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7.ずっと一緒に

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「狂ってる……」
「普通です。だって私はルークが好きで、ルークも私が好き。だからルークは私といるのが一番幸せなの。彼の幸せを壊す人はいらない。だから出て行って。それともまた魔法にかかりたい?」

 そうにっこり微笑んで、月明かりに照らされたリルは軽やかな足取りでその場を後にする。
 しばらく腰が抜けたルシアは呆然とその場で過ごしたが、気力の回復よりも恐怖感で動かした足で、転がるように常駐している宿に駆け戻った。



◆◇



 いつもの木陰で寄り添い、うつらうつらと舟を漕ぐリルの肩を抱いて、ルークも小さく欠伸を漏らす。
 まだ風は温いけども、さわさわと揺れる葉の音がとても心地よい。

「ルシアさん慌てて早朝に出立したってさ」
「……そうなの? きっと早く行きたい場所があったのね。ここは小さな町だもの」
「すごく切羽詰まってたらしいけど、何かあったのかな?」
「さあ、私は知らないわ。もう、ルークってばそんなに気になるの?」

 少し面白くないリルが可愛く睨んで見せると、ルークは優しい笑顔を見せる。

「いや、まだしばらくいるって言ってたから。どうしたのかと思っただけ」
「優しいんだから……。あ、また……」

 ルークの左腕に小さな引っ掻き傷を見つけたリルは彼の腕を取り、いつもの様に癒しの光を当てた。
 みるみる消えていく傷を見たルークは、毎度の事ながら感心した顔をする。
 完治した手で頬を撫でられて、リルの胸はぽわぽわと暖かな光で満たされていく。

「いつもありがとな」
「いいの。だって私の使う魔法は全部ルークの為に習得したものだから。そう、全部よ」
「また可愛いこと言って~」

 少し照れたように言うリルを抱きしめて、ルークはその白い額にキスをした。
 彼はリルが使える魔法の全てを知らない。

「大好きよ。私がずっとルークの幸せを守ってあげるから」
「うん、俺も。リルを幸せにする。いつもの事だけどリルが天使すぎてつらい……」

 無邪気に微笑んで彼の背中に腕を回したリルを強く抱いて、ご機嫌なルークは彼女の頬に、唇に、啄むようなキスを落として愛しさを確認する。

 こんなに可愛くて健気な彼女に出会えたことを天に感謝するルークにとって、いつだってリルは天使の様に優しく癒しの存在になっている。

「ずっと二人でいようね」

 艶のない黒瑪瑙の瞳で呟いたリルは抱きしめるルークの胸に擦り寄って、大好きな彼の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
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みんなの感想(3件)

夕月
2021.12.14 夕月

リルちゃん、好きです(*´꒳`*)
ちょっと過激なところも素敵♡

可愛いのに、やること怖くて、大好きです(*≧∀≦*)
当たり前のことでしょ?って、軽い感じで魔法を使っちゃうのが、めっちゃ好きです♡

リルちゃんのビジュアルもめっちゃ好みです(*´꒳`*)
黒髪美少女♡

ドゴイエちまき
2021.12.14 ドゴイエちまき

夕月さんありがとうございます〜!

これぞヤンデレ!と思う要素を詰め込んでみました( *´艸`)
ヤンデレ可愛いですよね…♡
リルのビジュアルは私もお気に入りなのでめっちゃ嬉しいです♪

感想いつもありがとうございます!
(*´꒳`*)

解除
来須みかん
2021.09.16 来須みかん

これ、すごい好き……( ;∀;)♡♡
美少女スキーな私は、ちまきさんの書かれる美少女がいっつも癖に刺さります。

ドゴイエちまき
2021.09.16 ドゴイエちまき

みかんさんありがとうございます〜!

やったぜ!癖に刺さって嬉しい…!!
美少女は良きですよね。一生美少女を愛でたいと思います(*^ω^*)

感想ありがとうございます♡♡♡

解除
蓮恭
2021.08.11 蓮恭

お気に入り登録させていただきました❀.(*´◡`*)❀.

ドゴイエちまき
2021.08.11 ドゴイエちまき

蓮恭さんありがとうございます〜!
嬉しい♪
ヤンデレ乙女が…とても好きなんです( *´艸`)

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