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9 新しいスキル
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僕のスキルはポーション精製ではなく、「ガチャ」だったのだ。
「よしっ! きたっ! よっしゃあああおおいっ!」
路地裏で叫ぶ変人に、広場にいる人達からの冷たい視線がつき刺さる。しかしながら、この高まる感情は抑えられない。
広場の人にはこのガチャは見えていない。急に叫びだして頭が狂ったかのように思われてもしょうがない。
落ち着けニール。クールになるんだ。
ということで、騎士団に通報されても困るので場所を変えようと思う。
一人になるなら鍵付きの宿屋だよね。
ということで、僕は宿屋の自分の部屋へと急ぎ足で戻った。
一人になってもまだ興奮は覚めない。ベッドに腰掛けて頭を整理しようと思うものの、ガチャの可能性に気持ちの高ぶりは止められないでいる。
銀貨一枚はきついけど、それ相応の対価が得られるのであればこれは投資になる。直接的な自分への投資だ。
僕のスキルは、ガチャを回してスキルが手に入れられるということなのだろうか。
いや、そうなると最初に出たリカバリーポーションは能力ではなく物だ。つまり、物も出ればスキルのような固有の能力も手に入れることができるということではないだろうか。
落ち着け、慌てることはない。まずは順番に片付けていこうじゃないか。
「まずは、このインベントリというスキルを試してみなければならない」
何を入れてみるか。ベッドの上には本日分のタオルが置いてある。まずはこれから入れてみよう。
頭の中でインベントリを思い浮かべると、手に持ったタオルを「インベントリに入れますか?」というメッセージが画面のように浮かんでくる。すると、次に「はい」「いいえ」の選択肢が現れた。
「はい」の選択肢を指でタップすると、手に持っていたタオルはインベントリの中へ。つまり目の前から消え去ってしまった。
インベントリにはタオルと表示されている。
「取り出す時は……と」
画面のタオルをタッチすると、「取り出しますか?」という表示が現れる。「はい」の表示をタップすると、目の前に先ほど入れたタオルが現れた。
「ゲームの操作を実際にしているような感覚かな」
次に気になるのは容量だ。目の前にあるものを片っ端から入れてみよう。どうやら手に触れているものでないとインベントリの中には入れられないらしい。
タオル、椅子、ベッドと入れたところで画面が赤く染まってしまい、次に入れようとしていたテーブルは入らなかった。
「レベル1だとこれぐらいが限界ってことかな」
それでも大きなベッドを何の重さも感じずに運べるだけですごいことだと思う。
「他にもいろいろ入れてみようか」
ちゃんと取り出せるのなら貴重品を入れておきたい。ということで、お金を入れてみることにした。すると、インベントリの新機能が判明する。
表示されている項目は「お金」。そして、お金をタップすると銀貨、小銀貨、銅貨、鉄貨に分別されていて、それぞれの枚数が選んで取り出せるようになっていた。
「お金は同じ種類として一括りにできるということだね」
続いて、ドワーフのおじさんに渡さないといけない異世界の服、ポーション瓶、タオル、桶と入れたところで再び画面が赤く染まってしまった。
容量的にはまだ全然余裕なはず。さっきはベッドや椅子が入っていたのだから。
画面を見るかぎり、今度は容量ではなく品目数の制限があるらしいということがわかった。
試しに桶を出して、ベッドを入れたら普通に入った。
つまり、容量はざっくり畳一畳分程度。品目数は五種までということらしい。これがレベル1のインベントリの能力らしい。
ちなみに服もタップすることで、ズボン、シャツ、ベルト、下着などにちゃんと分類されていた。
インベントリ内で勝手に整理整頓してくれるのはとても便利な機能のように思える。
これなら荷物運びとしての役割を十分に果たせるのではないだろうか。
とりあえず、インベントリというスキルについて後でルイーズさんとアルベロさんにも相談してみよう。
インベントリのことはある程度理解できた。まだ知らない機能があるかもしれないけど、とりあえずはいいだろう。
そろそろ我慢出来なくなったので、次に進みたいと思う。まだ夕方とはいえ、もう少ししたら一階で夕食をとりながら二人と打合せをしなければならない。
その前に進化したニール君で、二人を驚かせるのもやぶさかではない。
「では、次のガチャをやってみようか」
銀貨一枚は正直厳しいけど、インベントリの価値は一万円どころで叶えられるレベルをはるかに超えているスキル能力。
これならば、あと五回ぐらいは回してもいいのではないだろうか。
「よしっ、スキルガチャ出てきてください!」
その願いに反応するように、僕の目の前には再びガチャガチャの機械が現れる。
ところが、さっき回したガチャとはどうも雰囲気が違う。
まず、さっきのガチャと比べてあきらかに貧相に見える。イルミネーションや音楽が鳴る感じには見えない。
こういっては何だけど、いたってシンプルなガチャガチャの機械。最初にお城で回したチュートリアルガチャよりは若干装飾されている気がしなくもないが、どちらかというとチュートリアルに近い安っぽさなのだ。
わくわくドキドキするような、あの初回プレミアム特典ガチャではないのは一目瞭然。
そして、見えてしまった。ガチャガチャに書かれている文字と投入金額を。
「なっ、通常ガチャだと!?」
そして、投入するのは銅貨一枚。これは百円ガチャ。たいしたものは出ないガチャで決定だ。
「よしっ! きたっ! よっしゃあああおおいっ!」
路地裏で叫ぶ変人に、広場にいる人達からの冷たい視線がつき刺さる。しかしながら、この高まる感情は抑えられない。
広場の人にはこのガチャは見えていない。急に叫びだして頭が狂ったかのように思われてもしょうがない。
落ち着けニール。クールになるんだ。
ということで、騎士団に通報されても困るので場所を変えようと思う。
一人になるなら鍵付きの宿屋だよね。
ということで、僕は宿屋の自分の部屋へと急ぎ足で戻った。
一人になってもまだ興奮は覚めない。ベッドに腰掛けて頭を整理しようと思うものの、ガチャの可能性に気持ちの高ぶりは止められないでいる。
銀貨一枚はきついけど、それ相応の対価が得られるのであればこれは投資になる。直接的な自分への投資だ。
僕のスキルは、ガチャを回してスキルが手に入れられるということなのだろうか。
いや、そうなると最初に出たリカバリーポーションは能力ではなく物だ。つまり、物も出ればスキルのような固有の能力も手に入れることができるということではないだろうか。
落ち着け、慌てることはない。まずは順番に片付けていこうじゃないか。
「まずは、このインベントリというスキルを試してみなければならない」
何を入れてみるか。ベッドの上には本日分のタオルが置いてある。まずはこれから入れてみよう。
頭の中でインベントリを思い浮かべると、手に持ったタオルを「インベントリに入れますか?」というメッセージが画面のように浮かんでくる。すると、次に「はい」「いいえ」の選択肢が現れた。
「はい」の選択肢を指でタップすると、手に持っていたタオルはインベントリの中へ。つまり目の前から消え去ってしまった。
インベントリにはタオルと表示されている。
「取り出す時は……と」
画面のタオルをタッチすると、「取り出しますか?」という表示が現れる。「はい」の表示をタップすると、目の前に先ほど入れたタオルが現れた。
「ゲームの操作を実際にしているような感覚かな」
次に気になるのは容量だ。目の前にあるものを片っ端から入れてみよう。どうやら手に触れているものでないとインベントリの中には入れられないらしい。
タオル、椅子、ベッドと入れたところで画面が赤く染まってしまい、次に入れようとしていたテーブルは入らなかった。
「レベル1だとこれぐらいが限界ってことかな」
それでも大きなベッドを何の重さも感じずに運べるだけですごいことだと思う。
「他にもいろいろ入れてみようか」
ちゃんと取り出せるのなら貴重品を入れておきたい。ということで、お金を入れてみることにした。すると、インベントリの新機能が判明する。
表示されている項目は「お金」。そして、お金をタップすると銀貨、小銀貨、銅貨、鉄貨に分別されていて、それぞれの枚数が選んで取り出せるようになっていた。
「お金は同じ種類として一括りにできるということだね」
続いて、ドワーフのおじさんに渡さないといけない異世界の服、ポーション瓶、タオル、桶と入れたところで再び画面が赤く染まってしまった。
容量的にはまだ全然余裕なはず。さっきはベッドや椅子が入っていたのだから。
画面を見るかぎり、今度は容量ではなく品目数の制限があるらしいということがわかった。
試しに桶を出して、ベッドを入れたら普通に入った。
つまり、容量はざっくり畳一畳分程度。品目数は五種までということらしい。これがレベル1のインベントリの能力らしい。
ちなみに服もタップすることで、ズボン、シャツ、ベルト、下着などにちゃんと分類されていた。
インベントリ内で勝手に整理整頓してくれるのはとても便利な機能のように思える。
これなら荷物運びとしての役割を十分に果たせるのではないだろうか。
とりあえず、インベントリというスキルについて後でルイーズさんとアルベロさんにも相談してみよう。
インベントリのことはある程度理解できた。まだ知らない機能があるかもしれないけど、とりあえずはいいだろう。
そろそろ我慢出来なくなったので、次に進みたいと思う。まだ夕方とはいえ、もう少ししたら一階で夕食をとりながら二人と打合せをしなければならない。
その前に進化したニール君で、二人を驚かせるのもやぶさかではない。
「では、次のガチャをやってみようか」
銀貨一枚は正直厳しいけど、インベントリの価値は一万円どころで叶えられるレベルをはるかに超えているスキル能力。
これならば、あと五回ぐらいは回してもいいのではないだろうか。
「よしっ、スキルガチャ出てきてください!」
その願いに反応するように、僕の目の前には再びガチャガチャの機械が現れる。
ところが、さっき回したガチャとはどうも雰囲気が違う。
まず、さっきのガチャと比べてあきらかに貧相に見える。イルミネーションや音楽が鳴る感じには見えない。
こういっては何だけど、いたってシンプルなガチャガチャの機械。最初にお城で回したチュートリアルガチャよりは若干装飾されている気がしなくもないが、どちらかというとチュートリアルに近い安っぽさなのだ。
わくわくドキドキするような、あの初回プレミアム特典ガチャではないのは一目瞭然。
そして、見えてしまった。ガチャガチャに書かれている文字と投入金額を。
「なっ、通常ガチャだと!?」
そして、投入するのは銅貨一枚。これは百円ガチャ。たいしたものは出ないガチャで決定だ。
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