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第二章 集う凡人達
第4話 不良生徒バツフォイ
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アッパレーは傷だらけになりながら魔法学校ボクマーツに辿り着いた。
「おお、、大きいなぁ!」
密林の中にそびえ立つ建物は巨大なお城のような外観をしている。
学校を囲む門を通ろうとした時、誰かに声をかけられた。
「この門はボクマーツの生徒及び関係者の者しか通行を許可されていない。立ち去るが良い」
門の上に立つ梟がこちらを見下ろしているが、他に人影はない。
「すみません!誰に声をかけられたか分かりません!」
アッパレーは手を挙げて問いかけた。
「私だ」
どうやら門の上の梟が話しているようだ。
「おめぇ、喋れるのか!?」
アッパレーは驚いた。
動物が喋っている姿を見るのは初めてだったからだ。
「私は学校長の召喚魔法により顕現しているだけだ。それよりも早々にここから立ち去れ、門内はボクマーツの生徒及び関係者しか通行を許可されていない」
「そうなのかぁ、じゃあ一つだけ質問させてくれ!フラペチーノ様はここに来たか?」
「ああ、フラペチーノ様はポリー・ハッター君と共に僧侶の里、テンジクへと向かわれた」
「そうか、ありがとう!一足遅かったべ」
アッパレーが立ち去ろうとした時、梟が声をかける。
「そういえば、密林でうちの生徒を見なかったかな?破壊魔法の授業以外すっぽかす不良生徒がいてね。ボクマーツの生徒は基本的にこの門から出ることがないから、もし学生服を着た者を見かけたら学校へ戻るように伝えておいてくれ」
アッパレーは獣を燃やした金髪のオールバックの男を思い出した。
「あ!会ったぞ!獣を一撃で仕留めた奴だ。あいつは不良生徒なのか?あんなに強いのに」
「破壊魔法の腕は確かだが、魔法使いとしては未熟である。魔法というのは由緒正しき者のみが扱うべきもの。心が未熟な者には扱いきれぬ代物だ」
「そうなのかぁ、あんなに強い奴は初めて見たべ。あいつはちゃんと授業を受けて、もっと強くなるべきだ!おら探してくるよ!」
アッパレーは駆け出した。
「あ、探さなくとも良い!どうせ彼は、、、行ってしまったか」
梟の言葉は届かず、もう既にアッパレーは密林の中へと入っていた。
アッパレーは来た道を戻った。
「おーい!ボクマーツの生徒!学校に戻ってこーい!」
声を大にして叫ぶが返答はない。
その後もアッパレーはオールバックの男に聞こえるように叫びながら密林を駆け回った。
声に反応してやってくるのは魔物ばかりで、男の姿はなかった。
「困ったべ、、、」
すぐに見つかると思っていたが、一筋縄ではいかず、アッパレーは木にもたれかかって汗を拭っていた。
その時、、、ドカン!!
凄まじい爆発音が鳴り響き、アッパレーは立ち上がった。
魔法学校の方から煙が立ち昇っているのが見える。
アッパレーは煙を頼りに魔法学校へと戻ることにした。
~~~~~~~~~
校門から生徒達が外へと雪崩れ込んでいる。
どうやらパニックを起こしている様子で、泣き叫んでいる者もいた。
「落ち着いてくれ!何があったんだ?」
アッパレーは人混みの中、行き交う人々に問いかける。
しかし皆逃げることに夢中になり、返答はない。
アッパレーは人の雪崩に逆行するように門の中へと入る。
その時、前方に自分と同じように雪崩に逆らって校内へと入ろうとしている男の姿を確認した。
「あれは、、、」
金髪のオールバック姿の彼は、先程までアッパレーが探していた男に違いない。
「おーい!待ってくれ!」
アッパレーの声はパニック状態の生徒達の喧騒に掻き消され、彼に届いていないようだ。
そして男はそのまま校内へと入っていった。
人の荒波に揉まれながら、アッパレーもなんとか校内へと入り込んだ。
校内では先生らしき人物が避難誘導している。
「皆!走らないで!他の先生達が足止めをしているから、急がなくても大丈夫だから!」
先生の声はアッパレーの耳にしか入っておらず、生徒達は押し合いながら外へと急いでいる。
「ここで何があったんだ?」
アッパレーは先生へと質問した。
「君は誰だ?ここの生徒じゃないな?だが今となっては誰であってもいい、すぐにここから立ち去りなさい」
「何があったか知りたいんだ」
「地下牢獄に封印されていた鋼鉄のトロールの封印が解けたのだ!きっと魔王の仕業だ、ポリー・ハッター君を勇者様と合流させないために仕掛けてきたのだ!」
「でも、その優秀な魔法使いは勇者様と合流して次の目的地に向かったんだよな?」
「ええ、向かいました」
「じゃあその鋼鉄のトロールとやらを皆の魔法で倒せば良いだけじゃないのか?」
先生は顔をしかめた。
「それが出来るならやってるよ。鋼鉄のトロールにはどんな魔法も効かない、もちろん物理攻撃も。私達には、というか、人間が勝てる相手じゃないんだ!もちろん私も逃げる!」
生徒が避難し終えたのを確認して、先生は外へと走り出した。
「倒せないなら、どうしてあいつは中に入ったんだ?」
アッパレーは金髪のオールバックの男を不思議に思った。
「もしかして鋼鉄のトロールに攻撃が効かないことを知らないんじゃないか!?じゃあ教えてあげなきゃダメだべ!」
アッパレーは静まり返った学校のロビーを駆け抜け、男を追いかけた。
「おお、、大きいなぁ!」
密林の中にそびえ立つ建物は巨大なお城のような外観をしている。
学校を囲む門を通ろうとした時、誰かに声をかけられた。
「この門はボクマーツの生徒及び関係者の者しか通行を許可されていない。立ち去るが良い」
門の上に立つ梟がこちらを見下ろしているが、他に人影はない。
「すみません!誰に声をかけられたか分かりません!」
アッパレーは手を挙げて問いかけた。
「私だ」
どうやら門の上の梟が話しているようだ。
「おめぇ、喋れるのか!?」
アッパレーは驚いた。
動物が喋っている姿を見るのは初めてだったからだ。
「私は学校長の召喚魔法により顕現しているだけだ。それよりも早々にここから立ち去れ、門内はボクマーツの生徒及び関係者しか通行を許可されていない」
「そうなのかぁ、じゃあ一つだけ質問させてくれ!フラペチーノ様はここに来たか?」
「ああ、フラペチーノ様はポリー・ハッター君と共に僧侶の里、テンジクへと向かわれた」
「そうか、ありがとう!一足遅かったべ」
アッパレーが立ち去ろうとした時、梟が声をかける。
「そういえば、密林でうちの生徒を見なかったかな?破壊魔法の授業以外すっぽかす不良生徒がいてね。ボクマーツの生徒は基本的にこの門から出ることがないから、もし学生服を着た者を見かけたら学校へ戻るように伝えておいてくれ」
アッパレーは獣を燃やした金髪のオールバックの男を思い出した。
「あ!会ったぞ!獣を一撃で仕留めた奴だ。あいつは不良生徒なのか?あんなに強いのに」
「破壊魔法の腕は確かだが、魔法使いとしては未熟である。魔法というのは由緒正しき者のみが扱うべきもの。心が未熟な者には扱いきれぬ代物だ」
「そうなのかぁ、あんなに強い奴は初めて見たべ。あいつはちゃんと授業を受けて、もっと強くなるべきだ!おら探してくるよ!」
アッパレーは駆け出した。
「あ、探さなくとも良い!どうせ彼は、、、行ってしまったか」
梟の言葉は届かず、もう既にアッパレーは密林の中へと入っていた。
アッパレーは来た道を戻った。
「おーい!ボクマーツの生徒!学校に戻ってこーい!」
声を大にして叫ぶが返答はない。
その後もアッパレーはオールバックの男に聞こえるように叫びながら密林を駆け回った。
声に反応してやってくるのは魔物ばかりで、男の姿はなかった。
「困ったべ、、、」
すぐに見つかると思っていたが、一筋縄ではいかず、アッパレーは木にもたれかかって汗を拭っていた。
その時、、、ドカン!!
凄まじい爆発音が鳴り響き、アッパレーは立ち上がった。
魔法学校の方から煙が立ち昇っているのが見える。
アッパレーは煙を頼りに魔法学校へと戻ることにした。
~~~~~~~~~
校門から生徒達が外へと雪崩れ込んでいる。
どうやらパニックを起こしている様子で、泣き叫んでいる者もいた。
「落ち着いてくれ!何があったんだ?」
アッパレーは人混みの中、行き交う人々に問いかける。
しかし皆逃げることに夢中になり、返答はない。
アッパレーは人の雪崩に逆行するように門の中へと入る。
その時、前方に自分と同じように雪崩に逆らって校内へと入ろうとしている男の姿を確認した。
「あれは、、、」
金髪のオールバック姿の彼は、先程までアッパレーが探していた男に違いない。
「おーい!待ってくれ!」
アッパレーの声はパニック状態の生徒達の喧騒に掻き消され、彼に届いていないようだ。
そして男はそのまま校内へと入っていった。
人の荒波に揉まれながら、アッパレーもなんとか校内へと入り込んだ。
校内では先生らしき人物が避難誘導している。
「皆!走らないで!他の先生達が足止めをしているから、急がなくても大丈夫だから!」
先生の声はアッパレーの耳にしか入っておらず、生徒達は押し合いながら外へと急いでいる。
「ここで何があったんだ?」
アッパレーは先生へと質問した。
「君は誰だ?ここの生徒じゃないな?だが今となっては誰であってもいい、すぐにここから立ち去りなさい」
「何があったか知りたいんだ」
「地下牢獄に封印されていた鋼鉄のトロールの封印が解けたのだ!きっと魔王の仕業だ、ポリー・ハッター君を勇者様と合流させないために仕掛けてきたのだ!」
「でも、その優秀な魔法使いは勇者様と合流して次の目的地に向かったんだよな?」
「ええ、向かいました」
「じゃあその鋼鉄のトロールとやらを皆の魔法で倒せば良いだけじゃないのか?」
先生は顔をしかめた。
「それが出来るならやってるよ。鋼鉄のトロールにはどんな魔法も効かない、もちろん物理攻撃も。私達には、というか、人間が勝てる相手じゃないんだ!もちろん私も逃げる!」
生徒が避難し終えたのを確認して、先生は外へと走り出した。
「倒せないなら、どうしてあいつは中に入ったんだ?」
アッパレーは金髪のオールバックの男を不思議に思った。
「もしかして鋼鉄のトロールに攻撃が効かないことを知らないんじゃないか!?じゃあ教えてあげなきゃダメだべ!」
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