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最終章 笑顔の絶えない世界
道楽の道化師(後編)
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真緒、サタニア、アーメイデの三人を助けに来た筈の六人はエジタスのスキルにより、その心を殺意で満たされてしまった。しかし、心が殺意で満たされ様とも、当初の目標は見失っていなかった。人類統一まで、残り十分。虚像の殺し合いを演じながら、九人全員がワールドクラウンを外しに掛かる。六人が殺し合っている中、真緒、サタニア、アーメイデの三人はクロウトが座っている玉座目掛けて走り出した。
「“クリスタルウィップ”!!」
「おや~、いいのですか~?“MP”が回復出来ないのに、魔法を使ってしまって~?」
すると、アーメイデが先行して魔法を唱えた。アーメイデの右手に、結晶型の鞭が生成された。アーメイデは鞭を巧みに操り、エジタスの体に巻き付けて動きを拘束する。
「捕らえた!!」
「う~ん、残念!!」
鞭が体に巻き付き、身動きが取れなくなったエジタスだったが、次の瞬間その場から姿が消えた。そして瞬く間に、アーメイデの背後へと姿を現した。
「くっ!!やっぱり駄目か……ぐぁあああ!!」
アーメイデは、背後から感じる気配に素早く振り返るが、間に合わずにエジタスの蹴りを食らってしまった。
「アーメイデさん!!」
「私に構うな!!あんた達は、あんた達の役目を果たしな!!」
エジタスに蹴られたアーメイデを、心配する真緒とサタニアだったが、自分の役目を果たす様にと言い渡された。
「「……はい!!」」
アーメイデの言葉を受け取った真緒とサタニアは、そのまま足を緩める事無く、玉座へと走って行った。
「はぁ~、お二人供……諦めが悪いですね~」
玉座へと走って行く真緒とサタニアを見て、エジタスは深い溜め息を吐いた。そして転移によってその場から姿を消すと、瞬く間に二人の目の前へと姿を現した。
「は~い、お疲れ様でした~」
「マオ!!先に行って!!ここは僕が食い止める!!」
「……任せました!!」
サタニアの想いを汲み取り、真緒は二人を横切り先へと進んだ。
「サタニアさ~ん、いい加減分かって下さいよ~。この世界から戦争や差別を無くすには、種族を……個性を統一するしか無いんですよ~」
「それは違うよ!!確かに、この世界は戦争や差別が絶えない……でもだからと言って、種族を統一したり、個性を統一するのは……只の逃げだよ!!臭い物に蓋をしているだけだよ!!」
「…………」
「だから止める!!大切な人が道を踏み外しそうになっているのなら、僕が全力で止めて正しい道に戻してあげるんだ!!スキル“ブラックアウト”!!」
サタニアの右手が黒く染まる。エジタス目掛けて、想いを乗せながら拳を振るった。
「…………くだらない」
するとエジタスは、一瞬でその場から姿を消した。
「消えた……後ろ!?」
「いいえ……上ですよ」
予測したサタニアは素早く振り返るが、そこにエジタスの姿は無かった。するとエジタスは、サタニアの真上に姿を現し、サタニアの後頭部目掛けてかかとを振り下ろした。
「がはぁ……!!」
「只の逃げ?臭い物に蓋?大いに結構……この腐った世界を平和に出来るのなら、私は何度だって逃げましょう……臭い物に蓋をしましょう……」
後頭部に強い衝撃を受けたサタニアは、その場に倒れ伏してしまった。
「ふ~、やはり手加減しながらでは……加減が難しいですね…………両足を折りましょう」
「!!!」
「大丈夫ですよ、人類が統一されるまでの間だけですから、私の計画が無事に完了したら……ちゃんと直して差し上げますよ~」
そう言いながらエジタスは、サタニアの両足を折る為に歩み寄る。
「あ……ああ……」
その場から離れ様とするサタニアだったが、後頭部を強く打った事で上手く動く事が出来なかった。
「じっとしていて下さい……下手に暴れられると、余計な痛みを負う事になりま…………!!?」
エジタスが、サタニアの両足を折ろうと近づいたその時、エジタスの真横に巨大な岩が迫っていた。
「…………っ!!」
しかし、そこは持ち前の反射神経で当たる直前に、転移を使って避けた。
「この岩はいったい……」
「そんな速度では、あたしを殺す事は出来ないわよ!!」
「ウォオオオオオオ!!!ツギコソ、アテテミセル!!」
するとそのすぐ近くで、ゴルガとアルシアの二人が殺し合いをしていた。
「ゴルガ……アルシア……」
「……くっ……時間を掛け過ぎた……先にあっちを処理するか……」
そう言うとエジタスは、転移を使ってその場から姿を消した。
「……ありがとう……ゴルガ、アルシア……」
「礼には及ばないわ……早くクロウトちゃんを救いに行きましょう」
「うん!!」
***
一方、玉座に向かって走っていた真緒は、遂に玉座の前へと辿り着いた。
「はぁ……はぁ……この王冠を取り外せばいいんですよね……」
息を切らしながらも、真緒はクロウトが被っている王冠を取り外そうと、手を伸ばした。
「おっと、そうは問屋が卸さな~い」
「!!!」
しかし、その腕を転移でやって来たエジタスに捕まれてしまった。
「あ……が……!!」
物凄い強い力。そのまま腕が折られてしまうのではないかと思ってしまう。
「ふ~、危機一髪でした~。やはり取られない様に、両腕をへし折りますか~」
「えっ!!?」
サタニアの両足に続き、真緒の両腕までもが、エジタスに折られそうになる。
「大丈夫ですよ~。痛みなんて……すぐに慣れてしまいますからね~」
「ぐぅ……がぁ……ああ!!」
ミシミシと、両腕から嫌な音が聞こえる。激しい痛みが、真緒に襲い掛かる。
「“ウォーターキャノン”!!」
「!!?」
真緒の両腕が折れると思われたその瞬間、エジタス目掛けて水の塊が飛んで来た。突如として飛んで来た水の塊に対して、エジタスは思わず真緒から手を離し、転移を使って避けた。
「…………」
「くそー、ハナコさん。大人しく殺されて下さい!!」
「ぞんな魔法、オラには通じないだよぉ!!」
するとそのすぐ近くで、リーマとハナコの二人が殺し合いをしていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
真緒は、折られそうになった両腕を垂れ下げながら、一旦玉座から離れた。
「マオ、大丈夫!?」
「サタニア……何とか……ね……」
「エジタス!!逃がさないぞ!!」
両腕を負傷した真緒の元に、サタニアとアーメイデが駆け寄る。そのすぐ近くでは、残りの六人それぞれが殺し合いを演じている。するとその時……。
「……人類統一まで……残り……三分……」
「「「!!!」」」
玉座に座っているクロウトの口から、人類統一までの残り時間が告げられた。
「遂に……遂にこの時が来ました……残り三分で、この世界は平和となる!!」
「あんたの思い通りなんかには、させないよ!!“クリスタルソード”!!」
アーメイデが魔法を唱えると、その右手に結晶型の剣が生成された。結晶型の剣を握り締め、エジタス目掛けて斬り掛かった。
「あらよっと……」
「!!!」
そんなアーメイデの剣を、エジタスは食事用のナイフで受け止めた。
「「今だ!!」」
その隙を狙って、真緒とサタニアの二人が一斉に玉座へと走り出した。
「おっと……忘れ物ですよ~」
そう言うとエジタスは、アーメイデの腕を掴んで、真緒とサタニアに投げつけた。
「「「うわぁあああ!!!」」」
投げ飛ばされたアーメイデは、走って来た真緒とサタニアの二人にぶつかってしまった。
「す、すまない……二人供……」
「い、いえ……」
「僕達なら……大丈夫です……」
「……人類統一まで……残り……一分……」
「「「!!!」」」
残り一分。真緒、サタニア、アーメイデの三人はぶつかり合ってしまった事で、その場で倒れている。今から立ち上がって走り出したとしても、間に合わない。時間切れだ。
「あぁ……漸くこの時が訪れた……さようなら旧世界……おはよう新世界!!」
「(よし……ここまでは作戦通り……!!)」
「(残り一分、勝利を確信して最も気が緩む時……!!)」
「(頼んだぞ!!若き世代よ!!)」
勝利を確信して、感情が高ぶっているエジタス。そんな中、真緒、サタニア、アーメイデの三人は残りの六人に全てを託した。
「行くぞ!!シーラ!!」
「いつでも来い!!」
「うぉおおおおお!!!スキル“一点集中”!!」
この時の為に、フォルスはギリギリまで時間を掛けて、ワールドクラウンに狙いを定めていた。
「貫け!!」
フォルスが渾身の矢を放ち、シーラがそれを避ける。放たれた矢はワールドクラウン目掛けて、肉眼では捉えきれない速さで飛んで行く。
「「「(行けぇえええええ!!!)」」」
「……もうすぐ……残り一分……だからこそ……最後まで油断は出来ませんよね~」
「「「「「!!!」」」」」
しかし、フォルスが放った渾身の矢はワールドクラウンに当たる直前で、エジタスに掴み取られてしまった。
「私が気付かないとでも、思いましたか~?“一触即発”は、私のスキルなんですよ~。私自身がその欠点を見逃す訳がありませんよ~」
全て見抜かれていた。虚像の殺し合いも、残り一分で仕掛けて来る事も、全てがエジタスの掌で踊らされていた。
「……っ!!ゴルガ!!アルシア!!お願い!!」
作戦が見抜かれてしまった以上、隠すのは無意味。サタニアは、残された希望に想いを託す。
「ウォオオオオオ!!!」
「おんどりゃあぁあああああ!!!」
ゴルガの体を削り、作り上げた手頃な大きさの岩。その岩を、アルシア目掛けて投げ付ける。そしてアルシアは、投げ付けられた岩を両刀で、ワールドクラウン目掛けて全力で弾いた。弾かれた岩は、フォルスの矢よりも速い速度で飛んで行った。
「…………ほい!!」
「「!!!」」
しかしその岩も、エジタスの食事用のナイフで弾かれてしまった。弾かれた岩は、見当違いの方向へと飛ばされてしまう。
「まだです!!リーマ、ハナちゃん!!」
正真正銘、最後の希望。これを逃せば、エジタスの勝利が決定する。真緒は、リーマとハナコの二人に最後の希望を託す。
「はぁあああああ!!!“ウォーターキャノン”!!」
リーマの魔導書から、巨大な水の塊が生成された。そして巨大な水の塊を、ワールドクラウン目掛けて放った。
「大きいですね~。ですが先程の岩と比べれば、かなり遅いですよ~」
エジタスは食事用のナイフで、迫り来る巨大な水の塊を斬り裂いた。斬り裂かれた巨大な水の塊は左右に分かれ床に落ちると、大きな水柱を上げた。こうして、最後の希望も潰えてしまうのであった。
「そんな……」
「これだけ手を尽くしたのに……」
「くそっ!!もっと私が早くに決断していれば……すまない……コウスケ……」
真緒、サタニア、アーメイデの三人は、エジタスの計画を止められなかった事に対して嘆き悲しむ。
「……人類統一まで……残り……十、九、八、七、六…………」
「これをもって……人類は統一される!!そして、世界は……“笑顔の絶えない世界”になるの……!!?」
その瞬間、エジタスは目を疑った。リーマが放った巨大な水の塊によって出来た左右の水柱。その水柱を突き抜けて、突如一個の岩がエジタスの横を通り過ぎたのだ。
「(な、何!?あの岩は……ゴルガさんとアルシアさんが投げた岩!?で、ですがあの岩は確かに……別の方向へと弾いた筈……)」
決して、戻って来る筈の無い岩が戻って来た。エジタスが突き抜けた水柱の穴から、向こう側に目線を向ける。するとそこには……。
「皆!!諦めぢゃ、駄目だぁ!!!」
「「「ハナコ!!?」」」
そこには、ハナコが立っていた。まさかの出来事に真緒、リーマ、フォルスは驚きの声を上げた。思い返せば、確かにリーマが“ウォーターキャノン”を放つ時、側にいなかった。あの時ハナコは、ゴルガの岩が弾かれるのを見て、咄嗟に動き出していた。そして水柱で死角になった所で、最後の悪足掻きとして岩を投げつけていたのだ。もしも、エジタスが岩を弾いていなかったら……もしも、ハナコが咄嗟に動いていなかったら……もしも、水柱が死角になっていなかったら……いくつもの偶然が重なり合い、奇跡を引き起こしたのだ。
「(そんな……馬鹿な……こんな事が……くそっ!!間に合え……!!)」
咄嗟にエジタスは、食事用のナイフで岩を弾こうとするが時既に遅し、ハナコが投げた最後の悪足掻きは、ワールドクラウンを貫いた。
「!!!」
貫かれたワールドクラウンは、数メートル先まで吹き飛ばされた。それを見て、エジタスは慌てて吹き飛ばされたワールドクラウンの元へと駆け寄る。
「……人類統一まで……残り……残り……残……り……」
「クロウト!!」
一方、ワールドクラウンが取り外された事により、クロウトは力が抜けた様に玉座から転げ落ちる。そんなクロウトの元にサタニア、ゴルガ、シーラ、アルシアが駆け寄る。
「クロウト!!クロウト!!」
「魔王ちゃん落ち着いて、気絶しているだけよ」
「そっか……良かった……」
気を失っているだけと知り、ホッと一安心するサタニア。
「あぁ!!そ、そんな!!こ、こんな事が!!」
すると突然、エジタスが奇声を発した。今まで聞いた事の無い程に、慌てふためいていた。
「師匠……」
「エジタス……」
「まだ大丈夫!!壊れた部品を組み合わせれば…………」
エジタスはその場に座り込み、貫かれ穴の空いたワールドクラウンを恐る恐る触る。しかし触った瞬間、砂と化してしまった。
「!!!あ……ああ……!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!」
エジタスは、一心不乱になって砂と化してしまったワールドクラウンをかき集める。しかし、手を動かした事で風が生まれ、その風に乗って辺り一面に散ってしまった。
「あ……ああ……あああ……ああああ……あああああ!!!」
「これが……あのエジタスなのか……?」
エジタスの計画は阻止された。なのに素直に喜ぶ事が出来ない。エジタスの豹変振りに、戸惑いを見せる九人。
「し、師匠……あの……「二千年」……えっ?」
「……この計画を実行させるのに……二千年掛かったんだ……色んな国を巡り……裏から手を回し……万が一の時の為に……時間稼ぎ様の駒まで用意した……それなのに……こんな……こんな一瞬で終わってしまうだなんて……」
エジタスは、二千年前と同じ様に失敗したとしても、再び六つの王冠に分かれると思っていた。そうしたら、また時間を掛けて集め直せば良い。そう思っていた。しかし、今回ハナコが岩で貫き穴を開けてしまったせいで、ワールドクラウン自体が分かれる前に壊れてしまった。そうなれば、もう二度と六つの王冠に戻る事も無ければ、ワールドクラウンになる事も無いのだ。
「もう……この世界を……“笑顔の絶えない世界”にする事が出来ない……」
「そ、そんな事無いよ!!ワールドクラウンを使わなくても……きっと世界を……笑顔の絶えない世界に出来る筈だよ!!」
「…………」
「だ、だからその……僕と一緒に……笑顔の絶えない……「何故」……えっ?」
「何故……平和を望まない……」
「エ、エジタス……?」
エジタスは、サタニアの話を聞いていなかった。聞く耳すら持っていなかった。只ぶつぶつと独り言を発するだけだった。
「戦争……貧困……虐め……差別……全てが無くなるというのに……何故受け入れない……何故否定する……」
「こ、これは!!?」
座っていたエジタスが、ゆっくりと立ち上がる。しかし、今までのエジタスとは明らかに違った。それは殺意。明確なる殺意が、エジタスから伝わって来た。
「はぁ……はぁ……空気が……重い……です……」
「オ、オラの毛が……恐怖で逆立っているだぁ……」
「あぁ……俺も……鳥肌が止まらない……」
「嘘だろ……この私が震えているのか…………」
「コ、コレガ……キョウフナノカ……」
「この……骨の芯まで伝わって来る威圧感……これがエジタスの実力……」
エジタスから伝わって来る、明確なる殺意が六人を震え上がらせた。
「……世界の平和を否定するあなた達は……“悪”だ……悪は滅ぼさなければならない……あなた達を滅ぼし……平和への糧としましょう…………」
「師匠……」
「エジタス……」
「こうなってしまったら仕方無いよ、覚悟を決めな。今のエジタスは、私達を本気で殺しに掛かって来るだろう。油断してると……死ぬよ!!」
人類統一化は阻止された。しかしそれによって、目覚めさせてはいけない怪物を、目覚めさせてしまった様だ。
「“クリスタルウィップ”!!」
「おや~、いいのですか~?“MP”が回復出来ないのに、魔法を使ってしまって~?」
すると、アーメイデが先行して魔法を唱えた。アーメイデの右手に、結晶型の鞭が生成された。アーメイデは鞭を巧みに操り、エジタスの体に巻き付けて動きを拘束する。
「捕らえた!!」
「う~ん、残念!!」
鞭が体に巻き付き、身動きが取れなくなったエジタスだったが、次の瞬間その場から姿が消えた。そして瞬く間に、アーメイデの背後へと姿を現した。
「くっ!!やっぱり駄目か……ぐぁあああ!!」
アーメイデは、背後から感じる気配に素早く振り返るが、間に合わずにエジタスの蹴りを食らってしまった。
「アーメイデさん!!」
「私に構うな!!あんた達は、あんた達の役目を果たしな!!」
エジタスに蹴られたアーメイデを、心配する真緒とサタニアだったが、自分の役目を果たす様にと言い渡された。
「「……はい!!」」
アーメイデの言葉を受け取った真緒とサタニアは、そのまま足を緩める事無く、玉座へと走って行った。
「はぁ~、お二人供……諦めが悪いですね~」
玉座へと走って行く真緒とサタニアを見て、エジタスは深い溜め息を吐いた。そして転移によってその場から姿を消すと、瞬く間に二人の目の前へと姿を現した。
「は~い、お疲れ様でした~」
「マオ!!先に行って!!ここは僕が食い止める!!」
「……任せました!!」
サタニアの想いを汲み取り、真緒は二人を横切り先へと進んだ。
「サタニアさ~ん、いい加減分かって下さいよ~。この世界から戦争や差別を無くすには、種族を……個性を統一するしか無いんですよ~」
「それは違うよ!!確かに、この世界は戦争や差別が絶えない……でもだからと言って、種族を統一したり、個性を統一するのは……只の逃げだよ!!臭い物に蓋をしているだけだよ!!」
「…………」
「だから止める!!大切な人が道を踏み外しそうになっているのなら、僕が全力で止めて正しい道に戻してあげるんだ!!スキル“ブラックアウト”!!」
サタニアの右手が黒く染まる。エジタス目掛けて、想いを乗せながら拳を振るった。
「…………くだらない」
するとエジタスは、一瞬でその場から姿を消した。
「消えた……後ろ!?」
「いいえ……上ですよ」
予測したサタニアは素早く振り返るが、そこにエジタスの姿は無かった。するとエジタスは、サタニアの真上に姿を現し、サタニアの後頭部目掛けてかかとを振り下ろした。
「がはぁ……!!」
「只の逃げ?臭い物に蓋?大いに結構……この腐った世界を平和に出来るのなら、私は何度だって逃げましょう……臭い物に蓋をしましょう……」
後頭部に強い衝撃を受けたサタニアは、その場に倒れ伏してしまった。
「ふ~、やはり手加減しながらでは……加減が難しいですね…………両足を折りましょう」
「!!!」
「大丈夫ですよ、人類が統一されるまでの間だけですから、私の計画が無事に完了したら……ちゃんと直して差し上げますよ~」
そう言いながらエジタスは、サタニアの両足を折る為に歩み寄る。
「あ……ああ……」
その場から離れ様とするサタニアだったが、後頭部を強く打った事で上手く動く事が出来なかった。
「じっとしていて下さい……下手に暴れられると、余計な痛みを負う事になりま…………!!?」
エジタスが、サタニアの両足を折ろうと近づいたその時、エジタスの真横に巨大な岩が迫っていた。
「…………っ!!」
しかし、そこは持ち前の反射神経で当たる直前に、転移を使って避けた。
「この岩はいったい……」
「そんな速度では、あたしを殺す事は出来ないわよ!!」
「ウォオオオオオオ!!!ツギコソ、アテテミセル!!」
するとそのすぐ近くで、ゴルガとアルシアの二人が殺し合いをしていた。
「ゴルガ……アルシア……」
「……くっ……時間を掛け過ぎた……先にあっちを処理するか……」
そう言うとエジタスは、転移を使ってその場から姿を消した。
「……ありがとう……ゴルガ、アルシア……」
「礼には及ばないわ……早くクロウトちゃんを救いに行きましょう」
「うん!!」
***
一方、玉座に向かって走っていた真緒は、遂に玉座の前へと辿り着いた。
「はぁ……はぁ……この王冠を取り外せばいいんですよね……」
息を切らしながらも、真緒はクロウトが被っている王冠を取り外そうと、手を伸ばした。
「おっと、そうは問屋が卸さな~い」
「!!!」
しかし、その腕を転移でやって来たエジタスに捕まれてしまった。
「あ……が……!!」
物凄い強い力。そのまま腕が折られてしまうのではないかと思ってしまう。
「ふ~、危機一髪でした~。やはり取られない様に、両腕をへし折りますか~」
「えっ!!?」
サタニアの両足に続き、真緒の両腕までもが、エジタスに折られそうになる。
「大丈夫ですよ~。痛みなんて……すぐに慣れてしまいますからね~」
「ぐぅ……がぁ……ああ!!」
ミシミシと、両腕から嫌な音が聞こえる。激しい痛みが、真緒に襲い掛かる。
「“ウォーターキャノン”!!」
「!!?」
真緒の両腕が折れると思われたその瞬間、エジタス目掛けて水の塊が飛んで来た。突如として飛んで来た水の塊に対して、エジタスは思わず真緒から手を離し、転移を使って避けた。
「…………」
「くそー、ハナコさん。大人しく殺されて下さい!!」
「ぞんな魔法、オラには通じないだよぉ!!」
するとそのすぐ近くで、リーマとハナコの二人が殺し合いをしていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
真緒は、折られそうになった両腕を垂れ下げながら、一旦玉座から離れた。
「マオ、大丈夫!?」
「サタニア……何とか……ね……」
「エジタス!!逃がさないぞ!!」
両腕を負傷した真緒の元に、サタニアとアーメイデが駆け寄る。そのすぐ近くでは、残りの六人それぞれが殺し合いを演じている。するとその時……。
「……人類統一まで……残り……三分……」
「「「!!!」」」
玉座に座っているクロウトの口から、人類統一までの残り時間が告げられた。
「遂に……遂にこの時が来ました……残り三分で、この世界は平和となる!!」
「あんたの思い通りなんかには、させないよ!!“クリスタルソード”!!」
アーメイデが魔法を唱えると、その右手に結晶型の剣が生成された。結晶型の剣を握り締め、エジタス目掛けて斬り掛かった。
「あらよっと……」
「!!!」
そんなアーメイデの剣を、エジタスは食事用のナイフで受け止めた。
「「今だ!!」」
その隙を狙って、真緒とサタニアの二人が一斉に玉座へと走り出した。
「おっと……忘れ物ですよ~」
そう言うとエジタスは、アーメイデの腕を掴んで、真緒とサタニアに投げつけた。
「「「うわぁあああ!!!」」」
投げ飛ばされたアーメイデは、走って来た真緒とサタニアの二人にぶつかってしまった。
「す、すまない……二人供……」
「い、いえ……」
「僕達なら……大丈夫です……」
「……人類統一まで……残り……一分……」
「「「!!!」」」
残り一分。真緒、サタニア、アーメイデの三人はぶつかり合ってしまった事で、その場で倒れている。今から立ち上がって走り出したとしても、間に合わない。時間切れだ。
「あぁ……漸くこの時が訪れた……さようなら旧世界……おはよう新世界!!」
「(よし……ここまでは作戦通り……!!)」
「(残り一分、勝利を確信して最も気が緩む時……!!)」
「(頼んだぞ!!若き世代よ!!)」
勝利を確信して、感情が高ぶっているエジタス。そんな中、真緒、サタニア、アーメイデの三人は残りの六人に全てを託した。
「行くぞ!!シーラ!!」
「いつでも来い!!」
「うぉおおおおお!!!スキル“一点集中”!!」
この時の為に、フォルスはギリギリまで時間を掛けて、ワールドクラウンに狙いを定めていた。
「貫け!!」
フォルスが渾身の矢を放ち、シーラがそれを避ける。放たれた矢はワールドクラウン目掛けて、肉眼では捉えきれない速さで飛んで行く。
「「「(行けぇえええええ!!!)」」」
「……もうすぐ……残り一分……だからこそ……最後まで油断は出来ませんよね~」
「「「「「!!!」」」」」
しかし、フォルスが放った渾身の矢はワールドクラウンに当たる直前で、エジタスに掴み取られてしまった。
「私が気付かないとでも、思いましたか~?“一触即発”は、私のスキルなんですよ~。私自身がその欠点を見逃す訳がありませんよ~」
全て見抜かれていた。虚像の殺し合いも、残り一分で仕掛けて来る事も、全てがエジタスの掌で踊らされていた。
「……っ!!ゴルガ!!アルシア!!お願い!!」
作戦が見抜かれてしまった以上、隠すのは無意味。サタニアは、残された希望に想いを託す。
「ウォオオオオオ!!!」
「おんどりゃあぁあああああ!!!」
ゴルガの体を削り、作り上げた手頃な大きさの岩。その岩を、アルシア目掛けて投げ付ける。そしてアルシアは、投げ付けられた岩を両刀で、ワールドクラウン目掛けて全力で弾いた。弾かれた岩は、フォルスの矢よりも速い速度で飛んで行った。
「…………ほい!!」
「「!!!」」
しかしその岩も、エジタスの食事用のナイフで弾かれてしまった。弾かれた岩は、見当違いの方向へと飛ばされてしまう。
「まだです!!リーマ、ハナちゃん!!」
正真正銘、最後の希望。これを逃せば、エジタスの勝利が決定する。真緒は、リーマとハナコの二人に最後の希望を託す。
「はぁあああああ!!!“ウォーターキャノン”!!」
リーマの魔導書から、巨大な水の塊が生成された。そして巨大な水の塊を、ワールドクラウン目掛けて放った。
「大きいですね~。ですが先程の岩と比べれば、かなり遅いですよ~」
エジタスは食事用のナイフで、迫り来る巨大な水の塊を斬り裂いた。斬り裂かれた巨大な水の塊は左右に分かれ床に落ちると、大きな水柱を上げた。こうして、最後の希望も潰えてしまうのであった。
「そんな……」
「これだけ手を尽くしたのに……」
「くそっ!!もっと私が早くに決断していれば……すまない……コウスケ……」
真緒、サタニア、アーメイデの三人は、エジタスの計画を止められなかった事に対して嘆き悲しむ。
「……人類統一まで……残り……十、九、八、七、六…………」
「これをもって……人類は統一される!!そして、世界は……“笑顔の絶えない世界”になるの……!!?」
その瞬間、エジタスは目を疑った。リーマが放った巨大な水の塊によって出来た左右の水柱。その水柱を突き抜けて、突如一個の岩がエジタスの横を通り過ぎたのだ。
「(な、何!?あの岩は……ゴルガさんとアルシアさんが投げた岩!?で、ですがあの岩は確かに……別の方向へと弾いた筈……)」
決して、戻って来る筈の無い岩が戻って来た。エジタスが突き抜けた水柱の穴から、向こう側に目線を向ける。するとそこには……。
「皆!!諦めぢゃ、駄目だぁ!!!」
「「「ハナコ!!?」」」
そこには、ハナコが立っていた。まさかの出来事に真緒、リーマ、フォルスは驚きの声を上げた。思い返せば、確かにリーマが“ウォーターキャノン”を放つ時、側にいなかった。あの時ハナコは、ゴルガの岩が弾かれるのを見て、咄嗟に動き出していた。そして水柱で死角になった所で、最後の悪足掻きとして岩を投げつけていたのだ。もしも、エジタスが岩を弾いていなかったら……もしも、ハナコが咄嗟に動いていなかったら……もしも、水柱が死角になっていなかったら……いくつもの偶然が重なり合い、奇跡を引き起こしたのだ。
「(そんな……馬鹿な……こんな事が……くそっ!!間に合え……!!)」
咄嗟にエジタスは、食事用のナイフで岩を弾こうとするが時既に遅し、ハナコが投げた最後の悪足掻きは、ワールドクラウンを貫いた。
「!!!」
貫かれたワールドクラウンは、数メートル先まで吹き飛ばされた。それを見て、エジタスは慌てて吹き飛ばされたワールドクラウンの元へと駆け寄る。
「……人類統一まで……残り……残り……残……り……」
「クロウト!!」
一方、ワールドクラウンが取り外された事により、クロウトは力が抜けた様に玉座から転げ落ちる。そんなクロウトの元にサタニア、ゴルガ、シーラ、アルシアが駆け寄る。
「クロウト!!クロウト!!」
「魔王ちゃん落ち着いて、気絶しているだけよ」
「そっか……良かった……」
気を失っているだけと知り、ホッと一安心するサタニア。
「あぁ!!そ、そんな!!こ、こんな事が!!」
すると突然、エジタスが奇声を発した。今まで聞いた事の無い程に、慌てふためいていた。
「師匠……」
「エジタス……」
「まだ大丈夫!!壊れた部品を組み合わせれば…………」
エジタスはその場に座り込み、貫かれ穴の空いたワールドクラウンを恐る恐る触る。しかし触った瞬間、砂と化してしまった。
「!!!あ……ああ……!!嘘だ!!嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!」
エジタスは、一心不乱になって砂と化してしまったワールドクラウンをかき集める。しかし、手を動かした事で風が生まれ、その風に乗って辺り一面に散ってしまった。
「あ……ああ……あああ……ああああ……あああああ!!!」
「これが……あのエジタスなのか……?」
エジタスの計画は阻止された。なのに素直に喜ぶ事が出来ない。エジタスの豹変振りに、戸惑いを見せる九人。
「し、師匠……あの……「二千年」……えっ?」
「……この計画を実行させるのに……二千年掛かったんだ……色んな国を巡り……裏から手を回し……万が一の時の為に……時間稼ぎ様の駒まで用意した……それなのに……こんな……こんな一瞬で終わってしまうだなんて……」
エジタスは、二千年前と同じ様に失敗したとしても、再び六つの王冠に分かれると思っていた。そうしたら、また時間を掛けて集め直せば良い。そう思っていた。しかし、今回ハナコが岩で貫き穴を開けてしまったせいで、ワールドクラウン自体が分かれる前に壊れてしまった。そうなれば、もう二度と六つの王冠に戻る事も無ければ、ワールドクラウンになる事も無いのだ。
「もう……この世界を……“笑顔の絶えない世界”にする事が出来ない……」
「そ、そんな事無いよ!!ワールドクラウンを使わなくても……きっと世界を……笑顔の絶えない世界に出来る筈だよ!!」
「…………」
「だ、だからその……僕と一緒に……笑顔の絶えない……「何故」……えっ?」
「何故……平和を望まない……」
「エ、エジタス……?」
エジタスは、サタニアの話を聞いていなかった。聞く耳すら持っていなかった。只ぶつぶつと独り言を発するだけだった。
「戦争……貧困……虐め……差別……全てが無くなるというのに……何故受け入れない……何故否定する……」
「こ、これは!!?」
座っていたエジタスが、ゆっくりと立ち上がる。しかし、今までのエジタスとは明らかに違った。それは殺意。明確なる殺意が、エジタスから伝わって来た。
「はぁ……はぁ……空気が……重い……です……」
「オ、オラの毛が……恐怖で逆立っているだぁ……」
「あぁ……俺も……鳥肌が止まらない……」
「嘘だろ……この私が震えているのか…………」
「コ、コレガ……キョウフナノカ……」
「この……骨の芯まで伝わって来る威圧感……これがエジタスの実力……」
エジタスから伝わって来る、明確なる殺意が六人を震え上がらせた。
「……世界の平和を否定するあなた達は……“悪”だ……悪は滅ぼさなければならない……あなた達を滅ぼし……平和への糧としましょう…………」
「師匠……」
「エジタス……」
「こうなってしまったら仕方無いよ、覚悟を決めな。今のエジタスは、私達を本気で殺しに掛かって来るだろう。油断してると……死ぬよ!!」
人類統一化は阻止された。しかしそれによって、目覚めさせてはいけない怪物を、目覚めさせてしまった様だ。
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