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41 ソードフィッシュガチャ
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バブルクラブを安全に狩るなら、巣穴前に撒き餌作戦というのは危険すぎると判断した。
何体現れるか予想できないし、ルリカラによる聖なるブレスという保険がなくなった以上は少なくとも今日はやめておこうとなった。
僕もローリングカニアタックはもうごめんである。
ちなみに巣穴を壊すことは冒険者ギルドから許可されていない。この街はバブルクラブを名物料理として売り出しているので、定期的な狩りは許されていても、絶滅させることはよしとしていないのだ。
ある意味で魔物と共存している不思議な関係性がある。
「これからどうしよっか」
せっかく街から離れた場所まで遠征しているのに、このまま帰るというのも悲しい。
「そういえばさー、昨日はあれだけソードフィッシュを狩ったんだし、新しいガチャは出てないの?」
ルイーズにしては鋭い指摘をしてくる。確かに昨日は結構な数のソードフィッシュを狩っている。
ダンパーとのいざこざがなければ夜にでも確認したはずなんだけど、さすがに疲れていたのですぐに眠ってしまったのだ。
「えっ、新しいガチャ出てるの?」
ルイーズだけでなくアルベロも気になっている。やはり、短弓ハジャーダが出たことでガチャへの可能性を感じているのだろう。
「ちょっと待ってね。調べてみるから。えーっと、スキルガチャ起動」
すぐに現れたのはガチャガチャの機械。黒いメタリックなカラーに頭の部分に背びれが付いている。いつもの通常ガチャではない。これは完全に間違いなくソードフィッシュガチャだ。
シャー、シャー、シャーという、まるで海を素早く泳ぐソードフィッシュ音とともにキラキラとしたイルミネーションが輝いている。ガチャも大変やる気にみなぎっている。
もちろん読むまでもなくソードフィッシュ討伐ガチャと書かれていて、コイン投入口には小銀貨一枚となっている。
「おお、出た! ソードフィッシュガチャだ」
「やったー」
「な、何が出るの?」
「それは回してみないとわからないけど、ジャイアントトードガチャと同じ小銀貨一枚のガチャだから似たような感じなのかな」
ジャイアントトードガチャの時は魔法のスクロールと討伐部位にお肉。それからお人形とハンカチと石が出た。
さて、何回まわしてみるか。
実は二人から武器のお礼ということで、実費が掛かっているガチャ代として銀貨五枚づつ頂いている。
最初は金貨二枚渡すとか言われたのだけど、さすがにもらいすぎな気がするので遠慮させてもらった。金貨二枚って二十万円分の価値だからね。
二人だってそんなに貯金があるわけではないのは知っている。いくら武器の値段が高くレア物だったとしても、このガチャは二人の協力あっての討伐ガチャだったのだし、お気持ちだけで十分なのだ。
「とりあえず、ジャイアントトードガチャの時と同じ数、銀貨二枚分回してみようと思う」
「お人形が出たら私にちょうだいねー」
ソードフィッシュの人形に需要があるのか。頭の尖った魚だよ。いくらデフォルメされても可愛くなるとは思えない。
「壊れない矢とか出ないかしら?」
「欲望がだだ漏れだよアルベロ」
「だって、本当に悩んでるし」
さすがにEランクのソードフィッシュガチャでそんな期待できそうな武器が出ることはないだろう。
ということで、小銀貨二十枚分回した結果発表といこう。
●ディルトのスクロール×二本
●ソードフィッシュのツノ×一個
●ソードフィッシュのお肉×一個
●ソードフィッシュのキーホルダー×一個
●ソードフィッシュの缶バッジ×一個
●ちょっときれいな貝殻×十四個
ディルトは敵を暗闇に包む闇属性の魔法でスクロールとしては珍しいそうだ。
スクロールは保険の魔法みたいなイメージが強いようで、補助魔法的なスクロールは軒並み人気がないとのこと。
でも、このスクロールがあれば敵を暗闇に包んでいる間に逃げ出せたりとか使い道はかなりあると思う。ということで、インベントリに収納させてもらう。
討伐報酬のツノや追加報酬の肉はいいとして、また珍しい物が出てきた。
「これ、かわいいー。ニール、ちょうだい」
「アルベロは興味ない感じ?」
「ええ、興味ないわ」
「じゃあ、これはルイーズに」
「わーい」
ルイーズに渡したのはキーホルダーと缶バッジ。どちらもソードフィッシュがデフォルメされたキャラクターのものだ。
「もらったのはいいけど、これってどう使うものなの?」
「こっちはキーホルダーで、カギとかに付けられるんだ。で、こっちは缶バッジといってバッグにこうやってつけられるんだ」
「おおー。ジャイアントトード人形の横に仲間が増えたー」
キーホルダーはまだしも、缶バッジとかどんな需要があるのだろうか。ルイーズ以外に欲しがる人が浮かばない。
「で、残りは貝殻というわけね」
ひょっとしてら何かに使えるのではないかと見ていたアルベロだけど、それはいくら見ても貝殻以上のものではないのでそのまま砂浜に放置することにした。
別に小さな穴を開けてネックレスとか作ったりはしない。ジャラジャラとうるさそうだしね。
「まだ回してみる?」
「どうだろうね。これ以上回してもスクロール以上のものは出ないと思うよ」
ディルトのスクロールはそれなりに使い道はありそうだけど、お金をかけてもっと欲しいかと問われるとそうでもない。
ガチャにお金をかけるのは銀貨ガチャ以上の時じゃないだろうか。来るかわからないけど金貨ガチャとか現れた時にお金が無くて回せないという状況は避けたい。
そういう意味で、貯金をしていかなければならないと思っている。少なくとも数回は塩販売で荒稼ぎはできるはず。それでもあまり相場を崩すのも得策ではないからやり過ぎは禁物だ。
何体現れるか予想できないし、ルリカラによる聖なるブレスという保険がなくなった以上は少なくとも今日はやめておこうとなった。
僕もローリングカニアタックはもうごめんである。
ちなみに巣穴を壊すことは冒険者ギルドから許可されていない。この街はバブルクラブを名物料理として売り出しているので、定期的な狩りは許されていても、絶滅させることはよしとしていないのだ。
ある意味で魔物と共存している不思議な関係性がある。
「これからどうしよっか」
せっかく街から離れた場所まで遠征しているのに、このまま帰るというのも悲しい。
「そういえばさー、昨日はあれだけソードフィッシュを狩ったんだし、新しいガチャは出てないの?」
ルイーズにしては鋭い指摘をしてくる。確かに昨日は結構な数のソードフィッシュを狩っている。
ダンパーとのいざこざがなければ夜にでも確認したはずなんだけど、さすがに疲れていたのですぐに眠ってしまったのだ。
「えっ、新しいガチャ出てるの?」
ルイーズだけでなくアルベロも気になっている。やはり、短弓ハジャーダが出たことでガチャへの可能性を感じているのだろう。
「ちょっと待ってね。調べてみるから。えーっと、スキルガチャ起動」
すぐに現れたのはガチャガチャの機械。黒いメタリックなカラーに頭の部分に背びれが付いている。いつもの通常ガチャではない。これは完全に間違いなくソードフィッシュガチャだ。
シャー、シャー、シャーという、まるで海を素早く泳ぐソードフィッシュ音とともにキラキラとしたイルミネーションが輝いている。ガチャも大変やる気にみなぎっている。
もちろん読むまでもなくソードフィッシュ討伐ガチャと書かれていて、コイン投入口には小銀貨一枚となっている。
「おお、出た! ソードフィッシュガチャだ」
「やったー」
「な、何が出るの?」
「それは回してみないとわからないけど、ジャイアントトードガチャと同じ小銀貨一枚のガチャだから似たような感じなのかな」
ジャイアントトードガチャの時は魔法のスクロールと討伐部位にお肉。それからお人形とハンカチと石が出た。
さて、何回まわしてみるか。
実は二人から武器のお礼ということで、実費が掛かっているガチャ代として銀貨五枚づつ頂いている。
最初は金貨二枚渡すとか言われたのだけど、さすがにもらいすぎな気がするので遠慮させてもらった。金貨二枚って二十万円分の価値だからね。
二人だってそんなに貯金があるわけではないのは知っている。いくら武器の値段が高くレア物だったとしても、このガチャは二人の協力あっての討伐ガチャだったのだし、お気持ちだけで十分なのだ。
「とりあえず、ジャイアントトードガチャの時と同じ数、銀貨二枚分回してみようと思う」
「お人形が出たら私にちょうだいねー」
ソードフィッシュの人形に需要があるのか。頭の尖った魚だよ。いくらデフォルメされても可愛くなるとは思えない。
「壊れない矢とか出ないかしら?」
「欲望がだだ漏れだよアルベロ」
「だって、本当に悩んでるし」
さすがにEランクのソードフィッシュガチャでそんな期待できそうな武器が出ることはないだろう。
ということで、小銀貨二十枚分回した結果発表といこう。
●ディルトのスクロール×二本
●ソードフィッシュのツノ×一個
●ソードフィッシュのお肉×一個
●ソードフィッシュのキーホルダー×一個
●ソードフィッシュの缶バッジ×一個
●ちょっときれいな貝殻×十四個
ディルトは敵を暗闇に包む闇属性の魔法でスクロールとしては珍しいそうだ。
スクロールは保険の魔法みたいなイメージが強いようで、補助魔法的なスクロールは軒並み人気がないとのこと。
でも、このスクロールがあれば敵を暗闇に包んでいる間に逃げ出せたりとか使い道はかなりあると思う。ということで、インベントリに収納させてもらう。
討伐報酬のツノや追加報酬の肉はいいとして、また珍しい物が出てきた。
「これ、かわいいー。ニール、ちょうだい」
「アルベロは興味ない感じ?」
「ええ、興味ないわ」
「じゃあ、これはルイーズに」
「わーい」
ルイーズに渡したのはキーホルダーと缶バッジ。どちらもソードフィッシュがデフォルメされたキャラクターのものだ。
「もらったのはいいけど、これってどう使うものなの?」
「こっちはキーホルダーで、カギとかに付けられるんだ。で、こっちは缶バッジといってバッグにこうやってつけられるんだ」
「おおー。ジャイアントトード人形の横に仲間が増えたー」
キーホルダーはまだしも、缶バッジとかどんな需要があるのだろうか。ルイーズ以外に欲しがる人が浮かばない。
「で、残りは貝殻というわけね」
ひょっとしてら何かに使えるのではないかと見ていたアルベロだけど、それはいくら見ても貝殻以上のものではないのでそのまま砂浜に放置することにした。
別に小さな穴を開けてネックレスとか作ったりはしない。ジャラジャラとうるさそうだしね。
「まだ回してみる?」
「どうだろうね。これ以上回してもスクロール以上のものは出ないと思うよ」
ディルトのスクロールはそれなりに使い道はありそうだけど、お金をかけてもっと欲しいかと問われるとそうでもない。
ガチャにお金をかけるのは銀貨ガチャ以上の時じゃないだろうか。来るかわからないけど金貨ガチャとか現れた時にお金が無くて回せないという状況は避けたい。
そういう意味で、貯金をしていかなければならないと思っている。少なくとも数回は塩販売で荒稼ぎはできるはず。それでもあまり相場を崩すのも得策ではないからやり過ぎは禁物だ。
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