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第一章 立ち上がる村人A
第3話 セイギーノ王国
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「着いたべ!!」
アッパレー達はセイギーノ王国へと辿り着いた。
「ありがとう、この時間ならまだ間に合う」
コーギーはアッパレーに降ろすように促し、地上へと降り立つ。
「大丈夫なのか?」
「ああ、何とか歩ける。アッパレー、本当に助かったよ!もし今日の夜暇だったら飲みに行こう」
「いや、俺はやることがあるんだ!それが終わったら、いつか飲みに行こう!」
「そうか、残念だ!またな」
コーギーはアッパレーと熱い握手を交わした。
そして足を引きずりながら城下町の中へと消えて行った。
「よし!勇者様がどこに行ったか、王城に行って聞いてみよう!」
アッパレーは城下町の先に聳え立つ王城を目指して走り出す。
城門に到着したアッパレーはそのまま中へ入ろうとした。
しかし城門前の二人の番兵に止められる。
「止まれ!何用だ?」
「フラペチーノ様が魔王討伐に出発したという号外を見た。おらも一緒に魔王と戦おうと思っているんだ!」
それを聞いた番兵は笑い出した。
「はっはっは!!面白い冗談を言うなぁ」
「冗談じゃねぇべ!おらは本気だ!」
髭を生やしたもう一人の番兵がアッパレーに槍を向ける。
「おい坊主頭、冗談で言っていないのだとしたら戯言を言うな。そんな小柄な身体でフラペチーノ様と共に戦うなどおこがましいぞ!勇者様に相応しい仲間はもう既に選定されている。お前のような脇役が入る隙はない。分かったらとっとと立ち去れ!」
それを聞いたアッパレーは安堵した。
「そうか、良かった!勇者様は一人で戦うわけじゃないんだな!?でも魔王は強大な存在だべ、皆で戦った方が良いと思う。王様にもっと兵士を送るべきだと言っておいてくれ!」
それを聞いた髭を生やした番兵は今にもアッパレーを斬りつけそうだった。
「生意気な!王様に物申すなど百年早いわ!」
それをヘラヘラとした番兵が制止する。
「まぁ落ち着け、お前が怒るのも分かるがここまでのバカは珍しい。貴様のバカさ加減に免じて教えてやろう、フラペチーノ様は魔法学校ボクマーツに向かった。理由は百年に一人の逸材である魔法の天才ポリー・ハッター様を迎えに行ったのだ。皆で魔王を討伐に行く必要なんてないのさ、もう既に最強の三人がフラペチーノ様を護衛することが決められているのだから」
行き先が分かったアッパレーはヘラヘラした番兵に握手を求める。
「そうか!他にもフラペチーノ様と共に旅する仲間がいるのだな!行き先も分かった、ありがとう!この恩は忘れねぇべ!」
ヘラヘラした番兵は面白がって握手を交わした。
「頑張れよ、田舎者」
アッパレーはすぐに魔法学校ボクマーツを目指して走り出した。
当初の予定ではフラペチーノ様が城を出発してすぐに合流する予定だったのだが、今は少しロスタイムが発生している。
ボクマーツに到着する前に合流出来ると良いのだが、、
ボクマーツへ辿り着くにはこの密林を抜ける他ない。
タイクーツ村の隣の森よりも魔物が強くなっている。
流石に駆け抜けながら倒せるほど弱くはない。
密林に入るなり蝙蝠の大群に襲われた。
「倒すしかねぇべ」
空を飛ぶ蝙蝠達からは逃げ切れないだろう。
アッパレーは斧を振り回し、蝙蝠達に応戦した。
獣に噛まれた左腕が痛む、しかし立ち止まっている場合ではない。
アッパレーは蝙蝠を一匹ずつ叩き落としながら密林を進んだ。
順調に目的地に近づいていたが、途中で大きな獣に遭遇してしまう。
「あの森で出会った獣よりも大きいべ、、」
グルゥゥ!!
獣は獲物を見つけて喜んでいるようだった。
生唾を飲み込み、斧を構える。
「アッチチ!!」
どこからか声が聞こえたかと思うと、獣は一瞬にして丸焦げになった。
木々の奥から金髪のオールバック姿の男が姿を現した。
「命拾いしたな」
彼はボクマーツの学生服に身を包み、指先で杖を回している。
「助かったべ、ありがとうな!」
アッパレーは握手を求めたが、男はそれを振り払う。
「世の中には助ける側と助けられる側が存在するだけだ。貴様と俺様の間には明確な差がある。握手をするなどありえん話だ」
男は木々の暗闇へと姿を消した。
「ともかく助かったべ!ありがとうな!!」
アッパレーは両手を振って男に聞こえるように感謝を伝えた。
「もうこの密林にはおらの力じゃ倒せない魔物もいる。もっと強くならなきゃ!!」
その後もアッパレーは襲いくる魔物を倒し、経験を積みながら魔法学校ボクマーツを目指した。
アッパレー達はセイギーノ王国へと辿り着いた。
「ありがとう、この時間ならまだ間に合う」
コーギーはアッパレーに降ろすように促し、地上へと降り立つ。
「大丈夫なのか?」
「ああ、何とか歩ける。アッパレー、本当に助かったよ!もし今日の夜暇だったら飲みに行こう」
「いや、俺はやることがあるんだ!それが終わったら、いつか飲みに行こう!」
「そうか、残念だ!またな」
コーギーはアッパレーと熱い握手を交わした。
そして足を引きずりながら城下町の中へと消えて行った。
「よし!勇者様がどこに行ったか、王城に行って聞いてみよう!」
アッパレーは城下町の先に聳え立つ王城を目指して走り出す。
城門に到着したアッパレーはそのまま中へ入ろうとした。
しかし城門前の二人の番兵に止められる。
「止まれ!何用だ?」
「フラペチーノ様が魔王討伐に出発したという号外を見た。おらも一緒に魔王と戦おうと思っているんだ!」
それを聞いた番兵は笑い出した。
「はっはっは!!面白い冗談を言うなぁ」
「冗談じゃねぇべ!おらは本気だ!」
髭を生やしたもう一人の番兵がアッパレーに槍を向ける。
「おい坊主頭、冗談で言っていないのだとしたら戯言を言うな。そんな小柄な身体でフラペチーノ様と共に戦うなどおこがましいぞ!勇者様に相応しい仲間はもう既に選定されている。お前のような脇役が入る隙はない。分かったらとっとと立ち去れ!」
それを聞いたアッパレーは安堵した。
「そうか、良かった!勇者様は一人で戦うわけじゃないんだな!?でも魔王は強大な存在だべ、皆で戦った方が良いと思う。王様にもっと兵士を送るべきだと言っておいてくれ!」
それを聞いた髭を生やした番兵は今にもアッパレーを斬りつけそうだった。
「生意気な!王様に物申すなど百年早いわ!」
それをヘラヘラとした番兵が制止する。
「まぁ落ち着け、お前が怒るのも分かるがここまでのバカは珍しい。貴様のバカさ加減に免じて教えてやろう、フラペチーノ様は魔法学校ボクマーツに向かった。理由は百年に一人の逸材である魔法の天才ポリー・ハッター様を迎えに行ったのだ。皆で魔王を討伐に行く必要なんてないのさ、もう既に最強の三人がフラペチーノ様を護衛することが決められているのだから」
行き先が分かったアッパレーはヘラヘラした番兵に握手を求める。
「そうか!他にもフラペチーノ様と共に旅する仲間がいるのだな!行き先も分かった、ありがとう!この恩は忘れねぇべ!」
ヘラヘラした番兵は面白がって握手を交わした。
「頑張れよ、田舎者」
アッパレーはすぐに魔法学校ボクマーツを目指して走り出した。
当初の予定ではフラペチーノ様が城を出発してすぐに合流する予定だったのだが、今は少しロスタイムが発生している。
ボクマーツに到着する前に合流出来ると良いのだが、、
ボクマーツへ辿り着くにはこの密林を抜ける他ない。
タイクーツ村の隣の森よりも魔物が強くなっている。
流石に駆け抜けながら倒せるほど弱くはない。
密林に入るなり蝙蝠の大群に襲われた。
「倒すしかねぇべ」
空を飛ぶ蝙蝠達からは逃げ切れないだろう。
アッパレーは斧を振り回し、蝙蝠達に応戦した。
獣に噛まれた左腕が痛む、しかし立ち止まっている場合ではない。
アッパレーは蝙蝠を一匹ずつ叩き落としながら密林を進んだ。
順調に目的地に近づいていたが、途中で大きな獣に遭遇してしまう。
「あの森で出会った獣よりも大きいべ、、」
グルゥゥ!!
獣は獲物を見つけて喜んでいるようだった。
生唾を飲み込み、斧を構える。
「アッチチ!!」
どこからか声が聞こえたかと思うと、獣は一瞬にして丸焦げになった。
木々の奥から金髪のオールバック姿の男が姿を現した。
「命拾いしたな」
彼はボクマーツの学生服に身を包み、指先で杖を回している。
「助かったべ、ありがとうな!」
アッパレーは握手を求めたが、男はそれを振り払う。
「世の中には助ける側と助けられる側が存在するだけだ。貴様と俺様の間には明確な差がある。握手をするなどありえん話だ」
男は木々の暗闇へと姿を消した。
「ともかく助かったべ!ありがとうな!!」
アッパレーは両手を振って男に聞こえるように感謝を伝えた。
「もうこの密林にはおらの力じゃ倒せない魔物もいる。もっと強くならなきゃ!!」
その後もアッパレーは襲いくる魔物を倒し、経験を積みながら魔法学校ボクマーツを目指した。
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