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第四章 借金の肩代わりに母親を奪われるとは、情けない!
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しおりを挟むちゅっ…
私と卑劣漢の唇がそっと重なる。数秒間の唇同士が密着して…私は唇をゆっくりと離した。
「ふふふ。反抗的な目をしながらキスを迫ってくるアンナ殿…最高の眺めです」
「っ!!調子に乗って!!」
「もう一度です。唇を離した後はちゃんと私の目を見つめて下さいよ」
卑劣漢が私の髪を優しく撫でながら命令してくる。エルドに酷い仕打ちをして、よくこんな笑顔でいられるわ。思わず怒りの感情が込み上げてくる。
でも、今は命令通りにしないと…私は再び卑劣漢の唇に優しく唇を重ねる。
ちゅ…
今度は1秒も経たないうちに、唇を離してやった。こんな男と口付けをしている時間は少しでも短くしたいから。
一方の卑劣漢は私のささやかな抵抗を気にする素振りも見せない。相変わらず私の髪の毛を撫でている。そして、いつの間にか私の片手を恋人繋ぎのように絡めて握っている。
「さあ、この口付けをあと100回してもらいましょうかな」
「そんなにっ!?…い、いやよ!!」
「ご子息がどうなってもよろしいのですか?それに早くしないと、ご子息が戻ってくるかもしれませんよ」
「本当、最低な男…!!」
嫌いだ。この男が本当に嫌いだ。でもエルドのことを引き合いに出されたら、今は逆らえない。だけど、だけど絶対…こんな卑劣漢の思い通りになってたまるものですか。
ちゅ…ちゅっ…ちゅ…ちゅぅ…ちゅっ…ちゅ…ちゅぱっ…
私は卑劣漢に何度も口付けを何度も繰り返す。卑劣漢の眼をじっと見つめてキス…じっと見つめてキス…その繰り返し。
どうして大嫌いな男に対してこんなキスしないといけないのよ。これじゃあ、まるで私がこんな男のことを…
ちゅ…ちゅぅ…ちゅっ…ちゅ…ちゅぱっ…
「たまりませんなあ。ご子息がこの光景を見たら何と思うのやら」
卑劣漢は愉快そうに笑っている。命令しておいて何よ。だけど、もしエルドにこんな所を見られたら…私の方からキスを何度もしているし…私のこと、最低な母親って思うのかしら…
ちゅぅっ…ちゅうぅ…ちゅっ…ちゅぱっ…ちゅ…ちゅう…
そんなことを考えながら、私はキスを繰り返す。早く100回終わらせないと。
卑劣漢はいつのまにか私の両手を恋人繋ぎで握っている。そして、おでこをくっつけてきた。卑劣漢の体温がおでこと掌から伝わってくる…顔もすごく近い…こんな恋人みたいなことしてくるなんて、最低…
ちゅっ…ちゅうう…ちゅ…ちゅ…ちゅ…ちゅぱ…
最悪…キスの度に鼻も触れ合う。こんなことしてくるくせに、何でキスだけは私に一方的にさせてるのよ。本当悪趣味な卑劣漢…
恋人同士のようなスキンシップをとりながら、何度もキスをして、何度も卑劣漢と見つめ合う。それを繰り返す中で、身体が徐々に紅潮してしまう。今まで以上に身体の芯から火照ってしまうようで、じんとして熱い…
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