11 / 29
第十一話
しおりを挟む
彼の下に身体を滑り込ませて、そのままむけられたおしりの最奥まで指を埋め込む。
密着した背中の肌が汗ばんで、彼の匂いが濃くなっていくのがわかった。一本、二本とぎちぎちだったところもあっというまにひらいていく。
「あっ……あっ、あっ……あっ……だ、だめ……」
「だめじゃないでしょ? もっとっていわなきゃやめちゃうよ」
「やっ……それは……」
「ニーアさん、発声練習じゃないんだよ。そういうときはなんていうの?」
かあああと彼の肌が赤く染まっていく。
クリームを塗ったくられているのでなおさら肌の変化が目に入る。
つい、いじめたくなるというのはこういうときのことをいうのか。僕は指の第二関節を曲げて、しこりをつつく。
うつぶせになって、おしりを高く上げて、必死で声を押し殺す姿。最高にかわいい。無口じゃなくてシャイでウブなのだ。
額に汗をうかべて、ぷるぷると悶えて震える姿は支配欲を過度に高まらせ、庇護欲もわき上き上がらせる。
「ニアさん、もーっと足をひらいてここをみせてよ。前も汁がだらだら垂れて、よだれみたいにお腹を濡らしているね」
親指でスジをおさえて、ゆるゆると上下に動かして刺激を加えていく。ぴくんぴくんと腰が前後にゆれて、またいだ足先がぴんと伸びてる。
このまま張りつめたものを扱いたまま、ゆるめた場所をこじ開けて、ゆっくりと挿入してゆさぶりたい。
「あッ……りるくん……」
「なに?」
「……んッ……なにも」
「んー……、なにもないの?」
やましい欲望を彼に読まれないように僕はもっと指を奥深くに沈ませた。
彼の濃厚なオメガの匂いがアルファの本能を刺激して、そんな衝動に襲われそうになって理性を奮い立たせる。
「も、もっとおくに……ほ、…ほしい……です」
……クソ。ここで敬語なんて。かわいすぎるだろう。なんで隣室の真面目で堅物の警察官がこんなに魅力的でかわいいんだよ。
ずぶすぶと奥深くに沈めてやると、先っぽからしゅわっと液体が漏れでてきた。目が潤んでる。このまま刺激するまえにゴムをかぶせて、ゆっくりと追いつめて絶頂にみちびくのがいい。
最初は捜査を舐めていた。
即効性のある睡眠薬を直腸に塗りつけて、隣室にカメラを仕込んで回収だけすればいいと思っていた。
それに相手は頑固で堅物の警察官だ。つまらなくて、体よく追い出されるのかと予想していたし、チェンジしたら他の捜査員が担当する。
それがどうだ。
一目見て、面食らった。最優秀エージェントとして国に命を捧げてきた誇り高き自分が固まってしまうほどに。
正直いうと出会った瞬間、運命の番いかと思った。
一目惚れというのはこういうことをいうのだろうか。
この瞬間を例えるならば、ドーンときたところか。それともズドンと45口径で撃たれたというところか。
まさに運命。かわいい。妖精か。
リルリルフェアリルなんてくだらない源氏名をゲラゲラ笑いながらつけた同僚のリリーには殺意しかわかないが、噛んでしゃべる彼をみて謝意を伝えたいほどだった。
絶対に元締めじゃない。勘だ。
それは確実で、凶悪犯だったらバッド心中なしの愛の逃亡劇を考えなければならない。エージェントの勘が本能的にそう訴えたのがわかった。
彼の無実を証明しなければいけない。警察も犯罪局ももはやあの手この手で主犯を検挙しようとしている。
それから僕は必死だった。ありとあらゆるテクニックの総力を上げ、彼に嫌われないように、チェンジされないようにがんばった。
もちろん、ひと通り彼を満足させたら、隣室にカメラと盗聴器を仕込んでいた。
仲間にせっつかれて、彼の寝室にも仕込んでみたが、聞かせられるものはなかった(ほぼ自慰と巣作りというのも彼の名誉のために口を閉ざしておく)
難点といえば、彼が純粋すぎるところだ。
噓と誇張にまみれた僕の妹の話をハンカチで目頭をおさえて、黙って聞いて信じてくれた。いつでもこれるようにそれとなくプレミアムに加入するように勧めたのに、すぐに即決してしまった。
それなのにお人よしなのか、かれはつねに僕の都合を聞いて呼んでくれる。やさしくて、礼儀正しくて、いい人すぎるほどで、騙しているこっちが心配になってしまう。
「あっ……だめっ…、でるっ……でるでる……」
「蜂蜜ももっと足そうね、ニアさん?」
アルファのものを握りながら背中を弓なりにしてのけぞってる。やばいな。かわいいしかない。
最近はうしろだけでいきそうになっているところもさらに魅力度が増す。目の前の屹立した雄棒に舌を這わせながらも、その小さな舌先でチロチロさせてくる。
それがまたもどかしくて、かわいくて、もうダメだった。僕は完全に真面目で無口な彼の虜になっていた。
密着した背中の肌が汗ばんで、彼の匂いが濃くなっていくのがわかった。一本、二本とぎちぎちだったところもあっというまにひらいていく。
「あっ……あっ、あっ……あっ……だ、だめ……」
「だめじゃないでしょ? もっとっていわなきゃやめちゃうよ」
「やっ……それは……」
「ニーアさん、発声練習じゃないんだよ。そういうときはなんていうの?」
かあああと彼の肌が赤く染まっていく。
クリームを塗ったくられているのでなおさら肌の変化が目に入る。
つい、いじめたくなるというのはこういうときのことをいうのか。僕は指の第二関節を曲げて、しこりをつつく。
うつぶせになって、おしりを高く上げて、必死で声を押し殺す姿。最高にかわいい。無口じゃなくてシャイでウブなのだ。
額に汗をうかべて、ぷるぷると悶えて震える姿は支配欲を過度に高まらせ、庇護欲もわき上き上がらせる。
「ニアさん、もーっと足をひらいてここをみせてよ。前も汁がだらだら垂れて、よだれみたいにお腹を濡らしているね」
親指でスジをおさえて、ゆるゆると上下に動かして刺激を加えていく。ぴくんぴくんと腰が前後にゆれて、またいだ足先がぴんと伸びてる。
このまま張りつめたものを扱いたまま、ゆるめた場所をこじ開けて、ゆっくりと挿入してゆさぶりたい。
「あッ……りるくん……」
「なに?」
「……んッ……なにも」
「んー……、なにもないの?」
やましい欲望を彼に読まれないように僕はもっと指を奥深くに沈ませた。
彼の濃厚なオメガの匂いがアルファの本能を刺激して、そんな衝動に襲われそうになって理性を奮い立たせる。
「も、もっとおくに……ほ、…ほしい……です」
……クソ。ここで敬語なんて。かわいすぎるだろう。なんで隣室の真面目で堅物の警察官がこんなに魅力的でかわいいんだよ。
ずぶすぶと奥深くに沈めてやると、先っぽからしゅわっと液体が漏れでてきた。目が潤んでる。このまま刺激するまえにゴムをかぶせて、ゆっくりと追いつめて絶頂にみちびくのがいい。
最初は捜査を舐めていた。
即効性のある睡眠薬を直腸に塗りつけて、隣室にカメラを仕込んで回収だけすればいいと思っていた。
それに相手は頑固で堅物の警察官だ。つまらなくて、体よく追い出されるのかと予想していたし、チェンジしたら他の捜査員が担当する。
それがどうだ。
一目見て、面食らった。最優秀エージェントとして国に命を捧げてきた誇り高き自分が固まってしまうほどに。
正直いうと出会った瞬間、運命の番いかと思った。
一目惚れというのはこういうことをいうのだろうか。
この瞬間を例えるならば、ドーンときたところか。それともズドンと45口径で撃たれたというところか。
まさに運命。かわいい。妖精か。
リルリルフェアリルなんてくだらない源氏名をゲラゲラ笑いながらつけた同僚のリリーには殺意しかわかないが、噛んでしゃべる彼をみて謝意を伝えたいほどだった。
絶対に元締めじゃない。勘だ。
それは確実で、凶悪犯だったらバッド心中なしの愛の逃亡劇を考えなければならない。エージェントの勘が本能的にそう訴えたのがわかった。
彼の無実を証明しなければいけない。警察も犯罪局ももはやあの手この手で主犯を検挙しようとしている。
それから僕は必死だった。ありとあらゆるテクニックの総力を上げ、彼に嫌われないように、チェンジされないようにがんばった。
もちろん、ひと通り彼を満足させたら、隣室にカメラと盗聴器を仕込んでいた。
仲間にせっつかれて、彼の寝室にも仕込んでみたが、聞かせられるものはなかった(ほぼ自慰と巣作りというのも彼の名誉のために口を閉ざしておく)
難点といえば、彼が純粋すぎるところだ。
噓と誇張にまみれた僕の妹の話をハンカチで目頭をおさえて、黙って聞いて信じてくれた。いつでもこれるようにそれとなくプレミアムに加入するように勧めたのに、すぐに即決してしまった。
それなのにお人よしなのか、かれはつねに僕の都合を聞いて呼んでくれる。やさしくて、礼儀正しくて、いい人すぎるほどで、騙しているこっちが心配になってしまう。
「あっ……だめっ…、でるっ……でるでる……」
「蜂蜜ももっと足そうね、ニアさん?」
アルファのものを握りながら背中を弓なりにしてのけぞってる。やばいな。かわいいしかない。
最近はうしろだけでいきそうになっているところもさらに魅力度が増す。目の前の屹立した雄棒に舌を這わせながらも、その小さな舌先でチロチロさせてくる。
それがまたもどかしくて、かわいくて、もうダメだった。僕は完全に真面目で無口な彼の虜になっていた。
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
獅子王と後宮の白虎
三国華子
BL
#2020男子後宮BL 参加作品
間違えて獅子王のハーレムに入ってしまった白虎のお話です。
オメガバースです。
受けがゴリマッチョから細マッチョに変化します。
ムーンライトノベルズ様にて先行公開しております。
君の番として映りたい【オメガバース】
さか【傘路さか】
BL
全9話/オメガバース/休業中の俳優アルファ×ライター業で性別を隠すオメガ/受視点/
『水曜日の最初の上映回。左右から見たら中央あたり、前後で見たら後ろあたり。同じ座席にあのアルファは座っている』
ライター業をしている山吹は、家の近くのミニシアターで上映料が安い曜日に、最初の上映を観る習慣がある。ある時から、同じ人物が同じ回を、同じような席で見ている事に気がつく。
その人物は、俳優業をしている村雨だった。
山吹は昔から村雨のファンであり、だからこそ声を掛けるつもりはなかった。
だが、とある日。村雨の忘れ物を届けたことをきっかけに、休業中である彼と気晴らしに外出をする習慣がはじまってしまう。
※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。
無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。
自サイト:
https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/
誤字脱字報告フォーム:
https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f
要らないオメガは従者を望む
雪紫
BL
伯爵家次男、オメガのリオ・アイリーンは発情期の度に従者であるシルヴェスター・ダニングに抱かれている。
アルファの従者×オメガの主の話。
他サイトでも掲載しています。
[BL]王の独占、騎士の憂鬱
ざびえる
BL
ちょっとHな身分差ラブストーリー💕
騎士団長のオレオはイケメン君主が好きすぎて、日々悶々と身体をもてあましていた。そんなオレオは、自分の欲望が叶えられる場所があると聞いて…
王様サイド収録の完全版をKindleで販売してます。プロフィールのWebサイトから見れますので、興味がある方は是非ご覧になって下さい
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
見習い薬師は臆病者を抱いて眠る
XCX
BL
見習い薬師であるティオは、同期である兵士のソルダートに叶わぬ恋心を抱いていた。だが、生きて戻れる保証のない、未知未踏の深淵の森への探索隊の一員に選ばれたティオは、玉砕を知りつつも想いを告げる。
傷心のまま探索に出発した彼は、森の中で一人はぐれてしまう。身を守る術を持たないティオは——。
人嫌いな子持ち狐獣人×見習い薬師。
年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる