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13 ラウラの森の湖
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湖周辺は両生類であるジャイアントトードの一大棲息地になっている。また水を飲みに他の魔物もやってくることから、かなり注意が必要なエリアとのこと。
冒険者も水が必要ではと思うかもしれないけど、そこは生活魔法である「注水」が使われる。パーティメンバーに一人ぐらいは「注水」を使える者がいるぐらいにはメジャーな生活魔法らしい。
ということで、ここでの狩りについては魔物をおびき寄せて各個撃破していく作戦がとられるのが一般的で、それがギルドの方針でもある。
湖で戦っていたら他の魔物が警戒してしまったり、逆にやってきた多くの魔物と混戦となり危険に陥ってしまう可能性があるとのこと。
そういうことで、湖周辺には誘導役やデコイ役の冒険者ぐらいしかいない。
そんな危険な場所でマギカ草を採取しようと考えていた自分の愚かさを今さらながらに感じている。ロージー先輩に話しても、きっと「危ないよ」と諭されたことだろう。
それにしても美しい湖だ。まるで海じゃないかと思えなくもない広さの湖。遠くを見るとマギカ草と思われるものが群生している。
木々や草花と湖のブルーの色合いが本当に綺麗で、こんな場所に住めたらいいなーとか思ってはみたものの、魔物が休むまもなくやってくるとなると寝る暇もないことは言うまでもない。というか、僕一人だと生きることさえ難しいだろう。
「どれを狙う」
「ルイーズさんに任せるよ」
ちょっと興味があったのと、マギカ草が多く自生する湖を見てみたかったというのもあって、ルイーズさんに誘導役の勉強をさせてもらうことにしたのだ。
誘導は割と簡単で、単体でいるジャイアントトードに小石をぶつけて湖から引き離すというもの。中にはデコイといって弱った魔物に似せた動きをして誘導させる冒険者もいるらしい。
「まさか、こんなところで小石が役に立つとは思わなかったよ。はい、使ってください」
「それってガチャのハズレ品だっけ。うん、ちょうど投げやすい大きさかも」
特に難しいこともなく、ルイーズさんは立ち上がってジャイアントトードにこちらの姿が見えるようにするとまっすぐに小石を投げた。
「ゲコ、ゲコッ!」
こちらを振り返ると怒り心頭のジャイアントトードはこちらに向かってくる。案外あっさり成功してしまうらしい。
ジャイアントトードはそこまで俊敏な魔物ではないので、僕でもここまではやれそうだ。
「行こう、ニールさん」
「う、うん」
問題があるとしたら、逃げてる途中に他の魔物に見つかってしまう場合だろうか。逃げるにしても他の魔物を引き連れてきてルイーズさんやアルベロさんを危険にさらしてしまう可能性は高い。
前を進むルイーズさんから足音というのはあまり聞こえない。僕にルイーズさんのような動きは難しい。
「森の歩き方を覚えるまではこの役は私がやった方がいいかなー」
「ですよねー」
「まあ、元々ニールさんの役割はアルベロと荷車を守ってもらうことだから気にしないで」
「そう言ってもらえると助かります」
「いいの、いいの。ニールさんはもう十分に役立っているんだから。インベントリのことは私たちにとっても嬉しい誤算だったというか……」
初回プレミアム特典ガチャありがとう。何となく、インベントリのおかげで後ろめたさみたいなものがなくなったのは僕としても嬉しい。
そうこうしているうちに、僕たちは誘導場所まであと少しのところまでやってきていた。
ジャイアントトードを引きつけつつ、アルベロさんの待っている少し開けた場所に到着すると、弓の射線から外れるように二手に分かれる。
「二人ともお疲れさま」
木の上で待機していたアルベロさんは準備万端なようで、広場にやってきたジャイアントトードの頭部を前回と同じようにビュンっと一発で仕留めていった。
「すごい精度だね」
「ジャイアントトードは動きがそこまで速くないからこんなものよ。ルイーズ、三体ぐらいまでならおびき寄せても大丈夫よ」
「そうだね。今日は稼いじゃおうかー」
「あっ、じゃあ、僕が解体しますね」
「うん、よろしくねー」
どうやら、この周辺はジャイアントトードやゴブリンがいるからなのかホーンラビットの姿はあまり見ない。
あまりというのは、僕が気づく前にアルベロさんが仕留めているからで、僕はそのホーンラビットを荷車に乗せるぐらい。
ウサギの解体はやったことがないので、あとでルイーズさんに教えてもらおうと思う。
「とりあえず、インベントリに入れておこうかな」
そんな軽い気持ちでホーンラビットをインベントリに入れたのだけど、そこでとんでもないことに気づいてしまった。
インベントリをタップすると五つの大項目が現れる。
●ジャイアントトード
●ホーンラビット
●小石
●リカバリーポーション
●ヒーリング草
次にホーンラビットをタップすると
●ホーンラビット
→ツノ(討伐証明)
→お肉
→毛皮
→死骸
ホーンラビットは勝手に四つの項目に分かれていたのだ。
これが意味することは、つまり、自動解体機能とでもいえばいいだろうか。
インベントリに入れてしまえば解体はやらなくてもいいということらしい……。
冒険者も水が必要ではと思うかもしれないけど、そこは生活魔法である「注水」が使われる。パーティメンバーに一人ぐらいは「注水」を使える者がいるぐらいにはメジャーな生活魔法らしい。
ということで、ここでの狩りについては魔物をおびき寄せて各個撃破していく作戦がとられるのが一般的で、それがギルドの方針でもある。
湖で戦っていたら他の魔物が警戒してしまったり、逆にやってきた多くの魔物と混戦となり危険に陥ってしまう可能性があるとのこと。
そういうことで、湖周辺には誘導役やデコイ役の冒険者ぐらいしかいない。
そんな危険な場所でマギカ草を採取しようと考えていた自分の愚かさを今さらながらに感じている。ロージー先輩に話しても、きっと「危ないよ」と諭されたことだろう。
それにしても美しい湖だ。まるで海じゃないかと思えなくもない広さの湖。遠くを見るとマギカ草と思われるものが群生している。
木々や草花と湖のブルーの色合いが本当に綺麗で、こんな場所に住めたらいいなーとか思ってはみたものの、魔物が休むまもなくやってくるとなると寝る暇もないことは言うまでもない。というか、僕一人だと生きることさえ難しいだろう。
「どれを狙う」
「ルイーズさんに任せるよ」
ちょっと興味があったのと、マギカ草が多く自生する湖を見てみたかったというのもあって、ルイーズさんに誘導役の勉強をさせてもらうことにしたのだ。
誘導は割と簡単で、単体でいるジャイアントトードに小石をぶつけて湖から引き離すというもの。中にはデコイといって弱った魔物に似せた動きをして誘導させる冒険者もいるらしい。
「まさか、こんなところで小石が役に立つとは思わなかったよ。はい、使ってください」
「それってガチャのハズレ品だっけ。うん、ちょうど投げやすい大きさかも」
特に難しいこともなく、ルイーズさんは立ち上がってジャイアントトードにこちらの姿が見えるようにするとまっすぐに小石を投げた。
「ゲコ、ゲコッ!」
こちらを振り返ると怒り心頭のジャイアントトードはこちらに向かってくる。案外あっさり成功してしまうらしい。
ジャイアントトードはそこまで俊敏な魔物ではないので、僕でもここまではやれそうだ。
「行こう、ニールさん」
「う、うん」
問題があるとしたら、逃げてる途中に他の魔物に見つかってしまう場合だろうか。逃げるにしても他の魔物を引き連れてきてルイーズさんやアルベロさんを危険にさらしてしまう可能性は高い。
前を進むルイーズさんから足音というのはあまり聞こえない。僕にルイーズさんのような動きは難しい。
「森の歩き方を覚えるまではこの役は私がやった方がいいかなー」
「ですよねー」
「まあ、元々ニールさんの役割はアルベロと荷車を守ってもらうことだから気にしないで」
「そう言ってもらえると助かります」
「いいの、いいの。ニールさんはもう十分に役立っているんだから。インベントリのことは私たちにとっても嬉しい誤算だったというか……」
初回プレミアム特典ガチャありがとう。何となく、インベントリのおかげで後ろめたさみたいなものがなくなったのは僕としても嬉しい。
そうこうしているうちに、僕たちは誘導場所まであと少しのところまでやってきていた。
ジャイアントトードを引きつけつつ、アルベロさんの待っている少し開けた場所に到着すると、弓の射線から外れるように二手に分かれる。
「二人ともお疲れさま」
木の上で待機していたアルベロさんは準備万端なようで、広場にやってきたジャイアントトードの頭部を前回と同じようにビュンっと一発で仕留めていった。
「すごい精度だね」
「ジャイアントトードは動きがそこまで速くないからこんなものよ。ルイーズ、三体ぐらいまでならおびき寄せても大丈夫よ」
「そうだね。今日は稼いじゃおうかー」
「あっ、じゃあ、僕が解体しますね」
「うん、よろしくねー」
どうやら、この周辺はジャイアントトードやゴブリンがいるからなのかホーンラビットの姿はあまり見ない。
あまりというのは、僕が気づく前にアルベロさんが仕留めているからで、僕はそのホーンラビットを荷車に乗せるぐらい。
ウサギの解体はやったことがないので、あとでルイーズさんに教えてもらおうと思う。
「とりあえず、インベントリに入れておこうかな」
そんな軽い気持ちでホーンラビットをインベントリに入れたのだけど、そこでとんでもないことに気づいてしまった。
インベントリをタップすると五つの大項目が現れる。
●ジャイアントトード
●ホーンラビット
●小石
●リカバリーポーション
●ヒーリング草
次にホーンラビットをタップすると
●ホーンラビット
→ツノ(討伐証明)
→お肉
→毛皮
→死骸
ホーンラビットは勝手に四つの項目に分かれていたのだ。
これが意味することは、つまり、自動解体機能とでもいえばいいだろうか。
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