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第六章 冒険編 記憶の森
真緒パーティー VS ユグジィ(全盛期)(前編)
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「オラッ!! 行くぞぉおおおお!!!」
かつての若々しい肉体を手に入れた自信からか、持っていた記憶の杖を遠くに放り投げ、荒々しい口調で真緒達目掛けて突撃して来た。
「は、速い!!」
「ごごは、オラに任ぜでぐれだぁ!!」
ユグジィの行く手に立ち塞がるハナコ。両手を構えて、迎え撃つ姿勢を取った。
「ほぉ、力比べか? 受けて立つ!!」
ハナコの構えた両手に掴み掛かる様に、ユグジィもまた両手を突き出した。
「「うぉおおおおお!!!」」
互いの両手が重なり合う。純粋な力と力のぶつかり合い。真緒達は、そんな二人の戦いを固唾を呑んで見守っていた。
「中々やるじゃないか。だが……」
「うぉ!!? おおおおお……」
実力は、五分五分と思われたが、徐々にハナコの方が押され始める。
「ハナちゃん、負けないで!!」
「ハナコさん、頑張って下さい!!」
「負けるなハナコ!!」
「ぐっ……ぐぉおおおおお!!!」
仲間達の応援を糧に、ハナコは顔を真っ赤にさせながら、何とか押し戻す事が出来た。
「おうおう、気張るねぇ。仲間の想いでパワーアップってか? そんなのはな……本や絵本の物語だけなんだよ!!」
「!!!」
しかし、それも束の間の出来事。瞬く間に押し返され、地面に叩き付けられてしまった。
「……あのハナちゃんが力負けする所なんて、初めて見た……」
「力に自慢がある様だが、その程度の実力じゃ、この俺に勝つのは百年早いぞ」
「ぐぅ……」
そう言いながら、鍛え上げられた肉体を、これ見よがしに見せ付けるユグジィ。
「さて、次は誰が相手になってくれるのかな?」
「「「……っ!!」」」
「何なら、まとめて掛かって来ても、俺は一向に構わないぞ?」
右側の口角だけをクイッと上げ、余裕な表情を浮かべて見せた。
「あの野郎、調子に乗りやがって……」
「それなら望み通り、まとめて相手になって貰いましょう」
「そうだね、行こう!!」
そう言うと真緒はユグジィ目掛けて走り出した。その合図と共に、空中にいるフォルスは弓を構え、地上にいるリーマが魔導書を開く。
「威勢が良いねぇ。だけどさ……」
するとユグジィは、両足に力を込め始めた。それにより、足元の地面がひび割れを起こした。
「戦いにおいて、敵の言葉を鵜呑みにするのは、致命的だと思うぜ?」
「「「!!?」」」
その言葉と同時に、両足を一気に解放すると、一瞬にして真緒を通り過ぎ、リーマの目の前に移動して来た。
「「リーマ!!」」
「あ……あ……」
「まずは一人!!」
脇を締め、左手を前に突き出し、右拳を引く構えを取った。そして流れる様に、引いた右拳をリーマ目掛けて勢い良く突き出した。
「……危ない……危ない……」
「!!?」
しかし、ユグジィの拳が直撃する事は無かった。それより前に、リーマの左手に握られた、潤いを持った青く丸い盾によって、受け止められていた。
「“水の盾”」
「防いだぞ!!」
「凄いよリーマ!!」
殴られる瞬間、リーマは“水の盾”を生成していた。そのお陰で、ユグジィの拳を受け止める事が出来た。
「こ、これは……!!?」
「いくら力に自慢があっても、水で威力を殺される様じゃ、ユグジィの力も底が知れますね」
「く、糞生意気な餓鬼が……これならどうだ!!?」
「っ!!?」
すると、突き出した拳を引っ込め、その場で素早く回転したと思ったら、リーマ目掛けて後ろ回し蹴りを繰り出した。
「“土の鎧”!! ごふっ!!」
咄嗟の機転により、土で出来た鎧を身に纏った。強い衝撃と同時に、数メートル後方に吹き飛ばされる。
「リーマ!! 大丈夫!!?」
「げほっ!! ごほっ!! だ、大丈夫です」
幸い、目立った怪我は負っていなかった。しかし、土の鎧には大きなひびが入っており、数秒後には粉々に砕け散ってしまった。
「そんな……土の鎧が、たった一発で……」
「おいおい、そんな呑気に休んでる暇があるのかな!!」
「きゃあ!!?」
自慢の鎧が意図も簡単に壊れてしまった事に、驚きの表情を隠せないリーマだが、間髪入れずに攻めて来るユグジィのせいで、感傷に浸っている暇も無かった。
「どうした? さっきまでの威勢が感じられないぞ?」
「避けるのに精一杯で、魔法を、唱える余裕が、うっ!!!」
避けるのに夢中で、全く攻撃に移れず、徐々に追い詰められていた。そして遂に、足下がこんがらがり、尻餅を付いてしまった。
「不味いぞ!! このままじゃ、リーマが!!」
「リーマ!!」
「時間は掛かったが、今度こそ一人目だ!!」
「っ……!!!」
助けに行こうにも、間に合わない。ユグジィが拳を構える。これから来るであろう痛みに備え、深く目を瞑るリーマ。
「どりゃあああああ!!!」
「「「「!!?」」」」
その時、力負けてして地面に倒れていたハナコが、ユグジィの背後から現れた。
「お、お前は!!?」
「スキル“インパクト・ベア”!!」
「ぐっ……!!!」
ハナコから放たれた渾身のスキルは、ユグジィを遠くに吹き飛ばしたが、背中が地面に接触する瞬間、両手でクッションを作り、更に遠く離れる事で地面と激突する際の衝撃を無にした。
「リーマぢゃん、大丈夫だがぁ?」
「ハナコさん、ありがとうございます。助かりました」
「二人供、大丈夫?」
「マオさん、フォルスさん、私は大丈夫です」
ハナコのお陰で、大事には至らなかったリーマ。そんな二人の下に、真緒とフォルスが駆け寄る。
「しかし厄介だな。肉体的能力に特化した相手が、ここまで強いとは……」
「簡単に言えば、ハナコさんの上位互換ですね」
「ぐうの音も出ないだぁ……」
「いったいどうしたら……」
「そうだ、それなら良い考えがあるぞ」
「何ですか?」
「リーマとあれこれやっている間に、これを拾っておいたんだ」
「そ、それって……!!?」
そう言いながら、フォルスが取り出したのは、ユグジィが放り投げていた記憶の杖だった。
「これを使えば、ユグジィの体を元に戻す事が出来るんじゃないかと思ってな。元々、この杖の能力で全盛期の力を取り戻した訳だからな」
「冴えてますよフォルスさん!! 老人になったユグジィになら、簡単に勝つ事が出来ます!!」
「やっだだぁ!!」
「…………」
「どうした? マオ?」
「マオさん?」
「マオぢゃん?」
そんな中、真緒だけが不満そうな表情を浮かべていた。
「それってさ……本当に勝った事になるのかな?」
「はぁ?」
「確かに杖の能力で元に戻せば、簡単に勝てるかもしれないけど、それって端から見たら、一人の老人を複数人で痛め付けているだけで、本当の意味で勝ったとは言えないんじゃないのかな……」
「マオ、今は綺麗事を言っている場合じゃないんだ。俺達には、やらなければならない使命がある。このロストマジックアイテムを回収するという、重要な使命がな」
「分かっています。だけど、こんな事で苦戦していたら、これから先の戦いは乗り越えられないんじゃないかって……そう思うんです」
「それは……」
否定出来ない。状況によっては、ヘッラアーデの者達と戦う事になるかもしれない。もしかしたら、それらはユグジィより強いかもしれない。そうなってしまっては、最早真緒達に勝ち目は無い。
「それに、このまま元に戻したら、勝ち目が無いから逃げたと思われてしまいますよ」
「「「!!!」」」
「そんなの悔し過ぎます。私は、あの筋肉男の泣きっ面を見るまでは、その杖を使いたくはありません」
「「「…………」」」
「身勝手な事だとは思います。でも、私は……」
すると、言葉を遮る様にフォルスが真緒の目の前に、掌を突き出した。
「皆まで言うな。確かにお前の言う通り、やられっぱなしってのは納得がいかない」
「私も、逃げたなんて思われたくありません」
「今度ごぞ、オラの方が力強い事を証明じでやるだぁ」
「皆……」
「ほら、行くぞ」
「…………はい!!」
結局、真緒達は記憶の杖を鞄に仕舞い込み、使わなかった。そして、全盛期のユグジィと対峙する。
「折角のチャンスを不意にするとは……いったい何のつもりだ?」
「別に、あんな杖に頼らなくても、充分倒せると思っただけですよ」
「ふっ、ははははは!!! 己の命を無下にする狂人だったか……良いだろう。その判断がどれだけ愚かだったか、直接体に教えてやろう!!」
これから起こるであろう戦いに備えて、真緒達は更なる高みを目指す為に、敢えて苦難の道を選ぶのであった。
かつての若々しい肉体を手に入れた自信からか、持っていた記憶の杖を遠くに放り投げ、荒々しい口調で真緒達目掛けて突撃して来た。
「は、速い!!」
「ごごは、オラに任ぜでぐれだぁ!!」
ユグジィの行く手に立ち塞がるハナコ。両手を構えて、迎え撃つ姿勢を取った。
「ほぉ、力比べか? 受けて立つ!!」
ハナコの構えた両手に掴み掛かる様に、ユグジィもまた両手を突き出した。
「「うぉおおおおお!!!」」
互いの両手が重なり合う。純粋な力と力のぶつかり合い。真緒達は、そんな二人の戦いを固唾を呑んで見守っていた。
「中々やるじゃないか。だが……」
「うぉ!!? おおおおお……」
実力は、五分五分と思われたが、徐々にハナコの方が押され始める。
「ハナちゃん、負けないで!!」
「ハナコさん、頑張って下さい!!」
「負けるなハナコ!!」
「ぐっ……ぐぉおおおおお!!!」
仲間達の応援を糧に、ハナコは顔を真っ赤にさせながら、何とか押し戻す事が出来た。
「おうおう、気張るねぇ。仲間の想いでパワーアップってか? そんなのはな……本や絵本の物語だけなんだよ!!」
「!!!」
しかし、それも束の間の出来事。瞬く間に押し返され、地面に叩き付けられてしまった。
「……あのハナちゃんが力負けする所なんて、初めて見た……」
「力に自慢がある様だが、その程度の実力じゃ、この俺に勝つのは百年早いぞ」
「ぐぅ……」
そう言いながら、鍛え上げられた肉体を、これ見よがしに見せ付けるユグジィ。
「さて、次は誰が相手になってくれるのかな?」
「「「……っ!!」」」
「何なら、まとめて掛かって来ても、俺は一向に構わないぞ?」
右側の口角だけをクイッと上げ、余裕な表情を浮かべて見せた。
「あの野郎、調子に乗りやがって……」
「それなら望み通り、まとめて相手になって貰いましょう」
「そうだね、行こう!!」
そう言うと真緒はユグジィ目掛けて走り出した。その合図と共に、空中にいるフォルスは弓を構え、地上にいるリーマが魔導書を開く。
「威勢が良いねぇ。だけどさ……」
するとユグジィは、両足に力を込め始めた。それにより、足元の地面がひび割れを起こした。
「戦いにおいて、敵の言葉を鵜呑みにするのは、致命的だと思うぜ?」
「「「!!?」」」
その言葉と同時に、両足を一気に解放すると、一瞬にして真緒を通り過ぎ、リーマの目の前に移動して来た。
「「リーマ!!」」
「あ……あ……」
「まずは一人!!」
脇を締め、左手を前に突き出し、右拳を引く構えを取った。そして流れる様に、引いた右拳をリーマ目掛けて勢い良く突き出した。
「……危ない……危ない……」
「!!?」
しかし、ユグジィの拳が直撃する事は無かった。それより前に、リーマの左手に握られた、潤いを持った青く丸い盾によって、受け止められていた。
「“水の盾”」
「防いだぞ!!」
「凄いよリーマ!!」
殴られる瞬間、リーマは“水の盾”を生成していた。そのお陰で、ユグジィの拳を受け止める事が出来た。
「こ、これは……!!?」
「いくら力に自慢があっても、水で威力を殺される様じゃ、ユグジィの力も底が知れますね」
「く、糞生意気な餓鬼が……これならどうだ!!?」
「っ!!?」
すると、突き出した拳を引っ込め、その場で素早く回転したと思ったら、リーマ目掛けて後ろ回し蹴りを繰り出した。
「“土の鎧”!! ごふっ!!」
咄嗟の機転により、土で出来た鎧を身に纏った。強い衝撃と同時に、数メートル後方に吹き飛ばされる。
「リーマ!! 大丈夫!!?」
「げほっ!! ごほっ!! だ、大丈夫です」
幸い、目立った怪我は負っていなかった。しかし、土の鎧には大きなひびが入っており、数秒後には粉々に砕け散ってしまった。
「そんな……土の鎧が、たった一発で……」
「おいおい、そんな呑気に休んでる暇があるのかな!!」
「きゃあ!!?」
自慢の鎧が意図も簡単に壊れてしまった事に、驚きの表情を隠せないリーマだが、間髪入れずに攻めて来るユグジィのせいで、感傷に浸っている暇も無かった。
「どうした? さっきまでの威勢が感じられないぞ?」
「避けるのに精一杯で、魔法を、唱える余裕が、うっ!!!」
避けるのに夢中で、全く攻撃に移れず、徐々に追い詰められていた。そして遂に、足下がこんがらがり、尻餅を付いてしまった。
「不味いぞ!! このままじゃ、リーマが!!」
「リーマ!!」
「時間は掛かったが、今度こそ一人目だ!!」
「っ……!!!」
助けに行こうにも、間に合わない。ユグジィが拳を構える。これから来るであろう痛みに備え、深く目を瞑るリーマ。
「どりゃあああああ!!!」
「「「「!!?」」」」
その時、力負けてして地面に倒れていたハナコが、ユグジィの背後から現れた。
「お、お前は!!?」
「スキル“インパクト・ベア”!!」
「ぐっ……!!!」
ハナコから放たれた渾身のスキルは、ユグジィを遠くに吹き飛ばしたが、背中が地面に接触する瞬間、両手でクッションを作り、更に遠く離れる事で地面と激突する際の衝撃を無にした。
「リーマぢゃん、大丈夫だがぁ?」
「ハナコさん、ありがとうございます。助かりました」
「二人供、大丈夫?」
「マオさん、フォルスさん、私は大丈夫です」
ハナコのお陰で、大事には至らなかったリーマ。そんな二人の下に、真緒とフォルスが駆け寄る。
「しかし厄介だな。肉体的能力に特化した相手が、ここまで強いとは……」
「簡単に言えば、ハナコさんの上位互換ですね」
「ぐうの音も出ないだぁ……」
「いったいどうしたら……」
「そうだ、それなら良い考えがあるぞ」
「何ですか?」
「リーマとあれこれやっている間に、これを拾っておいたんだ」
「そ、それって……!!?」
そう言いながら、フォルスが取り出したのは、ユグジィが放り投げていた記憶の杖だった。
「これを使えば、ユグジィの体を元に戻す事が出来るんじゃないかと思ってな。元々、この杖の能力で全盛期の力を取り戻した訳だからな」
「冴えてますよフォルスさん!! 老人になったユグジィになら、簡単に勝つ事が出来ます!!」
「やっだだぁ!!」
「…………」
「どうした? マオ?」
「マオさん?」
「マオぢゃん?」
そんな中、真緒だけが不満そうな表情を浮かべていた。
「それってさ……本当に勝った事になるのかな?」
「はぁ?」
「確かに杖の能力で元に戻せば、簡単に勝てるかもしれないけど、それって端から見たら、一人の老人を複数人で痛め付けているだけで、本当の意味で勝ったとは言えないんじゃないのかな……」
「マオ、今は綺麗事を言っている場合じゃないんだ。俺達には、やらなければならない使命がある。このロストマジックアイテムを回収するという、重要な使命がな」
「分かっています。だけど、こんな事で苦戦していたら、これから先の戦いは乗り越えられないんじゃないかって……そう思うんです」
「それは……」
否定出来ない。状況によっては、ヘッラアーデの者達と戦う事になるかもしれない。もしかしたら、それらはユグジィより強いかもしれない。そうなってしまっては、最早真緒達に勝ち目は無い。
「それに、このまま元に戻したら、勝ち目が無いから逃げたと思われてしまいますよ」
「「「!!!」」」
「そんなの悔し過ぎます。私は、あの筋肉男の泣きっ面を見るまでは、その杖を使いたくはありません」
「「「…………」」」
「身勝手な事だとは思います。でも、私は……」
すると、言葉を遮る様にフォルスが真緒の目の前に、掌を突き出した。
「皆まで言うな。確かにお前の言う通り、やられっぱなしってのは納得がいかない」
「私も、逃げたなんて思われたくありません」
「今度ごぞ、オラの方が力強い事を証明じでやるだぁ」
「皆……」
「ほら、行くぞ」
「…………はい!!」
結局、真緒達は記憶の杖を鞄に仕舞い込み、使わなかった。そして、全盛期のユグジィと対峙する。
「折角のチャンスを不意にするとは……いったい何のつもりだ?」
「別に、あんな杖に頼らなくても、充分倒せると思っただけですよ」
「ふっ、ははははは!!! 己の命を無下にする狂人だったか……良いだろう。その判断がどれだけ愚かだったか、直接体に教えてやろう!!」
これから起こるであろう戦いに備えて、真緒達は更なる高みを目指す為に、敢えて苦難の道を選ぶのであった。
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