178 / 406
第8章 ナンシー
55 設立
しおりを挟む
「さて、それじゃあ何からやりましょうか」
武器倉庫の片付けが終わり、十分なスペースの部屋に落ち着いた私にアリームさんが尋ねて来た。
ここは兵舎の一番端っこにある元武器倉庫。中に積み上げられてた武具が全部運び出し終わったのでみんな出て行っちゃって今建物の中には私たちしかいない。
ヴィクさんは外で新兵さんたちに武具の移動を指示してる。
「明日取り合えず俺の親父とその仲間の連中集めて農具の作成を依頼するけどな、どうもさっきのキーロン殿下の話じゃあゆみに何か他の物も作らせたいらしかったからな」
そう言ってピートルさんが端に寄せられていた椅子を引っ張ってきて広々とした部屋にぽつんと残されたテーブルに私たちの座る場所を作ってくれる。
「はい、えっと、ここに来て色々試したい事が出来ちゃったのと、黒猫君たちの戦闘の防具が作りたいんです」
私の言葉にピートルさんが顔をしかめる。
「それは俺じゃ余り役に立たないな。アリームだってやれる事は少ないだろ」
「ええ、木工では武具は作りませんからね」
そりゃそうだよね。でも。
「多分お二人にもお願いする事がたくさんあるんですけど、確かにまずはどんな職業の方の協力が必要なのか、協力をお願いできるのか考えて頂けると助かるんですが、どうでしょうか?」
私が今一つ自信なくそういうとピートルさんが破顔して答えてくれる。
「ああ、そういう事か。だったら大丈夫だ。俺もアリームもこの街には色々伝手がある。まずはじゃあ嬢ちゃんの説明を聞こう」
ピートルさんがそう言うとアリームさんも優しく微笑みながら頷いてくれた。
それに背を押されて私は今まで考えていた物を一つ一つ説明し始めた。
「ヴィクさん、申し訳ないんですけど私の部屋からわら半紙とペンとインクをこっちに持ってきてもらえますか?」
「後なんか食いもん頼む。当分かかるぞこれは」
「あ、僕も手伝います」
説明が進むにつれて言葉だけじゃ説明できなくなり、とうとう手の空いていたヴィクさんにお手伝いをお願いする。
「あ、今のうちにキーロン殿下から資金を貰ってきておかないと。明日は朝から買い出しでしょうし」
「そうだな、後は人を雇うにも金がかかる」
「そちらは殿下に直接請求を出してもらうといいだろう」
それだけ言ってヴィクさんがアリームさんと出て行ってしまった。
「それにしても嬢ちゃん、前に図面貰った時も思ったが、あんた結構こういう事できるんだな」
ピートルさんにそんな事をいわれてしまうと胸が痛い。
「ええっと私のは本当にかじった程度で実際には余りやった事はないんです。ですからピートルさんが見ておかしかったら教えてください」
私の答えを聞いたピートルさんが少し恥ずかしそうに笑う。
「嬢ちゃんは素直だな。あのネロの野郎も少しは見習えばいい」
黒猫君、言われてるよ。
「でも黒猫君のおかげで私もいま人並みに生活できてますから私はすごく感謝してるんですよ」
「そうかい。ならいいがな」
そう言ってまた軽く微笑んだ。
紙が届いて一気に話が進んだ。やっぱり紙に描いて見せるのって効果的だな。でもいくらわら半紙でもちょっともったいないって私が言うと、「このまま残して教本にするから勿体ないなんてことはないぞ」とピートルさんが背中を叩いてくれた。
ようやく明日買わなければならない物のリストが出来て、ピートルさんたちも連絡をつける人たちが決まって。そこでピートルさんが突然とんでもない事をいいだした。
「嬢ちゃん。思うんだけどな。ネロは正しいよ。あんたの知識はあんまり誰にでも広めねえほうがいいな」
黒猫君ならともかく、まさかピートルさんにそう言われるとは思っていなかった私はびっくりして聞き返した。
「な、なんでですか?」
「正直言って金になりすぎるぞ」
「僕もそう思います」
ピートルさんの返事に即座にアリームさんが同意する。
「確かに嬢ちゃんは自分では大したもん作ったことなかったんだろうな、言ってることは突拍子もないしやるには金がかかりそうだ。だが俺には分かる。多分ちょっとわかってるやつが工夫してやれば全部物になるし出来ちまったらとんでもなく価値が出る」
そこでピートルさんの目がちょっとだけ怖い色に染まった。
「でもって出てきたもんを見ちまったらそう思うのは俺だけじゃないだろうよ。そうすっとな、お前さんをさらってでもその知識を絞り出そうって連中が出てくるぞ」
ピートルさんの言葉にアリームさんがうんうんと頷いてる。少し離れた所で私たちの様子を伺っていたヴィクさんが顔をしかめた。
「だからな、いっそここで作るものは誰が作ったのか分からなくしちまおう」
「へ?」
「これからココで作ったもんは『王立研究機関作成』って張り付けて名前はなしだ」
「いいですね。それなら必要な技術がある者を誰でも参加させられるし信用も付けられる。本人たちも自分が関わった部分以外知らぬ存ぜぬで通せる」
アリームさんが両手を上げて賛成する。
「そんな私達に都合のいい条件で皆さん働いてくれますかね?」
「嬢ちゃん、あんたが持ってる知識ってのはそれを押しても学びたいと思うようなものばかりだ。間違いなく集まるぞ」
私の不安そうな質問にピートルさんが私のさっき書きつけたわら半紙の束をパラパラやりながら笑って答えてくれた。
そっか、そんな事も出来るのか。私はちょっと嬉しくなって返事をした。
「それ凄いです。それならバンバン新しいもの作っちゃっても大丈夫ですよね」
「待てあゆみ、それはネロ殿に私が怒られる。少なくとも私が見張ってるからちゃんと私を通してくれ」
すかさずヴィクさんがそう言った。
「ああ、ネロじゃないがあゆみの知識や案を研究・記録するのと何かを作るのは別だ。何を作るかは必ずこの4人で話し合ってからにしてくれ」
ピートルさんはどうやら私より良識人のようだ。これなら私が少しくらい暴走してもきっとなんとかしてくれる。
私が期待でドキドキと高鳴る胸を押さえているとピートルさんが窓の外に顔を向けた。
「じゃあ、今日はこれくらいであっちのパーティーに加わるか」
言われて気づいたがどうやら授与式が終わったみたいで遠くから大声で笑う声が響いて来ていた。
「でも私たち兵士じゃないのにいいんですかね?」
「キーロン殿下がそんなケチな事言うわけないだろ」
そう言ってピートルさんはそのまま立ち上がった。
食堂は既に人の山だった。キールさんたちもいてすぐに目ざとく私たちを見つけて手招きしてくれる。
「そっちは終わったのか?」
「はい、大体予定が立ちました。明日は買い出しに行ってもらって作業を始めます」
私の答えに満足そうに頷いたキールさんの横でエミールさんがすかさず立ち上がって私の席を自分の横に準備し始める。それを見たヴィクさんがさりげなくキールさんの目の前に座っていた男性に声をかけて私たちの席を確保してくれた。エミールさんの横の開いた椅子には自分が行って座ってくれる。どうもエミールさんはヴィクさんが少し苦手みたいだ。さっきもそうだったけど、ヴィクさんにはまるっきり手を出そうとしない。
「ほら嬢ちゃん、飲みもんだ」
「あ、ありがとうございます」
ヴィクさんとエミールさんを見てる間にピートルさんが回ってきたゴブレットを私の分も確保して渡してくれた。一口口をつけてびっくり。甘くて美味しい!
「こ、これすごい美味しい!」
「ああ、ここの街の定番だからな。北から送られてくるリンゴを使って作ってんだ」
訳知り顔にピートルさんが教えてくれる。リンゴの自然な甘みなんだけど、かなり味が濃くて癖になりそう。気のせいじゃなくちょっとだけ発泡してる。うわ、炭酸なんてあったんだ!
久しぶりの贅沢な甘味に喜びが抑えきれず、私はグビグビと煽ってしまう。うう、幸せだぁ。
今日は色々あったけど結局好きな研究もしてよくなったし、これからもっと色んな人とこれを続けられるらしいし、資金は潤沢でやりたい放題。
「キールさん、私、もしかすると凄く幸せかもしれません」
思わず私がそう言うと、キールさんが驚いた様にこちらを見返した。
「あゆみ、そういうことはネロに言ってやれ」
「え? 黒猫君ですか? うーん、言っても笑われるだけなきもしますけどね」
私はちょっと照れてそう返してしまう。
「それならぜひ僕にその微笑みを分けてください」
「お前は黙ってろ」
すかさず横から口を挟んだエミールさんをキールさんが叩く。
ああ、でも本当に幸せだな。私が何をいってもちゃんと聞いてくれる人たちがいる。私が笑うと喜んでくれる人がいる。
黒猫君も早く帰ってくればいいのにな。
武器倉庫の片付けが終わり、十分なスペースの部屋に落ち着いた私にアリームさんが尋ねて来た。
ここは兵舎の一番端っこにある元武器倉庫。中に積み上げられてた武具が全部運び出し終わったのでみんな出て行っちゃって今建物の中には私たちしかいない。
ヴィクさんは外で新兵さんたちに武具の移動を指示してる。
「明日取り合えず俺の親父とその仲間の連中集めて農具の作成を依頼するけどな、どうもさっきのキーロン殿下の話じゃあゆみに何か他の物も作らせたいらしかったからな」
そう言ってピートルさんが端に寄せられていた椅子を引っ張ってきて広々とした部屋にぽつんと残されたテーブルに私たちの座る場所を作ってくれる。
「はい、えっと、ここに来て色々試したい事が出来ちゃったのと、黒猫君たちの戦闘の防具が作りたいんです」
私の言葉にピートルさんが顔をしかめる。
「それは俺じゃ余り役に立たないな。アリームだってやれる事は少ないだろ」
「ええ、木工では武具は作りませんからね」
そりゃそうだよね。でも。
「多分お二人にもお願いする事がたくさんあるんですけど、確かにまずはどんな職業の方の協力が必要なのか、協力をお願いできるのか考えて頂けると助かるんですが、どうでしょうか?」
私が今一つ自信なくそういうとピートルさんが破顔して答えてくれる。
「ああ、そういう事か。だったら大丈夫だ。俺もアリームもこの街には色々伝手がある。まずはじゃあ嬢ちゃんの説明を聞こう」
ピートルさんがそう言うとアリームさんも優しく微笑みながら頷いてくれた。
それに背を押されて私は今まで考えていた物を一つ一つ説明し始めた。
「ヴィクさん、申し訳ないんですけど私の部屋からわら半紙とペンとインクをこっちに持ってきてもらえますか?」
「後なんか食いもん頼む。当分かかるぞこれは」
「あ、僕も手伝います」
説明が進むにつれて言葉だけじゃ説明できなくなり、とうとう手の空いていたヴィクさんにお手伝いをお願いする。
「あ、今のうちにキーロン殿下から資金を貰ってきておかないと。明日は朝から買い出しでしょうし」
「そうだな、後は人を雇うにも金がかかる」
「そちらは殿下に直接請求を出してもらうといいだろう」
それだけ言ってヴィクさんがアリームさんと出て行ってしまった。
「それにしても嬢ちゃん、前に図面貰った時も思ったが、あんた結構こういう事できるんだな」
ピートルさんにそんな事をいわれてしまうと胸が痛い。
「ええっと私のは本当にかじった程度で実際には余りやった事はないんです。ですからピートルさんが見ておかしかったら教えてください」
私の答えを聞いたピートルさんが少し恥ずかしそうに笑う。
「嬢ちゃんは素直だな。あのネロの野郎も少しは見習えばいい」
黒猫君、言われてるよ。
「でも黒猫君のおかげで私もいま人並みに生活できてますから私はすごく感謝してるんですよ」
「そうかい。ならいいがな」
そう言ってまた軽く微笑んだ。
紙が届いて一気に話が進んだ。やっぱり紙に描いて見せるのって効果的だな。でもいくらわら半紙でもちょっともったいないって私が言うと、「このまま残して教本にするから勿体ないなんてことはないぞ」とピートルさんが背中を叩いてくれた。
ようやく明日買わなければならない物のリストが出来て、ピートルさんたちも連絡をつける人たちが決まって。そこでピートルさんが突然とんでもない事をいいだした。
「嬢ちゃん。思うんだけどな。ネロは正しいよ。あんたの知識はあんまり誰にでも広めねえほうがいいな」
黒猫君ならともかく、まさかピートルさんにそう言われるとは思っていなかった私はびっくりして聞き返した。
「な、なんでですか?」
「正直言って金になりすぎるぞ」
「僕もそう思います」
ピートルさんの返事に即座にアリームさんが同意する。
「確かに嬢ちゃんは自分では大したもん作ったことなかったんだろうな、言ってることは突拍子もないしやるには金がかかりそうだ。だが俺には分かる。多分ちょっとわかってるやつが工夫してやれば全部物になるし出来ちまったらとんでもなく価値が出る」
そこでピートルさんの目がちょっとだけ怖い色に染まった。
「でもって出てきたもんを見ちまったらそう思うのは俺だけじゃないだろうよ。そうすっとな、お前さんをさらってでもその知識を絞り出そうって連中が出てくるぞ」
ピートルさんの言葉にアリームさんがうんうんと頷いてる。少し離れた所で私たちの様子を伺っていたヴィクさんが顔をしかめた。
「だからな、いっそここで作るものは誰が作ったのか分からなくしちまおう」
「へ?」
「これからココで作ったもんは『王立研究機関作成』って張り付けて名前はなしだ」
「いいですね。それなら必要な技術がある者を誰でも参加させられるし信用も付けられる。本人たちも自分が関わった部分以外知らぬ存ぜぬで通せる」
アリームさんが両手を上げて賛成する。
「そんな私達に都合のいい条件で皆さん働いてくれますかね?」
「嬢ちゃん、あんたが持ってる知識ってのはそれを押しても学びたいと思うようなものばかりだ。間違いなく集まるぞ」
私の不安そうな質問にピートルさんが私のさっき書きつけたわら半紙の束をパラパラやりながら笑って答えてくれた。
そっか、そんな事も出来るのか。私はちょっと嬉しくなって返事をした。
「それ凄いです。それならバンバン新しいもの作っちゃっても大丈夫ですよね」
「待てあゆみ、それはネロ殿に私が怒られる。少なくとも私が見張ってるからちゃんと私を通してくれ」
すかさずヴィクさんがそう言った。
「ああ、ネロじゃないがあゆみの知識や案を研究・記録するのと何かを作るのは別だ。何を作るかは必ずこの4人で話し合ってからにしてくれ」
ピートルさんはどうやら私より良識人のようだ。これなら私が少しくらい暴走してもきっとなんとかしてくれる。
私が期待でドキドキと高鳴る胸を押さえているとピートルさんが窓の外に顔を向けた。
「じゃあ、今日はこれくらいであっちのパーティーに加わるか」
言われて気づいたがどうやら授与式が終わったみたいで遠くから大声で笑う声が響いて来ていた。
「でも私たち兵士じゃないのにいいんですかね?」
「キーロン殿下がそんなケチな事言うわけないだろ」
そう言ってピートルさんはそのまま立ち上がった。
食堂は既に人の山だった。キールさんたちもいてすぐに目ざとく私たちを見つけて手招きしてくれる。
「そっちは終わったのか?」
「はい、大体予定が立ちました。明日は買い出しに行ってもらって作業を始めます」
私の答えに満足そうに頷いたキールさんの横でエミールさんがすかさず立ち上がって私の席を自分の横に準備し始める。それを見たヴィクさんがさりげなくキールさんの目の前に座っていた男性に声をかけて私たちの席を確保してくれた。エミールさんの横の開いた椅子には自分が行って座ってくれる。どうもエミールさんはヴィクさんが少し苦手みたいだ。さっきもそうだったけど、ヴィクさんにはまるっきり手を出そうとしない。
「ほら嬢ちゃん、飲みもんだ」
「あ、ありがとうございます」
ヴィクさんとエミールさんを見てる間にピートルさんが回ってきたゴブレットを私の分も確保して渡してくれた。一口口をつけてびっくり。甘くて美味しい!
「こ、これすごい美味しい!」
「ああ、ここの街の定番だからな。北から送られてくるリンゴを使って作ってんだ」
訳知り顔にピートルさんが教えてくれる。リンゴの自然な甘みなんだけど、かなり味が濃くて癖になりそう。気のせいじゃなくちょっとだけ発泡してる。うわ、炭酸なんてあったんだ!
久しぶりの贅沢な甘味に喜びが抑えきれず、私はグビグビと煽ってしまう。うう、幸せだぁ。
今日は色々あったけど結局好きな研究もしてよくなったし、これからもっと色んな人とこれを続けられるらしいし、資金は潤沢でやりたい放題。
「キールさん、私、もしかすると凄く幸せかもしれません」
思わず私がそう言うと、キールさんが驚いた様にこちらを見返した。
「あゆみ、そういうことはネロに言ってやれ」
「え? 黒猫君ですか? うーん、言っても笑われるだけなきもしますけどね」
私はちょっと照れてそう返してしまう。
「それならぜひ僕にその微笑みを分けてください」
「お前は黙ってろ」
すかさず横から口を挟んだエミールさんをキールさんが叩く。
ああ、でも本当に幸せだな。私が何をいってもちゃんと聞いてくれる人たちがいる。私が笑うと喜んでくれる人がいる。
黒猫君も早く帰ってくればいいのにな。
0
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる