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「……ベッド、連れてってください」
篠崎の身体はまだ拭き終っていない。けれどもういいだろう。だって篠崎の目がギラギラしているから。
「……ぁ……しの、んっ……」
篠崎に覆い被さられ、口を塞がれる。最近はこの体勢にもだいぶ慣れてきた。顔の横に置かれた腕が嬉しい。あぁでももっと抱きしめてほしい。今は身体の間に隙間がある。
「んっ、は、しのざき……」
唇が離れるこの時間はきっと安西のために与えられている時間だ。呼吸を整えるための時間。どうして同じ時間口を塞いでいる状態なのに篠崎は平気なのだろう。
「ん?」
安西が落ち着くまでの時間を潰しているのか、篠崎の指先が髪を擽る。
「寒い」
本当に寒いわけじゃない。そうじゃなくて、篠崎の体温がないのが寒い。でも今はお互い裸で、篠崎を引き寄せたらあさましくも勃起をしているそれを篠崎に触れさせてしまう。それが恥ずかしくて、でも触れてほしくて――恥ずかしいけれどやっぱり勃起できていることにも気付いてほしくて、だから篠崎から触れてくれるように遠回しのおねだり。
「……一緒に温まろうか」
篠崎がよけてあった布団を被った。そしてその中でぎゅうと体温も分け与えてくれる。温かい。布団が篠崎の体温を留めてくれる。
「ぁっ……」
「勃起できてる。よかった」
そういう篠崎のそれも硬く勃起していた。勃起同士が重なる。
「勃起できなくても抱いてほしいと言っていたから……まぁ今後は諒の勃起に関係なく抱くが、勃起できたのはとても嬉しいよ」
「しのざき……」
慈愛に満ちた目で見つめられ、幸福の意味を知る。
腕を上げて篠崎の首に巻き付け、胸までしっかりと触れ合わせた。
「どきどきしてる……」
篠崎は緊張なんてしなさそうなのに。それとも興奮で心拍が上がっているのだろうか。
「あぁ。今から諒と一つになれると思うと嬉しくて」
「ほんと?」
「本当だよ。嬉しい」
篠崎が触れ合えることを喜んでくれているのは知っている。けれどどうしても何度でもその言葉を聞きたくて確認してしまう。普通の人だったらいい加減にしろと言いそうなほどなのに、篠崎は何度でも嬉しいよ、愛してる、と繰り返してくれた。
「……篠崎、して……」
「大丈夫か」
「はい。早く……」
繋がる前に一度一緒にイこうと言ってくれていた。だから唇を合わせると、篠崎の手が限界を訴えるそれを握った。
「っは、んっ……しの、んっ」
「諒……やばいな、触れただけでイきそうだ」
「僕もっ……あ、だめっ……」
二本一緒に握られ、そこから伝わる体温を感じて、そして聞こえる水音で頭がおかしくなりそうだった。
篠崎の身体はまだ拭き終っていない。けれどもういいだろう。だって篠崎の目がギラギラしているから。
「……ぁ……しの、んっ……」
篠崎に覆い被さられ、口を塞がれる。最近はこの体勢にもだいぶ慣れてきた。顔の横に置かれた腕が嬉しい。あぁでももっと抱きしめてほしい。今は身体の間に隙間がある。
「んっ、は、しのざき……」
唇が離れるこの時間はきっと安西のために与えられている時間だ。呼吸を整えるための時間。どうして同じ時間口を塞いでいる状態なのに篠崎は平気なのだろう。
「ん?」
安西が落ち着くまでの時間を潰しているのか、篠崎の指先が髪を擽る。
「寒い」
本当に寒いわけじゃない。そうじゃなくて、篠崎の体温がないのが寒い。でも今はお互い裸で、篠崎を引き寄せたらあさましくも勃起をしているそれを篠崎に触れさせてしまう。それが恥ずかしくて、でも触れてほしくて――恥ずかしいけれどやっぱり勃起できていることにも気付いてほしくて、だから篠崎から触れてくれるように遠回しのおねだり。
「……一緒に温まろうか」
篠崎がよけてあった布団を被った。そしてその中でぎゅうと体温も分け与えてくれる。温かい。布団が篠崎の体温を留めてくれる。
「ぁっ……」
「勃起できてる。よかった」
そういう篠崎のそれも硬く勃起していた。勃起同士が重なる。
「勃起できなくても抱いてほしいと言っていたから……まぁ今後は諒の勃起に関係なく抱くが、勃起できたのはとても嬉しいよ」
「しのざき……」
慈愛に満ちた目で見つめられ、幸福の意味を知る。
腕を上げて篠崎の首に巻き付け、胸までしっかりと触れ合わせた。
「どきどきしてる……」
篠崎は緊張なんてしなさそうなのに。それとも興奮で心拍が上がっているのだろうか。
「あぁ。今から諒と一つになれると思うと嬉しくて」
「ほんと?」
「本当だよ。嬉しい」
篠崎が触れ合えることを喜んでくれているのは知っている。けれどどうしても何度でもその言葉を聞きたくて確認してしまう。普通の人だったらいい加減にしろと言いそうなほどなのに、篠崎は何度でも嬉しいよ、愛してる、と繰り返してくれた。
「……篠崎、して……」
「大丈夫か」
「はい。早く……」
繋がる前に一度一緒にイこうと言ってくれていた。だから唇を合わせると、篠崎の手が限界を訴えるそれを握った。
「っは、んっ……しの、んっ」
「諒……やばいな、触れただけでイきそうだ」
「僕もっ……あ、だめっ……」
二本一緒に握られ、そこから伝わる体温を感じて、そして聞こえる水音で頭がおかしくなりそうだった。
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