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決戦のグレイス城編
第184話 純血の小悪魔
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グレイス城前
ヴォルギス「修理は終わったが、さてどうするか」
ズミ「そういや、修理中にバイク音がしなかったか?」
ヴォルギス「したか?気のせいだろ」
ズミ達は戦車の修理を終え、グレイス城へ突入しようか迷っていた。
ズミ「ツグルとカナメル、それと~ヴォルギスのところのお嬢さん。全員門をくぐった途端に姿を消した。ここからナイトロードは真っ直ぐに見えているが、これはきっと幻覚なんだろうなぁ」
ヴォルギス「はぁ、やめておけと言ったのに。修理が終わったから私は行くよ!!つって行っちまったからな。敵の罠だろうに」
ズミ「戦車で入り込むとしてもどちみち城の中には入れない。城下町までの援護と撤退の手助けのつもりで来たわけだが、門に仕掛けられているのがもし転送魔法だとしたら戦車ごとどこかに飛ばされかねない」
ヴォルギス「とはいえ俺は戦車から降りたら何も出来ないぜ」
自信満々に言うヴォルギスにタチキが反応した。
タチキ「よくそんな堂々と言えたな!!」
キャノン「いや、俺らも同じようなもんだろ」
タチキ「え!!あ、いや~まぁ、はい、そうですねぇ~」
ヴォルギス「さーて、どうするか。ズミよ」
ズミ「そうだなぁ~」
ネットリとした低音の声が響く。
ズミ「無の神を倒せたとしても倒せなかったとしても、撤退する時には戦車の援護が必要だろうなぁ。逆に敵の援軍が城の外にいたとなれば、ここで足止めをするのがベターだろう」
ヴォルギス「ということはここで待機か?」
ズミ「だなぁ~」
待機することを決めたその時、戦車のスコープからグレイスの草原を覗き込んでいたキャノンが大きな声でズミを呼んだ。
キャノン「ズミくん!!後方から誰か来る!!」
ズミはキャノンに代わってスコープを覗き込んだ。
ズミ「こりゃ厄介な敵がやってきたな」
タチキ「早速援軍か、やるのかい?ズミくん」
ズミ「まぁ~やりたかないけど、やるしかないだろうなぁ」
ヴォルギス「消し飛ばしてしまっても問題ないんだろう?」
ズミ「ああ、いいよ。消し飛ばないタイプの敵だから」
ヴォルギス「ほう、というと?」
ズミ「俺が今、最も会いたかった人物だよ。まさかこんなに早く会えるとはなぁ」
夜風に晒されながらゆっくりと近づく人影にタチキとキャノンの手に汗が滲む。
しかし現れたのはまだ若い少女だった。
キャノン「おい、小娘だぞ」
ズミ「ん?そうだよ」
タチキ「おいおい、ズミ君。ここで君の性癖なんて聞きたくないんだよ」
ズミ「お前らなぁ、舐めてたら死ぬよ?とりあえずキャノン、どデカいの撃ってくれる?」
キャノン「いや、、、でもよぉ」
そうこうしているうちに少女が驚いて声を上げた。
「どうしてこんなところに戦車があるの?あの化け物達はどこに行ったのよ!!ま、おかげですんなりお城に入れそうね」
少女は戦車を横切ろうと近付いてくる。
ズミ「キャノン、撃て」
キャノン「まだ敵かどうかも分からないだろ」
ドガーーーン!!!!!
大型戦車をも一撃で沈める戦車砲を撃ち込んだのはヴォルギスだった。
ヴォルギス「これで良いんだろ?戦友よ」
ズミ「ああ、ここからだよ」
土煙の中、チェーンソーの音が響き渡る。
チェルシー「痛いわね!!!!その戦車は敵ってことね!!先生は敵をいち早く察知して城に戻った。置いていかれて腹が立ったけれど認めるわ。私の先生はやっぱり凄い!!」
ヴィィイイイイイ!!!!
チェーンソーの音と共に飛び出してきた少女の周りには巨大な血で出来た赤い槍が旋回している。
ズミ「くるぞ~タチキ!!」
タチキ「あいよ!!!!」
巨大な戦車が二つ、チェルシーを避けるように動き出した。
ヴォルギス「はっはっは!!!この巨体でこの動き!!兵役時代より上等な戦車だよ、こいつは」
チェルシー「こいつらを仕留めるのが私のミッションね。分かってきたわよ、先生!」
チェルシーが巨大な血の槍を二両の戦車へと放つ。
ヴォルギス「あんなもの、この上等な戦車に刺さるかぁ?」
無線からヴォルギスの笑い声が聞こえる。
ズミ「油断するなよヴォルギス。俺が思っていたよりも、大変な戦いになりそうだ」
ヴォルギス「確かに、不意打ちのあの砲撃を防いだ強者だからな」
ズミ「いや、あの子は防いだんじゃなくて。受けて粉々になったんだよ」
ヴォルギス「どういうことだ?」
ズミ「そうだなぁ、俺の上位互換とでも言うべきかぁ」
ヴォルギス「なるほど」
タチキ「おいおいおい!!だとしたらどうやって倒すんだよ!!あんなゾンビ」
キャノン「撃っても意味ないんだろ?」
ズミ「ああ、意味ない」
ヴォルギス「何か策はあるのか?」
戦車は血の槍を避けながら大きく旋回した。
ズミ「一旦動きを止めるしかない。ヴォルギス、俺が渡したあれを使うんだよ」
ヴォルギス「あれは身体に直撃させなきゃダメなんだろ?」
ズミ「そうだ、だから慎重にいく。ヴォルギス、キャノン、砲撃を続けろ」
キャノン「意味ないんだろ?勿体なくねぇか?」
ズミ「フラグを立てるのさ」
ズミがニヤリと笑った。
ヴォルギス「修理は終わったが、さてどうするか」
ズミ「そういや、修理中にバイク音がしなかったか?」
ヴォルギス「したか?気のせいだろ」
ズミ達は戦車の修理を終え、グレイス城へ突入しようか迷っていた。
ズミ「ツグルとカナメル、それと~ヴォルギスのところのお嬢さん。全員門をくぐった途端に姿を消した。ここからナイトロードは真っ直ぐに見えているが、これはきっと幻覚なんだろうなぁ」
ヴォルギス「はぁ、やめておけと言ったのに。修理が終わったから私は行くよ!!つって行っちまったからな。敵の罠だろうに」
ズミ「戦車で入り込むとしてもどちみち城の中には入れない。城下町までの援護と撤退の手助けのつもりで来たわけだが、門に仕掛けられているのがもし転送魔法だとしたら戦車ごとどこかに飛ばされかねない」
ヴォルギス「とはいえ俺は戦車から降りたら何も出来ないぜ」
自信満々に言うヴォルギスにタチキが反応した。
タチキ「よくそんな堂々と言えたな!!」
キャノン「いや、俺らも同じようなもんだろ」
タチキ「え!!あ、いや~まぁ、はい、そうですねぇ~」
ヴォルギス「さーて、どうするか。ズミよ」
ズミ「そうだなぁ~」
ネットリとした低音の声が響く。
ズミ「無の神を倒せたとしても倒せなかったとしても、撤退する時には戦車の援護が必要だろうなぁ。逆に敵の援軍が城の外にいたとなれば、ここで足止めをするのがベターだろう」
ヴォルギス「ということはここで待機か?」
ズミ「だなぁ~」
待機することを決めたその時、戦車のスコープからグレイスの草原を覗き込んでいたキャノンが大きな声でズミを呼んだ。
キャノン「ズミくん!!後方から誰か来る!!」
ズミはキャノンに代わってスコープを覗き込んだ。
ズミ「こりゃ厄介な敵がやってきたな」
タチキ「早速援軍か、やるのかい?ズミくん」
ズミ「まぁ~やりたかないけど、やるしかないだろうなぁ」
ヴォルギス「消し飛ばしてしまっても問題ないんだろう?」
ズミ「ああ、いいよ。消し飛ばないタイプの敵だから」
ヴォルギス「ほう、というと?」
ズミ「俺が今、最も会いたかった人物だよ。まさかこんなに早く会えるとはなぁ」
夜風に晒されながらゆっくりと近づく人影にタチキとキャノンの手に汗が滲む。
しかし現れたのはまだ若い少女だった。
キャノン「おい、小娘だぞ」
ズミ「ん?そうだよ」
タチキ「おいおい、ズミ君。ここで君の性癖なんて聞きたくないんだよ」
ズミ「お前らなぁ、舐めてたら死ぬよ?とりあえずキャノン、どデカいの撃ってくれる?」
キャノン「いや、、、でもよぉ」
そうこうしているうちに少女が驚いて声を上げた。
「どうしてこんなところに戦車があるの?あの化け物達はどこに行ったのよ!!ま、おかげですんなりお城に入れそうね」
少女は戦車を横切ろうと近付いてくる。
ズミ「キャノン、撃て」
キャノン「まだ敵かどうかも分からないだろ」
ドガーーーン!!!!!
大型戦車をも一撃で沈める戦車砲を撃ち込んだのはヴォルギスだった。
ヴォルギス「これで良いんだろ?戦友よ」
ズミ「ああ、ここからだよ」
土煙の中、チェーンソーの音が響き渡る。
チェルシー「痛いわね!!!!その戦車は敵ってことね!!先生は敵をいち早く察知して城に戻った。置いていかれて腹が立ったけれど認めるわ。私の先生はやっぱり凄い!!」
ヴィィイイイイイ!!!!
チェーンソーの音と共に飛び出してきた少女の周りには巨大な血で出来た赤い槍が旋回している。
ズミ「くるぞ~タチキ!!」
タチキ「あいよ!!!!」
巨大な戦車が二つ、チェルシーを避けるように動き出した。
ヴォルギス「はっはっは!!!この巨体でこの動き!!兵役時代より上等な戦車だよ、こいつは」
チェルシー「こいつらを仕留めるのが私のミッションね。分かってきたわよ、先生!」
チェルシーが巨大な血の槍を二両の戦車へと放つ。
ヴォルギス「あんなもの、この上等な戦車に刺さるかぁ?」
無線からヴォルギスの笑い声が聞こえる。
ズミ「油断するなよヴォルギス。俺が思っていたよりも、大変な戦いになりそうだ」
ヴォルギス「確かに、不意打ちのあの砲撃を防いだ強者だからな」
ズミ「いや、あの子は防いだんじゃなくて。受けて粉々になったんだよ」
ヴォルギス「どういうことだ?」
ズミ「そうだなぁ、俺の上位互換とでも言うべきかぁ」
ヴォルギス「なるほど」
タチキ「おいおいおい!!だとしたらどうやって倒すんだよ!!あんなゾンビ」
キャノン「撃っても意味ないんだろ?」
ズミ「ああ、意味ない」
ヴォルギス「何か策はあるのか?」
戦車は血の槍を避けながら大きく旋回した。
ズミ「一旦動きを止めるしかない。ヴォルギス、俺が渡したあれを使うんだよ」
ヴォルギス「あれは身体に直撃させなきゃダメなんだろ?」
ズミ「そうだ、だから慎重にいく。ヴォルギス、キャノン、砲撃を続けろ」
キャノン「意味ないんだろ?勿体なくねぇか?」
ズミ「フラグを立てるのさ」
ズミがニヤリと笑った。
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