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Ⅱ ぼっち魔女
ii 髭を剃るとイケメン現象?
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「かかった!」
待ちに待った声を聞いたアズレイアは、急いで塔の入り口へと走った。
毎日私に隠れて荷物を運んできているのは間違いないんだもの。
それが分かっていれば対処はできる。
そう、通ってきたところを捕まえればいいのよ。
アズレイアがただ待つだけの女であるわけがない。
あれっきり顔を見せないカルロスを何としても問いただそうと、塔の入り口付近に複数の魔法陣を張り、カルロス専用のトラップを仕掛けていたのである。
カルロスが踏めば発動する。
ほかの人には反応しない。
大変優秀なトラップである。
手間暇かけてそんな凝った魔法陣を仕込むほど、アズレイアは行き詰っていた。
だがそのままの勢いで扉を開き、目前に転がっている男を見て一言。
「あんた誰?」
不審そうに眉を寄せたアズレイアが首をかしげた。
視線があった途端、ヒクッと頬をひきつらせた男が、そんなアズレイアの素の問いかけに憮然と言い返す。
「ひどい言われようだな、俺だよ俺。カルロスだ」
そうは言うが、目前の男とカルロスはどうやっても結びつかない。
まず、あのムサ苦しい無精ひげがどこにもない。
しかも見たこともない立派な隊服を身につけている。
それはまるで王城で立ち働く近衛兵たちのようで、襟も袖もキリリと角が立つほどアイロンがされていた。
「嘘よ。カルロスはそんな身綺麗な格好なんてしないわ」
「余計なお世話だ。俺だってたまにはちゃんとした服くらい着るぞ」
埃を払いつつ立ち上がったカルロスが、いつも通りのぶっきらぼうな調子で言い返してくる。
その口調には確かに聞き覚えがある。
それにこの男はさっきアズレイアが仕掛けた『カルロスにしか発動しない』魔法陣で転ばされたのだ。
やはりこれはどうやら確かにカルロス本人らしい。
それにしても……
目前の男の顔をまじまじと見てしまう。
あのぼさぼさの髭を綺麗に剃ってみれば、案外と若い顔が現れたものだ。
そして思ったとおり、見目も決して悪くない。
いや、顔なんて大した問題じゃないわ。
まずはしっかり話を聞かなくちゃ。
いざ問いただそうと一歩詰め寄るアズレイア。
それに押されて一歩後退るカルロス。
おかしなことに、カルロスがアズレイアと視線を合わせようとしない。
俯きながら、手の中の書簡をアズレイアに突き出した。
「今日届いたお前宛の手紙だ」
「そう」
目前に突き出された書簡を受け取りながら何気なく扉を少し開いてみたが、扉の前に突っ立ったままカルロスが動かない。
「中に入らないの?」
一度顔さえあわせてしまえば、また図々しい態度に戻るだろう。
そう思っていたのに拍子抜けである。
今まで通り、塔にズカズカ入ってくるものとばかり思っていたアズレイアは、そんなカルロスの様子を訝しげに見ていたのだが。
「お前に話がある」
塔の扉の前でたちつくしていたカルロスが、やっと覚悟を決めたようにスッと顔をあげた。
そのままそこで居住まいを正し、アズレイアに視線をあわせて口を開く。
「ここで?」
「ここでだ」
「……いいわよ。聞いてあげる」
やけに頑ななカルロスの様子に、言い知れぬ不安を感じつつも、アズレイアはわざとそっけなく返事を返した。
気づいているのかいないのか、カルロスは視線を外さない。
その真剣な眼差しに、余計嫌な予感が増していく。
そんなアズレイアの胸の内など知りもせず、両脇に垂らした拳に力を込めたカルロスが口を開き──
「アズレイア。俺と結婚してくれ」
──きっぱりと、そしてはっきりと、カルロスが求婚の言葉を口にした。
「はぁぁああ?」
王城の端、塔の前の無人の前庭にアズレイアの素っ頓狂な声がこだまする。
だが今のカルロスにそれを気にする余裕などない。
「お前が好きだ。だから結婚して欲しい」
再びそう真摯に告げたカルロスには、もう迷いが一切みられない。
こんな展開、アズレイアには冗談にしか思えないのだが、どうやらカルロスはいたって本気のようだ。
茶化しもしなければ、ニコリともしない。
本気で真剣に結婚の申し込みをしているカルロスを見ているうちに、アズレイアの胸のうちが静かに冷めていく……。
胸奥に広がる痛みと落胆を隠すため、アズレイアは小さく嘆息して苦笑いを浮かべた。
そしてまるで気にしていないというように軽い口調でカルロスに告げる。
「あのね、この前のことなら気にしなくていいわよ。あれは私が置きっぱなしにしていた淫紋紙が原因だったんだし──」
「そうじゃない。違う!」
だけどそんなアズレイアの軽い言葉を、カルロスの強い否定の声が遮った。
アズレイアを射るような目で見つめながら、カルロスがきっぱりと断言する。
「俺はお前に惚れてるんだ」
そして、
「かなり前から」
気恥ずかしそうに視線を迷わせ、小さくそう付け加えた。
「それ、本気なの?」
一人で断言して、一人モジモジするカルロスにイラついて、思わずいつも以上にキツイ口調で聞いてしまう。
だが、一度覚悟を決めたカルロスはそれくらいでは怯まない。
「ああ。本気だ。君と結婚したい」
絶対に間違えられたくない。
そんな強い意志の籠った口調でしっかり繰り返したカルロスに、アズレイアが今一度尋ねる。
「あの続きをしたいんじゃなくて?」
「……俺は、お前を抱くなら結婚前提だ」
どこまでも変わることなく続くカルロスの真摯な言葉の羅列に、アズレイアの胸の内の落胆が悲嘆へと変わった。
「信じられない」
ぼそりと呟かれたアズレイアの言葉に、カルロスが慌てて言葉を付け足そうとする。
だがアズレイアはもうなにも聞きたくなかった。
これ以上、いつもの通りの顔を保てそうにない……。
このままでは歪んでしまいそうな自分の顔を、思いっきり顰めてカルロスをギロリと見返す。
「悪いけど、私、結婚はしないつもりよ」
きっぱりとそう言い返したアズレイアは、無言のままカルロスを睨みつけた。
アズレイアの心無い返答に、カルロスの顔が見るみるうちに暗く陰っていく……。
目に見えて深く落胆するカルロスの姿に、胸の奥がツーンと痛むのはきっと気のせいだ。
そう自分に言い聞かせて、出来るだけ冷たい声音で先を続ける。
「可愛い奥さんがほしいなら他をあたってちょうだい」
きっぱりとそう告げたアズレイアは、カルロスの目前で塔の大きな扉を静かに閉めた。
待ちに待った声を聞いたアズレイアは、急いで塔の入り口へと走った。
毎日私に隠れて荷物を運んできているのは間違いないんだもの。
それが分かっていれば対処はできる。
そう、通ってきたところを捕まえればいいのよ。
アズレイアがただ待つだけの女であるわけがない。
あれっきり顔を見せないカルロスを何としても問いただそうと、塔の入り口付近に複数の魔法陣を張り、カルロス専用のトラップを仕掛けていたのである。
カルロスが踏めば発動する。
ほかの人には反応しない。
大変優秀なトラップである。
手間暇かけてそんな凝った魔法陣を仕込むほど、アズレイアは行き詰っていた。
だがそのままの勢いで扉を開き、目前に転がっている男を見て一言。
「あんた誰?」
不審そうに眉を寄せたアズレイアが首をかしげた。
視線があった途端、ヒクッと頬をひきつらせた男が、そんなアズレイアの素の問いかけに憮然と言い返す。
「ひどい言われようだな、俺だよ俺。カルロスだ」
そうは言うが、目前の男とカルロスはどうやっても結びつかない。
まず、あのムサ苦しい無精ひげがどこにもない。
しかも見たこともない立派な隊服を身につけている。
それはまるで王城で立ち働く近衛兵たちのようで、襟も袖もキリリと角が立つほどアイロンがされていた。
「嘘よ。カルロスはそんな身綺麗な格好なんてしないわ」
「余計なお世話だ。俺だってたまにはちゃんとした服くらい着るぞ」
埃を払いつつ立ち上がったカルロスが、いつも通りのぶっきらぼうな調子で言い返してくる。
その口調には確かに聞き覚えがある。
それにこの男はさっきアズレイアが仕掛けた『カルロスにしか発動しない』魔法陣で転ばされたのだ。
やはりこれはどうやら確かにカルロス本人らしい。
それにしても……
目前の男の顔をまじまじと見てしまう。
あのぼさぼさの髭を綺麗に剃ってみれば、案外と若い顔が現れたものだ。
そして思ったとおり、見目も決して悪くない。
いや、顔なんて大した問題じゃないわ。
まずはしっかり話を聞かなくちゃ。
いざ問いただそうと一歩詰め寄るアズレイア。
それに押されて一歩後退るカルロス。
おかしなことに、カルロスがアズレイアと視線を合わせようとしない。
俯きながら、手の中の書簡をアズレイアに突き出した。
「今日届いたお前宛の手紙だ」
「そう」
目前に突き出された書簡を受け取りながら何気なく扉を少し開いてみたが、扉の前に突っ立ったままカルロスが動かない。
「中に入らないの?」
一度顔さえあわせてしまえば、また図々しい態度に戻るだろう。
そう思っていたのに拍子抜けである。
今まで通り、塔にズカズカ入ってくるものとばかり思っていたアズレイアは、そんなカルロスの様子を訝しげに見ていたのだが。
「お前に話がある」
塔の扉の前でたちつくしていたカルロスが、やっと覚悟を決めたようにスッと顔をあげた。
そのままそこで居住まいを正し、アズレイアに視線をあわせて口を開く。
「ここで?」
「ここでだ」
「……いいわよ。聞いてあげる」
やけに頑ななカルロスの様子に、言い知れぬ不安を感じつつも、アズレイアはわざとそっけなく返事を返した。
気づいているのかいないのか、カルロスは視線を外さない。
その真剣な眼差しに、余計嫌な予感が増していく。
そんなアズレイアの胸の内など知りもせず、両脇に垂らした拳に力を込めたカルロスが口を開き──
「アズレイア。俺と結婚してくれ」
──きっぱりと、そしてはっきりと、カルロスが求婚の言葉を口にした。
「はぁぁああ?」
王城の端、塔の前の無人の前庭にアズレイアの素っ頓狂な声がこだまする。
だが今のカルロスにそれを気にする余裕などない。
「お前が好きだ。だから結婚して欲しい」
再びそう真摯に告げたカルロスには、もう迷いが一切みられない。
こんな展開、アズレイアには冗談にしか思えないのだが、どうやらカルロスはいたって本気のようだ。
茶化しもしなければ、ニコリともしない。
本気で真剣に結婚の申し込みをしているカルロスを見ているうちに、アズレイアの胸のうちが静かに冷めていく……。
胸奥に広がる痛みと落胆を隠すため、アズレイアは小さく嘆息して苦笑いを浮かべた。
そしてまるで気にしていないというように軽い口調でカルロスに告げる。
「あのね、この前のことなら気にしなくていいわよ。あれは私が置きっぱなしにしていた淫紋紙が原因だったんだし──」
「そうじゃない。違う!」
だけどそんなアズレイアの軽い言葉を、カルロスの強い否定の声が遮った。
アズレイアを射るような目で見つめながら、カルロスがきっぱりと断言する。
「俺はお前に惚れてるんだ」
そして、
「かなり前から」
気恥ずかしそうに視線を迷わせ、小さくそう付け加えた。
「それ、本気なの?」
一人で断言して、一人モジモジするカルロスにイラついて、思わずいつも以上にキツイ口調で聞いてしまう。
だが、一度覚悟を決めたカルロスはそれくらいでは怯まない。
「ああ。本気だ。君と結婚したい」
絶対に間違えられたくない。
そんな強い意志の籠った口調でしっかり繰り返したカルロスに、アズレイアが今一度尋ねる。
「あの続きをしたいんじゃなくて?」
「……俺は、お前を抱くなら結婚前提だ」
どこまでも変わることなく続くカルロスの真摯な言葉の羅列に、アズレイアの胸の内の落胆が悲嘆へと変わった。
「信じられない」
ぼそりと呟かれたアズレイアの言葉に、カルロスが慌てて言葉を付け足そうとする。
だがアズレイアはもうなにも聞きたくなかった。
これ以上、いつもの通りの顔を保てそうにない……。
このままでは歪んでしまいそうな自分の顔を、思いっきり顰めてカルロスをギロリと見返す。
「悪いけど、私、結婚はしないつもりよ」
きっぱりとそう言い返したアズレイアは、無言のままカルロスを睨みつけた。
アズレイアの心無い返答に、カルロスの顔が見るみるうちに暗く陰っていく……。
目に見えて深く落胆するカルロスの姿に、胸の奥がツーンと痛むのはきっと気のせいだ。
そう自分に言い聞かせて、出来るだけ冷たい声音で先を続ける。
「可愛い奥さんがほしいなら他をあたってちょうだい」
きっぱりとそう告げたアズレイアは、カルロスの目前で塔の大きな扉を静かに閉めた。
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