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52 超格上討伐ガチャ1
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「スープ温めてもらったわ。って、何かちょっと元気になってる?」
「いや、まだ微妙なんだけどさ。それより、今回Aランクの魔物を倒したからガチャがどうなってるかと想像したらね」
「格上討伐ガチャ、壊れない矢が出るのね!」
「それが出るかはわからないけどね」
「それで、格上討伐ガチャ。出でるの?」
「まだ呼び出してないからわからない」
「もーう、うるさいとニールが起きちゃうでしょーって、あれっ、ニールが起きてる。おはよー」
もう昼過ぎだけどね。寝ていたルイーズを逆に僕たちが起こしてしまった。僕の看病であまり寝てなかったのだろう。ちょっと申し訳ない。
「うん。おはよう、ルイーズ」
「それで、何をそんなに騒いでいるの?」
「今回Aランクのシーデーモンを倒したから、ガチャにまた格上討伐ガチャが現れるのかなーって」
「か、格上討伐ガチャ! 疾風のレイピアが出たあの伝説のガチャをまた回せるの? あー、でも今回、私は一緒に倒してなーい!」
やはり格上討伐ガチャの信頼度はとても高いようだ。こんなにハズレのないガチャはない。
短弓ハジャーダ、疾風のレイピア、聖獣ホワイトドラゴン。確かに大当たりしか出ていないからルイーズが残念がるのもわかる気がする。
「あれっ、そうなるとキャットアイさんの分も出る可能性があるのかな」
「えー、同じパーティメンバーだけに限定してくれないかなー」
「それで、ガチャはどうなの? ニール!」
アルベロはもう待てないみたいだ。いつもクールなアルベロがとても前のめりである。
「ちょっと待って、今呼び出してみるから」
心の中でスキルガチャを起動する。
荘厳な銅鑼の音が響き渡ると、黄金の象がパオーンと鼻を上げ下げしている。いや、これは象ではなくガチャガチャだ。
ボディは全て金色に輝き、いつものイルミネーションの代わりに踊り子のお姉さんがガチャガチャの周りを踊っている。
「えっ、お姉さん!?」
「な、何?」
「格上討伐ガチャなの!」
「えーっとね。ちょっと待って」
ガチャガチャのボディには金貨一枚の文字と超格上討伐ガチャの文言。
「……格上」
「えっ? 聞こえないよー」
「やっぱり、格上なのね!」
「違うんだ」
「ち、違うの?」
「今回のは、超格上討伐ガチャなんだ」
「超格上討伐ガチャ!?」
「このガチャは一回、金貨一枚」
「き、き、金貨ー!!!」
「金貨って、あ、あの、金貨よね」
「ど、ど、どうしよう」
「落ち着いて。どちらにしても回すしかないじゃない。それで、何回ガチャを回せるの? 私の矢は出るの?」
「お、落ち着いて、アルベロ。今回も三回……みたいだね」
インドの神様のような出で立ちの象は、色とりどりの宝石で飾りつけされていて、おでこのあたりに数字の三がピカピカと光っている。
「ニール、ま、回しましょう」
「アルベロ、僕、金貨持ってないんだけど……」
「……私も持ってないわ。ルイーズは?」
「えっ、最近、金貨を見たことないかもー」
そりゃそうだ。普通に生活している駆け出し冒険者が金貨なんて持っているわけがないし、持ち歩いていたらそれはそれで危険。
「金貨ってどこで手に入れられるの。両替とかできるの?」
「お店でも持ってないと思うから、冒険者ギルドに行くしかないかも。あー、さっきまで冒険者ギルドにいたのに!」
「大丈夫、多分時間制限とかじゃないと思うから」
そ、そうだよね。超格上討伐ガチャ。
踊り子のお姉さんは、いつまで踊らせるのよと言いたげな表情で僕を見てくる。
いや、休んでもいいんだよ。
「じゃあ、私、冒険者ギルドに行ってくる」
「う、うん。ごめんね、アルベロ」
アルベロは急いで部屋を出ていってしまった。ちゃんと両替用の銀貨を持っているだろうか。
それとも、ひょっとしたら報奨金の前借りとか可能なのかな。金貨三枚とかもらえるとは思えないけど、いや、Aランクの魔物だけに可能性はあるのか!?
すると、あまりの騒がしさに、ぐっすり眠っていたルリカラも何事かと起きてしまった。
「ごめんね、ルリカラ」
ルリカラはガチャの方を見て「あれは何なの?」と僕に問いかけてくる。
「ルリカラにもガチャが見えるの?」
「ピュイ」
「えー、そうなのー。いいなー私もガチャしてみたいのにー」
ルリカラは僕に向かってうなずくとガチャの周りを踊るお姉さんに合わせて翼をパタパタさせている。
さすが聖獣。ひょっとしてこの金色の象さんともお友達なのだろうか?
そんな奇抜な奴は友達じゃない。と僕の頭の中にルリカラのメッセージがすぐさま届いた。
奇抜な象か、確かにガチャガチャボディで金色の象とか不思議生物でしかない。
ガチャって何? ルリカラにそう聞かれても、何て答えたものか。このガチャで君が出てきたんだよとか言ったら驚くだろうか。
いや、まあ、ショックを受けるかもしれない。
ルリカラは自分を偉大な聖獣と自負しているだけに、こんなよくわからない機械から現れたと聞いたら困惑するだろう。ここは内緒にしておこうか。
「このガチャはお金を入れると武器とか魔道具が出てくるんだよ」
ふーん。よくわからないけど、この音楽は楽しい。そんな気持ちとともに翼だけでなく頭を上下させてのりのりなルリカラだった。
「いや、まだ微妙なんだけどさ。それより、今回Aランクの魔物を倒したからガチャがどうなってるかと想像したらね」
「格上討伐ガチャ、壊れない矢が出るのね!」
「それが出るかはわからないけどね」
「それで、格上討伐ガチャ。出でるの?」
「まだ呼び出してないからわからない」
「もーう、うるさいとニールが起きちゃうでしょーって、あれっ、ニールが起きてる。おはよー」
もう昼過ぎだけどね。寝ていたルイーズを逆に僕たちが起こしてしまった。僕の看病であまり寝てなかったのだろう。ちょっと申し訳ない。
「うん。おはよう、ルイーズ」
「それで、何をそんなに騒いでいるの?」
「今回Aランクのシーデーモンを倒したから、ガチャにまた格上討伐ガチャが現れるのかなーって」
「か、格上討伐ガチャ! 疾風のレイピアが出たあの伝説のガチャをまた回せるの? あー、でも今回、私は一緒に倒してなーい!」
やはり格上討伐ガチャの信頼度はとても高いようだ。こんなにハズレのないガチャはない。
短弓ハジャーダ、疾風のレイピア、聖獣ホワイトドラゴン。確かに大当たりしか出ていないからルイーズが残念がるのもわかる気がする。
「あれっ、そうなるとキャットアイさんの分も出る可能性があるのかな」
「えー、同じパーティメンバーだけに限定してくれないかなー」
「それで、ガチャはどうなの? ニール!」
アルベロはもう待てないみたいだ。いつもクールなアルベロがとても前のめりである。
「ちょっと待って、今呼び出してみるから」
心の中でスキルガチャを起動する。
荘厳な銅鑼の音が響き渡ると、黄金の象がパオーンと鼻を上げ下げしている。いや、これは象ではなくガチャガチャだ。
ボディは全て金色に輝き、いつものイルミネーションの代わりに踊り子のお姉さんがガチャガチャの周りを踊っている。
「えっ、お姉さん!?」
「な、何?」
「格上討伐ガチャなの!」
「えーっとね。ちょっと待って」
ガチャガチャのボディには金貨一枚の文字と超格上討伐ガチャの文言。
「……格上」
「えっ? 聞こえないよー」
「やっぱり、格上なのね!」
「違うんだ」
「ち、違うの?」
「今回のは、超格上討伐ガチャなんだ」
「超格上討伐ガチャ!?」
「このガチャは一回、金貨一枚」
「き、き、金貨ー!!!」
「金貨って、あ、あの、金貨よね」
「ど、ど、どうしよう」
「落ち着いて。どちらにしても回すしかないじゃない。それで、何回ガチャを回せるの? 私の矢は出るの?」
「お、落ち着いて、アルベロ。今回も三回……みたいだね」
インドの神様のような出で立ちの象は、色とりどりの宝石で飾りつけされていて、おでこのあたりに数字の三がピカピカと光っている。
「ニール、ま、回しましょう」
「アルベロ、僕、金貨持ってないんだけど……」
「……私も持ってないわ。ルイーズは?」
「えっ、最近、金貨を見たことないかもー」
そりゃそうだ。普通に生活している駆け出し冒険者が金貨なんて持っているわけがないし、持ち歩いていたらそれはそれで危険。
「金貨ってどこで手に入れられるの。両替とかできるの?」
「お店でも持ってないと思うから、冒険者ギルドに行くしかないかも。あー、さっきまで冒険者ギルドにいたのに!」
「大丈夫、多分時間制限とかじゃないと思うから」
そ、そうだよね。超格上討伐ガチャ。
踊り子のお姉さんは、いつまで踊らせるのよと言いたげな表情で僕を見てくる。
いや、休んでもいいんだよ。
「じゃあ、私、冒険者ギルドに行ってくる」
「う、うん。ごめんね、アルベロ」
アルベロは急いで部屋を出ていってしまった。ちゃんと両替用の銀貨を持っているだろうか。
それとも、ひょっとしたら報奨金の前借りとか可能なのかな。金貨三枚とかもらえるとは思えないけど、いや、Aランクの魔物だけに可能性はあるのか!?
すると、あまりの騒がしさに、ぐっすり眠っていたルリカラも何事かと起きてしまった。
「ごめんね、ルリカラ」
ルリカラはガチャの方を見て「あれは何なの?」と僕に問いかけてくる。
「ルリカラにもガチャが見えるの?」
「ピュイ」
「えー、そうなのー。いいなー私もガチャしてみたいのにー」
ルリカラは僕に向かってうなずくとガチャの周りを踊るお姉さんに合わせて翼をパタパタさせている。
さすが聖獣。ひょっとしてこの金色の象さんともお友達なのだろうか?
そんな奇抜な奴は友達じゃない。と僕の頭の中にルリカラのメッセージがすぐさま届いた。
奇抜な象か、確かにガチャガチャボディで金色の象とか不思議生物でしかない。
ガチャって何? ルリカラにそう聞かれても、何て答えたものか。このガチャで君が出てきたんだよとか言ったら驚くだろうか。
いや、まあ、ショックを受けるかもしれない。
ルリカラは自分を偉大な聖獣と自負しているだけに、こんなよくわからない機械から現れたと聞いたら困惑するだろう。ここは内緒にしておこうか。
「このガチャはお金を入れると武器とか魔道具が出てくるんだよ」
ふーん。よくわからないけど、この音楽は楽しい。そんな気持ちとともに翼だけでなく頭を上下させてのりのりなルリカラだった。
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