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5章 潜入!魔族の国……な件

閑話・暗殺者くんの場合

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 ど、どどどどーも! げ、現場の斉藤です! 身軽なんで他のみんなより早く現場に着いちゃったんですが、やっべぇぇぇ!! 一面血の海!!

 神やんマジ切れしてなんか潜在能力的なモノ発揮しておられるよ!? 何あの龍、超カッコイイんですけど! ……じゃなくて! なんか神やん無表情で騎士団のやつらバッサバッサと斬り捨ててるんだけど、あれ、死んで――る? 職業・暗殺者の僕すら忌避してる事を、めっちゃ淡々とこなしてて怖っ! てゆーかおうちかえりたいです。なにこのスプラッタ!


 ……なんでこんな事になってんの? 神やん本来なら、噂のシータちゃんを助けに来たはず……。
 今の神やんに敵味方の識別ができるとは思えなかったので、全力で隠れながら辺りをうかがうと……いた! この場には不釣り合いなくらい綺麗な子が地面に血だらけで横たわっていた。ピクリともしない。たぶんこの子がシータちゃんだ。……もしかしなくとも、この子もお亡くなりに? だから神やんブチキレた?

 シータちゃんの状態を確認しようとしたら、背後からゴォォォという轟音。そっちを向くと地形が変わってた。龍さんがブレスをはいたようです。やばい、巻き込まれたら死ねるぅぅ! 気づかれる前にお仕事しないとぉぉ! ……でも僕には治癒スキル無いんですよねー、やっべーこれ詰んだ。流あにきー早く来てぇぇぇ! いや、この場合は錬金術師な友瀬の姉御の方が適任だー。

 ……待てよ? このまま姉御達来たら、バーサク状態の神やんとぶつかりはしないだろうか? それはマズイ。後々に禍根が残るような事は避けなきゃ。でもだったらどうすれば――

 オロオロしていた僕の視界にキラリと光るものがうつった。シータちゃんの胸元、血だらけのそこに掛かっているペンダント。それに付いている宝石が微かに光っている。
 この宝石をどうにかすれば何かしらイイ事ありそう。僕の直感はそう言っていた。ちょいと失礼して彼女の胸元をあさる。これは決してセクハラではなく、医療行為的な何かだから許してくださいっ! ぶっちゃけ神やん殺さないでぇぇ!

「あっ!?」

 焦ってたからペンダントから宝石が零れ落ちてしまった。やばい、壊してしまった! アタフタしてたら、驚くべき事に宝石が彼女の身体に吸い込まれていった。ええー、なんぞこれぇ?


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