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1.萌えは私の栄養素
ななななんですかあの美しい神々しい存在は!
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その舞踏会が開かれたのは王宮で、エドヴィン王子の14歳の誕生日を祝うためのものだった。
正式にエドヴィン王子をお披露目する場でもあったことから、国中から全ての貴族の令息令嬢が招待された。
今まで、人口密度がスッカスカで、家族と使用人以外の生身の人間を見たことがなかったリーゼは、ただただ目の前に広がる光景に圧倒された。
まず最初にリーゼが目を奪われたのが……。
(すごい!!綺麗なドレスがいっぱい!!)
フリルにリボン、レースをふんだんに使われた美しいドレスもまた、この時のリーゼの心を虜にしていたのだが、リーゼが惹かれたのはドレスという物だけではない。
(ドレスを着ている女の子って、どうしてこんなに可愛いのかしら……)
おそらく、この日の舞踏会はエドヴィン王子の婚約者候補を決めるための重要なものだと、リーゼ以外の誰もが思っていたのだろう。
それ故に、気合いを入れてオシャレをしてきた令嬢がほとんどだった。
ちなみにブラウニー家のリーゼ以外の家族も「婚約者候補を選ぶたものものだろうな」と言うことは薄々気づいてはいたが
「うちのリーゼには関係ないことだろう」
「うちのリーゼは、ずっとお家でニコニコ微笑んでくれればいい」
「うちのリーゼは(以下略)」
などと、娘&妹バカ炸裂した男どもの策略により、王子が好むかもしれないと噂されていた、他の令嬢も身につけているような、少し肌の露出が多めのドレスなどではなく、リーゼの可憐な雰囲気が引き立つようなお花の飾りいっぱいの桃色のドレスを着せていたのだ。
このタイプは、どちらかといえば幼い子供が着るようなデザインだと言われていたので、舞踏会会場でリーゼが着ているようなドレスを身につけている令嬢は、誰1人としていなかった。
ついでに言えば。
この時のリーゼの格好は、ちょっと癖があるすみれ色のウェーブ髪は下ろしたままで、真珠で作られたピンで飾っていた。
靴は、転んではいけないようにとぺったんこシューズ。
そしてもちろん、周囲をしっかり見えるようにと、眼鏡はしっかり装備。
そんな、少し変わった出立ちだったので、別の意味でリーゼは目立ってしまい、周囲からひそひそと噂をされていた。
舞踏会会場の煌めきにうっとりとしていたリーゼには、そんな声は一切入ってこなかったのだが。
そんなリーゼの目の前に、ざわめきの中現れたのが、しっかりと正装した、当時14歳のエドヴィン王子と、彼のパートナーを務める当時15歳のアレクサンドラ。
この2人を見た瞬間、誰もが一瞬にして悟った。
あ、王子の婚約者はこのアレクサンドラ以外あり得ないと。
そして誰よりもそう確信を持ったのが、リーゼだった。
(なっななななんですかあの美しい神々しい存在は!眩しい、眩しすぎる……!!!)
この時は、リーゼも、そしてこの会場にいる誰もが想定していなかった。
まさか、この1時間後にエドヴィン王子とリーゼが運命の出会いをし、エドヴィン王子がリーゼに一目惚れをし、数年もの間不毛な片思いをすることになるなんて。
正式にエドヴィン王子をお披露目する場でもあったことから、国中から全ての貴族の令息令嬢が招待された。
今まで、人口密度がスッカスカで、家族と使用人以外の生身の人間を見たことがなかったリーゼは、ただただ目の前に広がる光景に圧倒された。
まず最初にリーゼが目を奪われたのが……。
(すごい!!綺麗なドレスがいっぱい!!)
フリルにリボン、レースをふんだんに使われた美しいドレスもまた、この時のリーゼの心を虜にしていたのだが、リーゼが惹かれたのはドレスという物だけではない。
(ドレスを着ている女の子って、どうしてこんなに可愛いのかしら……)
おそらく、この日の舞踏会はエドヴィン王子の婚約者候補を決めるための重要なものだと、リーゼ以外の誰もが思っていたのだろう。
それ故に、気合いを入れてオシャレをしてきた令嬢がほとんどだった。
ちなみにブラウニー家のリーゼ以外の家族も「婚約者候補を選ぶたものものだろうな」と言うことは薄々気づいてはいたが
「うちのリーゼには関係ないことだろう」
「うちのリーゼは、ずっとお家でニコニコ微笑んでくれればいい」
「うちのリーゼは(以下略)」
などと、娘&妹バカ炸裂した男どもの策略により、王子が好むかもしれないと噂されていた、他の令嬢も身につけているような、少し肌の露出が多めのドレスなどではなく、リーゼの可憐な雰囲気が引き立つようなお花の飾りいっぱいの桃色のドレスを着せていたのだ。
このタイプは、どちらかといえば幼い子供が着るようなデザインだと言われていたので、舞踏会会場でリーゼが着ているようなドレスを身につけている令嬢は、誰1人としていなかった。
ついでに言えば。
この時のリーゼの格好は、ちょっと癖があるすみれ色のウェーブ髪は下ろしたままで、真珠で作られたピンで飾っていた。
靴は、転んではいけないようにとぺったんこシューズ。
そしてもちろん、周囲をしっかり見えるようにと、眼鏡はしっかり装備。
そんな、少し変わった出立ちだったので、別の意味でリーゼは目立ってしまい、周囲からひそひそと噂をされていた。
舞踏会会場の煌めきにうっとりとしていたリーゼには、そんな声は一切入ってこなかったのだが。
そんなリーゼの目の前に、ざわめきの中現れたのが、しっかりと正装した、当時14歳のエドヴィン王子と、彼のパートナーを務める当時15歳のアレクサンドラ。
この2人を見た瞬間、誰もが一瞬にして悟った。
あ、王子の婚約者はこのアレクサンドラ以外あり得ないと。
そして誰よりもそう確信を持ったのが、リーゼだった。
(なっななななんですかあの美しい神々しい存在は!眩しい、眩しすぎる……!!!)
この時は、リーゼも、そしてこの会場にいる誰もが想定していなかった。
まさか、この1時間後にエドヴィン王子とリーゼが運命の出会いをし、エドヴィン王子がリーゼに一目惚れをし、数年もの間不毛な片思いをすることになるなんて。
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