1 / 6
クラブへ行く途中
しおりを挟む
金曜日の夜。
エッチなお姉さんに辱められる妄想をしながら、僕は電車に乗っていた。
僕の名前は有野 侑。ドMなことを除けば普通の男子高校生だ。
今日は稼いだバイト代でお気に入りのクラブに行く。
夜の夜景を見下ろしながら、クラブでのあんなこと、こんなことを考えてドキドキしていた。
高校生なのにクラブへ行けるのかって?
大丈夫。僕高3で18才だから。
ドMに目覚めたきっかけは、僕が13歳のときに父さんが新たな母親と再婚したことだった。
もともと僕には父親しかいなかったんだ。母さんは僕を産んだあと、行方不明になったんだって。
理解されにくいこの社会の中、今まで男手ひとつで育ててくれたこと、本当に感謝している。
とまあ、それはおいといて。
とにかく、新しい母親・・・継母が本当に屑だったんだ。
父さんの稼いだお金はパチンコやらアクセサリーばっかに使って家事は全部僕にやらせるし。
父さんが仕事で全然帰ってこれなかったから家事はなれていたとはいえ、あんまりだった。
継母は、父さんが必死に稼いだお金で遊んで、子供が作った料理を食べていたんだ。
とまあ、これでも十分ひどいけど、一年経ったら更に調子に乗り出してね。
僕に暴力を振るうようになったんだ。
つねったり叩いたりは序の口で、殴ったり髪を引っ張ったりしたんだ。
昔の僕は怖がりで、気も弱かった。だから継母が怖くて怖くて仕方なかった。
それでも僕は父さんに迷惑をかけたくなくて、一人我慢していた。
でもあるとき、痛みに快感を感じるようになったんだ。
その日は継母がイライラしていた。
ストレス発散とばかりに僕に当たり散らかし、僕のお腹めがけて拳を振りかぶった。
僕は次に来る衝撃に身を固めた。
しかし、いつまでたっても思っていたような衝撃はこなかった。
代わりにきたのは、痛みに対する快楽。
体に電流が走ったようだった。それは背中からゾクゾクと伝わっていき、やがて僕の思考を支配した。
(~~ッ///)
いたい・・・きもちいい・・・
感じたことのない快感。知らなっかた感覚。
(もっと、もっと欲しいっ・・・!)
僕はこの瞬間、痛みの快楽の虜になってしまった。
急に赤面して息を荒げだした僕に、継母は怪訝な目を向ける。
やがて継母の目線は僕の頭から下の方へと流れていき、大きくなった僕のそこに止まった。
途端に向けられる軽蔑の眼差し。僕はその目線すら快楽として捉えてしまった。
継母はそんな僕の髪を鷲掴み、床に放り投げると僕の至るところを蹴り出した。
痛みと快楽でごちゃごちゃになる僕に継母は、侮辱の言葉を浴びせ続けた。
僕を見下ろし、ずっとみてくる。
軽蔑の色を浮かべた瞳で。
背筋がゾクゾクしてたまらなっかった。
痛い痛い痛い・・・気持ちいっ、気持ちいいっ
気がつくと、僕は独りボロボロになって床に転がっていた。
父さんが長期出張だから、継母も調子に乗ったのだろう。
父さんにバレないようにといつも継母が殴らない顔や手首にまで、痣ができていた。全身が鈍い痛みを訴えている。
それでも、継母に侮辱され、蹴られていたときは確かに興奮していた。
感じたことのないあの快楽を思い出し、僕は戸惑いながらも惚けていた。
そして落ちるように意識を失い、再び目覚めたのは病院のベットの上だった。
目を開けるやいないなや、病室でカルテを書いていた看護師さんがすっとんでいき、しばらくしてお医者さんが入ってきた。
お医者さんと話をしていると、しばらくして汗だくの父さんが病室の扉を勢いよく開ける。
父さんは泣きながら放ったらかしにして傷つけてしまったことを謝り、継母と離婚したこと、継母を訴えたことを話してくれた。
父さんが僕を大切に想っていてくれて嬉しかった。
でも、僕が頭の中心でずっと考えていたのは、どうしたらあの快楽をもう一度味わえるか、ということだった。
あのあと、自分がマゾだと気づいたんだよね。
それからは先生にわざと怒られてみたり、先輩に叩かれる妄想をしたりしたんだよなぁ。
今、もし過去と同じように毎日継母に虐められても、全て快感にかわるだろう。
僕はもはや、ふつう傷つくことが快感へと変わるようになっていて、傷つくことがなくなっていた。
______________
懐かしいことを思い出しているうちに、もうクラブのある駅についていた。
人の少ない駅の改札を通り、看板だらけの町に入る。
お気に入りのクラブまで、胸を弾ませて歩いた。
・・・
・・・
しばらく歩いていると、路地裏に入る猫を見つけた。
普段は気にもとめないけれど、なんだか無性に気になって気づけば猫の後を追っていた。
入り組んだ路地。ふと、足元に違和感を感じた。
「え・・・」
足を見ると、なんと足がコンクリートのはずの地面に埋まっていっていた。
「っ!」
それに気付くやいなや、まばゆい光が僕をつつんだ。
気が付くと、僕はさっきとは違う路地裏で座り込んでいた。
猫もいないし、足も地面に埋まっていない。
あっけにとられている僕はしばらく座り込んでいた。
しばらくして、女の人が路地を曲がってきた。
すると、女の人は僕を見るなり大声で叫んだ。
「黒髪!黒髪よ!穢らわしい忌み人がいるわ!!」
エッチなお姉さんに辱められる妄想をしながら、僕は電車に乗っていた。
僕の名前は有野 侑。ドMなことを除けば普通の男子高校生だ。
今日は稼いだバイト代でお気に入りのクラブに行く。
夜の夜景を見下ろしながら、クラブでのあんなこと、こんなことを考えてドキドキしていた。
高校生なのにクラブへ行けるのかって?
大丈夫。僕高3で18才だから。
ドMに目覚めたきっかけは、僕が13歳のときに父さんが新たな母親と再婚したことだった。
もともと僕には父親しかいなかったんだ。母さんは僕を産んだあと、行方不明になったんだって。
理解されにくいこの社会の中、今まで男手ひとつで育ててくれたこと、本当に感謝している。
とまあ、それはおいといて。
とにかく、新しい母親・・・継母が本当に屑だったんだ。
父さんの稼いだお金はパチンコやらアクセサリーばっかに使って家事は全部僕にやらせるし。
父さんが仕事で全然帰ってこれなかったから家事はなれていたとはいえ、あんまりだった。
継母は、父さんが必死に稼いだお金で遊んで、子供が作った料理を食べていたんだ。
とまあ、これでも十分ひどいけど、一年経ったら更に調子に乗り出してね。
僕に暴力を振るうようになったんだ。
つねったり叩いたりは序の口で、殴ったり髪を引っ張ったりしたんだ。
昔の僕は怖がりで、気も弱かった。だから継母が怖くて怖くて仕方なかった。
それでも僕は父さんに迷惑をかけたくなくて、一人我慢していた。
でもあるとき、痛みに快感を感じるようになったんだ。
その日は継母がイライラしていた。
ストレス発散とばかりに僕に当たり散らかし、僕のお腹めがけて拳を振りかぶった。
僕は次に来る衝撃に身を固めた。
しかし、いつまでたっても思っていたような衝撃はこなかった。
代わりにきたのは、痛みに対する快楽。
体に電流が走ったようだった。それは背中からゾクゾクと伝わっていき、やがて僕の思考を支配した。
(~~ッ///)
いたい・・・きもちいい・・・
感じたことのない快感。知らなっかた感覚。
(もっと、もっと欲しいっ・・・!)
僕はこの瞬間、痛みの快楽の虜になってしまった。
急に赤面して息を荒げだした僕に、継母は怪訝な目を向ける。
やがて継母の目線は僕の頭から下の方へと流れていき、大きくなった僕のそこに止まった。
途端に向けられる軽蔑の眼差し。僕はその目線すら快楽として捉えてしまった。
継母はそんな僕の髪を鷲掴み、床に放り投げると僕の至るところを蹴り出した。
痛みと快楽でごちゃごちゃになる僕に継母は、侮辱の言葉を浴びせ続けた。
僕を見下ろし、ずっとみてくる。
軽蔑の色を浮かべた瞳で。
背筋がゾクゾクしてたまらなっかった。
痛い痛い痛い・・・気持ちいっ、気持ちいいっ
気がつくと、僕は独りボロボロになって床に転がっていた。
父さんが長期出張だから、継母も調子に乗ったのだろう。
父さんにバレないようにといつも継母が殴らない顔や手首にまで、痣ができていた。全身が鈍い痛みを訴えている。
それでも、継母に侮辱され、蹴られていたときは確かに興奮していた。
感じたことのないあの快楽を思い出し、僕は戸惑いながらも惚けていた。
そして落ちるように意識を失い、再び目覚めたのは病院のベットの上だった。
目を開けるやいないなや、病室でカルテを書いていた看護師さんがすっとんでいき、しばらくしてお医者さんが入ってきた。
お医者さんと話をしていると、しばらくして汗だくの父さんが病室の扉を勢いよく開ける。
父さんは泣きながら放ったらかしにして傷つけてしまったことを謝り、継母と離婚したこと、継母を訴えたことを話してくれた。
父さんが僕を大切に想っていてくれて嬉しかった。
でも、僕が頭の中心でずっと考えていたのは、どうしたらあの快楽をもう一度味わえるか、ということだった。
あのあと、自分がマゾだと気づいたんだよね。
それからは先生にわざと怒られてみたり、先輩に叩かれる妄想をしたりしたんだよなぁ。
今、もし過去と同じように毎日継母に虐められても、全て快感にかわるだろう。
僕はもはや、ふつう傷つくことが快感へと変わるようになっていて、傷つくことがなくなっていた。
______________
懐かしいことを思い出しているうちに、もうクラブのある駅についていた。
人の少ない駅の改札を通り、看板だらけの町に入る。
お気に入りのクラブまで、胸を弾ませて歩いた。
・・・
・・・
しばらく歩いていると、路地裏に入る猫を見つけた。
普段は気にもとめないけれど、なんだか無性に気になって気づけば猫の後を追っていた。
入り組んだ路地。ふと、足元に違和感を感じた。
「え・・・」
足を見ると、なんと足がコンクリートのはずの地面に埋まっていっていた。
「っ!」
それに気付くやいなや、まばゆい光が僕をつつんだ。
気が付くと、僕はさっきとは違う路地裏で座り込んでいた。
猫もいないし、足も地面に埋まっていない。
あっけにとられている僕はしばらく座り込んでいた。
しばらくして、女の人が路地を曲がってきた。
すると、女の人は僕を見るなり大声で叫んだ。
「黒髪!黒髪よ!穢らわしい忌み人がいるわ!!」
1
お気に入りに追加
129
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?
「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。
王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り
更新頻度=適当
気づいて欲しいんだけど、バレたくはない!
甘蜜 蜜華
BL
僕は、平凡で、平穏な学園生活を送って........................居たかった、でも無理だよね。だって昔の仲間が目の前にいるんだよ?そりゃぁ喋りたくて、気づいてほしくてメール送りますよね??突然失踪した族の総長として!!
※作者は豆腐メンタルです。※作者は語彙力皆無なんだなァァ!※1ヶ月は開けないようにします。※R15は保険ですが、もしかしたらR18に変わるかもしれません。
俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
無自覚美少年のチート劇~ぼくってそんなにスゴいんですか??~
白ねこ
BL
ぼくはクラスメイトにも、先生にも、親にも嫌われていて、暴言や暴力は当たり前、ご飯もろくに与えられない日々を過ごしていた。
そんなぼくは気づいたら神さま(仮)の部屋にいて、呆気なく死んでしまったことを告げられる。そして、どういうわけかその神さま(仮)から異世界転生をしないかと提案をされて―――!?
前世は嫌われもの。今世は愛されもの。
自己評価が低すぎる無自覚チート美少年、爆誕!!!
****************
というようなものを書こうと思っています。
初めて書くので誤字脱字はもちろんのこと、文章構成ミスや設定崩壊など、至らぬ点がありすぎると思いますがその都度指摘していただけると幸いです。
暇なときにちょっと書く程度の不定期更新となりますので、更新速度は物凄く遅いと思います。予めご了承ください。
なんの予告もなしに突然連載休止になってしまうかもしれません。
この物語はBL作品となっておりますので、そういうことが苦手な方は本作はおすすめいたしません。
R15は保険です。
実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…
彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜??
ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。
みんなから嫌われるはずの悪役。
そ・れ・な・の・に…
どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?!
もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣)
そんなオレの物語が今始まる___。
ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️
第12回BL小説大賞に参加中!
よろしくお願いします🙇♀️
奴隷商人は紛れ込んだ皇太子に溺愛される。
拍羅
BL
転生したら奴隷商人?!いや、いやそんなことしたらダメでしょ
親の跡を継いで奴隷商人にはなったけど、両親のような残虐な行いはしません!俺は皆んなが行きたい家族の元へと送り出します。
え、新しく来た彼が全く理想の家族像を教えてくれないんだけど…。ちょっと、待ってその貴族の格好した人たち誰でしょうか
※独自の世界線
不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う
らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。
唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。
そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。
いったいどうなる!?
[強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。
※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。
※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。
転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる