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17. マチルダへのご褒美③

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「どうしたアレン?いよいよ挿入するみたいだが、マチルダを助けなくていいのか?」

 俺の目の前には、仰向けになる魔王に跨るマチルダがいた。おそらくワザとなのだろう。俺とマチルダは向かい合う角度になっている。
 だから、俺の位置からはマチルダの裸が丸見えた。長い手脚に、引き締まった筋肉質の肉体。ツンと上向いた大きな乳房、バキバキに割れた腹筋…無駄な脂肪が一つもないような、闘うための身体。その身体でマチルダは何度も魔王を悦ばせてきたようだ。

「どうやら助けられないようだな。やはりお前は口先だけの男だ」

 俺が助けられないことは分かっていて、ミネルヴァは俺の耳元で煽るような言葉を捨て吐く。

「それとも、マチルダの裸を見て興奮しているのか?」
「ははは。ミネルヴァ、あまり勇者くんを虐めてやるな。マチルダの裸は美しくて最高の抱き心地だ。童貞には刺激が強すぎるのだろう」
「ふふふ。確かにそうだ。悪かったなアレン。魔王の言う通りだ。童貞の貴様にこの光景は刺激が強すぎたな」

 魔王とミネルヴァは、皮肉たっぷりに俺へのフォローをする。そして、見下した顔で俺のことをニヤニヤと笑っている。

「やめろよ!」

 その態度に対して、マチルダが俺以上に怒りを露わにした。

「あんなやつ、どうでもいいだろ?今はアタシへのご褒美の時間だっ…なあ、もっとアタシだけを愛してくれよぉ…!」

 あのマチルダが、男に媚びる声で魔王に対して必死に訴えかけていた。

「ふふふ、そうだな。すまないマチルダ。あの童貞くんの相手はミネルヴァに任せよう」
「もちろんだ。心得ている。魔王、マチルダ…こちらに構わず思う存分愛し合ってくれ」
「ミネルヴァ…ありがとな♪」

 マチルダはミネルヴァに礼を言うと、魔王の巨大なアレを握り、腰を割って重心を落としていく。そして遂に、アレがマチルダの秘所に推し当たった。

「さあ、マチルダ。その鍛え抜かれた極上の身体で私を悦ばせてくれ」
「はいっ♪魔王様ぁっ…愛してるっ♪」

 ずちゅううううっ…

 マチルダは嬉しそうに返事をすると、さらに重心を落とし、魔王のアレをゆっくりと飲み込んだ。

「アレン、お前は愛し合う2人をただ見ていることしかできない、無能なオスだ。ほら、ちゃんと繋がっている2人を見届けるんだ。片時も目を逸らさずにな」
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