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よいこの御主人様倶楽部
看病イベント
しおりを挟む酒買って家に帰って動画サイトでSMモノ漁りながら酒飲んで――そして、気付いたら朝になってた。パソコンの前、そのまま腹出して床に仰向けで転がっていたところを「カナちゃん、せめて抜くか寝るかどっちかにしなよ」と翔太に叩き起こされ、そのまま昼を迎えることになる。
「頭と体が痛え~……」
「あんなところで寝るからでしょ。風邪引いたんじゃない? ほら、風邪薬なら救急箱に常備薬入ってるから飲んでおきなよ」
「う~……」
「ついでに店には僕から言っておくよ。ほら、さっさと暖かくして寝る」
「じょうだ……」
こういうときは面倒見良いんだよな、と思いながらも出勤前の翔太にベッドへと転がされ、そのまま布団で包まれる。
「ご飯はインスタントのおかゆ買っとくから食べれそうなら食べなよ」
「はい……」
「あと休みだからって酒飲んじゃ駄目だからね」
「うす……」
「オナニーもだよ。絶対悪化するから。したらまた貞操帯つけるからね」
それはやめてくれ……と布団に潜る俺に翔太は小さく息を吐く。
そんで「じゃ、なんかあったらすぐに連絡してね」と翔太は部屋を出ていった。
それから暫くして。
翔太の的中通り熱はどんどん上がっていって、出勤前に翔太が色々買ってきてくれたスポドリやらなんやらが大いに役立った。持つべきものはなんとやらというやつだ。
「ぅ、ぐす……もう飲酒オナニーはしねえ……抜いてから飲む……」
なんてベッドの中、ぐすぐすと鼻を啜っていたときだった。
ピンポーンと部屋の呼び鈴が鳴った。翔太は鳴らすわけがないし……なんだ?
と思ってたら、携帯端末に通知がくる。確認したら笹山からメッセージが届いたところだった。
『中谷さんから風邪と聞いて心配で様子時川さんと一緒にお見舞いに来ました。インターホン出れなさそうだったら部屋の前に差し入れだけ置いて帰りますね』
「しゃ……しゃしゃやま……」
天使か……?
心細さで既に半べそかきつつ、俺はよたよたとベッドから這い出る。そしてそのまま玄関口まで向かった。
「あ、原田さん……」
「原田さん、大丈夫?」
「笹山……司も……」
「中谷さんの言う通りでしたね。きっと心細くなって泣いてるかもしれないと仰ってたので……」
「出迎えありがとうございます、けど無理しないで寝ててくださいね」とやんわりと笹山に肩を抱かれる。
「一応中谷さんによかったら原田さんの食事を見てほしいと頼まれたのですが……上がって大丈夫ですか?」
「うん……」
「ありがとうございます、原田さん。それじゃあ後のことは俺に任せてくださいね」
「原田さん、ふにゃふにゃしてて可愛い」
「時川さん、不謹慎ですよ。それに、中谷さんから言われたでしょう。変なことしたら駄目だって」
「……別に、可愛いって言っただけだから」
やや不満げな司だったが、確かにいつもみたいに見境なく襲ってこない辺り翔太からは余程煩く言われたのかもしれない。
「それじゃあ、部屋お邪魔しますね」と微笑む笹山を連れ、俺は一度部屋へと上がることになった。
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