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最終章 彼女の願った結末と彼の望んだ結末

海からの死者と未来からの使者

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 「ハハハ! この程度か! それでは朕の牙を取るなど叶わぬぞ!」

 ヒビの入った牙の首を守るように七ツの首が百鬼夜行の男たちの攻撃を防ぐ。

 「ちょっと! いつまで遊んでるの!? あんなヤツら一気にやっちゃいなさいよ!!」

 よじよじとコタマモが傷ついた牙の首の後ろに登り、己の瞳と八岐大蛇ヤマタノオロチの瞳を合わせる。
 八岐大蛇ヤマタノオロチの八ツの首の瞳が、鬼灯色から深紅へと変わった。
 
 「よかろう! 遊びは終わりだ!」

 八ツの首全てが咆哮し、その圧で百鬼夜行の男たちは一瞬、身を固くする。
 かつてない妖力ちからの高まりに黄貴こうきは背筋がビリッっと震えるのを感じた。

 「『みなのもの! 逃げろ! 赤津波が来るぞ!』」
 「赤津波ってなんだよ!? ロクなもんじゃねぇって気がするけどよ」
 「父上の必殺技! 身体から鉄を含んだ赤い水を大量に、陸に津波が起こったかのように産み出す妖術わざだ! 飲み込まれれば命はない! 飛べる者につかまれ!!」

 黄貴こうきはそう言って空を見るが、そこには天狗と黒龍が舞うのみ。

 「『くっ!? 一度、引け! そして少しでも高台へと逃げよ!!』」

 必死に叫ぶ彼の声が、これから起きる赤津波の恐ろしさを物語っていた。
 それだけではなく、今までのが本当に遊びであったかのように肥大する八岐大蛇ヤマタノオロチ妖力ちからに一同は近場の丘を目指して走り始めた。

 「キャッハハッ! 逃げ切れると思ってんのぉ~! パパやっちゃって!」
 
 ドドドドドドと大地を揺らす音が聞こえ、八岐大蛇ヤマタノオロチの#胴体の下から土煙が上がったかのように見える。
 だが、数秒後、その認識が間違いだと皆が気付いた。
 土煙ではない、土煙のように舞い上がるほどの高さの水が溢れ出したのだ。

 「ひぃぃぃぃぃ~!! あんなの反則だ!」
 「早く、早く私の背に!」

 仲間を助けようと地面に降りた黒龍の背に何体もの”あやかし”が殺到するが、津波の速度は全員が乗るのを待ってくれない。
 それ以前に、全員が乗れるほどの搭載量も無かった。

 「あっ!?」

 そんな時、逃げる百鬼夜行のひとりが石に足を取られ、地面にズベッと転ぶ。

 「ホリくん!!」

 転んだのは第七十一の物語、置行堀おいてけぼり
 その正体は”あやをかし学園”の紫君しーくんのクラスメイト。
 
 「お、おいてけぼりにしないでポーーーン!!」
 「待って! 今ボクが!!」

 友達を助けようと紫君しーくんは逃げる百鬼夜行に逆走するが、他の”あやかし”に阻まれて戻れない。

 「黒龍! 俺をあっちへ投げ飛ばしてくれ!」
 「赤好しゃっこうさん!? 何を!?」
 「いいから早く!!」
 「はいっ!」

 黒龍は背に乗る赤好しゃっこうをムンズと掴むと、それを紫君しーくんの所へブンと投げる。

 「見えた! ここが幸運の場所さ!」

 彼の目には見えていた。
 この状態で生き残れるポイントが。
 それは紫君しーくんのそば。

 「みんな逆だ! 紫君しーくんの近くに集まれ! そこなら助かる!」

 ポン♪ ポロロン♪ ポロレポポポ♪

 赤好しゃっこうがそう叫んだ時、ゴゴゴという地を揺らす音とは違う、琴の音が丘から流れてくる。
 音の主は三尾の狐、ミタマ。
 いつもはたおやかやかな音を奏でるその指が、今は勇ましい音を奏でていた。

 「ふふふ、第九十八の物語、楊貴妃こと九尾の分体、覆面吟唱三友狐ふくめんぎんしょうさんゆうのきつね御霊ミタマ。今宵は激しく参りましょう!」
 
 ズチャ♪ ズチャ♪ ズチャチャ♪
 ズチャ♪ ズチャ♪ ズチャチャ♪
 ドントゥルルル♪ ドントゥルルルル♪

 「……これは軍歌!?」
 「こんな時になんでだよ!? いや……そうか!! 手前ら! 赤好しゃっこう兄の言う通りだ! 紫君しーくんの近くに集まれ! 死にたくなかったらよ! 紫君しーくん! 頼まぁ!」
 「わかった!」
 「ひぃぃぃぃ、もうダメだポン!」

 水は既に置行堀と紫君しーくんの下に到達し、その身体は押し流されようとしていた。
 だが、そんな中でも少年は冷静に唱え始める。
 魂を導く歌を。
 
 「きらめく天の輝きよ、一途な願いの魂よ、この地に集いて助けたまえ」
 「想いの果ての終焉しゅうえんよ、遠き海の深淵しんえんより、今こそ物語に集いて果たせぬ願いを……」

 小さな光点が集い、この地に満ちた、導かれた魂が形を取り始めた。

 「叶えたまえ!!」

 その言葉が紡がれた時、津波に飲まれていた百鬼夜行たちの身体が上昇を始めた。

 「お、おい!? 地面が盛り上がっているぞ!?」
 「いや、これは地面じゃない!? 鉄の床!?」
 
 ザバババババババ───
 
 赤い水を舳先へさきから滝のように落としながら、は姿を現した。

 「……あれは”若葉”!! 佐世保生まれの佐世保育ち! 第二一にじゅういち駆逐隊!!」

 パッパパパレパパー♪
 パッパパパレパパー♪
 
 ラッパの音が鳴り響き、甲板に立つのはズボンとランニングの水夫と、軍服の男たち。
 七王子の三名、緑乱りょくらん橙依とーい紫君しーくんはその姿に見覚えがあった。
 かつて、佐世保で彼らが羊羹やおもちゃなどを大量に捧げた相手。
 太平洋戦争で船と共に海に沈み船幽霊となった彼らは、今、ここに導かれた。
 沈んだ船と共に。
 百物語のひとつとして。

 「0330まるさんさんまる! 第四十五の物語! 船幽霊! 駆逐艦”若葉”と共に参集致しました!!」

 そして、立ち並ぶ船幽霊の中で、ひときわ威厳と格調を備えた男が八岐大蛇ヤマタノオロチを指差し号令をかける。

 「目標確認! 全速前進! 護国の一戦ここにあり!! いざ、ゆかん!」
 「「未来を守るために!!」」

 赤い鉄の津波を突き破って、鉄の船は進む。
 その果てにある未来の少女を救わんと。

◆◆◆◆

 「……初春はつはる型駆逐艦三番艦若葉。全長109.5m、排水量1680トン、そして主砲は!」
 「「「安心安全の標準設計! 五十口径三年式十二センチ七砲! てーっ!!」」」

 ドンッ!!

 大気を揺らし、霊基を震わし、ここにない、かつてあった、帝国海軍駆逐艦の標準主砲が八岐大蛇ヤマタノオロチの巨体を揺らす。

 「グッ!? グァァァァァ!!」

 今まで百鬼夜行のどんな攻撃にも余裕を絶やさなかった八岐大蛇ヤマタノオロチが、初めて悲鳴を上げた。

 「効いてる! 効いてるぜ! このまま攻撃し続けりゃいけるかもしれねぇ!」
 「そう上手くはいかないでしょう。父も本気を出したようです」クイッ

 ザブンと身体を海面に埋め、八岐大蛇ヤマタノオロチの黒い影だけが水面に浮かぶ。
 そして、あの巨体からは信じられぬ速さで船幽霊の上の百鬼夜行に迫って来た。

 「第二門! て───っ!!」

 ”若葉”より放たれた砲弾が黒い影の上で水柱を上げるが、赤い水の防壁のせいかその速度は衰えない。

 「くそっ、どうする!?」
 「私に良い考えがあります。父の口を開きヒビのある牙へ一撃加える案が」クイッ
 「よしっ、その策でいこう! 蒼明そうめい、指示を!」
 「良いのですか!? 私の思い付きのような案で!?」

 即座に決断した黄貴こうきの声を聞いて、蒼明そうめいの顔が少し驚きに変わる。

 「兵は拙速せっそくたっとぶ。我は蒼明そうめいの知性を信じているゆえにな。それに王ならば即決即断! これでよしっ!!」
 「流石です、兄さん! ならば、ここは逆に吶喊とっかんです!! 私は船首に、他の者は後方に!!」
 「取り舵いっぱい、ヨーソロー!」

 戦場に身を置いた経験からか、船幽霊たちは蒼明そうめいの指示を受け、即座に行動を開始した。

 「ぶつかるぞ! 『総員、衝撃に備えろ!!』」

 黒い影が船体の眼前に迫り、百鬼夜行は艦の後方で身構える。
 だが、その衝撃は想定より遅れた。

 ザバァ!!

 八岐大蛇ヤマタノオロチが水面から飛び出し、その巨体で艦を上から叩き潰そうとする。

 「そう来ると思っていましたよ! この尖った舳先へさきに衝突するのは嫌でしょうからね!!」

 迫りくる八岐大蛇ヤマタノオロチの巨体を蒼明そうめいはガシッと受け止め、腕と全身に力を込める。
 
 「くっ、こっ、これくらい! 強き私なら!!」

 膝が曲がり、腕だけでは支えられず、首と背中は巨体に押しつぶされそうになる。
 船体が前に傾き、ゴンと船首の底が大地に当たる衝撃が生まれた。
 するとどうなるか?
 現代に生きる者なら誰でも知っている、経験がある。
 自転車や車で前輪に急ブレーキをかけるとどうなるか。
 答えは”前のめりに”。

 「ここですっ!!」
 
 蒼明そうめいはその全ての妖力ちからと力を使い八岐大蛇ヤマタノオロチの巨体を持ち上げる。
 顔は平静とは程遠く、腿も膝も腕も限界で、だが、彼は決して屈さなかった。

 「これが強き私の姿です!!」

 遠くで応援している仲間を、ここには居ない未来の大切な人の姿を心に浮かべ、彼は父を持ち上げ、そして跳ね上げた。
 そして、その顔面には艦の船尾が迫る。
 百鬼夜行を乗せた船尾が。
 当然、八岐大蛇ヤマタノオロチの首の大半は最も巨大な船体を受け止めようとする。
 人間サイズの”あやかし”などに構ってはられないから。
 そして、傷ついた牙を持つ首は受け止める首の中には含まれない。
 傷をかばうのは本能であるから。
 百鬼夜行の群れは見つけた。
 この混乱の中で目指すべき首を。

 『あの首だ! 一斉に攻撃!!』

 今や、垂直に切り立った甲板を蹴り飛ばし、百鬼夜行の群れが八岐大蛇ヤマタノオロチの首の横をすり抜け、牙に迫る。
 その先頭に立つのは藍蘭らんらん
 
 「アタシの太極の権能ちからで、パパの牙を陰と陽に分断してあげるわ!!」

 太極は万物の根源、ここから陰陽が、生と死が生じる。
 その権能ちからなら、入ったヒビを中心に牙を分かつことが出来るだろう。

 「させん!!」
 
 だが、歴戦の経験が、神代で最強の存在であった八岐大蛇ヤマタノオロチは悟っていた。
 絶対に百鬼夜行は傷ついた牙のある首を狙うだろうと。
 船体を受け止めた首は六ツ。
 八岐大蛇ヤマタノオロチはさらなる攻撃に備えるべき首を残していた。

 ゴッ!!

 最後の守りの首が砲弾のように藍蘭らんらんの胴体に叩き込まれ口から「ゴブッ」とくぐもった音が漏れる。
 
 「かかったわね」

 だが、藍蘭らんらんは父の首をガシッと掴み、その権能ちから使う。
 活殺自在の能力ちからを。
 普段なら彼はそのダメージを殺しただろう。
 だが、今はその逆。
 彼は自らをおとりとして、その首の勢いを

 「何ッ!? 勢いが止まらぬ!?」

 最後の守りの首は藍蘭らんらんを連れ、本来あるべき位置から外れた。

 「今だ! 父の下へ架かれ! 光の橋!」

 百鬼夜行といえども空中戦は不得手、攻撃するには足場がる。
 それを補う最後の一手が赤好しゃっこうの架橋の権能ちから
 空中に架けられた橋を彼は進み、父の、八岐大蛇ヤマタノオロチの口へと突撃する。
 もはや、牙を守るのは閉じた口のみ。
 
 「うぉぉぉぉぉ! 喰らえ親父!!」

 閉じた口の隙間に赤好しゃっこうの拳がズボッっと入り込む。
 彼は理解していた。
 こんな時、彼の愛する女性ひとなら、意外性の塊のような人間ひとならどうするかを。
 そして持っていた。
 この場に相応しい幸運の道具ラッキーアイテムを。

 「グッグギャアアアアアアアア!!」

 駆逐艦の砲弾の直撃を受けた時よりも悲痛な叫びが白み始めた夜空にこだまする。
 
 「どうだい親父! あの激辛耐性持ちの珠子さんですら『これはヤバイ』と言ってた”ウルトラデスソース”の味はよ!」

 彼が拳に握りしめていたのは小さめの瓶。
 口内でばら撒かれたその中身は”ウルトラデスソース”。
 ハバネロやジョロキアといった激辛唐辛子を使っていること有名な”デスソース”の中でも最上位の一品。
 ちなみに、”ウルトラデスソース”の辛さを表す指標、スコビル値は約117万。
 通常のタバスコは約2千、その約500倍である。
 そして橋を続く百鬼夜行の群れが開いた口に殺到する。

 第三の物語”河童”の怪力が、第十七の物語”鉄鼠”の爪が、第二十四の物語”樹木子”のつたが、第三十五の物語”朱雀門の鬼”の剛腕が、第六十四の物語”馬鹿むましか”のバカぢからが、そして……。

 「第九十四の物語! 温羅うら!! 我輩の渾身こんしんの一撃を受けてみよ!!」

 丸太ほどもある金棒が牙とガキン!!と音を立て、ヒビは裂け目となった。
 だが……

 「折れないだと!?」
 
 考えうる限りの最強の連撃を受けても尚、その牙は健在だった。

 「惜しかったな、だが、もう終わりだ!!」
 「いやっ、まだだっ!」

 閉じようとする八岐大蛇ヤマタノオロチの口に赤好しゃっこうは再び橋を架け、そこに拳で一撃を加える。
 しかし、彼は妖力ちからも力も非力、牙の裂け目はビクともしない。

 「『逃げろ赤好しゃっこう』!! 口が閉じるぞ!!」

 だが、兄の権能ちからある言葉を聞いても、上下から迫る口蓋こうがいを見ても、赤好しゃっこうは微動だにしない。
 まるで、ここにいることが最善だといわんばかりに。

 ザシュッ!!

 彼の脇腹が牙で深くえぐられ、その身体が閉じた口の端からダランと垂れ下がった。
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