アダルトな大人

田原摩耶

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土砂降り注ぐイイオトコ

誘い受けの応報※

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 そういや、なんでこんなことしてんだっけか。

 笹山の足元に座り込み、そのままエプロンの裾を持ち上げるようにやつの股座へと頭を突っ込む。

「ん、ぅ……っ」
「……っ、原田さん、流石にその構図は」
「らっへ、こぇなら……っ、顔、みへねえし……」
「そう、ですけど……これこれでなんというか……俺が言うのもなんですけど、背徳的で悪くないですね」

 悪くねーのかよ。
 もぞもぞと頭の位置を直していると、勃起した笹山のが鼻先にぶつかる。そのまま口を開き、竿に唇を押し当てた。

「ん、む……っ」

 滴り落ちてくる先走りを舐めとるように、そのまま先っぽまで唇を滑らせる。ぼこぼこと浮かび上がった筋を舐め、そのまま亀頭の凹凸部分の溝に舌を這わせれば、笹山の腰がびくりと震えた。
 そして、俺の肩に置かれた指に僅かに力が入る。

「……っ、は、気持ちいいです、……そこ」

 そのまま下着をずらしていき、笹山の履いていたパンツも緩めて少しだけ脱がした。
 エプロンの前掛けの部分が邪魔だったが、視界が悪いのも相俟って確かに笹山の言う通り『悪いことをしてる感』は拭えない。

「っ、ん、ぅ……っ」

 匂いも籠もるし、性器しゃぶる度に口の中で唾液と先走りでぐちゅぐちゅ水音立ってエロいかもしれない。
 なんて思いながら、俺はぼんやりと逆上せたような気分のままひたすら笹山の亀頭を中心に唇と舌で愛撫する。
 とろとろ先走りを垂らす尿道口に甘く吸い付いたとき、「待ってください」と笹山に肩を掴まれた。
 そのまま強制的に性器から引き離される俺。目の前には生殺しのままぴくぴく震えてる笹山の性器。
 何故止めるのかと呆然としてると、はあ、と小さく息を吐いた笹山はそのまま唾液諸々で濡れた俺の唇を拭う。

「一発目は、貴方の中に出したいので……いいですか?」

 そう、エプロンのポケットからなにかを取りだす笹山。
 その手に握られた銀の個包装されたブツを見て、ぎょっとした。

「……っ、ぉ、まえ……職場でなんつーもの持ち歩いてんだ」
「こういう不測の事態に備えるのは大切だと習ったので」

 どこでだ。
 いや、確かに大切だしマナーとしては間違っていないのだろうが。

 エプロンを脱ぎ、あまりにも慣れた手付きでコンドームを装着していく笹山に俺はただその様をガン見することしかできなかった。

「……見過ぎです」
「だ、だって……」

 つーか笹山、そうか……お前コンドーム仕事場で持ち歩いてんのか……。
 謎の敗北感とショックと、今からこれを挿入するつもりの笹山を前にどんな顔をすればいいのかわからなくなっていた。
 けれど、俺のために大きくなってんのかと思ったらゴムに覆われたそれもまあ可愛げがあるように見えてきた。

「さ……触っていいか?」
「どうぞ、好きなだけ。……貴方のために勃起してるんですから、もちろん貴方の好きにしてください」
「……ん」

 どれどれ、と恐る恐る指を伸ばす。想像していたゴムの感触とは違う、表面上のゼリーに指が滑り、思わず「うおっ」と声が漏れた。

「それ、楽しいですか?」
「わかんねえ……けど、すげえ……」

 ゴムに覆われた性器というのも変な感触だ。先っぽから根本まで指を滑らせて感触を楽しんでいたとき、いきなり伸びてきた手に尻を鷲掴みにされて驚く。

「っ、さ、笹山手……っ」
「すみません原田さん、前言撤回していいですか?」

 何事だと、むにむにとケツを揉んでくる笹山に戸惑いながら顔をあげたときだ。

「……好きなだけどうぞって言ったんですけど……やっぱ無理そうです」

 早すぎないか。俺が言えた立場ではないが早すぎないか、撤回。
 手の下でびくびく震える性器にハッとし、慌てて手を引っ込めるのも束の間。笹山にそのまま腰ごと抱き寄せられる。腰を突き出させられるように掴まれ、自然と開いた肛門に先程の笹山のが押し当てられるのだ。

「っ、さ、ささやま……っ」
「挿れていいですか、……原田さん」
「ん、ぅ……っ、待って、そ、そこで動くな……ッ」
「……っ、原田さん」

 強請るように性器をにゅぷ、と柔らかく押し当てられ息を飲んだ。
 体温に溶けたゼリーを入口に塗り込むように動かされ、ゾクゾクと背筋が震える

「は、わ、わかった……っ! 分かったから……っ、ぁ……ッ?!」

 言うや否や、ずぷんと亀頭が入ってくる。逃れる暇もなかった。呼吸することを忘れて固まる俺の腰を抱いたまま、笹山は笑う。

「……っ、ありがとうございます、ご希望通り、身体になるべく負担をかけないよう心掛けますね」

 そういう問題ではない、という俺のツッコミは言葉にならなかった。

「……っ、原田さん、逃げないでください。原田さんから言い出したんですよ」
「わ、かってる……っ、わかってるけど、ぉ……っ!」

 ぬぷ、と肛門に押し当てられた亀頭がゆっくりと中に入ってくる。普段とはまた違う、粘膜に絡みつくような挿入感に腰が震え、自然と逃げ腰になってしまうのを笹山に抱き寄せられた。
 拍子に、更に深くなる挿入に「ぅ」と声が漏れる。

「っ、ぁ、は、はいって、……っ、ん、ぅ……っ! ぁ、さ、笹山……っ!」
「痛くないですか? ……辛くなったら言ってください、すぐに中断しますので」
「そ、んなこと……っん、ぅ……っ! ひ、……っ!」

 ――そんなこと、言えるわけないだろ。

 執拗なほどゆっくりと優しく中を犯されていく感覚に耐えきれず、上体に回された腕にしがみつく。
 
「っ、ぁ、ん、ぅ……っ!」
「原田さん……っ、声、可愛いですね」
「か、……っ、かわいい、とか、なに言って……っ」
「気持ちいいですか?」
「っん、き、きくな、そんなこと……っ! ぉっ、んぅ……っ!」

 こっ恥ずかしいことを言われたと思えば、耳を舐められる。コンボ技やめろ、と言いかけた矢先にそのまま腿を掴まれ、ずりゅ、と内壁を擦りあげて奥まで入ってくる性器の感触に驚いて全身が跳ね上がった。

「っは、ぁ……っ、あ、ぁ……っ!」
「原田さん、……っ動きますね」
「あ、待……っ! っ、ぅ……んんぅっ!」


 止めるよりも先に腰を動かす笹山に臍の裏側ごと柔らかく押し上げるように突き上げられる。声を上げることもできなかった。
 硬直する俺の身体を抱き締めたまま、笹山はゆっくりと抽挿させるのだ。

「っ、ぁ……っ、ん、ひ……っ! ひ、く……っ!」
「……っ、原田さん、なんで声抑えてるんですか……っ? 我慢しないでくださいよ」
「ゃ、あ……っ、ん! ふ、っや、ぁ……ゆひ、……っ!」
「俺の指、おいしいですか?」
「ぅ、あ……ッ!」

 口の中にねじ込まれ、舌を掴まれたまま引きずり出される。その状態で前立腺をごりごりと性器で摩擦されるだけで下半身がまずい。
 睾丸に熱が溜まっていき、性器もなんか引っ張られてすげー痛くなってきた。

「ぁ、や、ら……っ、やはひ……っ」
「嫌、ですか?」
「ぁ、ちあう、ちあ……っ」
「ふふ、……っ、分かってますよ」

 焦って否定したと同時に耳元で笹山が笑う。
 その少し意地の悪い笑い方にどきっとしたのも束の間、そのまま奥まで一気に深く性器を挿入され、堪らずびんと大きく背筋が伸びた。

「――っ、ふ、ぅ゛」

 ふるりと大きく仰け反った胸元に手を這わせた笹山。肩から落ちそうになっていたエプロンの下に手を伸ばした笹山は、そのまま服の上から乳首を柔らかく捏ねる。
 ただでさえ神経が過敏になっていたところにコリコリと柔らかく扱かれ、頭の中で無数の火花がばちばちと弾けるような感覚に溺れた。

「は、ふ……っ! ぅ゛、あ……っ、ぁあ……っ!」
「……っ原田さん、中、痙攣しっぱなしですね。俺も気持ちいいですよ、原田さんの中……熱くて、とろとろで絡みついてきて……っ、俺、すぐイキそうです」
「っ、ぁ、う、ひ……っ!」
「乳首とお尻の奥、同時に弄られるの好きですか?」
「わ、かん……な、ぁ゛……っ」
「じゃあ今覚えてくださいね。……原田さんの気持ちいいところ、一緒に見つけていきましょう」

 カリカリと右胸の乳首を引っ掻く笹山の腕を掴もうとするが、同時に奥を亀頭で押し上げられた瞬間もうわけがわからなくなる。
 ピストンの都度性器がエプロンの下で震え、先走りを滴らせた。長く太い性器で奥を柔らかく押し上げられるだけでも堪らないのに、じっくりゆっくりと形を馴染ませるように腰を動かす笹山にしがみつくのが精一杯だった。

 ――てかなんで俺、笹山とセックスしてんだ。

「原田さん、舌、出してください」
「っ、ふー……ッ、ぅ……」

 なんで、と考えるよりも先に笹山にねだられるまま俺は先程引きずり出されたみたいに舌を突き出した。そのまま近づいてきた笹山に舌を絡められ、愛撫される。

「……っ、は、んむ、ぅ……っ」

 あーわかんねえ、もうなにもかもわかんねえ。
 キス気持ちよすぎてなんも考えらんねえ。笹山がキス上手いとかそんなの、知りたくなかった。

 限界までこじ開けられ、隙間なくみっちりチンポ納まったまま抱き締められ、舌を絡めるだけのキスをされる。唇が触れないのが余計じれったくて、もどかしくて、腰が揺れてしまいそうになる自分に気付いたときにはなにもかも手遅れだった。

「……っ、原田さん、えっろ」

 ――俺の知ってる笹山は、こんな男みたいな顔はしないはずなのに。
 震える唇を舐められ、たっぷりと味わうみたいに唇に吸いつかれた瞬間自分がイキそうになったのがわかった。そんな俺に小さく笑った笹山はそのまま顎を掴み、肉厚な舌を咥内、舌の根まで伸ばしていく。

「っん、ぅ、う゛うっ!」
「は、……っ小さい舌……っ、ぷりぷりしてて美味しそうですね」
「っ、なに゛、ぅ゛……ッ?! ぅ゛ー~~っ!」

 隙間がないくらい抱き締められ、キスされて、ハメられて、後ろ髪を撫でつけるように頭撫でられる。
 それだけでもやべえのに、ごりゅ、と奥の奥を亀頭でノックされた瞬間意識が飛びそうになった。

「ッ、は、ぁ゛……ッんむ、う゛……ッ!!」
「原田さんの中、狭いですね……っ、よかった」

 なにが、なんて突っ込む暇もない。
 次の瞬間、ぬぷ、と結腸へと続くくびれの部分をバキバキに勃起したブツでゆっくりと突破られそうになり汗がぶわりとにじむ。

 これ以上は流石にやべえ、馬鹿になる。笹山のせいでなんも考えられなくなる。

「っしゃ、さやま、」
「……っ、分かりますか、ここ。俺のに吸い付いてきてるの」
「わ、わかんね……っ、けど、ぉ゛……ッ! だ、め、ぐぽぐぽすんの……ッ、ゃ゛……ッ!」
「嫌なんですか?」

 ぐぐ、と突き当りの壁をブチ破ろうと押し上げてきていた亀頭がずりゅ、と引き抜かれそうになり、思わず腰が一緒に引っ張られそうになる。

「ぁ、あ……っ、ささやま……」
「本気で嫌なら無理強いはしませんが……、っ、そうですか、原田さんは『ここ』、お嫌いなんですね」

 優しく腹の上から臍の下の辺りをすりすりと撫でられ、全身が甘く痺れるみたいに震える。

「俺なら、もっと原田さんのことを気持ちよくさせることができると思ったんですが……」

 そうですか、と下腹部をぐに、と親指で圧迫される。悲しそうな言葉とは裏腹に、その目に滲む性欲と物欲しげに中の内壁にずりゅ、と擦りつけられる亀頭に前立腺を刺激され「ぅ゛ひ」と情けない声が漏れた。

「ですが、嫌なら仕方ないですね」

 ずりゅ、とカリ高な亀頭が中を引っ掻きながら抜かれそうになった瞬間、俺は考えるよりも先に笹山の腕にしがみついていた。

「原田さん? どうしましたか?」
「ぁ……っ、さ、しゃ、やま……」
「――……はい」
「……っ、ぉ、お゛……ッぉく、もっと」
「……」
「もっと、おく、いっぱいして……ぇ゛、ひぎ……ッ!」

 言い終わるよりも先に、腰を掴んだ笹山に思いっきり結腸の入口を押し上げられ、その先を口にすることはできなかった。
 真っ白になる頭の中、逃げたくなるほどの強い快感に飲まれ、それを上手く処理することもできないまま俺は壁を突き破り、その奥までも犯してくる性器に堪らず仰け反った。





「……っ、原田さん、気持ちいいですか?」
「っ、ひ、もひ……! ッ、ぉ゛っ、ぐ、ひ」
「呂律までとろとろになってますね」
「っ、きす、もっと……っ、ぉ……ッ!」
「……甘えん坊ですね、原田さんは」

 いいですよ、と顎の下をすりすりと撫でられ、鼻先が触れ合う。笹山の睫毛の一本一本まで確認できるくらいの距離、再びたっぷりと唾液を絡めた舌に舌を絡め取られ、そのまま深くキスをされる。
 舌の付け根から上顎を長い舌で犯され、唾液を流し込まれるだけで頭の奥が痺れ、正常な判断が困難になってた。

「ん、ぅ……ふー……っ、ぅ゛、ぶ……っ!」

 ぢゅぷ、ぐちゅ、と濡れた水音が響いた。二人分の呼吸も混ざって、我慢できずに自分から笹山に舌を絡めようとしたときだった。笹山に腰を掴まれ、持ち上げられる。

「っ、ぅ、あ……っ、ひ……――ッ!」
「原田さん……っ」
「ふ、ッ、ぅ゛……ッ!」

 まじか、と笹山の腕力に驚くよりも先に、自重に耐えきれずより深く突き刺さる笹山のブツに思考全部持っていかれた。
 ぐずぐずになっていた結腸の括れにわざとカリをひっかけるようにぐぽぐぽ音を立て奥を突き上げられ、なすすべもなく犯される。

「っ、は、ぁ゛……っんん……っ! ふ、ぅ゛……っ」
「……っは……っキス、したいんでしたっけ? ……しましょう、たくさん」
「ふー……ッ、ぅ、んむ゛……ッ!」

 揺さぶられ、前立腺を扱かれ、潤滑剤でぐずぐずになった粘膜を何度も摩擦されながら奥の奥まで犯される。深く、何度も角度を変えて舌の先っぽを吸われ、舌先で弄ばれながら中をねっとりと犯され、もう俺はひっちゃかめっちゃになっていた。

「っ、ん゛、む……ッ! ふ、ぅ゛……ッ」

 結合部から粘膜へと、笹山のから鼓動が流れ込んできた。
 先程よりも更に大きくなったそれで杭みたいに打ち付けられ、ぶらぶらと揺れる足を抱えられたまま更に隙間なく性器をねじ込まれた。

「ぁー……ッ、ぁ゛ッ、あ……ひ、……ッ!」
「原田さん……ッ」
「さ、さやま……っ、ひ、ぎゅ……ッ!」

 どくどく、どくどくと脈打つ鼓動の間隔は更に短くなっていく。それに連れ、抽挿のペースも早まった。
 笹山も射精が近いのは中のものからは分かった。

「……っ、原田さん、……ん、ぅ……っ」
「ふ……ッ! っ、んむ、う」

 何度目かもわからないキスをされたまま、更に腰を打ち付けられる。
 やべえ、イク。
 喉元までせり上がってきた熱を堪えることなどできなかった。鼓動が混ざり合い、どちらのものかもう俺には分からない。
 粘膜同士を絡ませながら、俺は笹山にしがみつく。そして、次の瞬間腹の中でびくんと痙攣する性器の感覚に声にならない声を上げたのだ。

 本来ならばあるはずの中出しの感覚はない。
 それでも確かにどくどくと吐き出される精の感覚に一抹の物足りなさを覚えたが、それを口にしたら負けだと思ったので俺は必死に脳から打ち消した。
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