも有名人でしょうか?」
「さあ? どうでもいいが、手間が省けて助かったな」
当然のことながら、初めて町に来た人物に家を教えることは出来ないと言われたが、クロウがいるだろう場所は教えてもらえた。
詳しい道筋を聞くと、幸いにもここから近い場所のようだ。食事を終えるとアシュリーは軽やかに、シルヴィスは渋々といった体で店を後にした。
聞いた道筋をしばらく進んでいくと、子供たちに囲まれ、剣技の指南をするクロウを見つけた。久しぶりに見る彼は、やっぱり無表情で淡々と指導をしている。
けれど剣筋を直した後、少し顔を緩ませて頭を撫でると、指導を受けていた少年が嬉しそうにはしゃぎ出した。近寄りがたいと思っていた彼は子供たちにとって、どうやら良き師の様だ。
邪魔をしてはいけないので、しばらく離れたところから見学していると、ふとこちらに気付いたクロウが少し驚いたような顔をした。
「クロウさんが! 驚かれています! 無じゃありませんよ!?」
「心の底からどうでもいいな」
衝撃を受けた視力の良いアシュリーが興奮気味にシルヴィスの肩を揺すっていると、少し早足で向かってきたクロウが二人の顔を交互に見る。やっぱりその顔は無ではなく驚きに溢れていて、アシュリーは珍しいものを見たような、そんな気分になった。
「アシュリーと……天使様か。驚いたな。どうしたんだ?」
どうやらクロウは一度聞いただけの天使様発言を気に入っているらしい。シルヴィスの顔が引き攣ったことに気付いたアシュリーは、いち早く白い腕を引いて、ぎこちない笑みを浮かべてみせた。
このままではなんとなくマズいと思い、対面する二人の間に体を滑らせる。
「お久しぶりです! 遊びに来ちゃいました!」
「体力馬鹿息子。久々に勝負するか? 絶対燃やす」
「ああ、受けて立つ。また返り討ちにしてやるよ」
「お、落ち着いて下さいよ、二人とも」
アシュリーの頭上でクロウとシルヴィスが睨み合っていると、指導を受けていた子供たちがわらわらと走り寄ってきた。戻ってこない師の様子を見に来たのだろう。
次々としがみつかれたクロウがバランスを崩してしまった為、睨み合いは無事に幕を閉じる。思わぬ助けにホッと、アシュリーは大きく息をついた。
「師匠ー! 誰?」
「綺麗な髪! 目もすげー!」
「お姉さん可愛い!」
クロウからシルヴィスへと興味を移した子供たちは、その珍しい色彩に無邪気に群がる。クロウの無表情に慣れているからか、シルヴィスの不機嫌な顔に動じもしない。
アシュリーも人見知りをしない子供たちに囲まれて、あわあわと戸惑うばかりだ。
「やめろ。お姉さんが困ってる」
クロウが声をかけると、元気な子どもたちは今度は師にまとわりついて、きゃあきゃあ賑やかな声を出している。慣れた態度で対応する彼は、意外にも面倒見が良いのかもしれない。
「悪いな。もう少し帰れないんだ。適当に時間を潰してくれると助かる」
鬱陶しそうな顔でクロウを睨むシルヴィスとは対照的に、クロウは全く相手にしない。むしろ敢えて相手にしていないようにも見える。
何がそこまで二人を険悪にしたのかわからないアシュリーは、引き続きシルヴィスの腕を押さえることにした。
「いえいえ! 急に来たのでお気になさらずに! キアラさんもお忙しいですか?」
「キアラも用があって、家にはいない。そうだな……多分そろそろ来ると思うから、広場で待っていてくれないか。伝えておく」
クロウが指差す方角を見ると、少し離れた場所に見える広場は人が行き交い、飲食の露店もいくつか並んでいる。きっとまだ見ぬ名物があるに違いない。
さっき食事を終えたばかりだが、よく食べるアシュリーは早くも食欲を刺激される。これならあっという間に時間が過ぎそうだ。
「了解です! シルヴィスさん行きましょう」
クロウにしばしの別れを告げたアシュリーは露店に思いを馳せながら、不機嫌な顔のシルヴィスを引っ張って広場へと連れて行く。
あまりにも食に気に取られていたが、少し歩いて振り返ると、子供たちを元いた場所へ連れて行くクロウが見えた。
よほど懐いているらしく、中でも嬉しそうにクロウにしがみつく少女が可愛らしい。その微笑ましい様子にアシュリーの頬がつい緩んでしまう。
「可愛いですね~」
「子供のうちから趣味が悪いな」
「クロウさんは顔が良いですからねぇ。それに多分、剣士を目指す子には余計に格好良く見えるんですよ」
「……お前も趣味が悪い」
なんとはなしに言った言葉にシルヴィスの顔が不機嫌になる。いつも偉そうな彼は、知ってか知らずか、意外なほど感情を素直に表す。そんなところに可愛らしさを感じてしまうのは、アシュリーの秘密だ。
「え?! 私の趣味はシルヴィスさんですよ?!」
「訂正する。趣味が良い」
「私もそう思います!」
そしてすぐに機嫌を直す。幸いながら、思ったことを口に出すアシュリーのおかげで、これといった喧嘩もない。真逆に見えて相性が良い二人は、平和な毎日を過ごしている。
急ぐこともないので、のんびり歩きながら広場に近づいていくと、食欲を刺激する香りが強くなってきた。
ここに来るまでにも魚介はたくさん食べてきたが、それでも今までずっと山の食材で生きてきたアシュリーの目には、海の幸がまだまだ新鮮に映る。
どれも美味しそうで随分迷った結果、串に刺した大粒の焼き貝を食べることにした。
その場で焼いて提供される魚介は、香ばしく焼ける匂いが堪らない。漂う磯の香りにヨダレが垂れる寸前だったアシュリーは、串を受け取るや否やベンチへと歩きながら一口齧る。
シルヴィスも魚介類なら食べられるので、魚の串焼きを大人しく咀嚼している。
ゆっくりと海の幸を堪能して、食べ物や町の感想を言い合っていると、広場の端に見覚えのある桜色の髪を見つけた。アシュリーが声を上げて手を振ると、気付いたキアラが息を切らせながら走り寄ってくる。
「アシュリーちゃん! シルヴィス!」
ベンチの前で止まったキアラは、少し屈むようにして荒い息を整え、腰にさげていた水筒を口に含んだ。日差し除けのフードが風に捲れて、ふわりと桜色の髪が柔らかにこぼれ出る様に、アシュリーは思わず見入ってしまう。
この国には人間と魔族が入り混じり、今となってはお互い何のしがらみもなく平和に暮らしている。
昔は色々あったそうだが、そんなこと、もう随分過去の話だ。
桜色の髪に、明るい若葉色の宝石のような瞳。魔族の娘であるキアラの色彩もアシュリーには物珍しく、美しい色合いに映る。
ちなみに魔族にもシルヴィスのような色彩はまず存在しないと知って、改めて尊さを噛み締めた事は言うまでもない。
ふうと一息ついて、改めてアシュリーたちを眺めるキアラの猫のような瞳には、驚きと嬉しさが入り混じっている。
「どうしたの?! びっくりしちゃった!」
「遊びに来ちゃいました」
「お前が来いと言ったんだろう」
「言ったけど……本当に来てくれたんだね。嬉しいな」
アシュリーの手を取って、ぎゅっと握ったキアラは相変わらずの人懐っこい笑顔で、とても可愛い。
相変わらず顔に弱いアシュリーはつられて、へにゃっとした笑顔になる。その顔を見たシルヴィスは、恒例の呆れた目線を向けている。
「ゆっくりしていけるの?」
「はい、特に急いではいません」
そもそも特に当てもない宿暮らしの身としては、いくら滞在しても問題はない。むしろ始めからゆっくりしていくつもりだった。
「よかったぁ! たくさんお話しようね! 今日はうちに泊まっていってね」
「そんな悪いですよ! 宿をとりますから!」
「いいのに~」
OK返事を期待していたキアラは残念な顔をしたが、ふと思い出したように頷いた。
「あ、でもそうだね。今日は星がたくさん見える日だもんね。オススメの宿を教えてあげる! 共用だけどバルコニーもあるし、窓が大きくて夜空が綺麗に見えるんだよ」
旅に出てから星空の美しさに気付いたアシュリーは二つ返事で、オススメの宿まで案内してもらうことに決めた。
遠目に見ても大きな町ということは伺えたが、中に入ると一層その賑やかさに目を回しそうになる。長年他人との交流を避けていたこともあり、アシュリーは旅に出た今も、なかなか人に慣れないでいる。
もちろん、ここに来る前にも様々な場所へ寄ってきたが、これほど賑やかな町は初めて訪れた。まず人が多い。建物も多い。
海沿いということで、もちろん異国からの旅人も多く、町は多国籍でカラフルな色合いに溢れている。飛び交う言語も聞きなれないものが混じる。
潮風に混じるスパイスの香りが、なんとも遠くまで来たような……そんな気持ちを助長した。季節柄、日差しも強く、日除けの白いマントを用意しておいて正解だった。
「大きな町ですね……」
「ああ、私もここには初めて来たな」
これほど大きな町だと、もしかしてクロウとキアラを探すのは一苦労かもしれない。軽い気持ちで、何の計画もなしにやってきたことをアシュリーは少し悔やんでしまう。
なんとなく意気消沈したが、昼食に立ち寄った店でダメもとで尋ねてみると、どうやら店中の人が知っているようだった。
「すごいですね。二人とも有名人でしょうか?」
「さあ? どうでもいいが、手間が省けて助かったな」
当然のことながら、初めて町に来た人物に家を教えることは出来ないと言われたが、クロウがいるだろう場所は教えてもらえた。
詳しい道筋を聞くと、幸いにもここから近い場所のようだ。食事を終えるとアシュリーは軽やかに、シルヴィスは渋々といった体で店を後にした。
聞いた道筋をしばらく進んでいくと、子供たちに囲まれ、剣技の指南をするクロウを見つけた。久しぶりに見る彼は、やっぱり無表情で淡々と指導をしている。
けれど剣筋を直した後、少し顔を緩ませて頭を撫でると、指導を受けていた少年が嬉しそうにはしゃぎ出した。近寄りがたいと思っていた彼は子供たちにとって、どうやら良き師の様だ。
邪魔をしてはいけないので、しばらく離れたところから見学していると、ふとこちらに気付いたクロウが少し驚いたような顔をした。
「クロウさんが! 驚かれています! 無じゃありませんよ!?」
「心の底からどうでもいいな」
衝撃を受けた視力の良いアシュリーが興奮気味にシルヴィスの肩を揺すっていると、少し早足で向かってきたクロウが二人の顔を交互に見る。やっぱりその顔は無ではなく驚きに溢れていて、アシュリーは珍しいものを見たような、そんな気分になった。
「アシュリーと……天使様か。驚いたな。どうしたんだ?」
どうやらクロウは一度聞いただけの天使様発言を気に入っているらしい。シルヴィスの顔が引き攣ったことに気付いたアシュリーは、いち早く白い腕を引いて、ぎこちない笑みを浮かべてみせた。
このままではなんとなくマズいと思い、対面する二人の間に体を滑らせる。
「お久しぶりです! 遊びに来ちゃいました!」
「体力馬鹿息子。久々に勝負するか? 絶対燃やす」
「ああ、受けて立つ。また返り討ちにしてやるよ」
「お、落ち着いて下さいよ、二人とも」
アシュリーの頭上でクロウとシルヴィスが睨み合っていると、指導を受けていた子供たちがわらわらと走り寄ってきた。戻ってこない師の様子を見に来たのだろう。
次々としがみつかれたクロウがバランスを崩してしまった為、睨み合いは無事に幕を閉じる。思わぬ助けにホッと、アシュリーは大きく息をついた。
「師匠ー! 誰?」
「綺麗な髪! 目もすげー!」
「お姉さん可愛い!」
クロウからシルヴィスへと興味を移した子供たちは、その珍しい色彩に無邪気に群がる。クロウの無表情に慣れているからか、シルヴィスの不機嫌な顔に動じもしない。
アシュリーも人見知りをしない子供たちに囲まれて、あわあわと戸惑うばかりだ。
「やめろ。お姉さんが困ってる」
クロウが声をかけると、元気な子どもたちは今度は師にまとわりついて、きゃあきゃあ賑やかな声を出している。慣れた態度で対応する彼は、意外にも面倒見が良いのかもしれない。
「悪いな。もう少し帰れないんだ。適当に時間を潰してくれると助かる」
鬱陶しそうな顔でクロウを睨むシルヴィスとは対照的に、クロウは全く相手にしない。むしろ敢えて相手にしていないようにも見える。
何がそこまで二人を険悪にしたのかわからないアシュリーは、引き続きシルヴィスの腕を押さえることにした。
「いえいえ! 急に来たのでお気になさらずに! キアラさんもお忙しいですか?」
「キアラも用があって、家にはいない。そうだな……多分そろそろ来ると思うから、広場で待っていてくれないか。伝えておく」
クロウが指差す方角を見ると、少し離れた場所に見える広場は人が行き交い、飲食の露店もいくつか並んでいる。きっとまだ見ぬ名物があるに違いない。
さっき食事を終えたばかりだが、よく食べるアシュリーは早くも食欲を刺激される。これならあっという間に時間が過ぎそうだ。
「了解です! シルヴィスさん行きましょう」
クロウにしばしの別れを告げたアシュリーは露店に思いを馳せながら、不機嫌な顔のシルヴィスを引っ張って広場へと連れて行く。
あまりにも食に気に取られていたが、少し歩いて振り返ると、子供たちを元いた場所へ連れて行くクロウが見えた。
よほど懐いているらしく、中でも嬉しそうにクロウにしがみつく少女が可愛らしい。その微笑ましい様子にアシュリーの頬がつい緩んでしまう。
「可愛いですね~」
「子供のうちから趣味が悪いな」
「クロウさんは顔が良いですからねぇ。それに多分、剣士を目指す子には余計に格好良く見えるんですよ」
「……お前も趣味が悪い」
なんとはなしに言った言葉にシルヴィスの顔が不機嫌になる。いつも偉そうな彼は、知ってか知らずか、意外なほど感情を素直に表す。そんなところに可愛らしさを感じてしまうのは、アシュリーの秘密だ。
「え?! 私の趣味はシルヴィスさんですよ?!」
「訂正する。趣味が良い」
「私もそう思います!」
そしてすぐに機嫌を直す。幸いながら、思ったことを口に出すアシュリーのおかげで、これといった喧嘩もない。真逆に見えて相性が良い二人は、平和な毎日を過ごしている。
急ぐこともないので、のんびり歩きながら広場に近づいていくと、食欲を刺激する香りが強くなってきた。
ここに来るまでにも魚介はたくさん食べてきたが、それでも今までずっと山の食材で生きてきたアシュリーの目には、海の幸がまだまだ新鮮に映る。
どれも美味しそうで随分迷った結果、串に刺した大粒の焼き貝を食べることにした。
その場で焼いて提供される魚介は、香ばしく焼ける匂いが堪らない。漂う磯の香りにヨダレが垂れる寸前だったアシュリーは、串を受け取るや否やベンチへと歩きながら一口齧る。
シルヴィスも魚介類なら食べられるので、魚の串焼きを大人しく咀嚼している。
ゆっくりと海の幸を堪能して、食べ物や町の感想を言い合っていると、広場の端に見覚えのある桜色の髪を見つけた。アシュリーが声を上げて手を振ると、気付いたキアラが息を切らせながら走り寄ってくる。
「アシュリーちゃん! シルヴィス!」
ベンチの前で止まったキアラは、少し屈むようにして荒い息を整え、腰にさげていた水筒を口に含んだ。日差し除けのフードが風に捲れて、ふわりと桜色の髪が柔らかにこぼれ出る様に、アシュリーは思わず見入ってしまう。
この国には人間と魔族が入り混じり、今となってはお互い何のしがらみもなく平和に暮らしている。
昔は色々あったそうだが、そんなこと、もう随分過去の話だ。
桜色の髪に、明るい若葉色の宝石のような瞳。魔族の娘であるキアラの色彩もアシュリーには物珍しく、美しい色合いに映る。
ちなみに魔族にもシルヴィスのような色彩はまず存在しないと知って、改めて尊さを噛み締めた事は言うまでもない。
ふうと一息ついて、改めてアシュリーたちを眺めるキアラの猫のような瞳には、驚きと嬉しさが入り混じっている。
「どうしたの?! びっくりしちゃった!」
「遊びに来ちゃいました」
「お前が来いと言ったんだろう」
「言ったけど……本当に来てくれたんだね。嬉しいな」
アシュリーの手を取って、ぎゅっと握ったキアラは相変わらずの人懐っこい笑顔で、とても可愛い。
相変わらず顔に弱いアシュリーはつられて、へにゃっとした笑顔になる。その顔を見たシルヴィスは、恒例の呆れた目線を向けている。
「ゆっくりしていけるの?」
「はい、特に急いではいません」
そもそも特に当てもない宿暮らしの身としては、いくら滞在しても問題はない。むしろ始めからゆっくりしていくつもりだった。
「よかったぁ! たくさんお話しようね! 今日はうちに泊まっていってね」
「そんな悪いですよ! 宿をとりますから!」
「いいのに~」
OK返事を期待していたキアラは残念な顔をしたが、ふと思い出したように頷いた。
「あ、でもそうだね。今日は星がたくさん見える日だもんね。オススメの宿を教えてあげる! 共用だけどバルコニーもあるし、窓が大きくて夜空が綺麗に見えるんだよ」
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