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「え!?」
「エリ様??」
「ならば、アーンバル帝国へ招待する!」
「え?え?何??」
三人から一斉に詰め寄られ、わたわたしていると「だってエリ様、外に世界に出てみるって・・・」とルリ。
「げっ!私声に出してたの??」
「えぇ、しっかりと」
スイも頷き、レイは可愛らしくも綺麗な顔をキラキラと今以上に輝かせている。
皆の圧がすごくて思わず仰け反りながら、「いや、どうしようか迷ってる段階で・・・」しどろもどろで返せば、レイがそれはそれはいい笑顔で提案してきた。
「俺が完治し帝国へ戻る時に、一緒にいかないか?」
「え?帝国へ?」
「あぁ、エリは命の恩人で礼をしたいのもあるが、見ず知らずの国へいきなり行くよりは、俺の国で色々慣れてくれればいい」
なるほど・・・ここは結局は私の世界の常識で回っている。
というか、ルリとスイしかいないから、それほど生活常識に差異が感じられなかった。
でも、種族ごとに生活様式も常識も違ってくるはず。
私がいた世界で、日本と外国の生活文化や常識が違ったように。
「そうね・・・観光って事でお邪魔してもいいかしら?」
私の言葉に「喜んで!」と、どこかの居酒屋の店員の様な返事を返すレイ。
ルリとスイもいるから、大丈夫よね?初めての海外旅行に行くような気がして、ちょっとワクワクしてきたのは仕方がない。
いずれ会うことも無くなるんだから、あまり親しくはしないほうがいいんだろうけど・・・まぁ、友人枠という事での付き合いでもいいわよね?
海外に友達ができたって感覚で。
魔道具で手紙のやり取りもできるんだし、レイならここの事、誰にも言わないと思うし。
「ふふふ・・・私、前にいた世界でも旅行ってほとんどしたことがなかったの。ましてや、自国から出たことがなかったから、楽しみだわ」
いつになく浮かれる私を、ルリとスイは嬉しそうに、レイは頬をほんのり染めながらも嬉しそうに笑った。
それからの毎日は、レイが居るとはいえ普段と何ら変わることは無かった。
レイは父である前帝と頻繁に文を交わし、時には決裁書類まで送られてきて、文句を言いながらも仕事をしている。
そして何より、日を追うごとに成長していく彼を、私は不思議な生物でも見てしまうかのように、毎日、観察していた。
「レイ・・・昨日よりも背が伸びてるわね・・・」
五日も経てば、容姿はまだ幼さを残しているものの凛々しく、背丈は私をわずかに追い越してしまった。
ルリとスイは元々背が低いので、あっという間だったけれど。
「あぁ、順調に回復しているようだ。俺も早くエリを国に招待したいからな」
そう言って笑う顔は、自信に満ちたまさに覇者の顔。
思わずドキリと胸が高鳴ったけれど、子供だと思ったのが(中身は大人だけどね)日ごとに成長していく・・・
「なんか、姉が弟の成長を早送りで見てるみたい・・・」
「・・・それは語弊があるぞ。俺はエリより遥かに年上だ。明日は今より、明後日はそれ以上に、元の姿に近づいていく。俺が本当の姿に戻っても、変わらずに接してくれよ」
そう言って私に抱き着き、甘える様にその頭に頬を摺り寄せた。
「いや、本来の姿でこんな事したら、色々まずいんじゃないの?」
「え?なんで?」
本当にわからない・・・みたいな顔して・・・可愛いんだから!
「レイは皇帝でしょ?恋人や婚約者でもない女性に、今みたいな事したら、誤解されるわよ」
「エリも誤解してくれる?」
ほんの少し首を傾げ、私の瞳を覗き込むその仕草に、大人のレイを見た気がしてドキドキしちゃったわ。
「そうね、誤解しちゃいそうだわ。でも、今のレイに手を出したら犯罪者なっちゃうわ、私」
「犯罪者?」
「そうよ。本当の年齢が私より年上でも、この見た目はどう見ても少年よね。私がいた世界では確実に捕まっちゃうわね」
この姿のままだと、ヤバいじゃすまないわよ。
そう話すとレイはちょっと考える素振りをした後、にっこりとほほ笑んだ。
「じゃあ、やはり俺が本来の姿に戻ってからも、今と変わらず接するしかないね」
「え?」
「だって、今は弟の様に接してくれているけど、大人の姿に変わったからって急に態度を変えるのも悲しいだろ?」
「まぁ、うん・・・そうかな?」
「俺は寂しい。あれだけ抱きしめられて頬擦りされて、ご飯を食べさせてくれて。それを突然止められたら寂しくて悲しくなる」
昨日まで可愛がっていたのが、今日急に突き放す・・・なんて、された方は傷つくよね。する方も辛いけど。
「う~ん・・・でも、大人のレイに同じようにするには、恥ずかしいかも」
「大丈夫。毎日、挨拶の様に習慣づければいいんだよ。そうすれば、慣れるから」
「ねっ」と、どこか圧を感じる笑顔に押し切れら、思わず頷いてしまった私。
幼いままならまだしも、日に日に成長し続ける美しい青年を前に、冷静に考えなくても、たかだか十日で慣れるはずなどないのに。
圧に負けて安易に頷いてしまった私。
後々、後悔する事をその時は知る由もなかった。
「エリ様??」
「ならば、アーンバル帝国へ招待する!」
「え?え?何??」
三人から一斉に詰め寄られ、わたわたしていると「だってエリ様、外に世界に出てみるって・・・」とルリ。
「げっ!私声に出してたの??」
「えぇ、しっかりと」
スイも頷き、レイは可愛らしくも綺麗な顔をキラキラと今以上に輝かせている。
皆の圧がすごくて思わず仰け反りながら、「いや、どうしようか迷ってる段階で・・・」しどろもどろで返せば、レイがそれはそれはいい笑顔で提案してきた。
「俺が完治し帝国へ戻る時に、一緒にいかないか?」
「え?帝国へ?」
「あぁ、エリは命の恩人で礼をしたいのもあるが、見ず知らずの国へいきなり行くよりは、俺の国で色々慣れてくれればいい」
なるほど・・・ここは結局は私の世界の常識で回っている。
というか、ルリとスイしかいないから、それほど生活常識に差異が感じられなかった。
でも、種族ごとに生活様式も常識も違ってくるはず。
私がいた世界で、日本と外国の生活文化や常識が違ったように。
「そうね・・・観光って事でお邪魔してもいいかしら?」
私の言葉に「喜んで!」と、どこかの居酒屋の店員の様な返事を返すレイ。
ルリとスイもいるから、大丈夫よね?初めての海外旅行に行くような気がして、ちょっとワクワクしてきたのは仕方がない。
いずれ会うことも無くなるんだから、あまり親しくはしないほうがいいんだろうけど・・・まぁ、友人枠という事での付き合いでもいいわよね?
海外に友達ができたって感覚で。
魔道具で手紙のやり取りもできるんだし、レイならここの事、誰にも言わないと思うし。
「ふふふ・・・私、前にいた世界でも旅行ってほとんどしたことがなかったの。ましてや、自国から出たことがなかったから、楽しみだわ」
いつになく浮かれる私を、ルリとスイは嬉しそうに、レイは頬をほんのり染めながらも嬉しそうに笑った。
それからの毎日は、レイが居るとはいえ普段と何ら変わることは無かった。
レイは父である前帝と頻繁に文を交わし、時には決裁書類まで送られてきて、文句を言いながらも仕事をしている。
そして何より、日を追うごとに成長していく彼を、私は不思議な生物でも見てしまうかのように、毎日、観察していた。
「レイ・・・昨日よりも背が伸びてるわね・・・」
五日も経てば、容姿はまだ幼さを残しているものの凛々しく、背丈は私をわずかに追い越してしまった。
ルリとスイは元々背が低いので、あっという間だったけれど。
「あぁ、順調に回復しているようだ。俺も早くエリを国に招待したいからな」
そう言って笑う顔は、自信に満ちたまさに覇者の顔。
思わずドキリと胸が高鳴ったけれど、子供だと思ったのが(中身は大人だけどね)日ごとに成長していく・・・
「なんか、姉が弟の成長を早送りで見てるみたい・・・」
「・・・それは語弊があるぞ。俺はエリより遥かに年上だ。明日は今より、明後日はそれ以上に、元の姿に近づいていく。俺が本当の姿に戻っても、変わらずに接してくれよ」
そう言って私に抱き着き、甘える様にその頭に頬を摺り寄せた。
「いや、本来の姿でこんな事したら、色々まずいんじゃないの?」
「え?なんで?」
本当にわからない・・・みたいな顔して・・・可愛いんだから!
「レイは皇帝でしょ?恋人や婚約者でもない女性に、今みたいな事したら、誤解されるわよ」
「エリも誤解してくれる?」
ほんの少し首を傾げ、私の瞳を覗き込むその仕草に、大人のレイを見た気がしてドキドキしちゃったわ。
「そうね、誤解しちゃいそうだわ。でも、今のレイに手を出したら犯罪者なっちゃうわ、私」
「犯罪者?」
「そうよ。本当の年齢が私より年上でも、この見た目はどう見ても少年よね。私がいた世界では確実に捕まっちゃうわね」
この姿のままだと、ヤバいじゃすまないわよ。
そう話すとレイはちょっと考える素振りをした後、にっこりとほほ笑んだ。
「じゃあ、やはり俺が本来の姿に戻ってからも、今と変わらず接するしかないね」
「え?」
「だって、今は弟の様に接してくれているけど、大人の姿に変わったからって急に態度を変えるのも悲しいだろ?」
「まぁ、うん・・・そうかな?」
「俺は寂しい。あれだけ抱きしめられて頬擦りされて、ご飯を食べさせてくれて。それを突然止められたら寂しくて悲しくなる」
昨日まで可愛がっていたのが、今日急に突き放す・・・なんて、された方は傷つくよね。する方も辛いけど。
「う~ん・・・でも、大人のレイに同じようにするには、恥ずかしいかも」
「大丈夫。毎日、挨拶の様に習慣づければいいんだよ。そうすれば、慣れるから」
「ねっ」と、どこか圧を感じる笑顔に押し切れら、思わず頷いてしまった私。
幼いままならまだしも、日に日に成長し続ける美しい青年を前に、冷静に考えなくても、たかだか十日で慣れるはずなどないのに。
圧に負けて安易に頷いてしまった私。
後々、後悔する事をその時は知る由もなかった。
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