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二、人間界の暮らし
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夜中、尊は喉が渇いて目を覚ました。
安い布団でも今日は暖かい。
拾った子犬が布団に潜り込んできて、丸くなって眠っているからだ。
可愛い黒い毛並みを撫でた後、喉を潤す為そっと布団から抜け出した。
冷蔵庫からペットボトルのお茶を出し、コップに注いで一気飲みする。
ポメ、布団に潜り込んでいて大丈夫だろうか。犬を飼ったことがないから息が出来ているのか不安だ。コタツにも潜り込んでいたけど、犬ってそういうものなんだろうか。
ケージとか寝床とかトイレとか、ちゃんとした犬用のグッズを揃えた方がいいよな、とそこまで考えて尊は苦笑する。
俺、すっかり飼う気になってるよ。飼い主がいるかもしれないのに。
頭だけでも出してやろうと寝室に戻り、暗闇の中に立つ何かを見つけて文字通り彼は硬直した。
二本足で立ったそれは、まっ黒い服を着た何か……暗闇の中では三歳くらいの子供に見えた。もちろん人間の。
何で子供が……と回らない頭で彼は思った。
肩までの黒い髪をした子供は、布団の上に突っ立ったままこちらを向いていた。暗くて表情までは分からない。
そして唐突に口を開いた。
「ふはははは!ひれふすがいい、にんげんめっ」
舌っ足らずに何か話すと、そのままばたりと布団に倒れ込む。
驚きすぎて尊の思考回路はしばらく停止していた。
ようやく思いついたのは、寝る前に部屋の鍵をちゃんと閉めたのだろうか、という事だった。
玄関に行き、鍵が締まっているか確認する。安い鍵だけど一応締まっていた。
窓も確認する。開いてない。
じゃあ何で子供がいるんだ?
最初からいたのか?どこかに隠れていたとか。
とにかく子供を家に帰さないとまずい。誘拐や監禁だと判断されたら人生が終わる。
「お、おい、お前……どっから入ったんだ?」
恐る恐る布団に近づいて声をかける。
「……え?」
そこに人はいなかった。
いたのは黒い子犬だ。
「……あれ?ポメ?」
ごしごし目をこすっても、相変わらず子犬が丸くなって寝ているだけだった。
安い布団でも今日は暖かい。
拾った子犬が布団に潜り込んできて、丸くなって眠っているからだ。
可愛い黒い毛並みを撫でた後、喉を潤す為そっと布団から抜け出した。
冷蔵庫からペットボトルのお茶を出し、コップに注いで一気飲みする。
ポメ、布団に潜り込んでいて大丈夫だろうか。犬を飼ったことがないから息が出来ているのか不安だ。コタツにも潜り込んでいたけど、犬ってそういうものなんだろうか。
ケージとか寝床とかトイレとか、ちゃんとした犬用のグッズを揃えた方がいいよな、とそこまで考えて尊は苦笑する。
俺、すっかり飼う気になってるよ。飼い主がいるかもしれないのに。
頭だけでも出してやろうと寝室に戻り、暗闇の中に立つ何かを見つけて文字通り彼は硬直した。
二本足で立ったそれは、まっ黒い服を着た何か……暗闇の中では三歳くらいの子供に見えた。もちろん人間の。
何で子供が……と回らない頭で彼は思った。
肩までの黒い髪をした子供は、布団の上に突っ立ったままこちらを向いていた。暗くて表情までは分からない。
そして唐突に口を開いた。
「ふはははは!ひれふすがいい、にんげんめっ」
舌っ足らずに何か話すと、そのままばたりと布団に倒れ込む。
驚きすぎて尊の思考回路はしばらく停止していた。
ようやく思いついたのは、寝る前に部屋の鍵をちゃんと閉めたのだろうか、という事だった。
玄関に行き、鍵が締まっているか確認する。安い鍵だけど一応締まっていた。
窓も確認する。開いてない。
じゃあ何で子供がいるんだ?
最初からいたのか?どこかに隠れていたとか。
とにかく子供を家に帰さないとまずい。誘拐や監禁だと判断されたら人生が終わる。
「お、おい、お前……どっから入ったんだ?」
恐る恐る布団に近づいて声をかける。
「……え?」
そこに人はいなかった。
いたのは黒い子犬だ。
「……あれ?ポメ?」
ごしごし目をこすっても、相変わらず子犬が丸くなって寝ているだけだった。
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