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先程大聖が口にした言葉を思い出し、青褪める。場所は廊下のど真ん中。背後は壁。横から人が来ようものならもう丸見えどころではない。
「ぉ、お前、正気かよ」
「ああ? 正気に決まってんだろ。パンツ駄目にしたやつがグズってんじゃねえよ」
「俺はそんなことやるなんて言ってないっ、お前が勝手に……っ」
言い出したんだろ、と声を上げたとき伸びてきた手に口を塞がれる。ずぽ、と口の中にねじ込まれる二本の指に舌を掴まれそうになった。
慌てて舌を引っ込め奥へと逃げようとすれば更に二本の指が追いかけてくる。
「ん、ぅ……っ! ふ、ぅ」
「お前だって不完全燃焼はやだろ?」
「う゛、む……っ」
「痛……っ、おい噛んでんじゃねえよ」
「んう……っ!」
顎を閉じようとすれば、更に口をこじ開けて邪魔される。そのままこじ開かれた唇を塞がれ、ぬるりと侵入してきたやつの舌に無防備になった舌を絡み取られる。
「はっ、ぁ、んぅ……っ!」
「……っ、ふ、おいコラ、逃げてんじゃねえよ」
「っ、ん、う……っ、ゃ……っ」
クソ、口を閉じたいのに。
強制的に開きっぱなしの喉奥からは間抜けな声が漏れ、ぬちぬちと舌同士を擦り合わせる水音が響くのが嫌だった。
というか、こいつ、またドサクサに紛れてキスしやがつて。
「は……ゃ、めろ……っ、ん、ぅ……っ」
そのまま舌ごと咥えられ、ねっとりと絡みついてくる舌から逃れようとすればするほど追い込まれていく。
そのまま下着ごとスラックスを膝の下までずり降ろされる。頭を擡げ、濡れたそこに目を向けた大聖は笑った。
「は……っガチガチじゃねえかよ。こんなとこ、お前のファンが見たらぶっ倒れるかもな」
指で亀頭を柔らかく弾かれた瞬間、神経を焼かれるような熱が走った。大聖に触れられた箇所にじんじんと熱が広がる。
顔が焼けるように熱くなる。こんなやつに好き勝手されてることもムカついたが、何より萎えない己が恥ずかしくて仕方なかった。
「っ、さ、いて……っ、お前なんか、……っ」
「俺なんか? ……ああ? なんだよ」
「っ、ぉ、お前……なんか……っ、ぁ……っ!」
腰へと回った大聖の手は無遠慮に臀部を鷲掴みにした。おい、と止める暇もなく谷間に這わされた指は奥の窄まったそこへと触れた。
「ぉ、おい……っ!」
「なんだお前。遊んでる割には……」
「っ、さ、触んなって言って、ぇ……っ!」
次の瞬間、にゅる、と嫌な感触がケツに触れた。なに、と顔を上げれば、ご丁寧にローションを用意してくれたらしい。まじでいらねえ、いや、いる。けど。そもそもローションが必要になるような行為自体したくねえのに。
濡れた指がケツの穴に触れた瞬間腰が震えた。
そのまま沈んでくる大聖の指の太さに驚いて硬直していると、訝しげな顔をしていた大聖と目があった。そして大聖はなにかに気付いたのか、は、と浅く息を漏らす。
「お前って、本当……俺を煽んのが上手だよな」
「っ、た、いせ……っ、ん……っ!」
そして、ず、と入ってくる指。その圧迫感に驚いて大聖を見上げれば、やつはにやにやとイヤな笑みを浮かべるのだ。
「明日真」
「っ、ぁ、い、う゛……っ!」
「嘘ばっかじゃねえか、テメェは。……何がヤりまくりだよ、この処女みてーなケツでなに言ってんだ」
お前が勝手に糺君との関係を勘違いしたんだろ。
そう言ってやりたいのに、腹ん中が気持ち悪くてそれどころではない。
入口から浅いところまで粘膜へと丹念に塗り込まれるローションに声が震える。ただ指を突っ込まれてるだけだと思いたいのに、体が石のように硬くなった。
「むかつく……っ、いじらしい真似してんじゃねえよ、わざわざ嫉妬させたかったのか?」
「だ、誰が……ぅ、ふざけんな……っ、いい加減に抜け……っ!」
「んだよ、人が優しくしてやろうと思ったのに」
何が優しくだ、と大聖の肩を殴ったとき、大聖の指がずにゅ、と曲がり、浅いところを押し上げる。瞬間、ぶわりと全身の毛穴が開いたような感覚が広がった。
「っ、ふ、ぅ……っ!」
「ん? ……っ、は、ここか? お前の好きなところ」
「っ、ちが、……っ、ぅ゛……っ、ぁ、や、め、……っ!」
「お言葉通り下手くそ手マンでイかせてやるよ、明日真」
ふざけんな馬鹿大聖、と大聖を睨みつけた瞬間、再び腹の奥にある凝りをローションで濡れた指で柔らかく撫でられ、腰にじんわりと熱が広がる。
「っは、……っふー……っ、ぅ、う、く……ひ……っ!」
ぬちぬちとしつこいくらいに撫でられたと思えば指で圧され、全身の筋肉が弛緩する。爪先から頭の天辺まで徐々に広がっていく熱から逃れることなできないまま、俺は大聖の長い指から逃げようとするがやつがそれを許さなかった。
「ゆび、なが、ぁ……っ!」
「指くらいでガタガタ言うなよ、チンポ挿れたら泣き喚くのか? ……っそれも、悪くねえか」
「っ、は……っ、ぁ、んう、ゃ、たいせ……っ!」
「……っ、くそ、やめろ、可愛い声出すな……っ」
「出してね、ん、う……っ!」
気持ちいいわけない。
更に一本追加される指に体が緊張した。まずい。そう大聖の肩を押すが力がまともに入らない。
それどころか更に追い打ちをかけるようにねちっこく指でイジられ、背中が丸まる。やばい、このままでは。ガクガクと内腿が痺れ、そのまま大聖の腕をぎゅっと掴んで爪を立てたとき。
「っ、――ぅ、んんう……っ!」
頭の中が真っ白になる。射精とは違う感覚に目を丸くし、俺は暫く口を開いたまま呼吸を繰り返すことしかできなかった。
何も考えられないまま放心してるところに更に腹の中で大聖の指に凝りを揉まれ、堪らず「おいっ」と声が出る。
「や、まて、今……っ、今、だ、め……っ」
「イッたばかりだから? 女みてえなこと言いやがって」
「っ、さいてぇ……まじで……っ、お前……っ」
「ここが良いんだっけか?」
「は、ぃ、や、やめ、……っ! ぅ、くう、ん……っ!」
俺が女だとしても絶対テメェとは付き合わねえ。そう心のなかで吐き出しながら、俺は大聖の腕を掴む。離せさっさと引き抜けやめろやめろクソねちっこい責め方すんの本当最悪死ね馬鹿アホ。
「ふ、ぅ……っ、う、んん……っ!」
「イくときちゃんと言えよ」
「っ、だれ、が……っ、ぁ……っ?! く、ぅ……っ!」
唇を噛み締めたとき、力むあまりに唇が切れてしまったらしい。滲む鉄の味に吐き気を覚える暇もなかった。びく、と大きく跳ね上がる体。人のケツをイジりながら大聖は俺の唇にキスをした。
黙れというつもりなのか、唇に滲む血ごと舐め取りながらもねちねちと更に責め立ててくる指に俺はぎゅっと目を瞑って耐えることしかできなかった。
そして、呆気なくやってきた二度目の大きな波に呆気なく流される。射精を伴わない絶頂がどんなものか知りたくもなかった。
それも、こんなやつの目の前で。
ゆっくりと開かれる大聖の目。
「キスしてたらイクって言えねえか」
なんて馬鹿みてえなことを囁く大聖に俺はもう言い返す気力がなかった。
「ぉ、お前、正気かよ」
「ああ? 正気に決まってんだろ。パンツ駄目にしたやつがグズってんじゃねえよ」
「俺はそんなことやるなんて言ってないっ、お前が勝手に……っ」
言い出したんだろ、と声を上げたとき伸びてきた手に口を塞がれる。ずぽ、と口の中にねじ込まれる二本の指に舌を掴まれそうになった。
慌てて舌を引っ込め奥へと逃げようとすれば更に二本の指が追いかけてくる。
「ん、ぅ……っ! ふ、ぅ」
「お前だって不完全燃焼はやだろ?」
「う゛、む……っ」
「痛……っ、おい噛んでんじゃねえよ」
「んう……っ!」
顎を閉じようとすれば、更に口をこじ開けて邪魔される。そのままこじ開かれた唇を塞がれ、ぬるりと侵入してきたやつの舌に無防備になった舌を絡み取られる。
「はっ、ぁ、んぅ……っ!」
「……っ、ふ、おいコラ、逃げてんじゃねえよ」
「っ、ん、う……っ、ゃ……っ」
クソ、口を閉じたいのに。
強制的に開きっぱなしの喉奥からは間抜けな声が漏れ、ぬちぬちと舌同士を擦り合わせる水音が響くのが嫌だった。
というか、こいつ、またドサクサに紛れてキスしやがつて。
「は……ゃ、めろ……っ、ん、ぅ……っ」
そのまま舌ごと咥えられ、ねっとりと絡みついてくる舌から逃れようとすればするほど追い込まれていく。
そのまま下着ごとスラックスを膝の下までずり降ろされる。頭を擡げ、濡れたそこに目を向けた大聖は笑った。
「は……っガチガチじゃねえかよ。こんなとこ、お前のファンが見たらぶっ倒れるかもな」
指で亀頭を柔らかく弾かれた瞬間、神経を焼かれるような熱が走った。大聖に触れられた箇所にじんじんと熱が広がる。
顔が焼けるように熱くなる。こんなやつに好き勝手されてることもムカついたが、何より萎えない己が恥ずかしくて仕方なかった。
「っ、さ、いて……っ、お前なんか、……っ」
「俺なんか? ……ああ? なんだよ」
「っ、ぉ、お前……なんか……っ、ぁ……っ!」
腰へと回った大聖の手は無遠慮に臀部を鷲掴みにした。おい、と止める暇もなく谷間に這わされた指は奥の窄まったそこへと触れた。
「ぉ、おい……っ!」
「なんだお前。遊んでる割には……」
「っ、さ、触んなって言って、ぇ……っ!」
次の瞬間、にゅる、と嫌な感触がケツに触れた。なに、と顔を上げれば、ご丁寧にローションを用意してくれたらしい。まじでいらねえ、いや、いる。けど。そもそもローションが必要になるような行為自体したくねえのに。
濡れた指がケツの穴に触れた瞬間腰が震えた。
そのまま沈んでくる大聖の指の太さに驚いて硬直していると、訝しげな顔をしていた大聖と目があった。そして大聖はなにかに気付いたのか、は、と浅く息を漏らす。
「お前って、本当……俺を煽んのが上手だよな」
「っ、た、いせ……っ、ん……っ!」
そして、ず、と入ってくる指。その圧迫感に驚いて大聖を見上げれば、やつはにやにやとイヤな笑みを浮かべるのだ。
「明日真」
「っ、ぁ、い、う゛……っ!」
「嘘ばっかじゃねえか、テメェは。……何がヤりまくりだよ、この処女みてーなケツでなに言ってんだ」
お前が勝手に糺君との関係を勘違いしたんだろ。
そう言ってやりたいのに、腹ん中が気持ち悪くてそれどころではない。
入口から浅いところまで粘膜へと丹念に塗り込まれるローションに声が震える。ただ指を突っ込まれてるだけだと思いたいのに、体が石のように硬くなった。
「むかつく……っ、いじらしい真似してんじゃねえよ、わざわざ嫉妬させたかったのか?」
「だ、誰が……ぅ、ふざけんな……っ、いい加減に抜け……っ!」
「んだよ、人が優しくしてやろうと思ったのに」
何が優しくだ、と大聖の肩を殴ったとき、大聖の指がずにゅ、と曲がり、浅いところを押し上げる。瞬間、ぶわりと全身の毛穴が開いたような感覚が広がった。
「っ、ふ、ぅ……っ!」
「ん? ……っ、は、ここか? お前の好きなところ」
「っ、ちが、……っ、ぅ゛……っ、ぁ、や、め、……っ!」
「お言葉通り下手くそ手マンでイかせてやるよ、明日真」
ふざけんな馬鹿大聖、と大聖を睨みつけた瞬間、再び腹の奥にある凝りをローションで濡れた指で柔らかく撫でられ、腰にじんわりと熱が広がる。
「っは、……っふー……っ、ぅ、う、く……ひ……っ!」
ぬちぬちとしつこいくらいに撫でられたと思えば指で圧され、全身の筋肉が弛緩する。爪先から頭の天辺まで徐々に広がっていく熱から逃れることなできないまま、俺は大聖の長い指から逃げようとするがやつがそれを許さなかった。
「ゆび、なが、ぁ……っ!」
「指くらいでガタガタ言うなよ、チンポ挿れたら泣き喚くのか? ……っそれも、悪くねえか」
「っ、は……っ、ぁ、んう、ゃ、たいせ……っ!」
「……っ、くそ、やめろ、可愛い声出すな……っ」
「出してね、ん、う……っ!」
気持ちいいわけない。
更に一本追加される指に体が緊張した。まずい。そう大聖の肩を押すが力がまともに入らない。
それどころか更に追い打ちをかけるようにねちっこく指でイジられ、背中が丸まる。やばい、このままでは。ガクガクと内腿が痺れ、そのまま大聖の腕をぎゅっと掴んで爪を立てたとき。
「っ、――ぅ、んんう……っ!」
頭の中が真っ白になる。射精とは違う感覚に目を丸くし、俺は暫く口を開いたまま呼吸を繰り返すことしかできなかった。
何も考えられないまま放心してるところに更に腹の中で大聖の指に凝りを揉まれ、堪らず「おいっ」と声が出る。
「や、まて、今……っ、今、だ、め……っ」
「イッたばかりだから? 女みてえなこと言いやがって」
「っ、さいてぇ……まじで……っ、お前……っ」
「ここが良いんだっけか?」
「は、ぃ、や、やめ、……っ! ぅ、くう、ん……っ!」
俺が女だとしても絶対テメェとは付き合わねえ。そう心のなかで吐き出しながら、俺は大聖の腕を掴む。離せさっさと引き抜けやめろやめろクソねちっこい責め方すんの本当最悪死ね馬鹿アホ。
「ふ、ぅ……っ、う、んん……っ!」
「イくときちゃんと言えよ」
「っ、だれ、が……っ、ぁ……っ?! く、ぅ……っ!」
唇を噛み締めたとき、力むあまりに唇が切れてしまったらしい。滲む鉄の味に吐き気を覚える暇もなかった。びく、と大きく跳ね上がる体。人のケツをイジりながら大聖は俺の唇にキスをした。
黙れというつもりなのか、唇に滲む血ごと舐め取りながらもねちねちと更に責め立ててくる指に俺はぎゅっと目を瞑って耐えることしかできなかった。
そして、呆気なくやってきた二度目の大きな波に呆気なく流される。射精を伴わない絶頂がどんなものか知りたくもなかった。
それも、こんなやつの目の前で。
ゆっくりと開かれる大聖の目。
「キスしてたらイクって言えねえか」
なんて馬鹿みてえなことを囁く大聖に俺はもう言い返す気力がなかった。
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最高すぎる、、、、ありがとうございますこんな素敵な作品性癖にぶっささる、、