上 下
16 / 31
休息編

祝祭

しおりを挟む
タワラに帰った後、ラーマは祭りの準備をした。

「村長さん、祭りって何をするんですか?」

「まあ、みんなでワイワイ騒ぐみたいな感じかな?」

「そうなんですね。」

「ただ、君にはメインの聖火式を手伝ってほしいんだ。」

「聖火式?」

「ああ、ここにある聖火台に火をつけてもらうんだ。」

「なるほど。」

「ああ。普段は村長の私がやるんだが、マフィアの君がトップだからね。」

「それじゃあ、技でつける感じでいいですか?」

「いいね、それ。もしできたら技で花火みたいにできないかな?」

「分かりました、やってみます。」

「これは、賑やかな祭りになりそうだね。あれ、そういやリョフ君は?」

「なんか用事があるから祭りには参加できないらしいです。」

「そうかぁ、残念だなぁ。」

「なあ、ラーマちょっと荷物運ばなきゃいけなくてさ手伝ってよ。」

「いいよ。」

その後もラーマは村の人たちと祭りの準備をして祭り当日を迎えた。

ざわざわざわざわ

「これより、祝祭を開始する。」

村長の一言で村人は静かになった。

「祝祭の開始にあたって、聖火式を行う。」

「聖火の点火はこの村を治めるもの、ラーマ君にお願いする。」

白い衣装に身をまとったラーマが聖火台の前に現れた。

「憑依 織田信長、本能寺」

技によって出た炎は空を駆け上がり、空で舞い聖火台へと向かった。

ボワッ

聖火台に火が付いた。

すると、村人たちは一気に沸き上がった。

「うぉぉ、祭りの開始だぁ!」

村人たちは舞い上がり、村は盛り上がりに包まれた。

この村にもともと住んでいた人や市場でモノを売っている商人たちもわいわい盛り上がった。

盛り上がりの喧騒の中を、リョフとラーマの二人は歩いていた。

「こんなに盛り上がるんだ祭りって。」

「まあでも、みんな楽しそうだしいいでいいじゃん。」

「俺らの故郷には祭りなんてなかったもんな。」

「そうだね、あったら子どものころ何が何だかわからなそうだけど。」

「まあ、大人たちが全員酒飲んでるからな。」

「おい、ラーマ。お前も飲めよ。」

村人が話しかけてきた。

「すみません、僕まだ飲めないんですよ。」

「マフィアの癖にそういうとこ律儀なんだな。」

「なんか、罪悪感があって。」

「そうかぁ、じゃあ茶でものむか?」

「ちょうど喉乾いてたのでもらいます。」

ゴクゴク

「うめぇ~。」

「そりゃあよかったよ。祭り楽しんでけよ。」

ーー次の日ーー

ラーマは違和感に気づきリョフに相談した。

「なんか、手握ったら火出るんだけど。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい

宇水涼麻
恋愛
 ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。 「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」  呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。  王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。  その意味することとは?  慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?  なぜこのような状況になったのだろうか?  ご指摘いただき一部変更いたしました。  みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。 今後ともよろしくお願いします。 たくさんのお気に入り嬉しいです! 大変励みになります。 ありがとうございます。 おかげさまで160万pt達成! ↓これよりネタバレあらすじ 第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。 親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。 ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

浮気相手の女の名前を公開することにいたしました

宇水涼麻
恋愛
ルベグント王子の浮気癖は、婚約者であるシャルリーラを辟易とさせていた。 二人が貴族学園の3年生になってしばらくすると、学園の掲示板に貼り出されたものに、生徒たちは注目した。 『総会で、浮気相手の女の名前を公開する。 しかし、謝罪した者は、発表しない』 それを見た女生徒たちは、家族を巻き込んで謝罪合戦を繰り広げた。 シャルリーラの予想を上回る数の謝罪文が届く。

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

(完結)足手まといだと言われパーティーをクビになった補助魔法師だけど、足手まといになった覚えは無い!

ちゃむふー
ファンタジー
今までこのパーティーで上手くやってきたと思っていた。 なのに突然のパーティークビ宣言!! 確かに俺は直接の攻撃タイプでは無い。 補助魔法師だ。 俺のお陰で皆の攻撃力防御力回復力は約3倍にはなっていた筈だ。 足手まといだから今日でパーティーはクビ?? そんな理由認められない!!! 俺がいなくなったら攻撃力も防御力も回復力も3分の1になるからな?? 分かってるのか? 俺を追い出した事、絶対後悔するからな!!! ファンタジー初心者です。 温かい目で見てください(*'▽'*) 一万文字以下の短編の予定です!

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...