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「さあ、身体を拭いてあげよう」
「……僕、篠崎の身体を拭きたいです」
「ありがとう」
やはり篠崎は先に身体を拭いてくれた。ふわふわの繊維が水滴を吸い取っていく。
「ぁ……そこは……っ」
緩く勃起している。あんなに頑なに勃起しなかったのに。
「……中までは拭かなくてもいいな」
中まで、なんて恥ずかしい。皮を剥いて、その中ーー亀頭までーー。
「はい……」
今剥かれたらきっと包皮輪が切れてしまう。というか、剥けない可能性もあった。
無理にせずにそっとしておいてくれて助かる。
「篠崎の身体を拭きますね」
空気を変えるようにわざと明るく言った。そして新しいタオルを取り出して、安西とは違う逞しい身体にタオルをあてる。
「優しいな」
「そうですか? 篠崎も僕の身体を拭いてくれるときこんな感じですよ」
「諒の身体は繊細だから」
「普通ですけど」
やはり篠崎は時折不思議なことを言う。でも気にならない。悪口ではないことは分かっているから。
「繊細だよ。肌が綺麗だ。傷つけたくない」
「……篠崎にならいいなって思うんですけど」
「肉体的にも虐められてみたいかな」
そういう篠崎の声はさっきまでと全く違う。意地悪なことをするときの声だった。からかうときみたいな。
でもここで冗談で返してしまったらこの話はなかったことになってしまう。それはいやーー虐められてみたい。
「……虐めてくれますか」
「……いいのか」
篠崎が安西の手首を掴んだ。しっかり返事を訊くまで放さない、という意思表示。
「はい……篠崎に虐めてほしいです」
好きな子は虐めたくなると言っていた。それなら愛情の分だけ虐めてほしい。
「僕への気持ちを虐めで表してください」
「……溶けて消えてなくなってしまいそうだ」
「そんなに?」
「あぁ。骨の髄までしゃぶりたい」
「っ……」
熱烈過ぎる言葉だ。狂気とも言える。けれど怖くはない。もちろんそれを実行に移されることがないのを分かっているからだけれど、それでも篠崎にならしゃぶられてみたいと思ってしまう。
「……僕、篠崎の身体を拭きたいです」
「ありがとう」
やはり篠崎は先に身体を拭いてくれた。ふわふわの繊維が水滴を吸い取っていく。
「ぁ……そこは……っ」
緩く勃起している。あんなに頑なに勃起しなかったのに。
「……中までは拭かなくてもいいな」
中まで、なんて恥ずかしい。皮を剥いて、その中ーー亀頭までーー。
「はい……」
今剥かれたらきっと包皮輪が切れてしまう。というか、剥けない可能性もあった。
無理にせずにそっとしておいてくれて助かる。
「篠崎の身体を拭きますね」
空気を変えるようにわざと明るく言った。そして新しいタオルを取り出して、安西とは違う逞しい身体にタオルをあてる。
「優しいな」
「そうですか? 篠崎も僕の身体を拭いてくれるときこんな感じですよ」
「諒の身体は繊細だから」
「普通ですけど」
やはり篠崎は時折不思議なことを言う。でも気にならない。悪口ではないことは分かっているから。
「繊細だよ。肌が綺麗だ。傷つけたくない」
「……篠崎にならいいなって思うんですけど」
「肉体的にも虐められてみたいかな」
そういう篠崎の声はさっきまでと全く違う。意地悪なことをするときの声だった。からかうときみたいな。
でもここで冗談で返してしまったらこの話はなかったことになってしまう。それはいやーー虐められてみたい。
「……虐めてくれますか」
「……いいのか」
篠崎が安西の手首を掴んだ。しっかり返事を訊くまで放さない、という意思表示。
「はい……篠崎に虐めてほしいです」
好きな子は虐めたくなると言っていた。それなら愛情の分だけ虐めてほしい。
「僕への気持ちを虐めで表してください」
「……溶けて消えてなくなってしまいそうだ」
「そんなに?」
「あぁ。骨の髄までしゃぶりたい」
「っ……」
熱烈過ぎる言葉だ。狂気とも言える。けれど怖くはない。もちろんそれを実行に移されることがないのを分かっているからだけれど、それでも篠崎にならしゃぶられてみたいと思ってしまう。
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