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土砂降り注ぐイイオトコ
怪人フォーリバー
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「カナちゃん、嘘だよね、そこの睫毛ともあのムッツリ野郎とも付き合ってないよね。あくまでも体だけの関係だよね、心までは許してないんだよね」
「ということは、やっぱり貴様の仕業か」
やっぱり、ということは翔太が犯人だと思ってたというのか。確かにこいつならやりかねないが。
「仕業?もしかしてタライのことを言ってるんですか?それなら僕じゃないですよ、第一、僕が戻ってきたのはつい今ですからね」
「お前、本当かよ」
「それに、僕なら水に毒混ぜてカナちゃんがいないところでぶっ掛けるよ」
ああ、確かに。と納得しそうになる自分が悲しい。
「本当ふざけるなよ犯人の野郎、僕のカナちゃんにまねで水を掛けやがってカナちゃんがびしょ濡れになるし…びしょ濡れ…びしょ濡れカナちゃん……うっ」
「おい!本当にお前の仕業じゃないんだよな!」
「僕は違うよ、断言もするよ。証拠ならほら、さっき店に来る前で近くのコンビニで買った包丁のレシート」
「さらっとなんつーものを!あまりの物騒さに店長も青褪めてるじゃねーかよ!」
「……わ、わかった、貴様が無関係なのは分かった。…しかし、こうなったらまた分からなくなってしまうな」
そうだ、そこが問題だ。
再び考え込む俺と店長に翔太は「あの」と口を開く。
「店長さん、タライの被害にあったのは時川君と四川君だよね」
「ああ、そうだが」
「僕の盗聴器と隠しカメラからして四川君の糞野郎がタライを被ったのはカナちゃんにちょっかい出しやがったその後で、その間無害そうな顔して有害以外の何者でもない時川君が僕のカナちゃんを汚しやがっているところにタライ犯はタライを落としたみたいだね。どうせやるならもっと先にしろよ役立たずのゴミ」
「なるほど…いつの間に勝手に店にカメラを取り付けたのかは置いておいてそれは重要な手掛かりになるな…」
なんかところどころ問題発言がぽろりどころかぼろぼろ飛び出している気がなくもないが、ちょっと待てよ。とすればだ。
「ってことは、もしかして俺のせいか?」
「ご名答だねカナちゃん」
「共通点はカナちゃんにちょっかい出したやつがやられてるってことだよ」と、翔太はにっこり笑った。その不気味な笑顔を一生忘れることはないだろう。
俺が原因である。そう翔太は言うがそうなると一つ謎が出てきてしまう。
「で、でも!紀平さんには何もなかったぞ?」
「紀平のやつにも何かされたのか?!」
「うっ、いや。えと、ほら、店長も…」
しまった、墓穴を掘ってしまったようだ。
見る見るうちに翔太の顔が引き攣っていくがそれでもなんとしても笑おうとしてるから余計恐ろしいことになっているではないか。
「そのことだけど、多分準備をしてたんじゃないかな」
「準備…ってことは」
「やはり単独犯か」
「だね、もしかしたらって思ったけどやっぱり…」
ぽつりと何かを呟く翔太の顔は険しい。
なんとなく不穏なものを覚え、「翔太?」と聞き返せば翔太は「いや、なんでもないよ」と首を振る。
いつもだ、翔太は肝心なことを話してくれない。
兄に俺の監視を任せられていたということも言ってくれなかった。
あの兄の命令に背くことは出来ないと分かっていても、もう少し話してくれたっていいのではないかと思う。別に寂しいというわけではないが、そんなに頼りないのだろうかと凹むのだ。残念なことに否定できないが。
そんな沈む俺を知ってか知らずか、店長は切り替えるように手を叩いた。
「こうなったら道筋が見えてきたな。俺達が何をすればいいのか」
「何をって……ハッ」
もしや、まさか、と凍り付く俺の隣、翔太は頷いた。
「囮作戦だね」
そう、翔太が静かに呟いたのとそれはほぼ同時だった。
「ようやくそこに辿り着いたのかよ、おっせーなぁ」
どこからともなく響き渡るその聞き覚えのあるクソ偉そうな声。
嫌なくらい耳元で聞いてきたその声を聞き間違えるはずもない。
「こ、この声は!」
「しせ……ん?!」
まるでタイミングを見計らったかのようなその声に俺達は声のする方を振り返った。そして、凍り付く。
まず目に付いたのは顔の上半分を覆う派手な真っ赤な獣を模したマスク。
そしてそれに合わせた赤を貴重にしたレーザーコートを素肌の上から羽織ったコスプレ露出狂がそこにはいた。
「四川じゃねえ!か…怪人フォーリバーだ!」
四川阿奈、もとい怪人フォーリバーに俺達は文字通り言葉を失う。
「ということは、やっぱり貴様の仕業か」
やっぱり、ということは翔太が犯人だと思ってたというのか。確かにこいつならやりかねないが。
「仕業?もしかしてタライのことを言ってるんですか?それなら僕じゃないですよ、第一、僕が戻ってきたのはつい今ですからね」
「お前、本当かよ」
「それに、僕なら水に毒混ぜてカナちゃんがいないところでぶっ掛けるよ」
ああ、確かに。と納得しそうになる自分が悲しい。
「本当ふざけるなよ犯人の野郎、僕のカナちゃんにまねで水を掛けやがってカナちゃんがびしょ濡れになるし…びしょ濡れ…びしょ濡れカナちゃん……うっ」
「おい!本当にお前の仕業じゃないんだよな!」
「僕は違うよ、断言もするよ。証拠ならほら、さっき店に来る前で近くのコンビニで買った包丁のレシート」
「さらっとなんつーものを!あまりの物騒さに店長も青褪めてるじゃねーかよ!」
「……わ、わかった、貴様が無関係なのは分かった。…しかし、こうなったらまた分からなくなってしまうな」
そうだ、そこが問題だ。
再び考え込む俺と店長に翔太は「あの」と口を開く。
「店長さん、タライの被害にあったのは時川君と四川君だよね」
「ああ、そうだが」
「僕の盗聴器と隠しカメラからして四川君の糞野郎がタライを被ったのはカナちゃんにちょっかい出しやがったその後で、その間無害そうな顔して有害以外の何者でもない時川君が僕のカナちゃんを汚しやがっているところにタライ犯はタライを落としたみたいだね。どうせやるならもっと先にしろよ役立たずのゴミ」
「なるほど…いつの間に勝手に店にカメラを取り付けたのかは置いておいてそれは重要な手掛かりになるな…」
なんかところどころ問題発言がぽろりどころかぼろぼろ飛び出している気がなくもないが、ちょっと待てよ。とすればだ。
「ってことは、もしかして俺のせいか?」
「ご名答だねカナちゃん」
「共通点はカナちゃんにちょっかい出したやつがやられてるってことだよ」と、翔太はにっこり笑った。その不気味な笑顔を一生忘れることはないだろう。
俺が原因である。そう翔太は言うがそうなると一つ謎が出てきてしまう。
「で、でも!紀平さんには何もなかったぞ?」
「紀平のやつにも何かされたのか?!」
「うっ、いや。えと、ほら、店長も…」
しまった、墓穴を掘ってしまったようだ。
見る見るうちに翔太の顔が引き攣っていくがそれでもなんとしても笑おうとしてるから余計恐ろしいことになっているではないか。
「そのことだけど、多分準備をしてたんじゃないかな」
「準備…ってことは」
「やはり単独犯か」
「だね、もしかしたらって思ったけどやっぱり…」
ぽつりと何かを呟く翔太の顔は険しい。
なんとなく不穏なものを覚え、「翔太?」と聞き返せば翔太は「いや、なんでもないよ」と首を振る。
いつもだ、翔太は肝心なことを話してくれない。
兄に俺の監視を任せられていたということも言ってくれなかった。
あの兄の命令に背くことは出来ないと分かっていても、もう少し話してくれたっていいのではないかと思う。別に寂しいというわけではないが、そんなに頼りないのだろうかと凹むのだ。残念なことに否定できないが。
そんな沈む俺を知ってか知らずか、店長は切り替えるように手を叩いた。
「こうなったら道筋が見えてきたな。俺達が何をすればいいのか」
「何をって……ハッ」
もしや、まさか、と凍り付く俺の隣、翔太は頷いた。
「囮作戦だね」
そう、翔太が静かに呟いたのとそれはほぼ同時だった。
「ようやくそこに辿り着いたのかよ、おっせーなぁ」
どこからともなく響き渡るその聞き覚えのあるクソ偉そうな声。
嫌なくらい耳元で聞いてきたその声を聞き間違えるはずもない。
「こ、この声は!」
「しせ……ん?!」
まるでタイミングを見計らったかのようなその声に俺達は声のする方を振り返った。そして、凍り付く。
まず目に付いたのは顔の上半分を覆う派手な真っ赤な獣を模したマスク。
そしてそれに合わせた赤を貴重にしたレーザーコートを素肌の上から羽織ったコスプレ露出狂がそこにはいた。
「四川じゃねえ!か…怪人フォーリバーだ!」
四川阿奈、もとい怪人フォーリバーに俺達は文字通り言葉を失う。
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