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108 オーク討伐
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小さな森から様子を窺うように顔を出すオークが数体。向こうもこちらの動きに気づいている。
「思っていたよりも数が多かったわね」
「ニールは拠点を二つ頼むにゃ」
「一つはアルベロの分で、もう一つはアドリーシャの分?」
「アドリーシャが前に出ないように、ニールも一緒にいて指示を頼むにゃ」
「わかった」
さすがに結構な高さになるのでアドリーシャが飛び降りて前線に向かうことはないと思うけど、特訓の時のように僕が指示出しをすることで落ち着いてみんなをフォローできるのではないだろうか。
すぐに地面を触りながらインベントリに入れた土の塊を縦に積み重ねていく。
「こ、こんなことが!?」
そういえば口では説明したものの、アドリーシャが実際に僕の拠点造りを見るのははじめてだ。
森の正面にアルベロの拠点を完成させた。周囲を削るように堀を造っているので、背の高いオークでも近づくことは無理だろう。
「アドリーシャ、こっちに来て」
「は、はい。ニール様」
僕たちの拠点はアルベロの位置よりも少し前で矢の斜線にかぶらない右斜めにする。
二人が乗るので、横積みの三段重ねにしよう。
「先に登っておいて」
「わかりました」
後方を階段状に積み重ねてるので堀を造り終えたら、消しながら僕も登っていく。
すでにルイーズとキャットアイは森から出てきたオークとの戦闘になっている。
二対二の戦いのため、スピードに優る二人があっという間に倒していく。
しかしながら、続いて現れるオークの群れを正面から相手にすることはしない。
群れを引きつけつつ、拠点の方へとオークを誘導する。
「アルベロ、お願いねー」
二人と入れ替わるようにして矢がオークへと突き刺さっていく。いや、威力が強すぎて軒並みその豚頭を吹き飛ばしていく。討伐報酬がなくなっていく……。まあ、ここは確実に倒すことが大事だ。
「相変わらず外さないよね」
「はい。すごいです……」
「こちらも支援をはじめようか。前の二人にディオスとマポーフィックを」
「はい、ディオス、マポーフィック!」
体力の回復と魔法の盾で前線をフォロー。これは今までになかった戦い方なので、強敵を前にしても戦線を維持できる時間を稼ぐことができる。
どうやらアドリーシャはいつもの特訓の時のように落ち着いて支援魔法を飛ばしている。
さて、僕はマハリトのスクロールの準備かな。と、思ったら森から一際大きな巨体のオークが出てきた。そして、その隣には黒いロープをまとった魔法使いのような人型の魔物までいる。
「キュイッ!」
「気をつけるにゃ! あれはオークジェネラルとエビルプリーストにゃ」
「どちらもランクBよ。ルイーズ、あれからなるべく離れるようにして戦って」
「わ、わかったー」
ランクBコンビはアルベロとキャットアイが受け持つように陣形を変えていく。
しかしながら、その動きを読んでいるかのようにオークの群れがキャットアイを囲むように動いていく。
「ちっ、気をつけるにゃ!」
キャットアイは僕に向かってそう呼びかけた。つまり、ランクBコンビが後衛チームに狙いを定めているということだ。
そして、その予想は的中してしまう。
「ニール様! ど、ど、どうしましましゅ」
オークよりも一回り大きい巨体ではあるものの、さすがに拠点の上までは届かないはず。
「念の為、アドリーシャと僕にマポーフィックを。それから、キャットアイの支援をメインに動いて」
「か、かしこまりゅましゅた!」
しかしながら、突進してきたオークジェネラルは持っていた斧をぐるぐると回しながら僕とアドリーシャに向けて投げ放ってきた。
「あ、危ないっ!」
その攻撃は拠点の上部ごと吹き飛ばすかのような勢いで投げてきた。
まだマポーフィックが掛けられていない以上、くらったら大ダメージになってしまう。
僕は拠点の上部をインベントリに入れて一段下に落とすと、その真上を恐ろしいスピードで斧が通り過ぎていった。
急に落下したことで、アドリーシャもルリカラも下に落ちそうになる。
間一髪でアドリーシャの手を掴む。ルリカラは……翼があるから大丈夫だよね!?
「ひ、ひゃあああー!」
「アドリーシャ、落ち着いて。マポーフィックを!」
「ふぁ、ふあい。 マポーフィック!」
拠点を一段下げてしまったことで、オークジェネラルの攻撃が届きかねない位置まで下がってしまっている。
にやりと笑ったオークジェネラルは再び走り出す。そして、ジャンプ一番、拠点に飛び乗ろうとやってきた。
しかしながら、その瞬間を逃すアルベロではない。空中で身動きのとれなくなったオークジェネラルの胴体を見事にとらえた矢が飛んでくる。
「@eg/wptwtpmrf@///ajk」
しかしながら、敵も一人ではない。
それはオークジェネラルの巨体に身を隠すように近づいていたエビルプリーストの魔法だった。
強烈な強風が下から巻き起こると、矢の射線をわずかにずらしてしまう。
ジャンプをしながら少しだけ首を横にずらしたオークジェネラルをかすめるようにして矢が通り過ぎてしまう。
「ニール、逃げて!」
アルベロの叫び声は聞こえている。
しかしながら、僕の後ろには怯えているアドリーシャがいる。抱えて飛び降りるか。それとも……迎え撃つ?
スクロールは間に合わない。ケルベロスの召喚石はまだ試してもいない。ど、どうすればいい。
ドシーンッ! と、すぐ目の前にはオークジェネラルが拠点の上に。目と鼻の先にその巨体が立ちはだかった。
オークジェネラルは、僕に向かってその拳でもって殴りかかってきた。
「思っていたよりも数が多かったわね」
「ニールは拠点を二つ頼むにゃ」
「一つはアルベロの分で、もう一つはアドリーシャの分?」
「アドリーシャが前に出ないように、ニールも一緒にいて指示を頼むにゃ」
「わかった」
さすがに結構な高さになるのでアドリーシャが飛び降りて前線に向かうことはないと思うけど、特訓の時のように僕が指示出しをすることで落ち着いてみんなをフォローできるのではないだろうか。
すぐに地面を触りながらインベントリに入れた土の塊を縦に積み重ねていく。
「こ、こんなことが!?」
そういえば口では説明したものの、アドリーシャが実際に僕の拠点造りを見るのははじめてだ。
森の正面にアルベロの拠点を完成させた。周囲を削るように堀を造っているので、背の高いオークでも近づくことは無理だろう。
「アドリーシャ、こっちに来て」
「は、はい。ニール様」
僕たちの拠点はアルベロの位置よりも少し前で矢の斜線にかぶらない右斜めにする。
二人が乗るので、横積みの三段重ねにしよう。
「先に登っておいて」
「わかりました」
後方を階段状に積み重ねてるので堀を造り終えたら、消しながら僕も登っていく。
すでにルイーズとキャットアイは森から出てきたオークとの戦闘になっている。
二対二の戦いのため、スピードに優る二人があっという間に倒していく。
しかしながら、続いて現れるオークの群れを正面から相手にすることはしない。
群れを引きつけつつ、拠点の方へとオークを誘導する。
「アルベロ、お願いねー」
二人と入れ替わるようにして矢がオークへと突き刺さっていく。いや、威力が強すぎて軒並みその豚頭を吹き飛ばしていく。討伐報酬がなくなっていく……。まあ、ここは確実に倒すことが大事だ。
「相変わらず外さないよね」
「はい。すごいです……」
「こちらも支援をはじめようか。前の二人にディオスとマポーフィックを」
「はい、ディオス、マポーフィック!」
体力の回復と魔法の盾で前線をフォロー。これは今までになかった戦い方なので、強敵を前にしても戦線を維持できる時間を稼ぐことができる。
どうやらアドリーシャはいつもの特訓の時のように落ち着いて支援魔法を飛ばしている。
さて、僕はマハリトのスクロールの準備かな。と、思ったら森から一際大きな巨体のオークが出てきた。そして、その隣には黒いロープをまとった魔法使いのような人型の魔物までいる。
「キュイッ!」
「気をつけるにゃ! あれはオークジェネラルとエビルプリーストにゃ」
「どちらもランクBよ。ルイーズ、あれからなるべく離れるようにして戦って」
「わ、わかったー」
ランクBコンビはアルベロとキャットアイが受け持つように陣形を変えていく。
しかしながら、その動きを読んでいるかのようにオークの群れがキャットアイを囲むように動いていく。
「ちっ、気をつけるにゃ!」
キャットアイは僕に向かってそう呼びかけた。つまり、ランクBコンビが後衛チームに狙いを定めているということだ。
そして、その予想は的中してしまう。
「ニール様! ど、ど、どうしましましゅ」
オークよりも一回り大きい巨体ではあるものの、さすがに拠点の上までは届かないはず。
「念の為、アドリーシャと僕にマポーフィックを。それから、キャットアイの支援をメインに動いて」
「か、かしこまりゅましゅた!」
しかしながら、突進してきたオークジェネラルは持っていた斧をぐるぐると回しながら僕とアドリーシャに向けて投げ放ってきた。
「あ、危ないっ!」
その攻撃は拠点の上部ごと吹き飛ばすかのような勢いで投げてきた。
まだマポーフィックが掛けられていない以上、くらったら大ダメージになってしまう。
僕は拠点の上部をインベントリに入れて一段下に落とすと、その真上を恐ろしいスピードで斧が通り過ぎていった。
急に落下したことで、アドリーシャもルリカラも下に落ちそうになる。
間一髪でアドリーシャの手を掴む。ルリカラは……翼があるから大丈夫だよね!?
「ひ、ひゃあああー!」
「アドリーシャ、落ち着いて。マポーフィックを!」
「ふぁ、ふあい。 マポーフィック!」
拠点を一段下げてしまったことで、オークジェネラルの攻撃が届きかねない位置まで下がってしまっている。
にやりと笑ったオークジェネラルは再び走り出す。そして、ジャンプ一番、拠点に飛び乗ろうとやってきた。
しかしながら、その瞬間を逃すアルベロではない。空中で身動きのとれなくなったオークジェネラルの胴体を見事にとらえた矢が飛んでくる。
「@eg/wptwtpmrf@///ajk」
しかしながら、敵も一人ではない。
それはオークジェネラルの巨体に身を隠すように近づいていたエビルプリーストの魔法だった。
強烈な強風が下から巻き起こると、矢の射線をわずかにずらしてしまう。
ジャンプをしながら少しだけ首を横にずらしたオークジェネラルをかすめるようにして矢が通り過ぎてしまう。
「ニール、逃げて!」
アルベロの叫び声は聞こえている。
しかしながら、僕の後ろには怯えているアドリーシャがいる。抱えて飛び降りるか。それとも……迎え撃つ?
スクロールは間に合わない。ケルベロスの召喚石はまだ試してもいない。ど、どうすればいい。
ドシーンッ! と、すぐ目の前にはオークジェネラルが拠点の上に。目と鼻の先にその巨体が立ちはだかった。
オークジェネラルは、僕に向かってその拳でもって殴りかかってきた。
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