355 / 406
第12章 北の砦
14 遭遇
しおりを挟む
「そうですね、僕たちが出兵した頃にはもう王都は結構ひどい状態でしたよ。僕はまあヒラ兵士でしたんで、雑用が主な仕事でしたから、街中もしょっちゅう走り回ってたんで色々みてました」
ドワーフさんたちがいるのは鉱山の口が開いてる切り立った崖の上、要は私たちはグルっと砦を回って裏山を登らなきゃいけないわけで。無論私は黒猫君に抱えられてるだけだけど、行き着くのには結構時間がかかるみたいだった。
ジョシュさんたちも健脚だけど、バッカスや黒猫君みたいにバンバン山のなか飛び回るって訳にはいかないし。
道がてらタンさんのお話を聞いてるんだけど、思いがけず、中央のお話がいっぱい聞けた。
タンさんは元々王都警備隊の兵士さんなんだそうだ。だけど、王都の兵士さんたちは基本親と同じ仕事しかできないらしくて、タンさんみたいに元移民の家族はずっとヒラ兵士なんだそうだ。
タンさんの肌の色について聞いたら、南ザイオンよりもっと南の方の種族はみんな肌の色が褐色なんだって教えてくれた。タンさんのおじいさんもやっぱり南のほうの出身で、ずっと旅商人をしてた人たちの一人だったらしい。それが街の女性と結婚して、王都の住人になったんだそうだ。その時の条件が兵役で、それから兵士さんの家系になったんだそう。
「移民はどうしても立場が弱いんですよ。特に北ザイオンは白や黄色の肌が普通ですからね」
そう言ってなんかしょんぼりしてるのを聞いて黒猫君がまたなんか考え込んでた。
「でもタンさん、少尉さんでしたよね?」
少尉って平兵士なのかな?
軍の肩書なんてまるで分からないから聞いたんだけど、タンさんがちょっと戸惑い気味に返事をくれた。
「いえ、『少尉』ってのはここに到着してからつけられた肩書です。兵舎内の力関係を保つのに必死だったジェームズが勝手につけたので有効なのかも怪しいんですけどね」
そう言って肩を竦めるタンさんに、黒猫君が笑って「心配すんな、俺の『少佐』ってのも同じようなもんだ」って肩叩いてるけど。
キールさんから直々に拝命された黒猫君は同じじゃないと思うよ。
「ほんの数年前までは本当に景気がよくて、僕の副業でさえ月々使い切れないほど金が溜まってたんですけどね」
でも黒猫君のそんな態度に気が緩んだのか、タンさんがはぁ、っとため息一つ、独り言のように吐き出した。
「どんな副業やってたんだ?」
「商家の公証人です。まあ、一応兵士って肩書きもありますし、公証人の資格は取りやすかったんですよ。とはいえ、僕の資格でできたのはそれほど規模の大きくない取引だけでしたから、気軽に呼び出されたら商談に付き添って、契約書を確認してサインするだけの美味しい仕事でしたよ」
そう言ったタンさん、なんか悪い顔してる。黒猫君は黒猫君でニヤリと笑って「美味いなそれは」とか言ってるし。
「ですが、一昨年の暮れの頃から取引数自体が一気に減っちゃいまして」
「なんかバブルっぽいな」とか黒猫君が言ってる。バブルかぁ。泡だよね?
「まあ、僕の家族は祖父の教えで貯蓄は必ず貴金属にしていたので、それを金に変えて暫くはまだ凌いでたんですけど、今年の始め頃にはもう、市場に出るパンでさえ高すぎてなかなか買えなくて。仕方なく、この北への遠征に志願しちゃったんですよ。北に行けば僕の食い扶持が減る分、家族も楽になりますし、ナンシーは北の食料庫っていうくらいですから食うには困らないだろうって思ってたんですけどね。まさかもっと北のこんな僻地まで送られるとは思ってもみなく──」
そう言って情けなさそうに肩を竦めたタンさんは、前方を指差して静かにっと声をかけてきたジョシュさんの一言でプツリと言葉を切った。
でも、ジョシュさんが指差した先には別段変わったものはなにも見つけられない。なのに黒猫君とバッカスは小声で「あれか!」とか言い合ってる。
え、待って、見えてないの私だけ?
「確かに結構いるな……あそこに全部いるのか?」
「いえ、もっと後ろのほうまで結構広がってます。大回りして最後方は確かめました。多分六百匹……じゃなかった六百人くらいじゃないかと」
ジョシュさんが小声でそう黒猫君に答えると、一瞬思案した黒猫君は私を抱え直して指示を出し始める。
「まずは俺とバッカスで行ってくる。あゆみ連れてくから最悪戦闘になったらバッカス後ろを頼むぞ」
「ああ分かってる。なんか起きたらとにかく逃げろ」
私抜きで私の行動は勝手に決められてるけど仕方ない。だって、杖じゃこの森の中はちょっと歩けない。下草が黒猫君の膝上くらいまできてるし、木はぼうぼうだし。黒猫君たちは上手に避けて歩いてるけど、結構足元に段差もあるみたい。
私は大人しく、荷物役に徹することにした。
「ジョシュとタンは少し後ろに下がってろ」
黒猫君の指示で、タンさんたちがなんとかギリギリ見えるか見えないかって所まで下がってく。
それを確認して、私を抱えた黒猫君とバッカスがまっすぐ前に向かって歩き出した。
黒猫君たちが十歩くらい歩いたところで、地面がガサゴソ動いて、やっと私にも黒猫君たちが言ってたのが分かった。
それは確かにモフモフだった。けどなんか違う。バサバサって言うべき?
ジョシュさんの言ってたのがよくわかる。
下草に紛れて、草の冠を頭に乗っけた丸っこい茶色の毛の塊が十個くらいつつ、身を寄せ合って固まってる。ただ毛足がかなり長くて、お手入れが悪くてボサボサしてるから、モフモフなのにバサバサなのだ。
これはちょっとモフるのイヤかも。
よく目を凝らして見ると、下草の隙間から、鈍く光る鎧とか鎖とか、色々チラチラ見えてきた。
だけど、それ以外は本当に大っきな毛玉。
手は? 目は? 足はどこ?
「あー、ちょっと話したいんだが、いいか?」
黒猫君が思い切って声をかけた瞬間、ガサゴソ動いてた集団がピタッとその動きを止めた。
っと思ったら、ブワっと蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出した。
「あ、待て、待ってくれ、ちょっと話を━━」
黒猫君が慌てて声をかけるけど、動き出した集団は5メートルくらい一気に下がっちゃって、その辺りでまたガサゴソしてる。
うん。確かにこれは可愛いけど怖い。
「どうすっかなこれ」
「お前が考えろよ、多分俺がやったらもっと逃げるぞあれ」
バッカスはもう興味を失ったらしく、そう言って座り込む。途端、ガサゴソが一瞬止んだ。
ん、これもしかして。
「黒猫君、黒猫君もしゃがんでみて」
私がそう囁くと、黒猫君、一瞬困ってから私を抱えたまま器用にスクワットしてしゃがみ込む。
あ、やっぱり。ドワーフさんたち、多分大きい生き物が苦手なのかな。
さっきまでのガサゴソが、もっとなんかガサガサ、ガサガサって動くように変わって、そのまま暫く待ってると、1匹がちょっとずつこっちに近づいてきた。
近づいて見ても、その姿は鎧を付けたおっきな毛玉。なんというか、かの有名な宇宙SF映画でウォーって鳴いてた獣人キャラを縮めたみたいな。ボサボサしてなかったら茶色いマルチーズっぽいかも?
でもそれに反して身に着けてるのは、丸い盾みたいな鎧。鈍銀色の金属製で、表面が綺麗なカーブでドワーフさんの体にフィットしてる。
その見える部分全部なんかすっごく繊細な幾何学模様で埋め尽くされてて、私的にはなんか懐かしいような、なんだっけこれ?
手に持ってるのは身長よりも長い柄の付いたおっきなハンマー。手が見えないのに毛玉がそれをしっかり支えてピョンピョン跳ねるように歩いてくる仕草はなんともシュール。
「オーク、ナイ?」
ちっちゃな声で、でも確かにその近づいてきた毛玉さんが尋ねてくる。
「オーク? ああ、ここにはいねーぞ」
「おいネロ、お前何やってんだよ?」
黒猫君が、脅かさないように静かな声で答えると、なぜかバッカスが笑って黒猫君を肘でつついてる。
「え、何って」
「オーカミ? ネコ? ヒト?」
黒猫君がバッカスに返事しようとしたら、また毛玉さんがちっさい声で、でもハッキリと問い返してきた。
「狼、猫に人か? ああ、そんなもんだな」
「だからネロ、お前何やってんだって」
黒猫君が静かに答えると、バッカスがまたニヤニヤしながら黒猫君をつついて。
「何って、答えてるだけだろ、コイツに」
「は? 答えてるってお前……」
ふと、バッカスが真顔になって黒猫君を見つめ、そして言ったのだ。
「お前、さっきっからキュウキュウ鳴いてるだけじゃねーか」
ドワーフさんたちがいるのは鉱山の口が開いてる切り立った崖の上、要は私たちはグルっと砦を回って裏山を登らなきゃいけないわけで。無論私は黒猫君に抱えられてるだけだけど、行き着くのには結構時間がかかるみたいだった。
ジョシュさんたちも健脚だけど、バッカスや黒猫君みたいにバンバン山のなか飛び回るって訳にはいかないし。
道がてらタンさんのお話を聞いてるんだけど、思いがけず、中央のお話がいっぱい聞けた。
タンさんは元々王都警備隊の兵士さんなんだそうだ。だけど、王都の兵士さんたちは基本親と同じ仕事しかできないらしくて、タンさんみたいに元移民の家族はずっとヒラ兵士なんだそうだ。
タンさんの肌の色について聞いたら、南ザイオンよりもっと南の方の種族はみんな肌の色が褐色なんだって教えてくれた。タンさんのおじいさんもやっぱり南のほうの出身で、ずっと旅商人をしてた人たちの一人だったらしい。それが街の女性と結婚して、王都の住人になったんだそうだ。その時の条件が兵役で、それから兵士さんの家系になったんだそう。
「移民はどうしても立場が弱いんですよ。特に北ザイオンは白や黄色の肌が普通ですからね」
そう言ってなんかしょんぼりしてるのを聞いて黒猫君がまたなんか考え込んでた。
「でもタンさん、少尉さんでしたよね?」
少尉って平兵士なのかな?
軍の肩書なんてまるで分からないから聞いたんだけど、タンさんがちょっと戸惑い気味に返事をくれた。
「いえ、『少尉』ってのはここに到着してからつけられた肩書です。兵舎内の力関係を保つのに必死だったジェームズが勝手につけたので有効なのかも怪しいんですけどね」
そう言って肩を竦めるタンさんに、黒猫君が笑って「心配すんな、俺の『少佐』ってのも同じようなもんだ」って肩叩いてるけど。
キールさんから直々に拝命された黒猫君は同じじゃないと思うよ。
「ほんの数年前までは本当に景気がよくて、僕の副業でさえ月々使い切れないほど金が溜まってたんですけどね」
でも黒猫君のそんな態度に気が緩んだのか、タンさんがはぁ、っとため息一つ、独り言のように吐き出した。
「どんな副業やってたんだ?」
「商家の公証人です。まあ、一応兵士って肩書きもありますし、公証人の資格は取りやすかったんですよ。とはいえ、僕の資格でできたのはそれほど規模の大きくない取引だけでしたから、気軽に呼び出されたら商談に付き添って、契約書を確認してサインするだけの美味しい仕事でしたよ」
そう言ったタンさん、なんか悪い顔してる。黒猫君は黒猫君でニヤリと笑って「美味いなそれは」とか言ってるし。
「ですが、一昨年の暮れの頃から取引数自体が一気に減っちゃいまして」
「なんかバブルっぽいな」とか黒猫君が言ってる。バブルかぁ。泡だよね?
「まあ、僕の家族は祖父の教えで貯蓄は必ず貴金属にしていたので、それを金に変えて暫くはまだ凌いでたんですけど、今年の始め頃にはもう、市場に出るパンでさえ高すぎてなかなか買えなくて。仕方なく、この北への遠征に志願しちゃったんですよ。北に行けば僕の食い扶持が減る分、家族も楽になりますし、ナンシーは北の食料庫っていうくらいですから食うには困らないだろうって思ってたんですけどね。まさかもっと北のこんな僻地まで送られるとは思ってもみなく──」
そう言って情けなさそうに肩を竦めたタンさんは、前方を指差して静かにっと声をかけてきたジョシュさんの一言でプツリと言葉を切った。
でも、ジョシュさんが指差した先には別段変わったものはなにも見つけられない。なのに黒猫君とバッカスは小声で「あれか!」とか言い合ってる。
え、待って、見えてないの私だけ?
「確かに結構いるな……あそこに全部いるのか?」
「いえ、もっと後ろのほうまで結構広がってます。大回りして最後方は確かめました。多分六百匹……じゃなかった六百人くらいじゃないかと」
ジョシュさんが小声でそう黒猫君に答えると、一瞬思案した黒猫君は私を抱え直して指示を出し始める。
「まずは俺とバッカスで行ってくる。あゆみ連れてくから最悪戦闘になったらバッカス後ろを頼むぞ」
「ああ分かってる。なんか起きたらとにかく逃げろ」
私抜きで私の行動は勝手に決められてるけど仕方ない。だって、杖じゃこの森の中はちょっと歩けない。下草が黒猫君の膝上くらいまできてるし、木はぼうぼうだし。黒猫君たちは上手に避けて歩いてるけど、結構足元に段差もあるみたい。
私は大人しく、荷物役に徹することにした。
「ジョシュとタンは少し後ろに下がってろ」
黒猫君の指示で、タンさんたちがなんとかギリギリ見えるか見えないかって所まで下がってく。
それを確認して、私を抱えた黒猫君とバッカスがまっすぐ前に向かって歩き出した。
黒猫君たちが十歩くらい歩いたところで、地面がガサゴソ動いて、やっと私にも黒猫君たちが言ってたのが分かった。
それは確かにモフモフだった。けどなんか違う。バサバサって言うべき?
ジョシュさんの言ってたのがよくわかる。
下草に紛れて、草の冠を頭に乗っけた丸っこい茶色の毛の塊が十個くらいつつ、身を寄せ合って固まってる。ただ毛足がかなり長くて、お手入れが悪くてボサボサしてるから、モフモフなのにバサバサなのだ。
これはちょっとモフるのイヤかも。
よく目を凝らして見ると、下草の隙間から、鈍く光る鎧とか鎖とか、色々チラチラ見えてきた。
だけど、それ以外は本当に大っきな毛玉。
手は? 目は? 足はどこ?
「あー、ちょっと話したいんだが、いいか?」
黒猫君が思い切って声をかけた瞬間、ガサゴソ動いてた集団がピタッとその動きを止めた。
っと思ったら、ブワっと蜘蛛の子を散らすように一斉に逃げ出した。
「あ、待て、待ってくれ、ちょっと話を━━」
黒猫君が慌てて声をかけるけど、動き出した集団は5メートルくらい一気に下がっちゃって、その辺りでまたガサゴソしてる。
うん。確かにこれは可愛いけど怖い。
「どうすっかなこれ」
「お前が考えろよ、多分俺がやったらもっと逃げるぞあれ」
バッカスはもう興味を失ったらしく、そう言って座り込む。途端、ガサゴソが一瞬止んだ。
ん、これもしかして。
「黒猫君、黒猫君もしゃがんでみて」
私がそう囁くと、黒猫君、一瞬困ってから私を抱えたまま器用にスクワットしてしゃがみ込む。
あ、やっぱり。ドワーフさんたち、多分大きい生き物が苦手なのかな。
さっきまでのガサゴソが、もっとなんかガサガサ、ガサガサって動くように変わって、そのまま暫く待ってると、1匹がちょっとずつこっちに近づいてきた。
近づいて見ても、その姿は鎧を付けたおっきな毛玉。なんというか、かの有名な宇宙SF映画でウォーって鳴いてた獣人キャラを縮めたみたいな。ボサボサしてなかったら茶色いマルチーズっぽいかも?
でもそれに反して身に着けてるのは、丸い盾みたいな鎧。鈍銀色の金属製で、表面が綺麗なカーブでドワーフさんの体にフィットしてる。
その見える部分全部なんかすっごく繊細な幾何学模様で埋め尽くされてて、私的にはなんか懐かしいような、なんだっけこれ?
手に持ってるのは身長よりも長い柄の付いたおっきなハンマー。手が見えないのに毛玉がそれをしっかり支えてピョンピョン跳ねるように歩いてくる仕草はなんともシュール。
「オーク、ナイ?」
ちっちゃな声で、でも確かにその近づいてきた毛玉さんが尋ねてくる。
「オーク? ああ、ここにはいねーぞ」
「おいネロ、お前何やってんだよ?」
黒猫君が、脅かさないように静かな声で答えると、なぜかバッカスが笑って黒猫君を肘でつついてる。
「え、何って」
「オーカミ? ネコ? ヒト?」
黒猫君がバッカスに返事しようとしたら、また毛玉さんがちっさい声で、でもハッキリと問い返してきた。
「狼、猫に人か? ああ、そんなもんだな」
「だからネロ、お前何やってんだって」
黒猫君が静かに答えると、バッカスがまたニヤニヤしながら黒猫君をつついて。
「何って、答えてるだけだろ、コイツに」
「は? 答えてるってお前……」
ふと、バッカスが真顔になって黒猫君を見つめ、そして言ったのだ。
「お前、さっきっからキュウキュウ鳴いてるだけじゃねーか」
0
お気に入りに追加
439
あなたにおすすめの小説
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる