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第九章 冒険編 蘇る英雄達
英雄譚~マントン~
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「本当はあの時、カルドとフェニクスの二人が始末する予定だったんだけど……ほら、まんまと逃げられちゃった訳じゃない? だからこうして俺がわざわざ尻拭いしにやって来たという訳さ」
やれやれといった様子で、両肩を一度上げるとそのまま力を抜く様に落とした。
「二人の存在を知っているという事は……あなたも師匠によって蘇った存在なんですね」
「師匠……? あぁ、エジタス君の事か。そう言う言い方をするって事は、君が“サトウマオ”だね?」
ここで初めてマントンは、突き出していた顎を下に下ろした。そして真緒に向けて指を差した。
「そうです……」
「それでそっちの子が、三代目魔王のサタニア君かな?」
すると今度はサタニアに向けて指を差す。
「そうだけど? それがいったい何だって言うのさ」
「高圧的な態度だね。いやさ、始末しに来たと言っても、肝心の最優先目標である君達二人がいなかったら、話にならなかった……探す手間が省けたよ」
雰囲気が一変する。張り詰めた緊張感に、真緒達は咄嗟に武器を構える。そんな中、フォルスだけが何かを考えている様子だった。
「マントン……まさかあのマントンか!?」
「フォルスさん、あの人の事を知っているんですか?」
マントンという名前がずっと引っ掛かっていたフォルス。そして漸く、その名前について思い出した。
「今から二百年前の事だ。当時、人間と一部の亜人達が領土を巡って、激しく争っていた。そんな戦いの最前線で戦っていたのがマントンだった。彼はたった一人で約五百人の亜人達と真っ向から戦い、無傷で勝利を収めた」
「そ、それは凄いですね……」
五百の敵軍に勝利を収めるのは、そう難しい事では無い。現に真緒達も、過去に同じ様な事を成し遂げている。しかしそれは四人での場合の話であり、マントンの様にたった一人でそれも無傷で終わらせるのは、非常に困難であると言える。
多少、盛られた可能性があるかもしれないが、それでも勝利を収めたという事実が残っている以上、正に英雄の名に相応しい偉業である。が、次のフォルスの言葉で状況は百八十度変わる。
「と、思うだろう? だがこの話には裏があってな。そもそも亜人達は人間と争う気は無かったんだ」
「えっ、それじゃあどうして?」
「唆されたんだ。マントンにな」
「っ!!?」
「奴は亜人達にこう告げ口をした。『あの国の人間は亜人を不当な奴隷として扱っている』とな……」
「そんな嘘を信じたんですか!?」
「いや、それが嘘じゃなかったのさ」
「えっ?」
「実際、その国は数種類の亜人を奴隷として販売していた」
「そんな……」
「だが、それは同時に嘘でもあったのさ」
「ど、どういう事ですか?」
矛盾とも言えるフォルスの言葉に混乱し始める真緒。
「奴の言った“不当”という言葉さ。別にその国では亜人を差別したり、虐げたりはしていなかった。只、行き場の無い亜人達を合法的に働かせるには、奴隷として扱うしか方法がなかった」
「そう言えば……ハナちゃんの所でもそうだったよね?」
「ぞうだぁ。店主ざんはいづもオラに美味じいご飯をぐれだだぁ」
ハナコも元は奴隷。しかしその待遇は決して酷いとは言い難く、寧ろ快適に過ごしている様にさえ感じた。
「そう、調べればすぐにでも分かる問題だった。だが、世界には本当に亜人を不当に扱う場所もある。だから亜人達もマントンの言葉を鵜呑みにしてしまった……そして結果、亜人達はマントンに全員殺されてしまった」
「酷い……でもいったいどうしてそんな事を?」
「それは……本人に聞くしかないだろうな……どうなんだマントン!!?」
そう問い掛けるフォルスの目線の先では、マントンが再び顔を上に向けて顎を前に突き出していた。
「うーん、リメンバー!!! 随分と懐かしい話だね。良いだろう、特別に答えてあげよう。あの頃は俺も若かった、自分の力を誇示したかったんだ。けど、人間相手じゃ話にならない。もっと骨のある相手が欲しかった。そんな時、パッと閃いたのさ。そうだ、亜人達に喧嘩を吹っ掛けて貰おうとね!!!」
「何故、そんなまどろっこしい事を?」
「だってほら? 自分から仕掛けたら、後々国の方から責任を追求されてしまうじゃない? だから合法的に戦える様、亜人達を唆したのさ」
「信じられない……力試しなんかの為に、無意味に人間と亜人を争わせるだなんて……あなたは英雄なんかじゃない……只の自分勝手な男よ!!!」
「おいおい、何ムキになってるんだ? そもそも英雄の意味知ってるか? “武勇や才知などが優れ、普通の人には出来ない様な事柄を成し遂げる人”の事を指すのさ。つまり、そこに裏があったにしろ、俺は普通の人には出来ない事を成し遂げた。そう、俺は英雄と呼ばれるべき存在なのさ!!!」
「違う!!!」
マントンの言葉を激しく否定する真緒。
「英雄というのは……偉大な事を成し遂げた人の事を言うんです。困っている人に手を差し伸べたり、誰かの為にその身を犠牲にしたり……言うなればそう、“ヒーロー”の様な存在なんです。あなたみたいに私利私欲で他人を不幸にする人が、英雄な訳がありません!!!」
英雄思想について熱く語る真緒。一方でマントンは、突き出していた顎を下に下ろした。
「これはまた……酷く嫌われた物だな……でもまぁ気にしないさ。だって君達は……ここで死ぬんだからね!!!」
そう言うとマントンは、一瞬にして真緒達との距離を縮めた。
「!!!」
「貰った!!! まずは一人!!!」
マントンの槍が真緒目掛けて突き出される。
「スキル“鋼鉄化”!!!」
「っ!!?」
が、その間を全身鋼鉄に変化させたハナコが割って入り、未然に防いだ。槍はハナコに突き刺さる事無く、カンッという甲高い音を立てながら弾かれる。
「マオぢゃんを殺らぜる訳には行がないだぁ」
「ハナちゃん、ありがとう」
「邪魔な亜人だな……そんなに死に急ぎたいのなら、まずは君から……っ!!!」
標的をハナコに変えようとしたその瞬間、マントンの頭上から数本の矢が降り注ぐ。
が、マントンは後方に勢い良く跳ぶ事で、華麗に回避して見せた。そして上空を見上げると、そこには大きな翼を広げるフォルスの姿があった。
「くそっ、外したか」
「鳥人ってのは空からの攻撃が本当に好きだねー。ワンパターンで飽きて来た「“ウインドカッター”!!」……っ!!!」
悠長に話していると、今度は真横からリーマが風の刃を生成し、マントン目掛けて放っていた。
「ちぃ!!!」
マントンは咄嗟に持っていた槍で風の刃を弾いた。
「あらら、余所見は駄目よ英雄さん」
「!!?」
マントンが風の刃を弾くと同時に、エレットが雷魔法を使って背後に回り込み、マントンの背中に魔法を打ち込もうとする。
「調子に乗るな!!!」
「なっ!!?」
するとマントンはエレットに触れられる前に、槍の先を地面に突き刺すと、それを支えに両足で思い切り後ろに蹴った。
「きゃあ!!!」
突然の蹴りに対応が遅れたエレットは、そのまま遠くに蹴り飛ばされてしまう。
「次から次へ……と……」
その時、マントンは殺気を感じた。慌ててその方向に目を向けると、そこにはいつの間にか側に近付いていた真緒とサタニアの二人がいた。二人とも既に武器を構え、スキルを放つ寸前だった。
「しまっ……!!!」
「スキル“ロストブレイク”!!!」
「スキル“ブラックアウト”!!!」
二人から放たれる強烈な一撃は、確りとマントンを捉え、入り口付近まで勢い良く吹き飛ばした。
「手応え……あり」
「やったね」
「うん、けどまだ油断しない方が良い。この程度で殺られる相手なら、わざわざエジタスが蘇らせないと思う」
「……そうだね」
「おい、あれを見て見ろ!!!」
サタニアの言った通り、舞い上がる土煙の中から、赤々と燃え上がる炎の揺らめきが見えたかと思うと次の瞬間、マントンが土煙を吹き飛ばし、姿を現した。
「はぁ……はぁ……」
しかしかなりのダメージを負っている様で、口からは血を吐いていた。
「下手に出てりゃ調子に乗りやがって……上等だよ、てめぇら!!! この俺を本気にさせた事、あの世で後悔させてやるよ!!!」
先ほどのチャラついた様子とは異なり、感情を剥き出しにしながら、怒鳴り声を上げていた。
「どうやらこっから本番みたいだな」
「皆、気を引き締めて行くよ!!!」
「「「「「おぉ!!!」」」」」
走り出すマントン。迎え撃つ真緒。両者の槍と剣が激しくぶつかり合うのであった。
やれやれといった様子で、両肩を一度上げるとそのまま力を抜く様に落とした。
「二人の存在を知っているという事は……あなたも師匠によって蘇った存在なんですね」
「師匠……? あぁ、エジタス君の事か。そう言う言い方をするって事は、君が“サトウマオ”だね?」
ここで初めてマントンは、突き出していた顎を下に下ろした。そして真緒に向けて指を差した。
「そうです……」
「それでそっちの子が、三代目魔王のサタニア君かな?」
すると今度はサタニアに向けて指を差す。
「そうだけど? それがいったい何だって言うのさ」
「高圧的な態度だね。いやさ、始末しに来たと言っても、肝心の最優先目標である君達二人がいなかったら、話にならなかった……探す手間が省けたよ」
雰囲気が一変する。張り詰めた緊張感に、真緒達は咄嗟に武器を構える。そんな中、フォルスだけが何かを考えている様子だった。
「マントン……まさかあのマントンか!?」
「フォルスさん、あの人の事を知っているんですか?」
マントンという名前がずっと引っ掛かっていたフォルス。そして漸く、その名前について思い出した。
「今から二百年前の事だ。当時、人間と一部の亜人達が領土を巡って、激しく争っていた。そんな戦いの最前線で戦っていたのがマントンだった。彼はたった一人で約五百人の亜人達と真っ向から戦い、無傷で勝利を収めた」
「そ、それは凄いですね……」
五百の敵軍に勝利を収めるのは、そう難しい事では無い。現に真緒達も、過去に同じ様な事を成し遂げている。しかしそれは四人での場合の話であり、マントンの様にたった一人でそれも無傷で終わらせるのは、非常に困難であると言える。
多少、盛られた可能性があるかもしれないが、それでも勝利を収めたという事実が残っている以上、正に英雄の名に相応しい偉業である。が、次のフォルスの言葉で状況は百八十度変わる。
「と、思うだろう? だがこの話には裏があってな。そもそも亜人達は人間と争う気は無かったんだ」
「えっ、それじゃあどうして?」
「唆されたんだ。マントンにな」
「っ!!?」
「奴は亜人達にこう告げ口をした。『あの国の人間は亜人を不当な奴隷として扱っている』とな……」
「そんな嘘を信じたんですか!?」
「いや、それが嘘じゃなかったのさ」
「えっ?」
「実際、その国は数種類の亜人を奴隷として販売していた」
「そんな……」
「だが、それは同時に嘘でもあったのさ」
「ど、どういう事ですか?」
矛盾とも言えるフォルスの言葉に混乱し始める真緒。
「奴の言った“不当”という言葉さ。別にその国では亜人を差別したり、虐げたりはしていなかった。只、行き場の無い亜人達を合法的に働かせるには、奴隷として扱うしか方法がなかった」
「そう言えば……ハナちゃんの所でもそうだったよね?」
「ぞうだぁ。店主ざんはいづもオラに美味じいご飯をぐれだだぁ」
ハナコも元は奴隷。しかしその待遇は決して酷いとは言い難く、寧ろ快適に過ごしている様にさえ感じた。
「そう、調べればすぐにでも分かる問題だった。だが、世界には本当に亜人を不当に扱う場所もある。だから亜人達もマントンの言葉を鵜呑みにしてしまった……そして結果、亜人達はマントンに全員殺されてしまった」
「酷い……でもいったいどうしてそんな事を?」
「それは……本人に聞くしかないだろうな……どうなんだマントン!!?」
そう問い掛けるフォルスの目線の先では、マントンが再び顔を上に向けて顎を前に突き出していた。
「うーん、リメンバー!!! 随分と懐かしい話だね。良いだろう、特別に答えてあげよう。あの頃は俺も若かった、自分の力を誇示したかったんだ。けど、人間相手じゃ話にならない。もっと骨のある相手が欲しかった。そんな時、パッと閃いたのさ。そうだ、亜人達に喧嘩を吹っ掛けて貰おうとね!!!」
「何故、そんなまどろっこしい事を?」
「だってほら? 自分から仕掛けたら、後々国の方から責任を追求されてしまうじゃない? だから合法的に戦える様、亜人達を唆したのさ」
「信じられない……力試しなんかの為に、無意味に人間と亜人を争わせるだなんて……あなたは英雄なんかじゃない……只の自分勝手な男よ!!!」
「おいおい、何ムキになってるんだ? そもそも英雄の意味知ってるか? “武勇や才知などが優れ、普通の人には出来ない様な事柄を成し遂げる人”の事を指すのさ。つまり、そこに裏があったにしろ、俺は普通の人には出来ない事を成し遂げた。そう、俺は英雄と呼ばれるべき存在なのさ!!!」
「違う!!!」
マントンの言葉を激しく否定する真緒。
「英雄というのは……偉大な事を成し遂げた人の事を言うんです。困っている人に手を差し伸べたり、誰かの為にその身を犠牲にしたり……言うなればそう、“ヒーロー”の様な存在なんです。あなたみたいに私利私欲で他人を不幸にする人が、英雄な訳がありません!!!」
英雄思想について熱く語る真緒。一方でマントンは、突き出していた顎を下に下ろした。
「これはまた……酷く嫌われた物だな……でもまぁ気にしないさ。だって君達は……ここで死ぬんだからね!!!」
そう言うとマントンは、一瞬にして真緒達との距離を縮めた。
「!!!」
「貰った!!! まずは一人!!!」
マントンの槍が真緒目掛けて突き出される。
「スキル“鋼鉄化”!!!」
「っ!!?」
が、その間を全身鋼鉄に変化させたハナコが割って入り、未然に防いだ。槍はハナコに突き刺さる事無く、カンッという甲高い音を立てながら弾かれる。
「マオぢゃんを殺らぜる訳には行がないだぁ」
「ハナちゃん、ありがとう」
「邪魔な亜人だな……そんなに死に急ぎたいのなら、まずは君から……っ!!!」
標的をハナコに変えようとしたその瞬間、マントンの頭上から数本の矢が降り注ぐ。
が、マントンは後方に勢い良く跳ぶ事で、華麗に回避して見せた。そして上空を見上げると、そこには大きな翼を広げるフォルスの姿があった。
「くそっ、外したか」
「鳥人ってのは空からの攻撃が本当に好きだねー。ワンパターンで飽きて来た「“ウインドカッター”!!」……っ!!!」
悠長に話していると、今度は真横からリーマが風の刃を生成し、マントン目掛けて放っていた。
「ちぃ!!!」
マントンは咄嗟に持っていた槍で風の刃を弾いた。
「あらら、余所見は駄目よ英雄さん」
「!!?」
マントンが風の刃を弾くと同時に、エレットが雷魔法を使って背後に回り込み、マントンの背中に魔法を打ち込もうとする。
「調子に乗るな!!!」
「なっ!!?」
するとマントンはエレットに触れられる前に、槍の先を地面に突き刺すと、それを支えに両足で思い切り後ろに蹴った。
「きゃあ!!!」
突然の蹴りに対応が遅れたエレットは、そのまま遠くに蹴り飛ばされてしまう。
「次から次へ……と……」
その時、マントンは殺気を感じた。慌ててその方向に目を向けると、そこにはいつの間にか側に近付いていた真緒とサタニアの二人がいた。二人とも既に武器を構え、スキルを放つ寸前だった。
「しまっ……!!!」
「スキル“ロストブレイク”!!!」
「スキル“ブラックアウト”!!!」
二人から放たれる強烈な一撃は、確りとマントンを捉え、入り口付近まで勢い良く吹き飛ばした。
「手応え……あり」
「やったね」
「うん、けどまだ油断しない方が良い。この程度で殺られる相手なら、わざわざエジタスが蘇らせないと思う」
「……そうだね」
「おい、あれを見て見ろ!!!」
サタニアの言った通り、舞い上がる土煙の中から、赤々と燃え上がる炎の揺らめきが見えたかと思うと次の瞬間、マントンが土煙を吹き飛ばし、姿を現した。
「はぁ……はぁ……」
しかしかなりのダメージを負っている様で、口からは血を吐いていた。
「下手に出てりゃ調子に乗りやがって……上等だよ、てめぇら!!! この俺を本気にさせた事、あの世で後悔させてやるよ!!!」
先ほどのチャラついた様子とは異なり、感情を剥き出しにしながら、怒鳴り声を上げていた。
「どうやらこっから本番みたいだな」
「皆、気を引き締めて行くよ!!!」
「「「「「おぉ!!!」」」」」
走り出すマントン。迎え撃つ真緒。両者の槍と剣が激しくぶつかり合うのであった。
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